2007年2月アーカイブ
Thu
01
02
2007
![]() | Richard Strauss: Daphne Hans Braun、 他 () Deutsche Grammophon この商品の詳細を見る |
Fri
02
02
2007

三度目の「江戸切絵図貼交屏風」に、予想以上に強い感傷を抱かざるを得ません。「江戸切絵図貼交屏風」には、藩の犠牲になった男と女の哀切な物語が収められています。藩は、人間の集合する組織なのですが、一方で非人間的な側面を持つ組織なのであり、その存立のためには犠牲をも厭わない非情な側面を持っています。そうした側面は、現代社会においては国家組織や企業において、まるで合わせ鏡のようにみることが出来ます。「江戸切絵図貼交屏風」において、組織に翻弄された男と女は、心中を図り、仇討ちを果たすがために放浪を続けます。現代社会では、仇討ちは禁止されていますし(江戸時代は国家公認の制度でしたが……)、心中などという話も、あまり聞くことはありませんが、それでも、家族を舞台にした殺人事件や、DVなどには、硬く無機質な社会や組織に弄ばされ、傷ついた人々の哀切な叫びが隠されているような気がしてならないのです。「江戸切絵図貼交屏風」で繰り広げられる哀憫な物語は、現代を写す鏡なのであって、だからこそ、一編一編を読み終わった後に訪れる憂愁な気分がアクチュアルな意味を持ってくるのです。
辻邦生「江戸切絵図貼交屏風」の続きを読む
![]() | Strauss;Four Last Songs Richard Strauss、 他 (1997/07/01) Deutsche Grammophon/Special Im この商品の詳細を見る |
![]() | Richard Strauss: Daphne Georg Monthy、 他 () Preiser この商品の詳細を見る |
![]() | R. Strauss: Der Rosenkavalier/Four Symphonic Interludes/Introduction And Moonlight Music/Salomes Tanz Richard Strauss、 他 (1994/02/15) Deutsche Grammophon この商品の詳細を見る |
![]() | Wagner: Tristan und Isolde Kurt Moll、 他 (1990/10/25) Deutsche Grammophon この商品の詳細を見る |
Tue
06
02
2007
![]() | シークレット・ストーリー パット・メセニー (1992/07/22) ユニバーサルインターナショナル この商品の詳細を見る |
Wed
07
02
2007
![]() | 黄昏の古都物語 辻 邦生 (1992/07/31) 有学書林 この商品の詳細を見る |
美に魅入られるとは、その奴隷になることです。でも、それは、官能の甘い酩酊ゆえに、すべてを売り払った疚しさに似た気持を感じさせます辻邦生「黄昏の古都物語」有学書林、1992年、214頁
「詩人というのは二重の存在さ、生れつきね。曖昧なところがあるから、健全な人たちには煙たがられる。ところが、詩人ときたら、大人のくせに子供。知っていて、何も知らない。泣いていて、笑っている」辻邦生「黄昏の古都物語」有学書林、1992年、258頁 それにしても、セーヌの河底に列車を沈めるとは、なんという想像力なのでしょうか! 感歎してやみません。 それから、この短編集に収められた「サラマンカの手帖から」は、何十回と読み直している短篇ですが、今日もまた読んでしまいました。いつ読んでも、思うところがあります。僕にとって理想の短篇と言ってもいいと思います。「サラマンカの手帖から」については、また書いてみたいと思います。 辻邦生
今日聴いた音楽。
ショルティのマーラー交響曲第8番です。小さい頃からのお気に入りです。このCDすり切れるぐらい聴いて、ほとんど覚えてしまいました。ルネ・コロさんのテノールが美しいです。他の盤だと、テンシュテット盤が良いといいますが、数年前に聞き比べてみたところ、僕はショルティ盤のほうが好きでした。今聞き比べると違う答えになるかもしれません。
ブラームスの三重奏曲は、デュメイとピレシュを愛聴しています。はじめて聴いた若い頃のことを想い出して、懐かしい感じです。特に第一楽章、午後の木漏れ日を浴びながら青々とした草地に上向きになって寝ている感じです。そういうことを想像しながら聴くと、慰めて貰っているような気になってきます。
![]() | マーラー:交響曲第8番 ショルティ(サー・ゲオルグ)、ウィーン国立歌劇場合唱団 他 (1999/06/02) ユニバーサルクラシック この商品の詳細を見る |
![]() | ブラームス : ピアノ三重奏曲 第1番ロ長調 デュメイ(オーギュスタン),ワン(ジャン) ピリス(マリア・ジョアン) (1996/03/25) ユニバーサルクラシック この商品の詳細を見る |
Sun
11
02
2007
昨日は、ダフネを見に行きました。一幕形式で所要時間は1時間45分でしたが、あっという間に終わってしまった感じがします。本当に楽しめました。
くわしくはこちらも。二期会のページです。
http://www.nikikai-opera.or.jp/richard_s.html
ダフネ役の釜洞さんは、序盤では少々調子が悪かったようですが、終盤にかけてだんだんと声が熟してきた感じでした。本当に巧い方です。数年前の「インテルメッツォ」もすばらしかったのですが、今回も本当に力が入っていらしたと思います。
アポロ役の福井さんもすばらしかった。倍音が豊かな声は、欧米人のそれのようです。本当に安心して聴くことができました。
オケも良かったと思います。時に、弦と金管のバランスが崩れそうになる場面もありましたが、豊かにうねる弦や、金管の力強いファンファーレなど、うまくまとめていたと思います。
今回は、指揮者の若杉さんの指揮がよく見える席だったので、音楽を聴きながら振り方をじっと見ていました。ダフネは、四拍子と三拍子が混交し、時にテンポ取りが倍になるなど、とても複雑な拍子を取っているのだなあ、ということがわかりました。スコアをみるともっと興味深いのではないかと思いました。
今回の舞台ではダンサーが5人加わっていたのですが、すばらしかったと思います。一緒に行った家人に言わせれば「振り付けはありがちだと思うけれどね」ということでしたが、あまりバレエや舞踏を見ない僕にとっては斬新で興味深いものに思えました。
客席も9割方埋まっていて、盛況でした。おかげで終幕後のクロークの混乱には閉口しましたが……(というより、意見を言おうかな、とおもって、喉まで言葉が出かかったのですが、クレーマーになるのはいやだったのでやめておきました。一年前の僕ならきっとなにかしら言っていただろうな……)。そもそも東京文化会館のクロークの設置位置が悪いという問題もありますので、仕方がないとは思いますがね。それにしても、いい身なりの紳士淑女が列に割り込み、涼しい顔をしているのをみると、暗澹たる気持ちになりますね。そうした人間模様を観察できるのも「オペラならでは」なのですけれどね。
ダフネ
シュトラウス
二期会
Mon
12
02
2007

今日もお休みでした。ありがたいことです。 午前中は、リヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲を、ケンペ指揮で聴きました。このEMI廉価版全集シリーズ、本当に重宝しています。 ですが、悔しかったことも。この廉価版全集が出る前に、ABQのベートーヴェン弦楽四重奏全集を買ってしまったのですよ……。もう3年待っていれば安く手に入れられたのに、と言う感じです。 久々に聴いた「家庭交響曲」「英雄の生涯」「ドン・ファン」を楽しみました。家庭交響曲ってこんなに良い曲だったんだ、と感心しました。それから、家人に「「英雄の生涯」って、シュトラウス自身を英雄に見立てて居るんだよ」と教えてあげると「シュトラウスのイメージかなり損なわれたわ。そんなナルシーな人なんだ……」とあきれられたり……。いや、ナルシストだったからこそ、そして妻パウリーネに激しく叱咤され一生懸命努力をしたからこそ、リヒャルトは、後世に名を残す大作曲家になったのです! この世の中というものは、行動に移した者こそ勝利を収めるのです。もちろん、そこに才能が介在するのは言うまでもありませんが。
Tue
13
02
2007

昨週の土曜日、「ダフネ」を上野の東京文化会館で見たわけですが、東京都区内で午前中の用事を済ませたあと、「ダフネ」の開演まで時間がたっぷりありました。半分は喫茶店で本を読んでいたのですが、残りの半分は、僕の大好きな国立西洋美術館に行ってきたのです。 僕は、あまり該博な知識を持ち合わせてはいないにもかかわらず絵画を見るのが大好きです。二年に一度ぐらい行く欧州旅行での愉しみというものが、当地の美術館に行って、ルネサンス以降の西洋絵画をみることである、といっても過言ではありません。 とはいっても、海外に行かなければ西洋絵画の一品を見られないというわけではありません。上野の国立西洋美術館には、驚くべきことに西洋絵画の名品がいくつか収められているのです。そのことを知ったのは五年ほど前でしょうか。それ以来、僕のお気に入りの東京スポットの一つとなっています。一年に一度ぐらい訪れて、馴染みの絵を見ながら心を癒しています。 特に大好きなのが、クロード・ジュレや、リべーラ、ティエポロなど。エル・グレコやジョシュア・レイノルズもありますし、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、ピサロもあります。 というわけで、土曜日に行った国立西洋美術館では刺激的な出来事がありました。二〇〇五年に新た収蔵された作品がいくつか展示されていたのですが、心に残ったの作品が二枚ありました。ヤコブ・ヨールダンス「聖家族」と、ギュスターヴ・ドレの「ラ・シェスタ、スペインの思い出」の二枚です。 ヨールダンスの「聖家族」は、ヨセフとマリア、幼子イエスの三人が画かれた作品。暗い背景は、一瞥すると黒一色に思えるのですが、実はバラ色の払暁の光が見えています。マリアの物憂げな表情。マリアの表情は、確かに物憂げなのですが、どこか諦念を感じさせるような素っ気なさも持っています。まるでこれから起こることを予感しているようにも思えるのです。イエスは幸福そうに笑い、何かを指さしています。マリアとイエスの表情のコントラストと言ったら! そして、マリアの素朴な美しさと言ったら! 絵の前をしばらく動くことが出来なかったぐらいです。 同じく、虜になったのが、ギュスターヴ・ドレの「ラ・シェスタ、スペインの思い出」です。スペインのある街の貧民街。夏の暑い盛り。シェスタの時間ばかりは、この高い建物に囲まれて日当たりの悪い界隈ににも天頂から太陽の光が降り注いでいます。太陽の光は万人に平等に降り注ぐのです。日なたでは世間の汚れを知らない子供達が光のなかに佇んでいます。その周りの佇む大人達も、確かに世間の不条理に苦しんでいるのでしょうが、このときばかりは太陽の神々しい輝きの喜びに預かっているのでした。立ってこちらを見つめる若い女は、黒髪で優しいまなざしのなかにも意志の強さが見てとれます。子供を抱く女は、抱くこと自体を幸福に感じている様子。奥にはターバンを巻いた異国風の男が彼方を向いて立っています。手前に座る女の子は、どうやら、少女から女へと踏み出しはじめた頃のようです。 ギュスターヴ・ドレは、アルザス人で、ストラスブールの生まれだそうです。挿絵画家として有名とのこと。なるほどなるほど、と思っていたのですが、このあと、運命の力に畏怖を覚えるのでした。 僕が楽しみにしている、GoogleパーソラナイズドホームページのArt of the Dayというコンテンツがあります。毎日、日替わりで西洋絵画を見せてくれるコンテンツなのですが、なんと今日はギュスターヴ・ドレではありませんか! なんというシンクロニシティ。おそらくは神は存在するでしょう!、と思わずには居られません。また近々国立西洋美術館に行って、感動の追体験をしたいと思わずには居られないのでした。
Wed
14
02
2007
![]() |
| From DRESDEN REISE... |
![]() | マーラー:交響曲全集 ウィーン国立歌劇場合唱団、オムニバス(クラシック) 他 (1995/07/07) ユニバーサルクラシック この商品の詳細を見る |
美に魅入られるとは、その奴隷になることです。でも、それは、官能の甘い酩酊ゆえに、すべてを売り払った疚しさに似た気持を感じさせます辻邦生「黄昏の古都物語」有学書林、1992年、214頁 そして、聞いた感想はこんな感じです。 「夜のウィーンを一人で歩くと、確かに国立歌劇場からシュテファン大聖堂むかって進むケルントナー通りは、商店のショーウィンドウから照らされる光に煌々と照らされていて、人通りも多く、それもウィーン人はもちろんのこと、ロシア人、稀に日本人の団体客、韓国人、中国人の団体客が歩いているわけで、ほとんど昼間と変わらない喧噪を感じるのだが、一歩横道にそれると、石造りの堅牢な建築に囲まれた石畳の細い路地が暗くどこまでも続いていているのだった。時々すれ違うのは、男と女がお互いにしなだれ合いながら歩いていく姿か、革のジャンパーを着た労働者風の口ひげを生やした男がポケットに手を入れて足早に歩いているぐらいだった。時折、光を路地へと投げかけているのは、女の姿態のカリカチュアを看板に仕立てあげた怪しげな映画館や。低音ベースが規則正しくリズムを紡ぐユーロビートが流れるバーの類だった。おそらくは、私のような異国人は居ないはずだった。この日の当たらない路地裏にこそウィーンの愛憎が満ちているに違いない。旅行者には決して理解することの出来ない悲喜劇が演じられているのだ」
Fri
16
02
2007
![]() | R.シュトラウス:ばらの騎士 トモワ=シントウ(アンナ)、ウィーン国立歌劇場合唱団 他 (1997/04/09) ユニバーサルクラシック この商品の詳細を見る |
![]() | さぶ 山本 周五郎 (1965/12) 新潮社 この商品の詳細を見る |
![]() | 闇の掟―公事宿事件書留帳〈1〉 澤田 ふじ子 (2000/12) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
Tue
20
02
2007
![]() | ワーグナー:さまよえるオランダ人 バレンボイム(ダニエル)、シュトルックマン(ファルク) 他 (2002/11/20) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
Wed
21
02
2007
![]() | Verdi: La forza del destino Giuseppe Verdi、 他 () Emi Classics この商品の詳細を見る |
![]() | 木戸の椿―公事宿事件書留帳〈2〉 澤田 ふじ子 (2000/12) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
![]() | Strauss;Four Last Songs Richard Strauss、 他 (1997/07/01) Deutsche Grammophon/Special Im この商品の詳細を見る |
![]() | Verdi: La forza del destino Giuseppe Verdi、 他 () Emi Classics この商品の詳細を見る |
![]() | モーツァルト:歌劇「魔笛」 デイヴィス(コリン) (2003/11/01) アイヴィー この商品の詳細を見る |
Mon
26
02
2007
今日は、久々に武満徹さんの作品を聞いてみました。
弦楽のためのアダージョです。20世紀末に(笑)良く聞いていました。この曲1957年なんですね。シュトラウスが亡くなって10年経たないうちにこの曲ですか、と言う感じ。音楽の進歩は早いです。
武満さんはウェーベルンの影響を受けたと聞いていますが、同じ新ウィーン楽派のベルグのことが気になって仕方がありません。
というわけで、昨日は、「ルル」の第一幕と第二幕を聞いていました。「ルル組曲」でおなじみの旋律が随所に登場しています。はじめて「ルル」を観たのは、BSでやっていたグラインドボーン音楽祭の模様。シェーファーさんの出世作ですね。DVDでも発売されています。
昨日は、「ルル」の第一幕と第二幕を聞いてみました。「ルル組曲」でおなじみの旋律が随所に登場しています。美しいのですが背徳の匂いが立ちこめているのがよく分かります。十二音音楽は神から禁じられた技法なのではないか、そんな想像が現実のものに思えてきてなりません。
![]() | ベルク:ルル ミゲネス(ジュリア)、ガル(アクセル) 他 (1998/12/02) BMG JAPAN この商品の詳細を見る |
![]() | ベルク 歌劇《ルル》全曲 グラインドボーン・フェスティバル・オペラ、シェーファー(クリスティーネ) 他 (2004/03/10) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
Tue
27
02
2007
![]() | ワーグナー:さまよえるオランダ人 バレンボイム(ダニエル)、シュトルックマン(ファルク) 他 (2002/11/20) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
Wed
28
02
2007
疲れに効く、癒し系クラシックを考えてみたいと思います。ただし僕的に癒されると思うクラシックです。読んでいる方も癒されていただければこれ以上の喜びはありません。
とりあえず、今日上げた曲をプレイリストにしてiPodに入れて会社に持って行こうと思います。お昼休みに聴けばすこしは気分も良くなるでしょう。
しつこいようですが、今の僕にとって、最後のよすがとなるのはこのCDなのです。カプリッチョの終幕、月光の音楽は癒し以外の何者でもありません。
それから、ドミンゴ氏の「誰も寝てはならぬ」。これを聴いて癒されたらゆっくり眠りましょう。
つづく
Richard Strauss Karl Böhm Bavarian Radio Symphony Orchestra Bayerischen Rundfunkorchester Anton de Ridder Arleen Augér David Thaw Dietrich Fischer-Dieskau Gundula Janowitz Hermann Prey
Deutsche Grammophon (2005/09/13)
売り上げランキング: 52260
Deutsche Grammophon (2005/09/13)
売り上げランキング: 52260
プッチーニ:トゥーランドット
posted with amazlet on 07.02.28
リィチャレッリ(カーティア) ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン少年合唱団 ヘンドリックス(バーバラ) ライモンディ(ルッジェロ) ホーニク(ゴットフリート) ニムスゲルン(ジークムント) アライサ(フランシスコ) パルモ(ピエロ・デ) ドミンゴ(プラシド)
ユニバーサルクラシック (1997/04/09)
売り上げランキング: 4349
ユニバーサルクラシック (1997/04/09)
売り上げランキング: 4349
































