Opera,Richard Strauss

今朝も朝から大忙しです。なんだか最近4時ごろに目が覚めちゃう。寝るのは23時前なんですけれどね。もう少し眠らないと体に悪いとわかっているんですが、なんだか起きちゃう。悪夢を見るわけでもないのですが。いや、悪夢ではない現実的な夢だからこそ悪夢より悪夢的で、きっとそこから逃避しようとして起きているに違いない。最近、そう思うようになりました。

さて、年末に注文していたホルスト・シュタインが振るシュトラウスの「カプリッチョ」をiPodに入れましたので、大好きな最終場面をまずは聞いてみましょう。伯爵夫人マドレーヌはアンナ・トモワ=シントウ。カラヤンに多く起用された大歌手でして、私もカラヤン盤「ばらの騎士」や、カラヤン盤「4つの最後の歌」でお世話になりました。

この方の声の特徴としては丸みを帯びた豊かな声なのですが、少々ビブラートが強い感じです。昨年イレーネ・テオリンのビブラートに共鳴して以来、ビブラートへのアレルギーは徐々に薄れていきました。今回聞いたところでは、以前よりもあまり違和感を感じずにすみました。

むしろ、シントウの歌い方は、実に感情的です。ルネ・フレミングの伯爵夫人はすこし気取った、気高い感じでしたし、ヤノヴィッツの伯爵夫人は清らかな感じでしたが、ここでのトモワ=シントウの伯爵夫人は実に情感たっぷりに歌っている。まだ、詩をとるか(つまりオリヴィエ)、音楽をとるか(フラマン)、本当に決め迷っているというふうに聴いて取れます。

そして、最後のソネット。今日もまた泣いちゃおう。なんでこんな曲を書いたんだろう。昨日友人の日記にもコメントしましたが、もう、ほとんど西田敏行的な泣き上戸になってしまっている。っつうか、実演で涙が流せなかったら、元取れてない、と思っちゃうぐらい。

昔から、コンサートの最初で弦楽器がなるたびに背筋がゾクゾクしていたんですが、まだ泣くにはいたらなかった。最初に大泣きしたのは、新国立劇場の2003年の「ラ・ボエームで、有名な「私はミミ」の前にあるロドルフォのアリアのところ。あそこ、本当に泣きました。あれが、初めて。アルフレード・ポルティーヤのテノールでした。

今回のシントウの伯爵夫人もうっとり。伯爵夫人マドレーヌが、詩人オリヴィエからの求婚を受け入れるのか、作曲家フラマンからの求婚を受け入れるのか、本当に迷っていて、どうしようかどうしようか、という切迫感を感じさせます。かなり感情のこもった熱唱です。

シュタインの指揮もたっぷりとための入った豪華なもの。完全に掌握して放さず、それでいて失速しない、という、私がいつも書いている指揮者への賛辞が当てはまります。

来年のMETでは、「カプリッチョ」があるようです。伯爵夫人はフレミング。2011年4月ですが。これは絶対に落としてはなりません。