アバド/ベルク「ヴォツェック」

うう、忙しくて更新できません。下書きは書いているものの、Weblogにアップできない。まずいですね。もっと効率的に動いていかないと。

今朝は、急にベルクのヴォツェックが聞きたくなって、第一幕第三場でマリーの幸福と不安の混ざり合った美しい歌を聴いていました。第三場では、冒頭で軍楽隊の行進が聞こえますが、これはもうマーラー的な世界。それが、マリーの台詞で一気に無調の世界へと色彩を変えていく。 マリーの台詞の焦燥感と切迫感、歌唱の流麗さと調性を踏み外す危うさ。たまりません。しかしながら、忙しいときや鬱気味のときにに聞くのは考えもの。心がかき乱されますので。

どうもヴォツェックのマリーと、軍人たちのマリーのイメージが重なり合って仕方がないです。ちと考えてみたいテーマですね。

シュトラウスのような美しいオペラも好きですが、ヴォツェックとかルルとか、不安をかきたてられるオペラも実は好きだったりするのですね、これが。ああ、こんなことなら、昨年、バレンボイム(場恋慕医務と変換された。笑えます)&ベルリンシュターツオーパーの「モーゼとアロン」を見ておくんだった……。もっと積極的にいろいろ聞いていこうと改めて思いました。

仕事場はトラブル続きで大混乱状態。直接の当事者ではないですが、玉突き的に私の仕事も膨らんでいるイメージ。まあトラブルなので仕方がないですが。

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旧約聖書物語を読む その2

あまりに忙しい。ここで道を誤ると大変なことになりそうなので、すばやく慎重にことを進めなければならない。自分だけならいいけれど、人が関わるととたんに難しくなるわけですが、まあ仕事というのは、そういうものです。

犬養道子さんの「旧約聖書物語」読み進めています。断片的に知っていた旧約のエピソードが体系化されて徐々に霧が晴れていくような気がします。 それにしても父なる神の厳しさといったら大変なものですね。砂漠の中から生まれた一神教の厳しさ。昔大学の一般教養の授業で、イスラエルの地は砂漠ばかりではないのだから、砂漠の一神教というのは違うのではないか、という話を聞いたことがありますが、この「旧約聖書物語」を読むと、やはり厳しい気候がゆえに育まれたのだなあ、というのが実感です。

しかし、音楽聴くのも、絵画彫刻を見るのも、旧約は外せないですね。サムソンとデリラとか、ダヴィデとゴリアテとか、エピソードを知らないと味わい方も違ってきます。今までの怠惰な自分が許せないですね。これからがんばります。 まあ、旧約の次には、新約があるわけですし、ギリシア神話ももう少し勉強しないといけませんし。

うーむ、やることがたくさんありすぎて楽しくなってきました(半分は本当で、半分はやせ我慢です)。

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シノポリの振る蝶々夫人

旅行明けで会社に戻ってみると、驚きの連続。良い意味でも悪い意味でも。早くイニシアティブを取り戻して行きたいですね。

今日はまたオペラの話題。

今年はプッチーニの生誕150周年となります。そういえば、お正月に見に行った「NHKニューイヤーオペラコンサート」でも、プッチーニの動画本邦初公開みたいなコーナがありましたね。

図書館で借りてきたシノポリの振る蝶々夫人、これがめっぽう面白いのです。第一幕を執拗に聞き込んでいます。それだけでも本当にすばらしいのです。

テンポが激しく操作されていて、実に楽しい。ここでこのテンポ? みたいな驚きの連続。でもそれでいてしっくり来るテンポ。僕のデフォルト盤であるカラヤン盤がそんなにテンポを動かさないので、そう思うのかもしれませんが。個人的にはテンポを動かす演奏が好きですので、いたく気に入りました。

シノポリのプッチーニといえば、「マノン・レスコー」を聞いたことがありますが、こんなにテンポ動かしていたかなあ、と思ったり。

ちなみに、ピンカートンを歌うホセ・カレーラスがすばらしすぎる。パヴァロッティのようなあらぶれたところもなく、ドミンゴのような甘さもないけれど、なんだか直情的で真摯に歌う感じですね。不品行なピンカートンには少し似合わないかも(そういう意味ではパヴァロッティはピンカートンにぴったりですが……)。でも好きなんですね、こういう声。ここまで一生懸命歌われるとこちらも心が動きます。ピンカートンのカレーラスは当たりです。

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実は今年もまた旅行してきました

なんだかお久しぶりな気がいたします。

実は、ちと旅行に行ってきました。昨年は10月にイタリアに行ったのですが、今年は諸般の都合により、ローマへ。17日に出発し、24日に帰国しました。すぐに再開したかったのですが、体調を崩したので更新が滞りました。17日~24日の記事は、旅行前に書きためていたものを順次自動更新しました。旅行の間中更新を止めるのはちょっと気が引けたもので……。でも、帰国してから更新できていないんじゃ仕方ないじゃない? という気もいたしますが。連載を持っている漫画家さん(作家さんでも良いのですが)の気持が少し分った気がします。

ともかく、いろいろとエキサイティングな旅行でした。ユーロ高ということもありましたし、肉体がぼろぼろになる苦行のような旅でしたが、いろいろと勉強になりました。また写真を載せたり、記事を書いたりしようと思います。

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舞台裏のこと

今日はちょっとこのブログの舞台裏のようなこと書いてみたいと思います。

いつMSBを書いているかというと、平日だと明け方が多いです。一旦Google NoteかMicrosoft Office Onenoteで下書きを書いてから、ブログにアップするという感じです。アップ時間はまちまちですが、最近は夜にアップできるようにスケジューリングしています。

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Microsoft Onenoteは、資料の整理や情報をストックするのに便利なアプリケーションです。不便なことはたくさんあって、どうにかして欲しいと思っていますが、それに勝る便利さ。やはり情報をただただ貯めていくという作業にはこのアプリを使うしかないかなあ、と思っています。読書カードや情報カードの代わりに使うことも出来ますね。ちなみに「不便なこと」とはVBAがついていなかったり、スケジューラとの動機がOutolookとしか出来なかったり、などなど。色々ありますので、また今度まとめて書いてみたいと思います。

ちなみに、検索が遅くて使えないなあ、と思っていましたが、Microsoft Desktop Searchを導入すると、なんとインデクス化されて検索が高速化しました。この検索速度なら実用に耐えうります。あとは、Google Desktop Searchでも検索ができると良いのですが、そこはなかなかうまくいかないです。

譜面を書くのは、Music Time Deluxe Version 3.5の英語版を使っています。昔、Version 3.1の日本語版を使っていたのですが、Windows XPでは巧く動かないので、USのページからダウンロード購入しました。慣れると結構楽しいです。

画像はフリーカットプリスクという画像のキャプチャツールを使って譜面部分をJPEGに落として添付しています。

画像処理はAdobeのPaintoshop CS2を使っています。これは高機能でとても使いやすい。まだまだ全機能を使いこなしているとは言えませんし、研究する時間もあまり取れないのですが、ロゴを作ったりするのは楽しいですよ。

画像ですが、基本的にはFlickrに投稿して、その画像をブログ上に貼付けています。ですが、Flickrの枚数制限(フリーアカウントだと200枚まで)に引っかかりましたので、枚数制限のないフォト蔵に乗り換えました。Picasa Web Albumに乗り換えようと思います。

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演奏者の紹介では、Microsoft Accessに貯めた演奏家情報を元に、Microsoft Excelにデータを移管してVBAでHTMLにコンバートしたものを使用しています。この方式を採り始めてから、ご紹介する演奏の奏者情報を正確に素早くアップできるようになりました。VBAやAccessは作り込みに少し時間がかかりますが、それ以降はずいぶんと省力化されましたので、一時の苦労を厭ってはならないなあ、と改めて思いました。

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お勧めの辻文學 その02 「サラマンカの手帖から」

何かに罪の意識を感じている男と女がスペインへの列車旅行に向かいます。それも旅行案内書に載らないような旅行をするために。灼熱のスペインの大地を走る気動車。フランコ政権下にあって政治的自由を失っているスペイン人達。線路工事をする兵士。

そうしてサラマンカに到着した二人はやはり旅行案内書に載らないような場末のホテルに部屋をとる。だが旅行案内書に沿わないようにしているはずなのに、いつしか旅行案内書に近付いている。

ホテルの物静かな主人。サラマンカの市場の熱気。揚げ油の匂い。ロマの娘の舞踏の情熱的美しさ。サラマンカの風物にあてられながら、 二人には徐々に生への意志が醸成されていきます。それは男の「僕たちにだって幸せに生きる権利がある」という言葉にも見て取ることができます。しかし、二人はサラマンカを去らなければならない。女は言います。

「それ以上のことをサラマンカに負わせるべきじゃないわ」

最終幕がすばらしいのです。このブログでも何度も紹介したかも知れません。そして個人的に何度となく励まされたことか。泥棒容疑で捕まった踊り子の娘が警察署から裸足で歩いてくる。オレンジを齧りながら。その躍動的な生命感と言ったら! そして、この言葉で小説は閉まります。

「オレンジを囓るんだ。裸足でね、そして何かにむかってゆくのさ」

 

初出:1972年文學界
辻邦生全集第8巻に所収
文庫:新潮文庫「サラマンカの手帖から」、講談社文芸文庫「城・ある告別」

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昨日に引き続きサーンボーン

またまた今日もサーンボーンのCDについて。クラシックブログなのに申し訳ないです。それから、最新動向もチェックしていない。オペラばかり聴いていたからそういうことになったのですが。

サーンボーンは、記憶に間違いがなければデュコフという強力なメタル製のマウスピースを使っているはずです。その音の良さが昨日になって初めて迫ってくる感じを覚えたのです。大きな音量では音が割れて激しい音がするのですが、小さい音量ではサブトーン的な柔らかい音がする。その音量だけではなく音色自体もダイナミズムを持っていて、聞いている者の心をえぐります。これがもう感動的に思えてならない。つい4年ほど前に買ったCDなのですが、その時は全く価値が分らなかったのですが、今となっては、どうしてこのすばらしさが分らないのだろう? と不思議に思うばかりです。昨日も少し書きましたが、音楽を味わうことのできる瞬間というのが何時訪れるのかは分らない。あのヴェルディの音楽もやはり理解するのに時間がかかったけれど、サーンボーンもやはり同じだったと言うことでしょうか。音楽というのはこうだからおもしろいです。音楽には限りませんが。

オペラを聴いてからサーンボーンを聞いて想った大きな違いは、ビブラートのかけ具合。オペラ歌手のビブラートの波長より長いということ。これがなかなかおもしろく味わいをもって聞こえてくるのです。それも大きな発見でした。

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久々にサーンボーンを聞く

久々にジャズの話題を。

僕は学生時代サックスを吹いておりました。最初はアルトサックスを吹いていたのですが、しばらくしてからテナーサックスをお借りしてブレッカーごっこを愉しんでいました。というのも、私が好きなサクソフォニストと言えば、ほとんどがテナーの奏者で要らしたからです。マイケル・ブレッカー、ボブ・バーグなどなど。一方、アルトサックスでは、高校時代に聞いていたT-SQUAREの影響で、伊東たけし氏が好きだったのですが、その後はアルトサックスを吹かれる方の音楽は余り聴いてきませんでした。あの御大デビッド・サンボーン氏も学生当時は余り好きではありませんでした。

しかし、今日になって改めて聞いてみると、この人ただもんじゃない、とおもいました。盛上げ方を本当に心得ていらっしゃる。美しいフラジオ音域の高音はきちんと制御されていてそのテクニックに舌を巻く。割れるような激しい音ながらも、バラードもちゃんと吹ける。

改めて、すごい方だなあ、と思い知った次第。やはり年齢に応じて好きな音楽というものはどんどん変わっていくものなのでしょうね。

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お勧めの辻文學 その01 「ランデルスにて」

ここのところ、塩野七生さんや犬飼道子さんの本を読んでばかりで、辻先生の本をあまり読めていません。それでも、先日は「モンマルトル日記」を散漫に読んで、自分を鼓舞してみたりしていましたが。 そこで、何冊か辻先生の本を紹介してみようかな、と思い立ちました。初めて辻先生の本をお読みになろうか、という方々をターゲットにして、何冊か紹介してみようと思います。

まずは、「ランデルスにて」という短篇から。この短篇は、私が読んだ二つ目の辻作品です。一つ目は「樂興の時 桃」でしたが、学校の図書館にあった短編集の中からランデルスにて、を読んだのがはじまり。これを読んでから、すっかり辻文學の虜になってしまい、今に至るわけです。

美しい北欧の女性と知り合う主人公。女性の気の毒な身の上話を聞かされ、同じホテルの隣同士に止まるのだが、そこに現れたのは……。

まず始まりがすばらしい。列車が北欧の駅を通過していく様子が、駅名の羅列で表される。これがもうなんとも異国情緒を書き立てるだけではなく、重苦しい北欧の冬の空気が本から流れ出してくるのですね。そうして一気に物語世界に飛び込んでいくわけです。 そして最後に突きつけられる宿屋の主人の言葉。この言葉にぐさりと来たのは、主人公だけではない。読み手の我々も匕首を突きつけられたような気分になります。そして終幕部もやはり、北欧の駅名の羅列……。くぐもった声で発音される北欧語が陰鬱な空気を醸成します。

この話、読み終わってからもズシンと何かが来るのですよ。人間とは、人の間でしか生きられないというのに、とかく自分のことだけを考えるもの。それも都合の良い解釈で。

  • 初出 1975年「風景」
  • 辻邦生全集第二巻
  • 辻邦生全短篇(2)
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