2009年8月アーカイブ

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ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
マリオ プーヅォ
早川書房
売り上げランキング: 50885
ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
マリオ プーヅォ
早川書房
売り上げランキング: 50886

 これも高校時代に読んでいなければならない本でした。二日で読み終わりました。もうあらすじは有名だと思いますので、多くは触れません。非情だと思っていたマフィアの世界にも情の入り込む余地があるとは。けれども、やはりやるときはやるのですねえ。

おはずかしながら、映画すら見たことがないという体たらく。まったく私は今まで何をしていたのでしょう。まあ、映画を見る前に本を読んでおいてよかったと思いました。先入観を持つことなく読めましたので。さらにいえば、本の方が細かい心情の機微を感じ取ることができますので。

この本をもっと早くに読んでいれば、もう少しましな人間になれたかもしれません。弱みを見せてはならず、思慮深い言動を心がけていたはずですが。とはいえ、過ぎ去ったことは戻りませんので、先だけを見据えて歩いていくことにいたしましょう。

昨日、しおりを忘れまして、読むのを中断したときに、ページ番号を覚えることにしました。そのとき、思い出したのが小さい頃のこと。やっぱり本を読んでいたのですが、眠たくなってページを閉じようとしたとき、ページ番号を忘れませんように、と神様にお願いをしていたのですね。お願いの効果か、翌日もページ番号を覚えていました。幸福な読書にまつわる記憶ですが、そういう意味では、今の私も幸福な読書生活を送っているといえましょうか。

 

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Wagner

 昨週は今年のバイロイトの冒頭を飾った、ペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」ばかり聴いていました。聴けば聴くほどすごいです。

テンポの緩急の付け方が絶妙でこれ以上ないのではないかというフィット感。特に第二幕の最終部の打点の打ち方は神業的です。速度を落として表情をつけるのが多いです。インテンポよりも絶妙にためてみせたり、フレーズ全体の速度をゆるめたり。それも目立たずさりげなくやってのける。これは、私の中で今時点で人生最高のオペラ体験であったと思う2007年新国立劇場「ばらの騎士」や、2009年1月の東京フィル定演での「ばらの騎士」組曲でシュナイダーさんが見せてくれたものと同じです。もちろん音量のコントロールも絶品。今年の1月のシュナイダーさんもすごかったですが、バイロイトでのシュナイダーさんはさらにすごいです。

それから、イオルデを歌うイレーネ・テオリンさん。先週も書きましたが、最初は気になっていたビブラートを受容できるようになり、さらに、そのすばらしさを確信し、信仰にまでたどり着いてしまった感があります。ビブラートによって増幅された力強さが奔流に溺れてしまいます。この方のブリュンヒルデを新国で来年聴くことができるわけですが、本当に楽しみです。

舞台の写真は以下のリンクで見られます。

http://www.wagneropera.net/Interviews/Irene-Theorin-Bayreuth-Interview08.htm

ちなみに、シュナイダーさんの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、以下のCDで聴くことができます。

8月9日深夜ですが、トリスタンとイゾルデがウェブにて配信されます。14.90ユーロなり。うーん、これは聴くしかないかも。

先日も触れたように、バイエルン放送協会のウェブラジオで聴いているのですが、国際配信しているだけに、ドイツ語、英語、フランス語でアナウンスが入ります。こういう臨場感はウェブラジオならではです。幕間にはドイツ語で筋書きの説明やら演奏者についてアナウンスがあるわけですが、ヒアリングできません。。とはいえ、ドイツ語は音的に美しいですね。また勉強したくなりました。まあ、その前に英語なんですけどね。。

ウェブラジオ的には、プロムスやザルツブルクの放送もありますが、そこまで手が回らないです。

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先週の土曜日は、近くの商店街の夏祭り。毎年開催されるのですが、楽しみにしているのがジャズバンドの演奏です。毎年、同じバンドが出演されるのですが、編成やヴォーカルの方は毎年違います。今年はヴォーカルがデュオで登場されました。しかしなんだか違和感が。お二人とも女性なのですが、片方の方が着物を着ていらっしゃる……。なんででしょうかね。

それで、ジャズバンド演奏の前に、別のヴォーカルユニットとジャムセッションとなりました。Dブルース進行でしたので、ピアノ、ギター、ベース、ドラムと順当にソロを回して、次に女性二人のヴォーカルが1コーラスずつアドリヴを。最初の女性は、かなり速い節回しでインプロヴァイズされて、すげー、と感心したのですが、次の女性、当の着物を着ていらっしゃった方は……、さらにすげー! 演歌的ロングトーンと「ハイー」という演歌的掛け声でブルースのソロ取ったのですよ……。ビブラートが玄人的な演歌でめちゃくちゃ巧いのです。演歌もブルースも親類とはいえ、母方と父方ぐらい違うわけですが、その溝をきちんと越えている。

さて、ジャズバンドの演奏順になりまして、けだるい4ビートから始まりまして、ベースがパターンを刻んで、ギターがテンション含みのコードを面倒くさそうに繰り出す感じから、ガーシュインのサマータイムが始まって、ヴォーカルが歌いだす。まあ、最初はサマータイムですわな。それから着物の方がマイクを持って、歌いだす。ありゃ、美空ひばりの「リンゴ追分」が始まりましたですよ。しかもめちゃくちゃ巧い。コード進行はサマータイムと似ておりますので違和感なしでした。

次に、山口百恵の「いい日旅立ち」を着物の方が歌いだしました。これも半端なく巧いです。そのうち、それが「リカード・ボサノヴァ」に変わっちまう。コード進行もフレーズも似ておりますので。私は、こういうパロディ精神大好きです。

リカードボサ

いい日旅立ち

中盤に、インストで、「ノルウェイの森」が演奏されたのですが、ハービー・ハンコックの「News Standard」で、デイブ・ホラントとジョン・スコフィールドを間違いなく意識したものでしたので、演奏終わったら「ジョンスコーッ」と叫ぼうと思ったのですが空気を読んでやめました。

本物のノルウェイの森はこちら。

ジャズ系の音楽について言えば、私はいつもiPodで音楽聴いているだけですので、たまに生演奏に触れるととても楽しいです。もう何年もバンドやってませんが(っていうか、今年の正月にT-Squareを吹きましたが)、バンドもいいものです。限界に達しなければ。

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はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)
アイザック・アシモフ
早川書房
売り上げランキング: 239027
おすすめ度の平均: 4.5
4 現代に生きる風刺
4 見る、眺める、ロボット三原則がキーワード
5 完成されたSFミステリ。
5 人に会わない(会えない。)星の殺人。
5 名コンビの復活!

相変わらず仕事が忙しいです。人に意志を伝えるのは難しいですねえ。憤怒の表情さえ見せずに、ぐさりと言葉の剣を刺してしまう私もやっぱり大人気ないですかね。「ゴッドファーザ」の登場人物たちは巧くやっていたのですが、私には難しいでしょうか。もっと練習しないと。だまっていても、そうだと相手に思わせ、自らうなずかせる、というドン・コルレオーネの技を持って要ればいいのですが。

それはさておいて、アイザック・アシモフ「はだかの太陽」読了しました。

イライジャ・ベイリと、ダニール・オリヴァーの名コンビは健在で、惑星ソラリスで起こるはずのない殺人事件を解決しに赴きます。惑星ソラリスは高度にロボット化された社会で、一人当たり一万台のロボットがいる社会です。人間は他人と通信回線で交流し、互いに「眺める」だけで、実際に「会う」ということをしません。そんな社会で殺人事件など起こるわけがないのです。殺されたのは惑星のエリート。殺害時にそばにいた妻が容疑者の第一人者として上がってきますが、それを疑うベイリ。そのうちに、ソラリスの安全保障担当官の毒殺未遂事件や、ベイリに放たれた矢に毒が塗ってあるなど、事件が続くわけです。ロボット三原則の限界をついたロボット操作が、人間を死に追いやることを確信したベイリは、容疑者達を一同に集め(実際にはテレビ会議)、種を明かし、容疑者を名指します。その後地球に帰還したベイリは不思議な報告を上官にするのでした。

ソラリスのような少数の人間とロボットだけで構成される社会を、スパルタの社会体制に比べる見方が出てきました。少数の市民の元に多数の奴隷がいたスパルタの体制ですが、奴隷をロボットに置き換えれば、スパルタと同じである、と。でもそれはスパルタだけではないです。現代日本においても、どんどん階層化が進行するでしょうから、一握りの人々が支配する体制になってもおかしくないです。それから、ロボットを奴隷に喩えているあたりが面白くて、これは手塚治虫のロボット観とよく似ています。アトムは、人種差別が裏テーマですし。

意外と前作「鋼鉄都市」の時に感じた刺激がないような。これはおそらく、「鋼鉄都市」を読んだあとに純粋なミステリ、すなわち「ゴッドファーザー」を読んだからでしょう。「ゴッドファーザー」の刺激はあまりに強すぎました。

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ジャッカルの日 (角川文庫)
フレデリック・フォーサイス
角川書店
売り上げランキング: 42307
おすすめ度の平均: 5.0
5 一気に読めます。
5 繰り返して読むほどおもしろい
5 スワガーとは違う、スナイパーの物語
5 名作!
5 本書の楽しみ方。

 一日で読んでしまいました「ジャッカルの日」。ページを繰る手が止まらず、所用で電車に乗っている時間中どっぷりと暗殺者と警察の攻防の世界に身を浸しておりました。

冒頭部ではOASの幹部が、ド・ゴール暗殺を策謀し、暗殺者に依頼するあたりから始まるのですが、暗殺ジャッカルが着々と準備を進めるあたりは、なんとなく惰性のようなものを感じていましたが、中盤以降、フランス司法警察のルベル警視が登場して、両者の対決の様相を帯びた途端に電流が走り初めて、一気にストーリーが躍動し始めました。激しい駆け引き、奸智にたけたジャッカルは、あの手この手で警察を翻弄しますが、ルベル警視の粘り強さと、国家の組織力がじわりとジャッカルを追い詰めます。

史実では、ド・ゴールは、無事に暗殺をやり通し、大統領の職を勤め上げるわけですが、ジャッカルの計画はどのような顛末を迎えるのか。そしてジャッカルとはいったい何者であったのか。

しかし、これも高校時代に読んでおくべき本だったかもしれないです。映画も有名です。昔会社の同期が飲み会に現れて「ジャッカルと呼んでくれ」というセリフを吐いて、大受けしたのですが、引用元はこの映画だったそうです。昔、映画をビデオに撮った記憶があるのですが、見つかりません。映画もきっと面白いと思います。

それにしても、アルジェリア戦争直後のフランスは予想以上に脆弱だったのですね。ド・ゴールの強力なリーダシップがあったからこそ第五共和制が成立したわけですが、逆に言えば、ド・ゴールがいなくなれば、カードの館のようにはかなく崩れ去る危険性もあったわけです。だからこそ、秘密軍事組織であるOASが跋扈したわけですし、国家権力側もOASと激しく追い詰めた訳です。

先日読んだ、スタンリー・エリンの「カードの館」でも、やはりOASがモティーフになっていました。アルジェリア戦争のことは、辻邦生氏の「洪水の終わり」でも少し触れられていました。フランス人の学生が徴兵でアルジェリアに向かわなければならない、といった文脈だったと思います。60年代のフランスは興味深い時代です。第二次大戦後のヨーロッパ史は、冷戦という東西対決の構図とともに、フランスにおけるOASの問題や、イギリスにおけるIRAの問題、あるいはフランコ政権下のスペインにおける対立など、他にも実に興味深いテーマが山ほどあります。まだまだ学ばねばならないことはたくさんです。そう簡単にくたばるわけにはいきません。

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今朝からアガサ・クリスティを読み始めています。読みつつもなんだか引っかかるような感じ。冒頭部にみられるある種の抵抗と考えて、読み続ければ抵抗が緩くなるのを待ちましょうか。

図書館から借りたスタンリー・エリンの作品を読もうとしたのですが、訳が古すぎてちとかなわないです。小さい「っ」が大きい「つ」になっています。ですので、「彼女は言つた」という表記。大学の頃、西田幾多郎の本を読んでいたのですが(もう細かいところは忘れてしまいましたが)、そのときの気分がよみがえりました。しかし、それだけではなく、登場人物の名前が間違っていたり、妙な一人称が出てくるあたりで、ちょっと読み続けられなくなりました。原文を読んだほうがいいのかもしれないです。

ハーマン・ウォークという作家の「ケイン号の叛乱」という本を二年ほど前に読んで非常に感銘を受けましたが、同じウォークの作品に「戦争の嵐」という本があります。この本は実は思い出深くて、高校の図書館から文庫版「戦争の嵐」を借りたのですが、間違って洗濯機に突っ込んでしまいばらばらにとけ散ってしまったのです。図書館の先生に謝りましたが、幸いとても良い先生でいらっしゃって、特に怒られませんでした。ともかく、冒頭を少し読んだ限りでは実に面白そうだったという記憶があります。もう数十年前の話ですが。その本が、ハーマン・ウォークの作品であることを昨夜になってやっと気がつきまして、速攻で図書館に予約を入れました。

私は高校時代はかなり時間を浪費したと思っていますが、今冷静に思い出してみると、歴史ものやらは少しく読んでいたなあ、という感じです。あの頃は宮本輝も好きでしたなあ。阿川弘之やら豊田穣のような海軍小説もよく読みました。ホンブロワーシリーズも高校時代に読んだのではなかったでしょうか。

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葬儀を終えて (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー
早川書房
売り上げランキング: 54765
おすすめ度の平均: 4.5
5 そして彼女は殺された
5 かなり巧妙!がんばって読めば犯人を当てられます!
4 地味ながら、味わい深いベスト10級の佳品
5 クリスティの最高の仕事の一つ
5 クリスティーの最高傑作
名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 1
ハピネット (2007-05-25)
売り上げランキング: 5835
おすすめ度の平均: 4.5
5 美しい作品
5 祝!新シリーズ!
5 1シーズンにまとめるにはもったいないと思えるほどの、豪華なラインナップの第9シーズン
3 第9シリーズをまとめたものがNew Season 1ですか

アガサ・クリスティの「葬儀を終えて」を読みました。ポワロの活躍する推理ものです。

ところが少し違和感が。「戦争」について登場人物が言及する箇所が何箇所かありました。私はそれを第一次大戦のことだと考えていたのですが、「ヒトラー」の記述があって驚きました。ポワロは戦後活躍していたのですか!

  私は、テレビドラマの影響で、ポワロの舞台はすべて戦前の30年代の話だと思っていました。無知の知。ひざまずかざるを得ません。ウィキによれば、テレビドラマはあえて時代設定を30年代にしているのだそうです。私はあのデヴィッド・スーシェのポワロが大好きでして、おそらくそういう方はたくさんいらっしゃると思います。

ドラマのかもし出す戦前イギリスの機器と矛盾をはらんだ美的世界はすばらしいです。アール・ヌーヴォー的な建物やら内装、調度品が淡い郷愁をも抱かせるのです。 それからテーマ曲も素晴らしい。おそらくはラバーのマウスピースをつけたアルトサックスの奏でる優美にしてミステリアスなフレーズ。何度かまねをしたことがありますが、メタルのマウスピースでは雰囲気が出ませんでした。

さて、「葬儀を終えて」ですが、病死したリチャード・アバネシーの遺産相続を巡る謎。末の妹コーラが不用意に漏らした言葉。「だって、リチャードは殺されたんでしょ」。そのコーラも薪割りで惨殺されてしまう。顧問弁護士はポワロに事件の謎解きを依頼する。ポワロの灰色の脳細胞が導き出した驚きの真相とはいかに。

私は、リチャードの遺産相続者全員が犯人かと思ったのですが、それではあまりにオ○エン○急○殺人事件的ですので、いったんその説を外しました。その後、結構良いところまでポワロに迫ることができましたが、最後の詰めで、ポワロに負けました。いい線まで推理できたのですが……。

帰り道は、クリスティ的雰囲気を求めて、ヴォーン=ウィリアムズを聴きました。

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 昨日、今日と富士山に登ってきました。今年は、隊長の秀逸な計画により、私もなんとか日本最高峰の剣が峰に行って参りました。

詳しくは明日に。今日は結構疲れましたので、明日の仕事が心配です。今日は短めで。

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太陽と月のアラベスク (ハヤカワ文庫FT)
リサ ゴールドスタイン
早川書房
売り上げランキング: 1617052
おすすめ度の平均: 5.0
5 本好きのためのファンタジー

 1995年に購入した本。14年間書棚に眠っていましたが、週末、富士山の行き帰りの電車やらバスやらで読了しました。一緒に日本最高峰にまで行ったと言うことになります。

舞台はエリザベス女王(一世)統治下のロンドンで、妖精達の戦いが始まるという奇想天外なファンタジー。歴史公証はしっかりしているのに、そこに巧く妖精といったファンタジー要素を組み入れた秀逸な作品でした。妖精話にありがちな取り替え子のモティーフを組み入れたり、錬金術やら拷問やら、古き時代の雰囲気が巧く伝わりました。推理小説的、ミステリ的な要素もあって、プロットの流れは実に良かったですし、場面の切り替えのセンスも良かったです。結構巧い作家だと思います。

こういう歴史とフィクションの融合に眉をひそめるかたもいらっしゃるようですが、私は嫌いではありません。中学生やら高校生の頃は、ファンタジーものを何冊か読んでいましたので、なんだか懐かしい気分でした。あの頃は相当はやってましたねえ。グイン・サーガーとか、ザンスとか。ハヤカワFTの薄黄色の背表紙が懐かしいです。

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武器の道 (ハヤカワ・ミステリ文庫 15-3)
エリック・アンブラー
早川書房
売り上げランキング: 938944

えらく忙しいです。仕事がないより全然良いのですが。昔ならいくら仕事しても平気だった頃もありますが、歳をとって日和ってきたようです。武士道精神を忘れずに(?)。

エリック・アンブラー「武器の道」を読みました。

武器の密輸事件に巻き込まれたアメリカ人夫婦が主人公といっても良いでしょう。発端は有能なインド出身の若者が、自分の夢を実現させるためのはかりごと。華僑の大物商人一家が介在し、アメリカ人グレッグが冒険心をくすぐられて、武器の密輸の代理人になってしまいます。舞台は1950年代末期と思われ、まだまだ不安定な東南アジアで、グレッグとドロシアの夫婦は現地の内紛に巻き込まれてしまい……。

前回読んだ「ディミトリオスの棺」は、主人公は推理小説家でしたが、今回はアメリカ人夫婦です。アンブラーの主人公は、本職の探偵や諜報員ではなく、素人が巻き込まれてしまうパターンが多いそうです。

外国にも良い作家さんがたくさんいます。本当にありがたくわくわくする体験です。

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濃紺のさよなら (1967年) (世界ミステリシリーズ)
ジョン・マクドナルド
早川書房
売り上げランキング: 1026232

ちと疲れ気味。これはまずい。セーブしないと。

ジョン・D・マクドナルド「濃紺のさよなら」を読みました。トラヴィス・マッギーシリーズの最初の本といえましょうか。

失ったものを取り返し、手数料として半額分受け取る取り返し屋、あるいは私立探偵のトラヴィス・マッギー。キャシーという女が相談に訪れる。自分の父親が戦時下で手にした財宝をひどいやり方で奪われた、というのである。奪ったのはジュニア・アレンといういやらしく卑劣な男。刑務所で一緒だったから、と娘のキャシーの元に居座ったのだ。急に金回りが良くなったアレンは、キャシーを非情なやり方で捨て去ったのだった。アレンは、キャシーの父親の隠した資産をどうやってか手に入れたということなのだった。キャシーは困窮し、働きに出ざるを得なかったというわけだった。トラヴィスは、行動を開始するのだが、行く手にはアレンの犠牲者達が連なっているのだった。

乱闘シーンがすごいのです。すさまじい描写力で、映画を観ているかのような錯覚を覚えました。そして悪鬼の最期の姿のおぞましさとか、あっけなくもはかない別れなど、印象的なシーンがたくさん。プロットもすごくいい。トラヴィスはヒーローだけど、無敵な強さではない。苦悶し自答し失敗だってする。ハードボイルド的だけれど、人間的でもある。

しかし、やっぱりこの世に鬼はいますよ。マジで。

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シンデレラの銃弾 (河出文庫)
ジョン・D. マクドナルド
河出書房新社
売り上げランキング: 395254

 ふたたび、ジョン・D・マクドナルドの作品「シンデレラの銃弾」を。

これも悪役の描き方が見事。

おそらくは朝鮮戦争で捕虜となったタル・ハワードが、捕虜仲間のティミーが故郷に隠していた大金を探そうとする。わかっていることは、隠し場所を「シンディが知っている」と言ったことだけ。ティミーの故郷で待っていたのは同じ捕虜仲間のフィッツマーティン。フィッツマーティンも、どうやらティミーが隠した大金を奪おうと嗅ぎ回っていたのだ。フィッツマーティンは乱暴者で情の一つもない男。ティミーが来るずっと前に街で大金を探しているというわけだった。フィッツマーティンの妨害を受けながらも、タルはシンディを探そうと、ティミーの友人たちと会いはじめるのだが……。

「濃紺のさよなら」とプロットの構図は似ている。戦争から帰ってきた男が、宝を探す。そして残忍で非情な男が妨害者となって現れる……。「濃紺のさよなら」のアレンも相当な悪だったが、フィッツマーティンもそれに負けず劣らずの悪者。手に汗を握る場面がいくつもあって、あっという間に読み終わってしまったというところでした。

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8月8日の16時半に、僕らは富士山の富士宮口五合目に集合しました。今年は、屈強な船乗りと、アスリート二名、サラリーマンの私、の計四名で富士山頂へアタックです。 船乗りの友人A君は、すでに富士山登頂8回のベテランで、今年も7月に一人で頂上まで登った男。アスリートの友人B君は、富士吉田市から富士山頂までを往復する富士登山競争に何度も出場し、フルマラソンを難なくこなすアスリート。アスリートのC君は、A君の弟で、中距離ランナー。C君は「体力には自信がありますが、気圧の変化には弱いのですよ」とおっしゃる。凄いです。こんな猛者達の中にあって、私は少々気が引けましたが、気合いだけを頼りに登ることにしたわけです。

集合の後、まずは六合目まで十数分ほど登り、山小屋に到着。ここで食事を取って、一晩泊まりました。夕方は宝永火口近辺を散策して足慣らし。

天気が思いの外よくてすがすがしい。聞こえる文明の音は航空機の音だけ。しかも標高が高いので、飛行機の見た目のスピードがとても速いのです。影富士も見られました。食事はカレーライス。他の方々は、さらに一品ボリュームある食事を取っておられました。みなさま本当に凄いです。

夜は晴れ渡っていて下界の夜景が美しくて、御前崎方面から、沼津、三島、熱海あたりまでよく見えました。熱海の花火大会も眺められました。夜になっても、登山客の列は途絶えることはありません。山頂に向かう登山道は、夜間登山をする方々のライトが連なっていて、それはそれは幻想的。 私は、20時過ぎに早々に寝室に退散。寝室では布団一枚に二人が眠るぎゅうぎゅうずめでして、部屋に入った時点でもう何十人もの方々が寝ておられる。おそらくは夜中に出発して頂上でご来光を眺めようとする方々だと思います。

布団が硬く、足も伸ばせない狭い場所で眠りましたが、起床予定の5時ぴったりに目が覚めます。私は、よくこういうことがあるのですよ。目覚ましなしにぴったりと時間通り起きるという恐ろしい状況。我々以外で眠っている人はもういませんでした。

空はずいぶんと明るくなりまして、5時半頃には、宝永火口の向こう側、雲にかすんだ太陽が昇りました。太陽の周りには虹が円環を形作っていました。

 

さて、6時に六合目の山小屋を出発。ただひたすら登るのみ。 富士宮口は下山客が渋滞をしていて、人だらけといった様相。皆さん山頂でご来光を眺めたのでしょう。人が多すぎたので、八合目で富士宮口ルートから御殿場口ルートへトラバース。そこから先が厳しい。ふくらはぎに鈍い痛みが居座り続けます。もう速度あげられない状態。船乗りA君と、アスリートB君は、涼しい顔をしています。ただ、気圧に弱いC君はちょっと厳しそう。頭が痛いそうで、高山病でしょうか。

そのうちに、C君が厳しい状態で、酸素を何度か吸って、立ち止まる状態。これは厳しいか、と思ったのですが、C君が突如スピードを上げて登り始めました。早く登った方が調子がよさそうなのです。あれよあれよと言う間に、我々を引き離して行きました。私はもうこれ以上速度を上げることがあたわず、鈍重な感じで登るしかない。酸素が少ないからだと思いますが、これまでに経験したことのないけだるい疲れ。ほとんど記憶なし。ただ、登山の時にいつも感じる山と一体になったような感覚でして、登るという行為しかそこにはない。主客未分の西田幾多郎的純粋経験でした。

やっとの思いで山頂に到着しましたが、山頂外輪山はガスの中で景色など見ることはできず。強い風に晒され、寒さは尋常ではありません。写真を撮って、山頂の浅間神社に参拝、郵便局で暑中見舞いをだしますが、寒すぎて動きも緩慢になります。そこから、富士山測候所跡のある剣が峰までさらに登りを。馬の背と呼ばれる急な上り坂を、寒さをこらえながら登り続けますが、勾配が厳しく、ずるずると滑る感じ。ストックを付きながらやっとの思いで剣が峰に到着。標高3776メートルに到達です。そこに自分がいるのが信じられないぐらいでした。持って行ったGPSも、誤差二メートルぐらいで、記念に写真を撮りました。

 

下りは下りでまた大変でした。富士宮ルートから下山を始めたのですが、勾配のきつい岩場を降るわけでして、膝にかかる負担は相当なもの。しかも、気圧が低いので息切れが収まらない感じでした。下ること三時間ぐらいで、ようやく六合目の山小屋に帰還しました。リュックザックをおろすと、腰のあたりが汗でびしょ濡れ状態。こんなに汗をかいていたとは思いも寄りませんでした。

とりあえず山小屋でざるそばを食べましたが、他のメンバーは、定食を食べていました。凄い食欲。 というわけで、我々は、事故もなく無事に下山することができました。ですが、やっぱり山は怖くて、滑落したり、高山病で動けなくなったりした人もいたそうです。

家に帰り着くとへとへとでして、食事をとると、なぜか口の中がひりひりとあれていました。おそらくはビタミン不足だ思います。私にとっては相当厳しい運動だったようです。今回は減量にも失敗してしまいました辛かったというところでしょうか。もう少し体を鍛えないとダメみたいです。

というわけで。プロジェクトは無事終了です。体を鍛えようと言うことで、今日から早速ジムに通い始めました。がんばりましょう。

 

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 またiPod壊れました……。

13日の木曜日頃だったと思うのですが、バスの中で、揺れた途端にiPodを落としちまいました。まあ、大丈夫か、と思っていたのですが、今日になって、ハイティンクのワルキューレが再生できなくなり、おかしいなあ、と思って、復元→同期、と試したところ、エラーで同期できなくなり、音楽再生もできなくなっちまいました。ああ、またですか……。間違いなくハードディスクの損壊です。今回は、透明なアクリルのケースに入れていたのですが、衝撃に耐えられなかったらしいです。ショックでかいです。

さらに悪いことに、オンラインで修理しようとしたら、サポートページが凍り付いて、サポートに電話したら、システムメンテナンスですって。困りました。

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本命 (ハヤカワ・ミステリ文庫 12-4 競馬シリーズ)
ディック・フランシス
早川書房
売り上げランキング: 221998
おすすめ度の平均: 5.0
5 競馬シリーズ最初の作品
5 名作家との忘れられぬ出会いの書

Podのない生活一日目。今日は、ショルティの「マイスタージンガー」をCDウォークマンで聴いております。なんだか、6年前に戻った感じ。iPodを買ってからもう6年ですか。160GBないと私は生きていけないです。この閉塞感、不自由感はいったい、という感じです。時間の遡行が難しい世の中です。

さて、ディック・フランシス「本命」を読みました。お恥ずかしいことに、ディック・フランシスものは読むのが始めて。これも高校生の頃に読んでおきたかったです。

主人公アラン・ヨークはローデシア生まれの実業家の跡取りだが、アマチュアで競馬レースに出場する騎手でもある。ある日、アドミラルという英国一とも言われるサラブレッドに乗った朋友のビル・デヴィッドソンが障害物で落馬し命を落とす。アランはそのとき障害物上に張られた針金に気づく。これは事故ではない、と確信したアランは調査を開始するのだが、レースの行く末を操作する八百長が行われているのがわかる。どうやら、ビルは八百長(本の中では「押さえる」という言葉)を断ったため、落馬させれらたのだった。アランも警告と称する暴力沙汰に巻き込まれ身の危険を感じる。馬主の一人で美しい令嬢のケイトとの出会いが、事態を思わぬ方向へ導いていく。

犯人探しは、簡単でしたが、描かれた物量の充実度がすばらしいです。フランシスは実際にレースにも出場したアマチュア騎手ということもあって、レースや騎手の控え室の描写がすばらしいです。ウィキでは「本命」が最初の作とありますが、本にはシリーズ第三弾と書いてありました。どうやら訳出の順番が違うようです。

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イコン〈上〉 (角川文庫)
フレデリック フォーサイス
角川書店
売り上げランキング: 270050

 先日読んだ「ジャッカルの日」が滅法面白くて、ああ、僕はスパイ系小説とか、国際政治的小説が好きなんだなあ、と妙にフィット感を感じていまして、同じフォーサイスの手による「イコン」を読み始めました。

読み始めから、構造に少々戸惑いまして、非常に視点が多く、時代も1980年代と1990年代後半を行ったり来たりします。途中でそうしたこった構造にも慣れてきたのですが、上巻を読み終えたときに、こういった複数視点同時並行的な話しの進め方が当然ですが意図したものであり、その効果を十二分に発揮していることを感じました。

この本が書かれたのは1996年ですのでいまから13年前です。その当時にあって、というかその当時にあってこそかもしれませんが、ソ連崩壊後のロシアの混迷の未来史的考察には、少々無理があるものの、さもありなむ、と思わされます。このあたりは明日から読む下巻で明らかになってくることもあると思います。

なにより、崩壊前のソ連KGBと、アメリカCIA、イギリスSISといった諜報機関が繰り広げたスパイ戦争の舞台裏に触れられるのが何よりの刺激です。オルドリッチ・エイムズという実在のスパイが登場して、臨場感を感じますし、なによりソ連国内で拘束されたスパイがたどる苛烈な運命にも、ほんの20年ほど前の欧州でこんなことがあったのか、とショックを受けたり。そう言えば、私らが子供の頃は、ソ連のミサイルがいつ飛んでくるか、と毎日が不安だったこともありました。ソ連が崩壊して、やっと核戦争の恐怖から解放された、と思ったのですが、今は以前より増して核攻撃の危険があるようではありますが。

今日は、ケンペの「アルプス交響曲」を聴きました。カラヤン盤のような音質には恵まれていませんが、まとまりがあって統率のとれた演奏でした。また明日も聴こうと思います。私は、何度も何度も同じ音源を聞かないと、なかなか語り出せないようです。

そういえば、最近いろいろ本を読んだりして思うのは、私らの歳になると、海軍では、もう小さい艦の艦長ぐらいにはなる頃合いですよねえ。まあ艦長は会社で言えば管理職だと思いますが。8月に入って、とりわけNHKで第二次大戦関連のドキュメンタリーが多く放映されていまして、今も昔も組織はかわらんなあ、と思ったり。軍隊も会社も組織という観点から見れば非常に似通っております。そういえば、私らが小さい頃の雑誌プレジデントは、毎月のように軍人特集でしたねえ……。

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イコン〈下〉 (角川文庫)
フレデリック フォーサイス
角川書店
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 下巻まで読み終わりました。

下巻は、上巻とは打って変わって、ストーリーは単一。上巻の複層性とは対照的です。物語としてはややもすると予想された方向に収斂していきますが、さすがにベテランの作家さんだけあって、下敷きにしている情報量が素晴らしかったです。映画を見終わったあとのすがすがしい感覚。

フィクションとはいえ、ロシアの実情をある程度は反映していると思われますので、非常に勉強になります。ロシアの抱える闇は、そう単純なものではないようです。最近はそうした諦観を覚えるようになってきました。

上巻で、実業家の男が語った以下の文がちょっと気になりました。

わたしは馬齢をかさねて、悪というものは存在しうる、そして悪はしばしば一個人によって体現されうると言うことを信じるようになりました。

この一言は、ナチスドイツを指し示す文脈で用いられていまして、まあ、個人的には善悪二元論に追従するほど耄碌していないつもりですが、少なくとも状態としての悪は少なからず存在しているという強い直観は間違いのないことで、それから、それらが単に断罪できるほど単純ではないことも、自分のなかにも悪が巣くう可能性があるということも。油断せずに生き抜かねばならないです。個人でできることは限られていますが。

以下の「続き」は、読み終えたかたのみごらん下さい。ネタバレ的なものが書いてあります。

 

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昨夜は久しぶりに時間があったので、家人が録画しておいてくれたNHKの番組を観ました。この番組、どうやら世界中で活躍する日本人たちがテーマの番組のようです。私は今回初めてみました。 3月に放送した回の再放送だそうです。

主人公は、ウィーンの音楽大学でオペラ演出を勉強されている女性で、釣さん、とおっしゃる方。今31歳でいらっしゃるのですが、フルートで日本の音楽大学をご卒業されている方です。ドイツ留学を前に、演出の世界に飛び込まれたそうで、ベルリンで学んだ後に、ウィーンへいらっしゃって、勉強しておられる。アルバイトと研鑽をかねて、ウィーン国立歌劇場の裏方スタッフとしても働いておられる。すごいバイタリティーと意志力。経済状況もままならず、粗食で乗り切っておられる。そして、元気を出すために、ベートーヴェンやシューベルトの墓に詣でるという。

私も、このお墓に参るという気持ちは良くわかります。ワイマールに行ったときに、ワイマール王家の廟に行ったのですが、石造りの棺が並ぶ中に、木製の棺が二つあって、そこにはゲーテとシラーの名前が刻んでありまして、ああ、ゲーテもシラーも本当に実在していて、いままさにここで眠っているのだという強い実感を得たことがありまして、何かそこはかとない力を感じたのを覚えています。

番組冒頭に小澤征爾が現れたのもびっくり。お二人はお知り合いなんですねえ。

番組の後半で、卒業制作として、チェネレントラの演出製作を担当されるそうで、結構苦労しておられました。二元論的な意味を演出上表現するために、白と黒を使おうとするのですが、ホッファーとおっしゃる教授に、文化によって色の意味合いが変わるといったことを指摘されてしまったり。この担当教授がおっしゃった「芸術はきれいなだけじゃダメなんだ」という言葉が印象的。そうそう。耳障りの良い音楽が決していい音楽ではない。そこには真実在はないですから。モーツァルトだってあの時代にあって曲の中にとんでもない旋律を出してきたりしますからね。

きっと、研鑽を積まれて日本に帰っていらしたら、僕らもこの方の演出を見ることができるかもしれません。楽しみです。

ウィーンには3日ほど滞在したことがあるのですが、北ドイツとは違う柔らかい音のドイツ語が懐かしくて仕方がなかったです。なんだか、ドイツ語の方が英語より単語がよく聞こえますね。発音的にわかりやすい言葉だと思います。僕は昔ゲーテでドイツ語を習っておりましたが、10年前にやめてしまいました。まあ体力的時間的に無理だったわけですが。残念でした。ちなみに、青山のゲーテって、昔は東ドイツ大使館があったところらしいです。

今回はレポーターのSchauspielerさんにはあえて触れず、ということで……。

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Wagner

今年のバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は最高です。また昨日から今日にかけて聴いてしまいました。イレーネ・テオリンさん、すげー。早く来年の東京リングでテオリンさんのブリュンヒルデを聞きたいです。

そして皆様、8月26日にNRKのウェブラジオで聞くことができますよ。ぜひぜひ聴いてみてください。私ももう一度録音を試みる予定です。くわしくはOperacastの特設ページにて。

それからもうひとつ。23日まで、バイロイトの公式ページで、8月9日のトリスタンとイゾルデの公演の模様を見ることができます。14.90ユーロかかりますけれど。私は昨週末は聞くことができなかったのですが、今週末チャレンジできれば、と思っています。予定的に五分五分かも知れませんけれど。

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Wagner

 

8月910日のバイロイト音楽祭「トリスタンとイゾルデ」のオンデマンド放送を見ています。やっと時間がとれましたので。まずは第一幕の模様を見たのですが、マジですか! これはすばらしい! いやあ、音源だけを聴くのとは本当に違いまして、私はPCの前で鳥肌が立つほど感動しました。

イレーネ・テオリンのイゾルデ、最高です。鬼気迫る演技と強力な歌唱の相乗効果にひれ伏すしかありません。私は新国の「トゥーランドット」でもトゥーランドット姫を歌うイレーネ・テオリンさんを聴きましたが、なにげにトゥーランドット姫の出番は少ないですよね。しかしながら、イゾルデですので、もう第一幕からフルパワー状態で、私は本当に驚きました。それから、かなり強気なイゾルデでして、最後の最後まで全くぶれないです。それが、最終幕でああいう変化をするとは想像できない感じでした。

演出は、おそらくは60年代から70年代的な衣装。品よくまとめられています。

音楽的には、もうこの3週間ほどさんざん聴いていたのですが、ここまで劇と密着しているのだ、ということは映像を見てやっとわかった次第。シュナイダーさんの演奏は、おそらくは劇を影でしっかりと支えるような動きでして、劇の感動が、実は音楽によるものなのだ、ということを後になって気づく、といったような演奏です。

さて、明日は第二幕以降を見る予定です。

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Wagner

 

バイロイト「トリスタンとイゾルデ」観ました。すごいですね。もう、キャスト全員がすごくてあっけにとられていました。イレーネ・テオリンの「愛の死」は壮絶で、しばらくは忘れられそうにないです。

そして、この場ではこれまであまり触れていなかったトリスタンを歌ったロベルト・ディーン・スミスもすばらしかったです。正確無比なピッチにヘルデンテノール的純粋無垢な力強さ。そしてブランゲーネのミシェル・ブリートもすばらしい。テオリンに負けない声量とぶれないピッチ、そしてなにより表情や挙措の一つ一つに込められたそこはかとない意味性の表現は映像で観て初めて感じた偉大さです。クルヴェナールのユッカ・ラジライネンもよかったですよ。新国ではヴォータンを歌っていた方ですが、クルヴェナールの苦悩に満ちた役柄をうまく歌っておられました。

演出はやはり60年代的なものでしたでしょうか。いずれの幕も、蛍光灯をうまく使った演出でした。第一幕では丸い蛍光灯が天井で揺れ動き、第二幕では天井の照明がすべて蛍光灯で、スイッチをいれると「M」の字を描いたりする。おそらくはマルケ王のMです。第三幕はトリスタンの病室ですが、古びた壁に蛍光灯が掛けられていて、ジリジリと時々点滅したりする。

この偉大なパフォーマンスを舞台下で支えた最大の立役者がペーター・シュナイダー。私は、もうこの方のワーグナーとシュトラウスにべた惚れ状態です。まだまだ聴いていない音源はたくさんあると思いますが、それでも私はこの方と巡りあったことに感謝します。

今年1月の東京フィルの定期演奏会では半径10メートル以内だったのですねえ、この方と。舞台下最前列でシュナイダーさんの指揮を仰ぎ見ながら涙したのが懐かしいです。

私は、つい1ヶ月前までは、クライバーが振る「トリスタンとイゾルデ」が決定版だ、と思っていたのですが、このシュナイダー版の「トリスタンとイゾルデ」は、クライバー盤に負けず劣らずのすばらしい演奏だと言うことがわかりました。こういう体験がPCとネットを通してできるなんて、本当にいい時代になりました。今後の日本や世界がどうなるかは皆目見当がつきませんが、こうした思い出をもてる時代に生きているのは少なくとも幸せなことだと思います。平和ボケも困りますが、こうして感動を原動力に生きることも大事です。

演奏の模様は、8月26日にNRKラジオで放送予定です。Operacastの特設ページにて詳細をごらんになれます。

Operacastの特設ページから、キャストを以下の通り引用します。 

TRISTAN UND ISOLDE:

  • Conductor Peter Schneider
  • Production Christoph Marthaler
  • Costumes and stage design Anna Viebrock
  • Chorus director Eberhard Friedrich
  • Tristan Robert Dean Smith
  • König Marke Robert Holl
  • Isolde Iréne Theorin
  • Kurwenal Jukka Rasilainen
  • Melot Ralf Lukas
  • Brangäne Michelle Breedt
  • Junger Seemann Clemens Bieber
  • Ein Hirt Arnold Bezuyen
  • Ein Steuermann Martin Snell

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Richard Strauss

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R.シュトラウス:アルプス交響曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 小澤征爾
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 なんと、iPodがもう帰ってきました。先週の月曜日の夜に集荷があって、戻ってきたのが木曜日の夜。早い。さすがアップル。金曜日の夜に復旧して、週末からはフルフルに使用しました。うれしいです。

そして、もうひとつ。携帯も壊れちまいました。まだ電源は入るのですが、ヒンジがガタガタで、完全に壊れる前に交換したのですが……。ウチの家族はみんなソフトバンクでして、家族割引があると言うこともあって、やむなくソフトバンクにしているのですが、なんだかんだとあくどいです。料金プラン変更しないと機種変更させてくれないし、制度はわかりにくいし。他のキャリアも同じですかね。携帯はほとんどの人が持たざるを得ない状況にあるわけで、そうした弱みにつけ込まれてしまった感じです。

さて、今日はアルプス交響曲です。カラヤン盤、ケンペ盤をよく聴いていたのですが、小澤盤を先だって入手しましたので聴いております。小澤征爾さんらしいうねりと粘りが感じられます。「頂上」あたりに達したときにそれを強く感じました。おそらくはテンポを緩めるところや、ためるところからそう感じると思うのですが、テンポを落とすと言うところに落ち着くような単純な話しでもなさそうです。

先だってからよくこの場に書いているシュナイダーさんの指揮とは明らかな質の違いがあると感じます。小澤さんの指揮にはある種強い意志のようなものを感じます。なにかをねじ伏せようとするほどの強い力なのですが、シュナイダーさんの指揮はなにか自然に寄り添うようなわき上がる欲求的意志のようなものを感じます。

小澤征爾さんのウィーン国立歌劇場の人気は来年まで。8年つとめたのですが、あっという間でした。私は2003年にウィーンで小澤さんの指揮の「フィガロの結婚」を見ましたが、あの時もやっぱり、粘りようなものを感じました。それがすこし歌手との間に隔たりが生まれていたような気もしました。印象的だったのが、全曲演奏が終わると、指揮台の周りの演奏者達一人一人と握手をして回っていたこと。ものすごく気を遣っていらっしゃるのが分かりました。

ああ、それから、2004年だったと思うのですが、小澤さん指揮の「ボエーム」を浜松まで行って見てきたことがありました。あのときのムゼッタはネトレプコでした! ムゼッタは二幕だけなので、もっと聴きたいと思いましたが。

また是非実演に触れてみたいです。

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Wagner

2009年1月24日にベルワルトホールで録音された「トリスタンとイゾルデ」第二幕を聴いています。 ニーナ・シュテンメのイゾルデ、ペーター・ザイフェルトのトリスタンです。指揮はダニエル・ハーディングでスウェーデン放送交響楽団の演奏をスウェーデンのラジオから録音した音源を聴いています。

私は、ザイフェルトのトリスタンを始めて聴きましたが、これはすごいです。甘さを兼ね備えたつやのある凛々しい声です。良いですね。ジークムントもお似合いですが、トリスタンもいける。かなりナイーヴな感じのトリスタンです。私はすぐに気に入りました。シュテンメのイゾルデは少し柔らか味を帯びた母性的イゾルデでしょうか。ザイフェルトとシュテンメの声質が大分と違うのでコントラストが面白いですね。

さて、最近の読書状況ですが、アシモフの「夜明けのロボット」を読んでいます。先週の木曜日から読み始めまして、今日読み終わるかどうか、というところ。これまでのロボットシリーズよりも長くなっているようでして、文庫本だと上下二冊です。私は図書館から借りた単行本版を読んでいます。詳しくは明日書けるでしょうか。

仕事がやばい。綱渡り状態。明日が無事な一日でありますように。

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夜明けのロボット〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
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アシモフの「夜明けのロボット」を読終わりました。先週の木曜日から読み始めまして、最近にしては少し時間がかかりました。これまでのロボットシリーズよりも長くなっているようでして、文庫本だと上下二冊です。私は図書館から借りた単行本を読みました。

今回の事件はショッキングです。ダニールと同じヒューマンフォームロボットであるジャンダーが「殺されて」しまうというもの。ロボット殺しとは、ロボットの頭脳である陽電子コンピュータをフリーズさせる、あるいはデッドロック状態に陥れることです。ロボット三原則がありますよね。

  1. ロボットは人間を傷つけてはならない。
  2. 1.に抵触しない限りにおいてロボットは人間の命令に従わなければならない。
  3. ロボットは上記二項に抵触しない限りにおいて自分のみを守らなければならない。

ロボット殺しは、このロボット三原則といった根本的な命題、定理の三竦み状態のような状態に陥らせることで、ロボットはフリーズし再起不能となるわけです(本当はそんなに単純な話でもないのですが)。ですので、殺人とは少し様相が違います。

今回もファストルフ博士の要請によりイライジャ・ベイリが捜査にあたり、地球から惑星オーロラに向かいます。オーロラは、スペーサー達の中心惑星。オーロラは「夜明け」という意味がありますので、タイトルの「夜明けのロボット」には「オーロラのロボット」という意味を撮ることができます。

今回も、「鋼鉄都市」からおなじみの、ヒューマンフォームロボットのダニールが登場。そして「はだかの太陽」に登場したグラヴィアも。グレディアとイライジャ・ベイリの関係も面白いのですが、グレディアとジャンダーの関係も興味深いです。殺されたヒューマンフォームロボットのジャンダーとグレディアの隠されていた関係とは何か。

捜査に当たる中で、ベイリは宇宙人(スペーサー)達の派閥抗争にも巻き込まれます。銀河を地球人の手で開拓すべきだというファストルフ博士と、開拓はあくまでスペーサーが行うべきであり、人口の少ないスペーサー達自身ではなく、スペーサーと同じ能力を持つヒューマンフォームロボットを量産して開拓に当たらせようというアマディロ博士の対決です。議論の前提としてあるのは、スペーサーたちの人口は制限されており、ロボットを使用した安穏無事故の世界に留まっているがゆえに、開拓といった仕事は不可能である、と言うことがあります。

ベイリは、ファストルフ博士と「鋼鉄都市」の中でこういった問題を議論し、地球人が銀河系開拓に向かえるべく運動に従事するようになっているわけで、派閥抗争はベイリの捜査にも影響してきますし、ベイリの運動にも影響があるわけです。地球人独力では銀河の開拓は出来ないわけで、オーロラなどのスペーサー達の星間連合の協力なくして出来ないわけですから。

ここから先はこたえが書いてあるので、色を変えます。

それにしても、アシモフの本を三冊読みますが、緻密な構成には舌をまきます。犯人らしき人物が判明するのですが、実はそれが違う、とか。ベイリも真犯人であるロボットのジスカルドのことを気づいているのですが、人の心を読み、人の心の操作までも可能なジスカルドが、この物語の中でどのような役割を演じたのか、薄い層となって物語全体に敷衍されていますので、してやられた、という感じです。

というわけでロボットシリーズの三冊を楽しみました。引き続き「ロボットと帝国」を読む予定ですが、その前に読む本が3冊ほどあります。がんばりましょう。

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北京暗殺団をつぶせ (1983年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
アダム・ホール
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 このスパイ小説は、ハードで文学的。内面描写は具象と抽象の間を行ったり来たりして、目がくらむ思いです。

イギリスの情報機関の諜報部員クィラーの活躍は、あまりに生々しく、冷たいリアリズムに背筋が冷たくなります。自動車事故に見せかけてロンドンで殺された同僚の事故現場を離れた直後に記憶を失い、次の瞬間自分も交通事故に見舞われる。要は命を狙われたと言うこと。キーは北京にあるとみて、中国首相の葬儀に参列するイギリス外相の随行員になるのだが、当の外相も爆弾テロで命を奪われる。手がかりを求めて韓国に潜入するが、情報を得る寸前で情報源は殺される。なんという救いのなさ。

著者のアダム・ホールは、ペンネームで、本名はエルンスト・トレヴァーとおっしゃるようで、えらくたくさんのペンネームをお持ちです。

ともかく、終盤は意外な展開で、驚きますし、途中に挟み込まれた悲壮なエピソードも衝撃でした。

とはいえ、キャセイパシフィック航空が金浦空港から平壌への定期便をDC-10で飛ばしている設定が出てくるのですが、そんなことってあったのでしょうか? キャセイはDC-10も保有していなかったようですし……。

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Richard Strauss

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Alpine Symphony
Alpine Symphony
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Polygram Records (1990-10-25)
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 今日の関東地方は、昨日の涼しさが一転し蒸し暑い一日。最近ジムに通い始めました。週末だけですが。90分ほど汗をかきました。心地よい疲労感。ですが、体重が0.5キロ増えてしまいショックです。

さて、昨日から、ハイティンクの「アルプス交響曲」を聴いています。

ハイティンクを初めて聴いたのは中学生の頃でしたでしょうか。ショスタコーヴィチの「バビ・ヤール」を買って、どエライ音楽があるんだなあ、とかなり驚いたのを覚えています。その後、10年ほど前にマーラーを聴いたのですが、当時は、どこか気に入らないところがあって、少々苦手意識を覚えていました。ところが、昨年、「指環」を聴いたところ、これが滅法素晴らしくて、ハイティンクを聴いてみよう、という気持ちが強くなりました。

と言うわけで、先日の小澤盤に続いて、ハイティンク盤を聴いている次第です。

ハイティンクの指揮は、実に鮮明で清々しさを感じます。きわめてクリアな印象。小澤盤のようなねっとりとしたものは感じません。実は結構テンポを動かしていて、疾走感とか、重厚感がきちんと伝わってきます。過剰に抑制した指揮だったような昔の記憶が残っているのですが、そんなことないです。歳とともに感じることが変わってきているのでしょうか。これは愛聴盤になりそうな予感。

アルプス交響曲、実はこの二三年で聴くようになった曲です。中学生の頃にプレヴィン指揮の音源をエアチェックしたのですが、音質が良くなくて印象が悪いままでした。シュトラウスのオペラをよく聴くようになってから、ウェブラジオで聴いて、開眼したような格好です。作曲されたのは1914年から1915年にかけて。「ばらの騎士」を終えて、「ナクソス島のアリアドネ」を作曲していたころと時間が重なるでしょうか。カラヤン盤、ケンペ盤、小澤盤、そして今回のハイティンク盤程度しか聴いていませんが、この数年で好きになった曲の一つです。

それにしても、シュトラスの描写力は凄いです。水の流れや、頂上から眺める景色や、風の音から、鳥の声、牧場の風景、稲妻、何でも聞こえてきますので。

私も、少々ハイキング程度の山登りはしますが、アルプスぐらい急峻な山に登るのは気分が違うでしょうね。私はせいぜい丹沢をかじったぐらいですので。まあ富士山は運が良ければ誰でも登ることができるでしょうけれど。

そう言えば、半年ほど前に、私の家内の友人で、クラシックが好きな方とお話をしたのですが、私が「昔はマーラーが好きでしたが、最近はシュトラウスですねえ」と言うと、「普通逆じゃないですか?」と笑われました。私にしてみると、まあ現実というものは、えてして不条理ですので、せめて音楽を聴くときぐらいは、酔わせて欲しいのだ、というところなのです。なんていいつつ、「ヴォツェック」とか「ルル」も好きですが。そういえば、この半年はマーラー聴いていないなあ……。

 

 

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番
ブレンデル(アルフレッド)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2005-06-22)
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ブレンデル=ハイティンクの理想的なコラボレーション

今日の関東地方は幾分と涼やかになりました。昼食は近所のレストランで食事。外食するのは結構久しぶりでした。昔は、あんなに外食していたのに。外で食事を取らないと行けないときは、店になんて入らずに、軽食で済ませてしまいますので。まあ、家庭を持つと、家の食事が一番になってきますね。ラーメン屋の行列をみても、あまり食指が伸びませぬ。

昨日、ハイティンクのことを書いて、15年ほど前、高校生の頃の記憶がよみがえりました。ふとつけたNHK-FMであまりに刺激的なベートーヴェンの交響曲第四番を聴いた記憶です。それは第三楽章でして、激しく熱い演奏に心が震えました。アナウンサーが告げた演奏家はハイティンクとブレンデルでした。

私はあまりピアノ曲は聴きませんが、そんな中にあってブレンデルの録音にはひとかたならぬ思い出があります。ブレンデルの演奏をたまたま録音したのですが、それはシューマンの「交響的練習曲」と、リストの「巡礼の年第二年イタリア」でした。「交響的練習曲」の疾走感、躍動感、そして「巡礼の年第二年」の瞑想的な静謐さに、年若いからこそかもしれませんが、ずいぶんとのめり込んだ記憶があります。

そのブレンデルの才気が迸り、ハイティンクの明晰で怜悧な指揮だからこそ、ここまでにも興奮を呼び覚ます刺激的な演奏となったのでしょう。初めて聴いたときは、8ビートロックを聴いているのか、と思ったほど。第三楽章を今日改めて聴いてみると、やっぱり凄いのです。緻密で乱れのないリズム、大きな振幅、絶妙なスピードコントロール。F1的とでもいいましょうか。録音は1976年ですので、いまから33年前。うーん、すごい。終幕にいたる高揚感は、最終コーナーを回ったサラブレットがゴールを駆け抜ける気分。

ちょっとこれは聞き込みたい気分です。元気のない時に身を奮い立たせるのにも良さそう。早速iPodに入れましょう。

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Richard Strauss

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リヒャルト・シュトラウス 楽劇「ばらの騎士」全3幕/カラヤン&ウィーン・フィル(ザルツブルク音楽祭1960年) [DVD]
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おすすめ度の平均: 5.0
5 カラヤン、シュヴァルツコップ、役者勢ぞろい
5 気品と楽しさに溢れた、美しく感動的な「薔薇」
5 あっという間に過ぎ行く時間
5 歴史的かつ、最高の「ばらの騎士」
5 待望久し!

まずは、叫び声。ギャー! 昨日は選挙報道に就寝しすぎて、クラシックロイヤルシート、録画し損ねました。ハイティンクのシューマンとブルックナーだったのに……。

さて、気を取り直して。

8月23日夜のクラシックロイヤルシートは、カラヤンの「ばらの騎士」でした。 第三幕のところだけですが、金曜日の夕食中に観終わりました。実に興味深いです。1960年のザルツブルク音楽祭の映像で、モノラル録音です。おそらくはアマゾンで販売されているこのバージョンに間違いないと思います。

まずはカラヤンの若さ。ウィーンフィルを統率するカラヤンは自身がみなぎっています。それから、オットー・エーデルマンのオックス男爵は表情豊かに歌っていて見本のようなイデアールなパフォーマンスです。クルト・モルのオックス男爵がすごく上品に思えてきます。それぐらいオックスのある種の「品位」を巧く出しておられました。すごいですね。

そして私は生まれて初めてシュバルツコップの歌う姿を見ましたですよ。こういう方だったのですね。これももう見本のようなマルシャリンです。衣装もかなりクラシカルでして、なるほど昔はこういう衣装だったのかあ、と。

オケの音量が思ったより押さえられているのでは、と妻が申しまして、そういやあそうだなあ、と。PA使っていないからか、録音の編集でそうした加工がされているのか、というところ。

クラシックロイヤルシート、侮れないですね。

来月は、スカラ座の「ドン・カルロ」、新国の「トゥーランドット」、チューリヒ歌劇場の「カルメン」と、オペラ目白押し。月末はNHK音楽祭2009から、バレンボイム指揮のヴェルディ「レクイエム」。

CDはこの数ヶ月買っていませんが、聴くものはあまたあります。財布が寂しい今日この頃、助かりますです。

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