2009年7月アーカイブ
Wed
08
07
2009
大変ご無沙汰してしまいました。実は先週旅行に行っておりました。本当は海外に行きたかったのですが、新型インフルエンザ騒動で、頭の硬い旧時代的な我が社は、海外旅行の事実上禁止令が発動されておりまして、国内へ。以前から一度は行ってみたかった屋久島へ行っておりました。
旅行の様子はぽつりぽつりとこれから書いていこうと思いますが、最初にいきなり真打ちにご登場いただきましょう。縄文杉です。
想像を絶する幹周りをもつ縄文杉は、以前はいくつもの杉が合わさってできたものではないか、といった説も合ったようですが、最近DNA鑑定が行われて、合木説は消えたそうです。すべての枝のDNAがそろったとか。悲しいことに、縄文杉はあまりの人気でして、縄文杉観覧用の木製の大きなテラスができていたり、下草を切り払ったり、周りの木々も伐採したりしたようで人工的な劇場に鎮座しているようなイメージ。少し残念な気分でした。
屋久島は確かに世界遺産ですが、人の手が数百年前から入っている森でもあります。太い杉の木は、幕政時代までにほとんど倒されてしまったようです。宮崎駿監督が屋久島の森を見て「この森は病んでいる」とおっしゃったそうです。巨木はほとんどないから、というのが理由のようですが。
ではどうして縄文杉は伐採されなかったのか。幕政時代頃の杉の使い道は平木にして屋根を葺いたりするのに使ったようです。そのためには、筋がまっすぐな杉の木が必要でした。縄文杉は節くれ立っていて、筋も曲がっているので、使い物にならなかったのですね。ですからこれまで命を長らえているわけです。
ガイドの方に「縄文杉より巨大な杉があるという噂がありますが、あれは本当ですか?」 と尋ねてみました。するといとも簡単に「きっとあるでしょうね」とお答えになりました。まだまだ地元の人しかしらない巨木がどこかで眠っているなんてことを想像するとなんだかワクワクしてきました。
そんなことを考えながら、今日はヴェルディの「オテロ」をデル・モナコの歌唱にて。以前はロッシーニやヴェルディが実は苦手だったのですが、最近徐徐に近づけて行っている感じがあります。「オテロ」は新国の来シーズンのトップバッターでして、新国ではたしか数年前にも上演されています。私はそのときに実演に触れているのですが、正直いって理解できたという気分ではありませんでした。ところが、今日聞き直してみると、なんだか実に面白いのです。まだ語れるほどには聞き慣れていないのですが、これはちょっとこれからが楽しみです。
Sat
11
07
2009
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ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-16)
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とうとう新国の2008/2009年シーズンも終わり、オペラ的にはシーズンオフ。「修善寺物語」にはいけなかったのが口惜しいところですが。
今回のシーズンで一番すごかったのは、やっぱり「ワルキューレ」でしょうか。意外だったのは、これまで苦手としていたロッシーニ作品を楽しめたことでしょうか。「チェネレントラ」はすさまじかったです。
2009/2010年シーズンは新国11年目のシーズンです。舞台裏では新国も色々あるみたいですが、より一層すさまじい舞台を見せてほしいです。
ということで、2009年シーズンの冒頭を飾る「オテロ」を予習中。「オテロ」はたしか2002/2003年シーズンで演奏されたかと思います。でも、あの頃の私は、まだ「アイーダ」も知らず、「カプリッチョ」にも出会っていなく、「指環」も知らない赤子でした。まあいまも青二才ですが。
デズデーーモナは、ノルマ・ファンティーニさん。この方、凄いと言う噂をよく聞きますし、新国にも何度もいらしているはずなのですが、実演は今回が初めてです。楽しみ。イアーゴは、ルチオ・ガッロさん。「西部の娘」、「ドン・ジョヴァンニ」でおなじみ。今回も渋い歌声を聞かせてくれそう。
とはいえ、数年前からiPodに入っている、カラヤン&デル・モナコの「オテロ」を予習に、と聴いてみると……、マジですか! これはすごい曲で、すごい演奏だ、ということに気づきました。お恥ずかしい限り。デル・モナコのトランペット・ボイスはiPod+Quiet Comfort2で聴いてもすばらしい。ヴェルディの分厚く圧倒的なオーケストレーションが激しい音圧となって迫ってくるのには、会社の昼休みであることを忘れてしまうぐらい。すごいなあ、カラヤン。
実演が楽しみです。
Sun
12
07
2009
AMAZON:
東京創元社
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想像力が追いつかない
稀に見る壮大な話
SFならでは
宇宙論と恒星間飛行にまじめに取り組んだ作品。船内クルー達の生き様もまじめに描く
これこそがハードSF辻邦生師が好きとはいえ、あまりに他の本を読んでいないなあ、ということで、なんやかんやと手のつけられていない「夏の海の色」を傍らにおいて、ポール・アンダースンの「タウ・ゼロ」というSFを読みました。
SFは昔から好きだったのですが、ファウンデーションシリーズを読んだり、谷甲州さんの「航空宇宙軍史」を読んだりしましたねえ。他にもココには書きづらい読書歴もありますが。
「タウ・ゼロ」は、恒星間ラム・ジェットが、永遠に加速を続けたらどうなるか、という怖ろしい話でして、語られていることは非常に抽象的な宇宙論に基づくのですが、それを取り巻く人間模様などが綿密に織り込まれていて非常に面白かったです。50人の男女が恒星間探査を行うべくおとめ座に向かうのですが、事故で減速装置が壊れてしまうというアクシデントがもたらすものは、という話でして、恒星間植民の論点や、ウラシマ効果とか、ビック・バンとか、まあそれは壮大な話です。
これが書かれたのは1960年代でして、当時は実に斬新だったと思います。宇宙論は文系の私にはかなり厳しいわけですが、人間模様の機微は味わい深いです。
あとがきに怖いことが書いてありました。 「この本を試験前に読んではならない。そうした些細なことで人間は人生を踏み外すものである」 さもありなむ。人生を踏み外した私には良くわかるのであります。
Mon
13
07
2009
いよいよ、バイロイトですね。今年はネットラジオの録音ノウハウも得ましたので、エアチェックする気満々です。今年の演目と指揮者の面々はと言いますと。
- トリスタンとイゾルデ:ペーター・シュナイダー
- 指環:クリスティアン・ティーレマン
- パルジファル:ダニエレ・ガッティ
- マイスタージンガー:セバスティアン・ヴァイゲル
いやあ、25日はトリスタンで幕を開けるのですが、初っぱながシュナイダーさんとは。そして、イゾルデはイレーネ・テオリン。2008年の新国「トゥーランドット」で強きトゥーランドットを演じ、来季の新国リングでブリュンヒルデを歌うテオリンさんが、シュナイダーさんとイゾルデを競演とは! 垂涎。今年のバイロイトのトリスタンは絶対外せないです。
Fri
17
07
2009
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文藝春秋
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途中で止められず、夜を明かして最後まで読んでしまった!
読んで損なし、大奥エンターテイメント松本清張「かげろう絵図」読了。父から借りていたものをようやく読み終えました。というより、たしか日曜日から読み始めたのですが、上下巻合わせて昨日までに終わってしまいました。しかも上巻を読み終わってから、ハインラインの「夏への扉」も間に挟んで読了しましたので、「かげろう絵図」上下巻+「夏への扉」の三冊をかなりの読書スピードで読み終えまして、久々に高速道路を飛ばすような読書体験でした。ページをめくる速度は松本清張マジックにより加速度的に速くなり、読みながら心臓が高鳴ったり、爽快感を覚えたり、と実にエキサイティングな読書経験でした。こういう経験、久しぶりです。しかし、やっぱり松本清張は巧すぎます。描写視点を微妙にダブらせてみたり、主人公に思いがけない言葉を吐かせたり、手厚い描写がもたらす充溢感、などなど仕掛けが随所に。すごかったです。おすすめ度100%。
Tue
21
07
2009
ダメな一日っていうものもあります。ちと気力が足らない。スランプか夏バテか。このところ文章を書けなくなっていまして、これって、きっとこの数ヶ月サボっていたからだと思うので、少々凹み気味です。音楽も聴いていますけれど、なかなか文章化できないのですよ。
最近、大学受験の夢ばかり見ていて、これからまた受験勉強をして大学に入るのだ! がんばろう! みたいな夢ばかり。これって、大学受験に失敗したことが潜在的に現れているのでしょうかね。今朝見た夢では、ああ、数学もやり直さんと行かんなあ、という夢で、目が覚めたらこれでまた相当凹んでしまう。
こういう日は、陽気な音楽を聴いて気分を晴れやかに。今日の関東は曇り空ですが、この曲は蒼い空のもと、どこまでも続く白い砂浜を歩いていて、海の色を見るとエメラルドグリーンに輝いていて、みたいなSituationを想像してしまいます。
シャカタクというバンドは、1980年にイギリスで結成されたバンド。The Best of Shakatakというオムニパスアルバムを聴いています。リンクのCDとはちょっと違うみたいです。今は市場には乗っていなさそう。
っつうか、思った以上に救われました。会社の昼休みにiPodで大音量で聴いていたら、なんだか一人でクラブにでも来た気分。午前中は結構仕事でも凹んでいたのですが、なんだか元気になってきました。
シャカタクのもっとも有名な曲はNight Birdsというインストの曲なのですが、私はこの曲を吹奏楽編曲版で始めて聴きまして、これがシャカタク初体験でございました。その後、大学ではジャズ研究会というサークルに入ったのですが、そこでシャカタクのカセットテープを借りて(K.S君、ありがとう)聴いていた次第。本当はこういう西海岸的ともいえるライトでドライな音楽もすきなのですよ。
若杉弘さんの訃報、残念でなりません。
私はまだオペラ初心者ですが、それでも若杉さんの指揮を何度か体験しました。 初めての体験は2004年に東京室内歌劇場がシュトラウスの「インテルメッツォ」でした。その後、2007年におなじくシュトラウスの「ダフネ」と、シュトラウスの珍しいオペラを聴くことができたのです。一番印象的なのは新国立劇場のピットに立たれた2007年の「蝶々夫人」と2008年「軍人たち」でした。特に「蝶々夫人」は、ジュゼッペ・ジャコミーニさんのすばらしさもあいまって、人生至福のときのひとつでした。「軍人たち」は、文句なしの快演でして、大いに感動しました。
その後、予定されていたピットに入られなくなってしまいまして、とても心配をしていました。
新国立劇場のオペラトークには、本来なら若杉さんが出演されるはずでしたが、お病気で登場できず、変わりに黒田恭一さんがお見えになってお話されていました。その黒田さんも亡くなってしまわれまして、本当に人が亡くなるということがこんなにもあっけなく決定的で悲しいものであるということを改めて認識しました。
次のシーズンでまた若杉さんの指揮を聴くことができるのを楽しみにしていたのですが、本当に残念でなりません。特に「影のない女」の指揮が予定されていただけに、残念です。ドレスデンの総監督を勤めておられたという経歴もあいまって、「影のない女」を楽しみにしていたのですが……。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
会社の人事部から親展と書かれた封筒が送られてきまして、ドキドキしながら封筒を開けてみると、TOEICの受験票が入っていました。9月半ばに実施だそうです。あと二ヶ月弱。これからどれだけレベルを上げられるか。
元来頭が悪いので、英語は苦手でした。元を正せば、中学一年生の時の先生と仲が悪かったというところもあるのでしょうけれど、一年間の浪人生活で何とか人並みのレベルにまで上げたのですが、その後は特に磨くこともない時代が続きましたが、新婚旅行で北欧に行ったときに、英語の必要性を身をもって感じました。
オスロの港からフィヨルドの対岸にあるフラム号博物館とハイエルダールの博物館に行ったときのこと。渡し舟の中にポケット版の英和和英辞書を落としてしまったのでした。蒼くなって、桟橋に戻るも、船には誰も乗っていない。見回すと、船長がこちらに歩いてきます。もう7月というのに、白いウールのセーターを着込んだ口ひげのダンディな方で、根っからのキャプテンって言う感じでした。彼と片言英語で話しをして、どうやら忘れ物を桟橋の入り口の切符売り場に預けてきたというのです。Thank you! Thank you! といいながら握手して、今度は受付のおばさんと対決。僕が英語で必死に話すんですが、ぜんぜん理解してくれない。Dictionaryを忘れたのだ、Captain said it is here、見たいな感じで言うんだけれど、ぜんぜん納得してくださらないのです。そのうちおばさんは気がついたように、「ああ、Word bookね!」といって、僕の辞書を返してくれました。もちろんここでもThank you Thank you!と握手。ココで学んだこと。小さな辞書はDictionaryではなくWord Bookなのですね......。
そんな感じで、英語の勉強し始めましたが、ぜんぜん上達しません。もう若くないし、頭もよくないですし、サボってばかりだし、というところです。猛省。。
この前読んだ「タウ・ゼロ」という文庫本のあとがきには、「この本を試験前に読んではならない。人生どこで足を踏み外すかわからない」と書いてありましたが、そうなのですよねえ。私はいまのところ人生の落伍者ですのでそれが良くわかります。だから、大学入試の夢をたくさん見るのです。
Thu
23
07
2009
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早川書房
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エリック・アンブラー「ディミトリオスの棺」読了。
戦間期(第一次大戦と第二次大戦の間です)のヨーロッパを舞台にした、スパイ小説的要素を持つミステリー。ディミトリオスという国際犯罪者の遺骸に対面した探偵小説作家ラティマーが、「好奇心」からディミトリオスの過去を探ろうとギリシア、ブルガリア、スイス、パリと旅をする。ディミトリオスの過去を知るもの、知らぬもの。思いがけない当事者と出会い、ディミトリオスの最大の謎に迫るラティマー。結末は如何や?
映画化もされているようですね。「仮面の男(1944)」がそれ。登場人物の名前は少し変わっているようです
。 第二次大戦前というまだ19世紀の芳香が漂っている時代の物語でしてモノクロ映画を見ている気分。プロット的には想像の範囲を超えなかったのですが、出版されたのが1939年ですので、当時は斬新だったと思います。ですので、作品の質が悪いということは全くなく、むしろその逆です。
それにしても、現代にプロットの面白さを追及するのは本当に骨の折れることですが、それを実現しておられる方もいらっしゃいますので、すごいことだと思います。
引き続きハインラインの「宇宙の戦士」を読んでいますが、これは若いうちに読んでおくべきでしたね。後悔。 最近「物語の面白さ」を追い求めている感じ。とある本に書いてある「読むべき本」というリストを元に渉猟していますが、手遅れ感もあるなあ。ネット・サーフィンやらなんやらの時間を減らして、あとどれだけストーリーの世界に浸れるか。これはある種生き方の選択の様相を帯びてきました。
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ビクターエンタテインメント (2008-06-04)
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時代を感じさせない作品
ちょっと高い申し訳ありません。今週に入ってからほとんどシャカタクしか聴いておりませぬ。いまさらシャカタクだなんて。でも、この80年代サウンドがたまらないのであります。私も相当歳をとったたものです。
大分と聴いていてわかってきたのは、実はフロントよりもバッキングの安定度が音楽性を支えているということ。特にベースがいい。ジョージ・アンダーソンという方だと思うのですが、郷愁のチョッパーベースがたまらないです。
今年の正月にサークルの後輩に会ったのですが、彼曰く「いまやチョッパーベースなんてダサい」のだそうですが。したがって、もうほとんどナツメロ状態であります。
wikiには、「米国起源のジャズを源流としたアドリブ重視のフュージョンとは一線を画し、旋律や編曲を重視している」とありました。米国のフュージョンがすべてアドリブ重視とも思えませんが、まあ確かにアドリブで押す方は多いかも。ジョージ・ハワードとか、ナジー、カーク・ウェイラムなんかが思い出されます。一方で、リッピントンズとなんてはすばらしい楽曲作りをしています。どちらかというと、シャカタクはリッピントンズ的と思います。
とはいうものの、シャカタクにはリッピントンズにはない、ある種の疵のようなものがありまして、それが逆に開放的な気分にさせてくれます。養殖ものより天然物のブリがおいしいのと同じです。
Sat
25
07
2009
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早川書房
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最初に映画を見て読むのがいいだろう
気負わずに名作を楽しみましょう。
納得しました
「権利」と「義務」、「権利」と「責任」
ハイスクールの時に「数学が出来なかった」連中は...。ハインライン「宇宙の戦士」読了。今更何で読んでいるの、みたいな感じ。これは高校生の時分に読むべき本でした。
未来の地球連邦軍の機動歩兵訓練基地に配属された主人公。鬼軍曹と過酷な訓練に耐えて成長していくというある種ビルデゥングスロマン的要素。訓練キャンプを卒業し実戦配属され、困難な任務をこなし、士官学校に入学し、戦い続ける成長の物語。
これって、「魔の山」的な世界観だし、一昨年に読んだ「ケイン号の叛乱」的な世界とも通じる感じ。あるいは、豊田穣氏の「江田島教育」的なものにも相通じる。なので、読んでいて懐かしさすら覚える感じ。
とはいえ、ここに美化されて描かれている 軍事教練がいいのか悪いのか良くわかりません(受けたことがないので)。まあ相当辛そうですが、耐えることに喜びを得るかも。ある種M的嗜好を持っている人は少なくないでしょうし、私にだってM的要素はあるかもしれない。
それで思ったのですが、「宇宙の戦士」を読むと、これは実践生活に役立つな、と。会社も軍隊も大して変わらないでしょう。生死をかけるという意味においても同じ。うちの会社、ホワイトカラーの会社なのですが、仕事で命を落とされた方だって何人かはおられるわけです。「ケイン号の叛乱」を読んだときにも同じような感想をこのブログに書いていて、苦笑です。
主人公に課せられる義務や求められる能力のほうが遙かに高くて、私なんて微塵にも及ばないのですが、それでも参考になります。新任士官は先任軍曹の助言を聞くべし、とか、士官がイライラするんじゃねえ!、みたいな。それで、ああ、自分は本当に指揮官むきじゃないなあ、と落ち込むことしばし、でありました。
後書きには、この作品のある種暴力肯定的な部分とか、ファシズム賛美的な部分がいろいろと論議されているというようなことが書かれておりました。wikiにもいろいろ書かれていて面白い。この本がガンダム誕生の遠因なんですねえ。書かれた時代はベトナム戦争に突入しようとする冷戦時代のアメリカですので、社会的意味も大きかったと思います。
ただ、いまこの本を読むと、私にはある種のパロディにも思えてしまうのですが。パロディに思えるのは、「宇宙の戦士」の影響下にあるガンダムなんかをすでに知っているからでしょうか。それから、アンチテーゼとして読めるんじゃないの、みたいな。私は、この本の最終章で、主人公が戦死するか、地球連邦軍が負けるかどちらかだと予想しながら読んだのです。もし、予想通りだったら、最後に0を掛けて、虚無とするという魂胆だろうなあ、と。wikiや後書きを読むとそうではないと言うことが分かるのですが。
Sun
26
07
2009
昨夜のバイロイトはシュナイダーさんの振るトリスタンとイゾルデでした。Bayern klassik 4で録音しましたが、ちと手違いはありましたがなんとかiPodに入れました。いまiTuneで聴いていますが、トリスタンとイゾルデがお互い媚薬を飲む瞬間のタメとか、その後の疾走感がたまりません。間違った道へ足を踏み入れてしまう二人が絡み合いながら歌うところ。すごいです。 イレーネ・テオリンさんは強力ですが、ちとビブラートが強い気も。昨年の新国ではトゥーランドットを歌いましたが、あの時の力強さは健在でした。クルヴェナールのユッカ・ラシライネンさんは今年の新国でヴォータンでした。
- 指揮:ペーター・シュナイダー
- トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
- イゾルデ:イレーネ・テオリン
- マルケ王:ローベルト・ホル
- クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン
おそらく再放送があると思います。私も少し録音を失敗しましたので、再放送を狙っています。
今日は祖母の米寿祝で昼間からアルコールでした。おかげで体重がみるみる増えていて、かなりの危機感でして、早く痩せないと隊長に怒られ富士山に登れません。。
今夜のバイロイトは「マイスタージンガー」です。
Mon
27
07
2009
本当なら英語を聞くべき朝の通勤時間ですが、7月25日バイロイトの「トリスタンとイゾルデ」を聴いてしまいました。ついでに昼休みと帰宅時も。第一幕から聴き始めて、第二幕の途中まで。
シュナイダーさんの指揮、素晴らしいです。とにかくテンポの動かし方が絶妙で、こうやったら聴衆が感動して涙を出す、というやり方を心得ていらっしゃる感じです。昨日のブログには「タメ」とか「疾走感」という言葉も使いました。どれも音価に対する並々ならぬ感覚を示していることの現れだと思います。隅々にまで神経を行き渡らせ、手を抜くことなく、演奏している。これは、今年の一月にシュナイダーさんの指揮を聴いたときにも感じたことでした。
第一幕の最終部では、電車の中でしたが鳥肌の立つような感動を覚えました。シュナイダーさんの魅力にまたもや捕らわれてしまいました。
イゾルデのイレーネ・テオリンさんについては昨日も少し書きました。昨年の新国でトゥーランドットを歌われましたが、あの時の力強さのイメージのままイゾルデを演じられて、私の中のイゾルデ像が少し変わりました。昨日「ビブラートが強い気も」と書いたのですが、聴いていくうちに受容できるようになってきました。あの力強さを支えているものの一つがビブラートの振幅である、と、確信のようなものが生まれました。凄絶なイゾルデだと思います。イレーネ・テオリンさんは、来年の新国リングでブリュンヒルデを歌われます。少し予習している気分です。
さて、今晩のバイロイトは「ラインの黄金」です。ティーレマン登場。ティーレマンもまた玄人的な渋い演奏を聴かせてくれると思います。
Tue
28
07
2009
AMAZON:
早川書房
売り上げランキング: 46394

アシモフすごい
人間心理の葛藤がストーリーの重要な部分を占める
本読みさん必読書の一つ
SFミステリというジャンルを確立した文学史上に残る傑作
SFミステリの傑作またまたこれも高校生の時分に読んでいなければならない本。まったくこの年になってお恥ずかしい限りですが、まあ、ブログは私の備忘録とか考えをまとめる場になってしまっているので、こちらにエントリーいたします。
アシモフは、高校時代には読んでおりましたね。ファウンデーション三部作でしたでしょうか。その後80年代に三部作以降のファウンデーションシリーズが書き始められましたが、そこまでは追いかけきれませんでした。アシモフには、長編シリーズとして、この「鋼鉄都市」で始まるロボットシリーズと、「ファウンデーション」で始まるファウンデーションシリーズがありますが、この二つは融合するんですね。ウィキペディアを読むと、ロボットシリーズもきわめて壮大な物語世界を構築しているようで、先を読むのが楽しみになります。
さてこの「鋼鉄都市」ですが、世界観としては、かつて地球から宇宙へ植民していった人々の子孫が宇宙人とし繁栄している一方、地球人達は外殻に囲まれた巨大都市のなかで高い人口密度に耐えながらも何とか生活しているという状況。地球人はロボットを嫌悪している。それはとりもなおさず、人間の就労機会を奪うものであるから。一方宇宙人は、圧倒的な軍事力と科学力で地球人を圧倒している。宇宙人達はロボットを多用している。宇宙人は地球人を啓蒙するために地球と接触しているのだが、地球人はそれを不当な介入と考えている。さて、そんな折に、地球で宇宙人のサートン博士が何者かに殺される。外交問題にも発展しかねない状況にあって、警視総監はロボット嫌いのイライジャ・ベイリに捜査を命じる。ただし、それは宇宙人から派遣されるヒューマノイドロボットのダニールとともに、という条件の下で。
ロボット三原則をからめたミステリー仕立てで、あっという間に読み終わってしまいました。
美とはなにか、あるいは、美とは、芸術とは、愛とは、神とは? われわれは永遠に未知なるもののふちで足踏みしながら、理解できないものを理解しようとしているのだ。そこが、われわれの人間たる所以なのだ。
人間とロボットの差異を述べ立てるイライジャ・ベイリの言葉。ちと元気になる言葉です。ロボットのダニールの描写が素晴らしいです。ちゃんとロボットしてます。イライジャの葛藤も細かく描かれていますし、(予想しましたが)最後になって明かされる犯人が、どうして犯人たり得たかという理由も実にかっこうよく描かれていました。
ウィキペディアを読んで、続編を読みたい衝動。その前に「カードの館」という本を読んでいますが。
今日も一日シュナイダーさんの「トリスタンとイゾルデ」ばかり。これはもうやみつきです。
Thu
30
07
2009
AMAZON:
スタンリー・エリン「カードの館」読了。ヤバイ、面白すぎです。冒険活劇のプロットとしてはありがちなのですが、舞台がパリ、ヴェネツィア、ローマと来ますので、私のツボにぴったりはまりました。
アメリカ人の元ボクサーのレノは、ふとした出来事から、フランスの名門ド・ヴィルモン家に家庭教師として雇われることになった。未亡人アンヌ・ド・ヴィルモンの息子ポールは、わがままでヒステリックな子供だったが、レノの甲斐あって徐々に元気を取り戻すのだが、アンヌはアメリカ人で、アンリ・ド・ヴィルモン大佐の夫人となったが、大佐はアルジェリアでテロの犠牲となったのだ。アンヌは強烈な不安感に苛まれ精神を病んでいた。アンヌはレノに、自分とポールをアメリカに連れて行ってほしいとせがみ、愛情をもつそぶりさえ見せる。アンヌは何かを恐れていた。それは、アンヌの愛人と思しき謎の人物モリヨン博士によるものかと思われた。そしてレノの前任の家庭教師の不可解な死。徐々に紐解かれる謎はレノを窮地に追込み、あらぬ事件の加害者に仕立て上げられてしまう。警察に追われながらド・ヴィルモン家の秘密を暴き、身の潔白を証明するためにベニスへ、ローマへ。
いやあ、「鋼鉄都市」もかなり面白かったですが、この「カードの館」はさらに面白い。映画を見ている気分。実際映画化もされているようで、邦題「非情の切札」という映画なのだそうです。
パリ、ベニス、ローマは、ほんの数日でしたが旅行したことのある町でして、サン=ルイ島の高級住宅街とか、石の岸壁に固められたセーヌ川の様子なんかを思い出すと本当に懐かしいです。ベニスのサンタルチア駅正面から運河に降りるところとか、ローマ広場の立体駐車場の様子、ローマのトレヴィの泉とか、懐かしいです。次にいけるのはいつのことやら。
ラトルが振るばらの騎士を聴いてみたくなって、そういえば、ベルリンフィルのジルヴェスターコンサートでばらの騎士の最後の三重唱をやっていたなあ、と、昔録画したDVDを引っ張り出してきました。
- 指揮==サイモン・ラトル
- マルシャリン==カミラ・ニールント
- オクタヴィアン==マグダレーナ・コジュナ
- ゾフィー==ラウラ・アイキン
- ファニナル=デール・デユジング
- 管弦楽==ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 記録==2006年12月31日・ベルリンフィルハーモニー大ホール
歳とったので、涙腺が緩んでいまして、また感動してしまいます。カミラ・ニールントさんは、2007年5月の新国「ばらの騎士」でもマルシャリンでして、そのときの思い出がよみがえりました。とにかく狂いのないピッチと高音域の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。オクタヴィアンのマグダレーナ・コジュナさんのオクタヴィアンもすごくて、声質の張りが素晴らしい。サクソフォーンでフラジオ音域が決まった時の心地よさを思い出しました。
ラトルの指揮は、いつものようにダイナミクス・レンジの付け方がかっこうよいです。ああ、ここでここまで音量を落とすんだ、という驚き。クライバーのようなうねるようなダイナミズムではなく、音の強弱の振幅が織りなすダイナミズムと感じました。
それにしても、終幕部の三重唱のすばらしさと言ったら、もう何も言えないです。





















