2010年4月アーカイブ

さて、昨月の読書実績です。目標9冊に対して8冊ですが、ちと実用本が入っているのが難点であります。雑誌も結構読んだので、まあ目標達成ということで。ただ、もう少し違う趣向の本を読まないと、というところ。

期間 : 2010年03月
読了数 : 8 冊
本・雑誌
福本 和也 / 光文社 (1988-06)
読了日:2010年3月31日
ブラックアウト〈下〉 (新潮文庫)
ジョン・J. ナンス / 新潮社 (2002-04)
読了日:2010年3月23日
ブラックアウト〈上〉 (新潮文庫)
ジョン・J. ナンス / 新潮社 (2002-04)
★★★☆☆ 読了日:2010年3月14日
本・雑誌
ジョン・J. ナンス / 早川書房 (1994-10)
★★★☆☆ 読了日:2010年3月9日
旅客機年鑑 2010-2011 (イカロス・ムック)
イカロス出版 (2010-01-30)
★★★☆☆ 読了日:2010年3月20日
本・雑誌
ジャン・クロード ベルトン / 白水社 (1987-10)
★★★☆☆ 読了日:2010年3月4日
本・雑誌
ギャビン・ライアル / 早川書房 (1976-10)
★☆☆☆☆ 読了日:2010年3月2日
Movable Type 4.x 本格的CMSサイトを構築するためのMTスーパーテクニック クリエイターが身につけておくべき新・100の法則。
加藤 善規 , 平澤 隆 / インプレスジャパン (2008-09-12)
読了日:2010年3月24日

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Wagner

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講演集 リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大 他一篇 (岩波文庫)
トーマス マン
岩波書店
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こちらの写真は、2008年に訪れたヴァチカンのサンピエトロ大聖堂にある天才ベルニーニの手になる聖ロンギヌスの彫像。聖ロンギヌスは十字架にかけられたイエス・キリストの脇腹に槍をさしてとどめを刺した人物。キリストの血を浴びて、白内障が治ってしまい、後に列聖されるという人物。とはいえ、実在したかどうかはわからない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%8C%E3%82%B9

もちろん、この彫像の右手で持っているのが聖なる槍。すなわち聖槍。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E6%A7%8D

ということは、もちろんパルジファル。

パルジファルまであと三日。予習予習。

っつう感じで、この一週間はパルジファル漬けなんですが、東京春祭のこの以下の4つの記事が予習用として秀逸です。

http://www.tokyo-harusai.com/news/news_443.html
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_449.html
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_459.html
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_520.html

リブレット読んだり、カラヤン盤の解説を読んだりしているんですが、実に興味深い。演奏会形式で見るのはもったいない。演出付きで見てみたい、という思いが強いです。

たとえば、「ダ・ヴィンチ・コード」をお読みになれば、聖杯と聖槍がなんのメタファーなのか、というのはおのずとわかりますし、そうすると、リングにおけるノートゥンクのメタファーとの関連性も見て取れる。

第二幕でクンドリがパルジファルを誘惑する場面は、「ジークフリート」のブリュンヒルデ覚醒の場面のミラーリングにも思えてなりません。クンドリは「私の接吻があなたに叡智をもたらしたのでしょうか?」とか「あなたに神性をもたらすでしょう」という。ブリュンヒルデもやっぱりジークフリートに知識を授けているし、ブリュンヒルデの神性は逆にジークフリート誕生に寄与したために失われていますし。

それから前述のリンク先に指摘されていたんですが、この物語には、キリストその人についての叙述がなく、典礼の言葉もないという不思議さ。おそらくは、ワーグナー自身がそれにあたるものとしているんじゃないか、と。

トーマス・マンの「リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」を読んでいるところなんですが(これもめっぽう面白くて、何で今まで読んでいなかったんだ、という自己批判)、その中で愛情についての考察がいろいろ書かれていて、めちゃくちゃ興味深いんです。で、どうも、この愛と美というものが複雑に織り込まれている、あるいは織り込もうとしているのがヴァーグナーなのである、という直観に支配されています。

それと、ナチズムとの関連とか、ドイツ的なものとの関連とか考え出すと、身震いするぐらい面白い。この世界を20年前に知っていれば人生変わっていたと思います。

ちなみに、この「リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」の後半に書かれている「リヒャルト・ヴァーグナーの『ニーベルングの指輪』」の結語が、ゲーテの「ファウスト」第二部の最後の一節なのです。

「永遠の女性なるものがわれらを高みに導く」

これ、もうご存知のとおり、マーラーの交響曲第八番の最後ですよね。もう、なんだか、頭の中が興味深い妄念で満ち溢れていて、仕方がありません。

明日からはマンに没入しつつ、パルジファルを聴く予定。マンの前述の本ではクンドリのことが分析されていたりして大変興味深いのです。

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Wagner

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Deutsche Grammophon

まずは、嬉しい出来事! ぎゃー、あのあこがれの、テレビでおなじみの音楽学の某先生にお会いしました。レストランで食事をしていたら、たまたま入ってこられたのです。カミさんが、「挨拶しておいでよ!」って、「そそのかす」もんですから、意を決して話しかけてみました。いつもテレビで拝見しています。これからも楽しみにしています、とご挨拶。気さくな先生で、本当にびっくりでした。僕たちの方が先にレストランを出たんですが、出口で振り返って会釈したら、先生も僕たちに会釈してくださったんです。嬉しい。凄く気持ちの良い先生です。今度、街ですれ違ったら挨拶できるかなあ。とても良い思い出ができました。また会えると良いなあ。

でもですね、今朝は強風で電車が遅れまくって大変でした。私なんて、6時15分に家を出たというのに、会社に着いたのは8時55分でした。いつもなら7時40分には到着するというのに。2時間ほど立ちづくめで大変でした。まあ、それでも気合いで乗り切りました。まだまだ若いモンには負けませぬ。

皆様の「神々の黄昏」のブログ記事を拝読していて、ちょっとハイティンク盤の「神々の黄昏」最終部分を浮気して聞いていたら、思い出してうるうるしちまった。うーん、リングの世界は奥深い。ワーグナーの世界も奥深い。それにてしても、「 さまよえるクラヲタ人 」さんのブログは秀逸です。私はここまで覚えていない。すごいです。永久保存版。

さて、パルジファルの予習はなかなか進まない。私の場合、予習に関していえば、まずは音楽を覚えることから始めるんですが、どうもまだ第一幕しか覚えられてない感じです。なので、第三幕から何度も聞いている状態。

以前、書いた記憶もあるのですが、私のオペラの聴き方、をまとめてみると。

  1. まずは、音源を入手。
  2. おおまかなあらすじを把握。
  3. 音楽を覚えるために、ひたすら聴きぬく。
  4. 余力あれば、複数の指揮者バージョンで聴いてみる。
  5. 時間があれば、リブレットを読みながら音源を聴く。
  6. あらすじ理解のため、人物相関図を作る。
  7. 実演で、音楽と演出とリブレットの融合を楽しむ。
  8. 実演後は演奏や演出についての感想や妄想をブログに書いて記録する。

こんな感じです。

しかし、「パルジファル」におけるグルネマンツの圧倒的な存在感には感嘆するばかりです。狂言回しという感じではないです。狂言回しというと、「オテロ」のイアーゴとか、「ラインの黄金」のローゲなんかを思い出すのですが、グルネマンツはオペラの存立を支える強靭な土台でしょう。

で、私の聴いているカラヤン盤のグルネマンツはクルト・モル。レヴァイン盤もやっぱりクルト・モル。私は本当にクルト・モル御大が大好きでたまりません。クルト・モル御大の初体験は、もちろんクライバーの「ばらの騎士」オックスです。で、カラヤン盤でも歌っておられて、もう完全にデフォルト化している感じ。あとはクライバーの「トリスタンとイゾルデ」のマルケ王も印象的。あとは、サヴァリッシュ盤DVDの「ヴァルキューレ」のフンディングのすばらしさ。グルネマンツという難しい役柄を咀嚼吸収し個性として発露しているところは本当にすばらしいです。

さて、明日も引き続き予習予定。頑張ります。

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ことしもあっという間に桜の季節が訪れ、過ぎ去っていく。せっかくなので、夕方、タスクが終わった後に近所の公園に写真を撮りに行ってきました。この街で味わう春は何回目だろうか? 思ったより多くなっちまったなあ。よく考えてみると、この街が私の人生において最も長く住んでいる街になってしまっている。時間は累乗的加速で後方へ走り去る。

さて、本日のわたくし、昨日の交通障害の影響で、少々お疲れ気味でして、毎週土曜日の都心への移動もすっかり眠り呆けてしまい、山手線では「パルジファル」のリブレットを読んでいたら一駅降り損ねてしまうし、地元のジムへと戻るときも、一駅降り損ねてしまうという有り様。明日の「パルジファル」は長丁場ですので、早々に休もうと思いますが、その前に二言ばかり。

ハイティンクの「タンホイザー」

ジム近くのディスクユニオンで、ハイティンクの「タンホイザー」を見つけた。これ、アマゾンでも扱ってなかったので、買ってしまったんだが、序曲を聴いただけで、身震いしてしまった。「ばらの騎士」を聴いたときと同じ感覚です。ハイティンクって、本当に凄い。スピード感が絶妙なんです。全部は聴けていないのですが、これ、「あたり」だと思います。あ、クルト・モル御大も参加しているアルバムだったりもしますので、物欲押さえられませんでした。

芸術劇場のドゥダメル

それから、昨日のNHKの芸術劇場のドゥダメル、今、聴いているんですが、すごいっすね。私は、チャイコの5番を聴いたことがあるだけだったんですが、この方、本名は千秋真一っていう名前なんじゃないですか? シモン・ボリバル・ユースって、ライジングスターなんじゃないですか? みたいな。マンガなんだか現実なんだかよくわからない。

アダムスのシティ・ノアール、委嘱作品で初演とのこと。ノアールって、暗黒映画みたいな意味合いなんですけれど、サクソフォーン奏者の端くれとしては、かなりエキサイティングしてしまいました。アルトが大活躍じゃないですか! っつうか、これ、アルトサクソフォーン協奏曲に聞こえてしまうぐらい。

ジャズフレーバーを感じさせる曲で、サックスやらバスクラが激しい旋律を吹いたり、ドラマーが4ビートたたいていたりする。とおもえば、ベルクのような無調感がただよってくる。ビートが鋭角で冷たい。40~50年代のハリウッド映画からインスピレーションを受けた交響曲的作品です。ロスフィルにふさわしい曲。後半部分は、映画音楽的盛り上がりで、現代音楽といっても、かなりわかりやすくエキサイティングです。

マーラー「巨人」の前座なのでで、こういう場合、よくありがちな難解で短い曲なのか、と想像していたのですが、かなりの聴き応えで、繰り返し聞きたいと強く思う。しつこいですが、アルサク奏者の端くれとして、特に、です。

しかし、こういうクラシックのアルサクの音も良いなあ。どっちかいうと僕はデュコフ派だったんですけれど。

後半のマーラー「巨人」は、ちょっと今日は全部聴けない。でも、当然暗譜ですか。若いって凄い。

っつうか、そうこうしているうちに第一楽章が終わりかけている。すげー、ここまで熱くなるっすか。しかもこの決して早くはない速度でこの盛り上がり方。オケも完全に追随できていてドゥダメルの楽器になっている。うーん、騒がれるだけのことはある。天才っているんですね。さすがです。第二楽章の入りも速度のトリミングが凄いんだが、今日はこのあたりでやめておきます。

明日は復活祭にして「パルジファル」。何が待っているのであろうか。

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Wagner

今日は復活祭。

小学生低学年の時分は、リンドグレーンの「やかまし村」シリーズにのめり込んでいました。親からは早く寝なさい、と叱られていたのですが、豆電球をつけて布団の中でこっそり読んでました。昔から本は大好きということのようです。

で、「やかまし村」シリーズに、復活祭の描写があるんです。イースターエッグを探す場面でした。小学校の時分は全く何のことかよく分からなかった。

当時は、伝記もたくさん読んでいて、シュバイツァーとか、ニュートンとか、まあ、よんでるわけで、それに加えて「ロビンソン・クルーソー」なんかも読んだりすると、自ずとキリスト教文化に触れることになります。で、どうも復活祭というのはキリストと関係するらしい、という風に思って、親に「キリストの伝記を買って」とお願いしたら、拒絶されました。まあ、うちは葬式仏教ですので、抹香臭いのがいやだったんでしょうね。

とはいえ、復活祭の定義とは以下のようなものらしい。

  1. 春分の日を過ぎている
  2. 春分の日の直後の満月を過ぎている
  3. その直後の金曜日が聖金曜日で受難の日
  4. その直後の日曜日が復活祭

というふうに、購入した大変秀逸なブックレットには書いてありました。ウィキにはそこまで厳格には書いていないのですが。で、先日、撮った満月の写真、あれ、偶然撮ったんですが、今日を暗示していたように思えてくる。

というわけで、本日はパルジファルに行って参りましたですよ。写真は明日。

先日の「神々の黄昏」以来、ワーグナー漬けな毎日ですが、もうしばらくそれは続きそう。詳しい話は明日から少しずつ書いていきますけれど、ソリストの方にはみんなブラービと言いたい。つうか、今日の主な出演者の方のお名前を。

  • 指揮:ウルフ・シルマー
  • パルジファル:ブルクハルト・フリッツ
  • クンドリ:ミヒャエラ・シュスター
  • アムフォルタス:フランツ・グルントヘーバー
  • グルネマンツ:ペーター・ローズ
  • クリングソル:シム・インスン

クンドリ

ブラーヴァはやっぱり、クンドリのミヒャエラ・シュスター。あの圧倒的な第二幕のダイアローグは涙が止まらない。強力無比なワーグナーソプラノ。ジークリンデがレパートリーと書いてあるけれど、どちらかと言えばブリュンヒルデだと思います。

パルジファル

それから、もちろんパルジファルのブルクハルト・フリッツも。クンドリと接吻した直後に「アムフォルタス!」と絶叫するんですが、あそこ以降で、もう涙涙。私、今日は前から四列目だったんですが、シュスターもフリッツも私の涙が見えていたと思う。客席の照明はあまり落とされていませんでしたので。

アムフォルタス

アムフォルタスのグルントヘーバーは、なんだか疲れ死を望んでいるのですから。でも、ここぞというところのパワーはすごいものがあった。苦悩をうまく表現しておられるのですよ。それがですね、蝶ネクタイを外したりつけたりしていることで表している。第一幕の冒頭部ではネクタイを着けていない。なぜなら水浴するから。その後の聖餐の場面では蝶ネクタイを着けている。第三幕では、疲れ切っているのでネクタイを着けていない。うーむ。考えられている。

グルネマンツ

グルネマンツのペーター・ローズ氏は、2007年の私の中ではすでに伝説となっているペーター・シュナイダーの「ばらの騎士」でオックスをやっている。そのときより少し太った感じ。でも、圧倒的な存在感でした。もちろんクルト・モルとまでは行かないですが、完全に掌握している。歌手の中でスコア(総譜)を見ていたのは彼だけ。ほかの方はパート譜を見ておられました。

ウルフ・シルマー

以前も触れたように、シルマーの指揮には結構触れています。

http://museum.projectmnh.com/2010/04/02221204.php

ですが、指揮をする姿を見るのは初めてでした。なぜなら、すべて、彼はピットに入っていたから。私の席、前から数列目で、ちょうど指揮台の真後ろというなぜかすばらしい席だったんです。シルマーの動き、すごいっすよ。鋭角でエッジの効いたタクトで、Twitterにも書きましたが、あれはもう阿修羅です。きっとマーラーの指揮ってこんな感じだったんじゃないかな、と。あのマーラーの有名なカリカチュアを思い起こしました。

もちろん、演奏自体も優れていました。思ったよりテンポは動かさなかったけれど、ゲネラル・パウゼの緊張感はすごかったし、デユナミークもすばらしかった。何はともあれ、気合いとパワーがすごい。あれ、絶対ジム通っているはず。そうじゃないとあの動きを5時間近く保てないはず。

N響

シルマー氏とN響の組み合わせも今回の楽しみの一つ。いやあ、これが実にいいんですよ。NHKホールの、なんだか散漫な響きとは違って、弦楽器の分厚さとか豊かさが十全に発揮されていました。私の席からは木管や金管は見えなかったんですが、某オケの不揃いなんていう事故はあまりなかったと思います。ロスフィルの映像を見た直後だったんですが、がんばれ追いつけるかも、と思いました。

というわけで、ざっくり感想をば。明日からは私の妄念を考えていきます。

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Wagner

さて、昨日の「パルジファル」、先日の「神々の黄昏」と同じく、あまりにも強い雷撃を受けてしまいました。今朝は起き上がれず、いつもなら始業80分前には会社にいるんですが、今日は20分前にようやく到着。さすがに心身ともに大ショックだったらしいです。

私が泣いたところ。

私が泣いた1カ所目

一カ所目は、第二幕、パルジファルが「アムフォルタス!」と絶叫するところ以降。あそこのパルジファルの叫びが一つの頂点で、その後のクンドリの「笑った」の絶叫ももう一つの頂点。

クンドリが「あの人」というのはイエスのことで、彼を見て泣くのではなく笑ったのだという。「笑った!」、って、あの「ジークフリート」の最終幕の「笑って死を!」を思い出すじゃないか。「笑い」って、哲学的には非常に難しくて私は理解しておりません。古くはアリストテレスに「笑い」に関する著述があったのでは、というミステリになったのが「薔薇の名前」でした。ニーチェやらベルグソンやら。ただ、この「笑う」という言葉にはグサリと胸を貫かれましたですよ。しかもあの絶叫ともいえる強烈なフォルテで。

クンドリがイエスの受難を見た、という事実も私の胸にぐさりと来ました。何百年もクンドリは呪われ傷つき苦しんでいたのだということ。死ぬこともなく生きることもなく。ああ、なんということか。救いが死とは。

私が泣いた2カ所目

二カ所目は、第三幕でパルジファルが来歴を語るところ。なんというか、人間の根源的な罪状を突きつけられている気がしてきて、完全に感情移入しちまいました。苦労して遍歴し彷徨し、聖槍を使うことなく、聖金曜日に聖杯の元にたどり着くという労苦。まあ、私の苦労なんてどうということもないんですが、なんだか辛い十年間を過ごしていて、まあ、まだ状況は変わらないのですが、なんだかまだ希望があるかのように思ってしまいまして、ボロボロと涙が頬を伝って言ったというわけ。

私の同世代以上の方々は、みんなして涙腺が緩んでくるとおっしゃいますけれど、私もしかり、です。前に「涙が出ないと、入場料の元をとった気がしません」と書いた覚えがあるのですが、今回の「パルジファル」は、そう言う意味では元を取りまくりました。

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Wagner

ちと、桜の写真をば。これも先週末に撮りに行ったときのもの。日曜日以降、天気が悪くなりましたので、今年最後のチャンスだったというわけです。

さて、パルジファル。妄念炸裂中なのですが、先だっての「ジークフリート」、「神々の黄昏」の妄想なんて、ワーグナーが亡くなって100年以上も経っている中ですでに論じられていたことではありますが、まあ、パフォーマンスに接することで独力で理解できた部分を再構成しているということで、お許しください。学術論文を書いているわけでもありませんので。ワーグナーのことなんて、もうありとあらゆる説が出回っているでしょうから、何を言っても先人の遺業をなぞるに過ぎない。でも、なぞりたくなってしまう。そういう感じです。

しかし、「パルジファル」は不思議なオペラであります。まあ、真正のオペラではなく舞台神聖祝典劇と称されるだけあって、なぞだらけ。そうしたわからないことは以下のようなもの。

なぜ、クンドリはすべて知っているのか? クンドリは、まるで、ブリュンヒルデがジークフリートの出自を語るかのごとく、パルジファルの出自の秘密を語ってみせるのですが、なぜクンドリはそうした知識を持っているというのでしょう? あまりに謎すぎる。クンドリは、昨日も触れたように、イエス受難を見ているんですよね。時間と空間を超える能力を持っていなければ、そうできないはず。難しい。

あとは、クリングゾルのこと。これも、やっぱりミーメと我々の関係に似ていて、クリングゾルのほうが現代の人間的である。聖杯守護の騎士になろうとしたのだが、ティトゥレルに拒まれたが故に、その仕返しに、色仕掛けで騎士達を堕落させるとは。これって大衆操作と一緒だなあ。我々はパルジファルよりもこざかしいが故に、大衆操作の対象となっているとは。リングもそうですが、じつは悪役の方が自分たちに近いと思ってしまうのはなぜなのか。

あともう一つ。クリングゾルはなぜ自ら去勢したのか。去勢したが故にクンドリの魅力に落ちることなくそれを利用することができるとは何を表しているのか。

先にも書いたようにこのオペラは性的メタファーに満ちあふれていて、それでいながら聖なるものを扱っているので、整理するのが大変です。素人の手には負えない。でもあきらめたくない。 頑張ろう。

これ、会場で売っていたリブレットなんですが、凄く秀逸。四段組になっていて、左から、音楽的考察→原文→邦訳→解釈 という構造。すばらしい。2500円じゃ安いぐらいです。

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Wagner

また桜。そろそろ散り始めているかしら。。。

ワーグナー関連本を二冊を読み終わりました。いずれも新書です。マンの著作を読む前に参考になるかな、と思い手に取った次第。こっちを先に読み終えてしまいました。

はじめての『指環』―ワーグナー『ニーベルングの指環』聴破への早道 (オン・ブックス21)
山本 一太 / 音楽之友社 (2005-10-01)
本・雑誌
堀内 修 / 講談社 (1990-12)

堀内修さんは、今年(2010年)のNHKニューイヤーオペラコンサートのロビーでお姿をお見かけしました。この本は、ワーグナーを巡る情勢がよく整理されていて大変お勧めです。特に歌手の分類記載がよかった。ヘルデン・テノールとかドラマティック・ソプラノなど、歌手の特性とそれぞれの役柄について記載がなされています。たとえば、ヘルデン・テノールはジークフリートやジークムントを歌いますが、シュピール・テノールはミーメを歌う、などなど。これは別記事で取り上げる予定。大変勉強になりました。私、オペラを見始めてもう8年になりますが基本的な勉強はしておりませんゆえ、いまさらながらでお恥ずかしいのですけれど。

山本一太さんの「はじめての<<リング>>」は、リングを一通り見聞きしている方にとっては少し物足りないかもしれませんが、逆に言うと、これから聴かれる方には必読だと思われます。私の場合、里中真智子さんのマンガであらすじをつかむという邪道な道を歩きましたけれど。すでにリングを聴き通しておられる方にとって興味深いと思われるのは、第五章「<<指環>>こだわり篇」ではないでしょうか。

ちなみに、マンガはこちら。
ニーベルングの指環〈上〉序夜・ラインの黄金、第一夜・ワルキューレ (中公文庫―マンガ名作オペラ)
里中 満智子
中央公論新社
売り上げランキング: 8344
おすすめ度の平均: 5.0
5 文句なしの5つ星
5 いい本です

ここでは、一つわからなかったことのヒントを見つけることができました。つまり、どうしてジークフリートはブリュンヒルデと分かれて、旅立たなければならなかったのか。別に、二人で引きこもっててもいいんじゃない? みたいな。でも、まあ外界と触れないと生きていけませんので、特に資本主義社会においてはなおさら。それで、この本によれば、英雄たる者、各地の王から貢ぎ物を取り立てなければならないのであるから、ジークフリートは、取り立て屋のごとく、各地の有力者を回って朝貢品を求めていたとは。なるほど。

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本日の各紙朝刊を飾っている、第二弾の事業仕分け。対象は独立行政法人と言うことで、新国立劇場が属する独立行政法人である日本芸術文化振興会がどうなるか、と気にしていましたが、一旦の対象である54の独立行政法人からは除外されている模様です。

朝日新聞のソース

http://www.asahi.com/politics/gallery_e/view_photo.html?politics-pg/0408/TKY201004070549.jpg

時事通信のソース

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010040700827

だからといって、まだ決定ではなく、4月20日頃に首相が決断するそうです。

それから気になるのは、事業仕分け機能自体のこと。

行政刷新会議

この事業仕分けはあくまで「判定」であり、仕分け人に予算削減を行う権限・強制力はない

この記載がwikiにあるのですが、先だっての記事のように、実際に大なたでなぎ払うという正確のものではなく、パフォーマンス重視であるかのようにも思えてきます。

これ以上は差し控えますが、私が昔読んでいた「音楽芸術」の記事を思い出しました。当時やっていたバンドのホームページに載せていた記事を引用。12年前に私が書いたものです。グーグル・デスクトップ・サーチ(GDS)で瞬時に検索に引っかかってきました。だからGDSラヴ。

それで、今月号の「音楽芸術」1誌は、ガーシュイン特集で、興味深い論文が掲載されていて結構楽しんでいます。「ガーシュインとアメリカ文化」と題された特集では、まず十九世紀終わりから二十世紀初めにかけてのアメリカ文化の概説的な論文があって(「ジョージ・ガーシュインとアメリカ文化」瀬川昌久)、当時のアメリカを取り巻く社会的、文化的な動向(産業化、欧州大陸からの移住者の増加、文学の動向、大恐慌...)が述べられ、ガーシュインの生きた時代についての共通認識地盤を得ることができました。 大恐慌期にアメリカ政府は「ニューディール芸術計画」というを推進し、芸術家の失業救済事業を行っていた、ということを初めて知り、同じ不況でも今と昔ではやることが違うなあ、と思ってしまいます。財務省絵画・彫刻部、雇用促進局文化部門などと言った政府機関が美術家を雇用し、公共建築物の装飾を担当させたり、その作品の定期的な提出を条件に給料を支払うなど、今ではなかなか聞いたことのないような政策をとっていたとのことです。

ちなみにこちらの引用で述べられている「不況」は山一証券破綻前夜の大不況のこと。この後我々はさらにITバブル崩壊と、リーマンショックという二つの不況を経験したことになります。どうりで歳食ったわけだ。

関連記事はこちら

新国立劇場関連の事業仕分についての続報

続)新国立劇場関連の事業仕分についての続報

続々 新国立劇場関連の事業仕分についての続報

1 「音楽芸術」1998年9月号 音楽之友社

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近況

水曜日の夜勤のダメージをまだ負っていて、ぎりぎりの電車で会社にいっちまいました。情けないのう。がんばれ。

どうもお疲れのようで、ヘッドフォンを家に忘れてしまいました。こういうときのためにバックアップのイアフォンをバッグに忍ばせてありますので、事なきを得ました。本当によかった。会社にもバックアップイアフォン置いておこう、と決意。

私、音楽がないと生きていけません。いわゆる昔のタワレコ的に言うと「No Music, No Life」という感じ。そういう意味では音楽中毒。あ、中毒というと、ほかにもいろいろ。物書き、活字、コーヒー、レッド・ブル、飛行機、薬......。あとはここにEWIが追加となる予定。いろいろあるなあ。でもがんばろう。

パルジファル再び

さて、自分のブログ読み直していたら、またパルジファルが聞きたくなりました。昼休みのひと時、カラヤン盤の第三幕を聴きながらしばし涙にくれるひととき。なんで、こんなに感動的なんですかね。こういう感情は、言葉にしてしまうと、するりと逃げられてしまうんですが、そこをどう書くかが腕の見せ所なんですがね。

ワーグナー本を読んでいたら、いまさらワーグナーについて語るなんて、結局は先人の道を辿るに過ぎないんですが、頭の体操としては面白いですし、考えるプロセスも面白い。ここに音楽的な知識をつけて、解釈していけるようになるのが夢というか目標。今からでは遅いかもしれないですが、何事も遅いということはないといったのは誰でしたっけ。まあ、がんばります。

「パルジファル」聖性と性性の混合なんですけれど、これがますますもって不思議さや不可解さを助長している。「パルジファル」の作曲は1877年に始まり1882年7月26日にバイロイトで初演されている。フロイトが精神分析理論を展開するのは開業した1896年からで、あのグスタフ・マーラーもフロイト治療を受けていたりする。ちなみにフロイトもユダヤ人。

しかし、クルト・モルのグルネマンツは本当にすばらしいですねえ。今日はイアフォンなので、声のよさを十全には楽しめていないかもしれませんけれど、それにしてもすごい。これ、いいオーディオで聴いたらもっとすごいんだろうなあ。

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散りかける桜の花のなかから美しいところを選んでみました。このレンズ、かなり絞らないとエッジが効かないんですが、少々暗めでしたので、絞りきれず、若干ぼやけた印象に見えるのが玉に瑕。カメラ道も厳しいです。

さて、先日読んだ堀内修さんの「ワーグナー」に声の種類と、それに応じた配役について、ワーグナーを例にとって詳細に説明してある大変秀逸な部分がありました。私の勉強をかねて、4日に分けてまとめてみたいと思います。

本日は第一回ということで、ソプラノ篇です。

スーブレット

非常に軽い声のソプラノ


  • <フィガロの結婚>スザンナ
  • <バラの騎士>ゾフィー
  • <リエンツィ>平和の使者
  • <タンホイザー>若い牧童
  • <ラインの黄金>ヴェルグンデ

リリック・コロラトゥーラ・ソプラノ

非常に高い声でのコロラトゥーラがある。


  • <後宮からの逃走>ブロンデ
  • <ホフマン物語>オランピア
  • <ラインの黄金>ヴォークリンデ
  • <ジークフリート>森の小鳥

リリック・ソプラノ

もっとも自然な領域。高温も低音も均等に出せる。


  • <魔笛>パミーナ
  • <アラベラ>ズデンカ
  • <タンホイザー>若い牧童
  • <ラインの黄金>ヴェルグンデ

ユーゲントリッヒ=ドラマティック・ソプラノ

十分なやさしさ、やわらかさを持ちつつもう少し強さのあるもの。


  • <カルメン>ミカエラ
  • <オテロ>デズデーモナ
  • <エレクトラ>クリソテミス
  • <リエンツィ>イレーネ
  • <タンホイザー>エリーザベト
  • <ローエングリン>エルザ
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>エヴァ
  • <ラインの黄金>フライア
  • <神々の黄昏>グートルーネ

ドラマティック・コロラトゥーラ・ソプラノ

振幅のある劇的な歌唱。コロラトゥーラもできること。


  • <サロメ>サロメ
  • <椿姫>ヴイオレッタ
  • <神々の黄昏>ヴォークリンデ

ドラマティック・ソプラノ

振幅の激しい劇的な歌唱。多くのオペラで主役となる。


  • <トスカ>トスカ
  • <ペレアスとメリザンド>メリザンド
  • <サロメ>サロメ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <ワルキューレ>ジークリンデ
  • <神々の黄昏>第三のノルン
  • <パルジファル>クンドリ

ホッホドラマティッシャー・ソプラノ

強力な声で非常に激しく劇的な表現を行う。


  • <エレクトラ>エレクトラ
  • <さまよえるオランダ人>ゼンタ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <トリスタンとイゾルデ>イゾルデ
  • <ワルキューレ>ブリュンヒルデ
  • <ジークフリート>ブリュンヒルデ
  • <神々の黄昏>ブリュンヒルデ

テオリン様や、エヴァ・マルトン、ヒルデガルド・レーベンスは、間違いなくホッホドラマティッシャー・ソプラノですね。上の表にはありませんが、トゥーランドットもこちらに分類されるはず。フレミングはユーゲントリッヒ=ドラマティック・ソプラノに分類されましょうかね? 「ばらの騎士」マルシャリンや、「カプリッチョ」伯爵夫人マドレーヌはこちらかと。

ソプラノと行っても一言じゃ言い表せませんね。メゾとコンバートすることもありますし。

明日は、メゾ・アルト篇です。

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執拗に桜。だが、美しすぎる。桜がなぜ美しいか。それは緑色の葉っぱなしで咲くから。従って、葉桜ともなるとその魅力は減じてしまう。

今日は二日目。そのとして、メゾソプラノ、アルトについてのまとめ。

ドラマティック・メゾ・ソプラノ

  • <コジ・ファン・トゥッテ>ドラベッラ
  • <ドン・カルロ>エボリ公女
  • <リエンツィ>アドリアーノ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <トリスタンとイゾルデ>ブランゲーネ
  • <ラインの黄金>フリッカ
  • <ワルキューレ>フリッカ
  • <神々の黄昏>ヴァルトラウテ、ヴェルグンデ、第二のノルン
  • <パルジファル>クンドリ

リリック・メゾ・ソプラノ

落ち着いた、低域の安定した声。

  • <ヘンゼルとグレーテル>ヘンゼル
  • <蝶々夫人>スズキ
  • <さまよえるオランダ人>マリー
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>マクダレーナ
  • <ラインの黄金>フロスヒルデ

ドラマティック・アルト

起伏のある表現が可能な低い声。

  • <サムソンとデリラ>デリラ
  • <トロヴァトーレ>アズチェーナ
  • <ラインの黄金>エルダ
  • <神々の黄昏>ヴァルトラウテ、第一のノルン

ティーファー・アルト

最低音域の女声。暗い色彩を求められることが多い。

  • <仮面舞踏会>ウルリカ
  • <ジークフリート>エルダ
  • <神々の黄昏>第一のノルン、フロスヒルデ

わたしが新国で見たエレナ・ツィトコーワはドラマティック・メゾ・ソプラノであるはず。おそらくここには、「ばらの騎士」オクタヴィアンも分類されるでしょう。アンネ・ゾフィー・フォン・オッターもドラマティック・メゾ・ソプラノでしょうか。クリスタ・ルートヴィヒは、ドラマティック・メゾ・ソプラノですし、「蝶々夫人」でスズキも歌っていますので、リリック・メゾ・ソプラノとも言えましょうか。

ちょっとこのまとめは勉強になります。

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もう2年前のローマ紀行。まだ終わっていなくて、気になっていたのですが、重い腰を上げます。

フォロ・ロマーノは、ローマ帝国時代の政治の中心地。いろいろと興味深い。フォロロマーノの外縁部にはコロッセオもあります。
ちょっと写真を載せましょう。

まずは高台からの前景。

ティトゥスの凱旋門。ティトゥスはヴェスパシアヌス皇帝の息子であり、あのモーツァルトのオペラでも取り上げられている。なかなか良い皇帝だったのだが、早世してしまった。で、彼の一つの業績がイスラエル戦役で、それを記念した凱旋門なのである。

で、これがおそらくティトィウス。

反対側には、ユダヤの象徴の燭台が彫り込まれている。

ちなみに、昔も取り上げましたが、ヴァチカン美術館にあるティトゥスの像はこちら。

かなり天気が良く、けれども風が激しくて砂埃が舞うという感じ。

良い天気で、気持ちよかったのだが、コロッセオには入場時間に間に合わず中に入れなかった。まあ、トレビの泉に寄付したからまたこれるでしょう。

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ローマ最終日。早い時間に起き出して、急いで食事を済ませる。

もちろん締めはエスプレッソ。この旅行でエスプレその虜になってしまった。イタリア風はどうやら砂糖を入れるのがポイントらしい。しかも、無粋にスプーンなどで混ぜてはならない。砂糖をざっくり入れてそのまま飲むと、最初はコーヒー独特の苦みを楽しむことが出来て、飲み終わるころには砂糖の甘い刺激が頭をしゃっきりさせてくれると言うわけ。本当に素晴らしい

一週間お世話になったこの鍵ともお別れ。どうもありがとう!

空港へ向かうレオナルド・エクスプレスの切符をトレンタリアの自動券売機で購入する。これはクレジットカードも使える優れもの。列車に乗り込む瞬間に韓国人の女の子に、この列車は空港行きか? 尋ねられる。そうだけれど、切符のヴァリデートはすませたの? と聴いてみると、にっこり笑って、済ませてるわ、といった。華奢な女の子で、ばかでかいピンク色のスーツケースを引っ張っている。どちらが主人公なんか分からない物語。

空港には予定通り到着。ルフトハンザの子会社のエア・ドロメティがオペレートするので、コードシェア便だった。我々の持っている航空券は当然ルフトハンザのもの。と言うわけで、カウンタには出発の二時間前には到着している。ルフトハンザのエエコノミーカウンタは少々込んでいたので、僕たちはがらすきのファーストクラス専用のチェックインカウンタに誘導される。

で、ここで実にラッキーな勘違いをグランドホステス(GH)がしてくれる。当然Etixすなわち、電子航空券なので、航空券の有無はクレジットカードで認証するのだが、出したのが(お恥ずかしながら)ANAのゴールドカード。もちろん、スターアライアンスゴールドメンバーではない。だが、GHの金髪の美人イタリア人はうれしい勘違いをしてくれて、我々をスターアライアンスゴールドメンバーとみなしてくれる。と言うわけで、預け荷物にはプライオリティタグが着けられ、空港内の特別ラウンジのインビテーションカードを頂いてしまう。ラッキー。

こちらがラウンジ。誰もいなかった。で、やっぱりここでもエスプレッソ。

飛行機は大好き!!

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今日は寒くなるそうですね。日本海側では吹雪だとか。季節感が狂ってしまう。とはいえ、今年の桜写真のストックから一枚。芸風が全部同じなのは許してください。

さて、このシリーズも第三回となりました。堀内修さんの「ワーグナー」という新書からの引用です。本当にすばらしい。感謝です。

もっともワーグナーに特化していますので、イタリアオペラとなるとどうなるかわかりません。これは、継続的に研究していきます。

シュピール・テノール(テノール・ブッフォ)

最も軽く透明感のあるテノール。高音域がにごらない。

  • <フィデリオ>ヤッキーノ
  • <後宮からの逃走>ペドリロ
  • <さまよえるオランダ人>舵手
  • <トリスタンとイゾルデ>牧童
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ダーヴィット、フォーゲルサンク
  • <ラインの黄金>ミーメ
  • <ジークフリート>ミーメ

リリックテノール

軽妙な歌をこなせるテノール

  • <ドン・ジョヴァンニ>オッターヴイオ
  • <リゴレット>マントヴァ公
  • <さまよえるオランダ人>エリック
    *<ローエングリン>ローエングリン
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ヴァルター・フォン・シュトルツィング
  • <ラインの黄金>フロー
  • <パルジファル>パルジファル

キャラクター・テノール

癖のある個性的表現のできる声

  • <ボリス・ゴドゥノフ>シュイスキー
  • <リエンツィ>ボロンチェリ
  • <トリスタンとイゾルデ>メロート
    *<ラインの黄金>ローゲ

ヘルデン・テノール

低域を充実させつつ力強い高音も出せる強力なテノール。

  • <サロメ>ヘロデス
  • <オテロ>オテロ
  • <リエンツィ>リエンツィ
  • <タンホイザー>タンホイザー
  • <ローエングリン>ローエングリン
  • <トリスタンとイゾルデ>トリスタン
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ヴァルター・フォン・シュトルツィング
  • <ワルキューレ>ジークムント
  • <ジークフリート>ジークフリート
  • <神々の黄昏>ジークフリート
  • <パルジファル>パルジファル

ルネ・コロや、ジークフリート・エルザレムは、間違いなくヘルデンテノール。ハインツ・ツェドニクはシュピールテノールでしょうか。

明日は、バリトン/バス篇です。

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お土産の買い物なんかして、特別ラウンジで、無料でエスプレッソを飲んで、いざボーディングブリッジへ。機種はイギリスのBAE製のアヴロRJ。この航空機、乗員が110名前後という小ささで、短距離機であるにも関わらず、エンジンは4発もある。しかしながら、このエンジン、実に静粛性が強くて、騒音規制に引っかからない。もちろんエンジンが4つということは整備も大変なのだが、部品がモジュラー化されているらしく、意外と大変ではないらしい。

で、エア・ドロミティのアヴロにはしゃれた名前が付いています。まあ、日本の航空会社でも一部やっているけれど、個々の機体に名前を付けたりします。ルフトハンザだと、たしかB747にはたとえば「ザクセン」というように州の名前がついているし、エアバスには街の名前が付けられたりしている。日本でも昔は機体にそれぞれ名前が付いていることが多かった。「よど号ハイジャック事件」だと、機体には「よど」という名前が付いていたと言うこと。あとは、MD-11には鳥の名前がついていたし、ボーイング777には星の名前がついていました。

話題がずいぶんそれましたが、エア・ドロミティのアヴロには、ヴェルディのオペラの名前が付けられているという洒脱さ。僕たちが乗ったのは「ナブッコ」号でしたし、ミュンヘンでは「アイーダ」号を目撃しましました。

ともかく、話題がそれましたが、アヴロに乗り込んで驚いたのはシートピッチが広い。私はこれまでの人生で3回アヴロに乗っていますが、そのうち2回はルフトハンザシティーライナーでして、非常に窮屈という印象でしたが、ドロミティアのアヴロはゆったりしています。シートピッチが大分広いのです。

さらに驚いたのは機内サービス。ルフトハンザだと、サンドイッチをだしてくれるか、くれないか、なのですが、ドロミティアのこの便ではスパークリングワインを出してくれたり、しゃれた箱に入っているサンドイッチやミネラルウォータをだしてくれたりと実に親切。

エア・ドロミティはルフトハンザの子会社なんですが、こういう風にサービスで良い風に差別化を図っていくのは良いことですね。大変良い思い出。

Wikiには記載がないですが、 公式ウェブ の最新の情報では、エア・ドロミティのアヴロは退役したようで、エンブラエル195に置換されているみたいですね。あと、ターボプロップでいうと日本ではマイナーですが、フランスとイタリアの共同開発のATR72を引き続き運用している模様。

しかし、CAさんって本当に凄い。この飛行機の機内放送は、ドイツ語、イタリア語、英語。それを一人のCAが喋っちゃう。もちろん、彼らのようなインド・ヨーロッパ語族の方々にとってみれば方言の違いぐらいなのかも知れないけれど。悔しすぎる!

さて、と言うわけで、ミュンヘンにはお昼頃には到着。

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これで、もう最後でしょうか。桜の写真。来年も良い桜が見られると良いですね。

昨夜は、会社でお世話になった方が5月に異動になるということで送別会に行って参りました。生まれて二回目のふぐ料理でした。

さて、今日で声と役についての記事は一段落する予定。とはいえ、もう少し突っ込みたいところがあるので、後日また研究テーマとして取り上げると思います。

バス・バリトンは、ワーグナーオペラでは大変重要な役柄です。ヴォータン、グルネマンツなどなど。というわけで、また堀内修さんの本からの引用でまとめます。

リリック・バリトン

テノールに比較的近く広域も伸びる。

  • <コジ・ファン・トゥッテ>グリエルモ
  • <ファウスト>バランタン
  • <タンホイザー>ヴォルフラフム・フォン・エッシェンバッハ
  • <ローエングリン>軍令使

カヴァリエ・バリトン

その名のごとく騎士のバリトンの意味。声に輝きがあり主役的なバリトン。

  • <ドン・ジョヴァンニ>ドン・ジョバンニ
  • <エフゲニー・オネーギン>オネーギン
  • <タンホイザー>ヴォルフラフム・フォン・エッシェンバッハ

キャラクター・バリトン

個性的表現ができるバリトン。

  • <トスカ>スカルピア
  • <シモン・ボッカネグラ>パオロ
  • <リエンツィ>オルシーニ
  • <トリスタンとイゾルデ>メロート
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>フリッツ・コートナー
  • <ラインの黄金>アルベリヒ
  • <ラインの黄金>ドンナー
  • <ジークフリート>アルベリヒ
  • <神々の黄昏>アルベリヒ
  • <神々の黄昏>グンター
  • <パルジファル>クリングゾル

ヘルデン・バリトン

低域が充実し起伏を表現するバリトン。

  • <メディア>クレオン
  • <アラベラ>マンドリカ
  • <さまよえるオランダ人>オランダ人
  • <ローエングリン>フリードリヒ・フォン・テルラムント
  • <トリスタンとイゾルデ>クルヴェナル
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ハンス・ザックス
  • <ラインの黄金>ヴォータン
  • <ワルキューレ>ヴォータン
  • <ジークフリート>さすらい人
  • <パルジファル>アムフォルタス

キャラクター・バス

比較的高音もあり幅広い表現が可能なバス(バス・バリトン)

  • <トロヴァトーレ>フェランド
  • <フィデリオ>ロッコ
  • <リエンツィ>コロンナ
  • <さまよえるオランダ人>ダーラント
  • <タンホイザー>ビテロルフ
  • <タンホイザー>ライマル
  • <ラインの黄金>ファーゾルト
  • <ワルキューレ>フンディング

セリエーサー・バス

最低音域の深い声と存在感のあるバス

  • <魔笛>ザラストロ
  • <ドン・カルロ>フィリッポ
  • <タンホイザー>領主
  • <ローエングリン>ハインリヒ王
  • <トリスタンとイゾルデ>マルケ王
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ポーグナー
  • <ラインの黄金>ファーゾルト
  • <ラインの黄金>ファフナー
  • <ワルキューレ>フンディング
  • <ジークフリート>ファフナー
  • <神々の黄昏>ハーゲン
  • <パルジファル>グルネマンツ
  • <パルジファル>ティトレル

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4月の新国立劇場は「愛の妙薬」。三種類ほど音源を用意したんですが、パヴァロッティとサザーランドのコンビがすばらしいです。予習盤ランク一位は今のところこのパヴァロッティ盤です。

三大テノール

パヴァロッティは本当に偉大。おそらく、人によっては好き嫌いがあると思います。私も最初はちょっと受け付けられなかったのですが、5年ほど前から、かなりいいと思えるようになって来ました。

三大テノールのうち誰が最も好きか、という議論はよくある議論です。オペラを聴き始めたころは文句なしにドミンゴでした。カラヤン盤トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」に陥落という感じ。

パヴァロッティは、これもカラヤン盤「ボエーム」で聴いたのが最初だったと思いますが、なんだか自然さにかけるような気がしていたのです。

カレーラスはこれもカラヤン盤「トスカ」で聴いたのが最初でした。迫力はあるのですが、こちらも少し力に寄りかかった感じで自然さにかけた気がしていました。

パヴァロッティ開眼

それで、いろいろ聴くようになるうちに、パヴァロッティの株が僕の中で急激に上昇し始めました。

何が原因なのか? 

おそらくはパヴァロッティのライヴ盤(ハイド・パーク)や、イタリア歌謡集を聴いてからではないか、と。あの南国的地中海的悦楽の表現は聴くだけで元気付けられます。それから、私はヴェルディ作品が苦手なのですが、その中でも「アイーダ」については、その重い扉を開けてくれたのがパヴァロッティでした。

4年前のトリノ五輪の口パク問題とか、スコア(総譜)読めないんじゃないの? 的な議論とか、まあ、いろいろあるみたいですけれど、イタリア的なイタリア人ですので、許せちゃう。

やっぱり行きます。

実は、仕事が忙しくて、今月の「愛の妙薬」はパスろうかと思ったのですが、パヴァロッティ盤を聴いて考えを変えました。やっぱりいきますです。私は本当にヴェリズモ以前のイタリアオペラ(この中には残念ながらモーツァルトも含まれるのですけれど)は苦手ですので、なおさら勉強のためにも。

あー、イタリア行きてー。でも行く時間ないっす。悲しみ。

愛の妙薬

しかし、このオペラ、実に罪のないストーリです。ヴァーグナーの毒々しさとか暗鬱とした大洋のうねりのようなものはない。こんなに楽しそうなオペラを見聞きするのは何時ぶりだろう? 「オテロ」、「魔笛」、「ヴォツェック」、「トスカ」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」、「パルジファル」と続いてきた今年の僕のオペラ生活において「愛の妙薬」ほど単純で愉快なプロットはありませんでした。たぶん「 チェネレントラ 」以来だと思います。

愛の妙薬(wiki)

新国のチェネレントラ

きっと良い思い出になるはず。楽しみです。

もっとも、単純に見れば、だとも思うのです。やっぱり解釈の面白さは存在します。愛の妙薬と「トリスタンとイゾルデ」の関係とか、「ヴォツェック」との関係とか。これは、実際に見てから書いてみましょう。

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昨日は東京は雪でしたね。もう春は終わったんでしょうか。ちょっと寂しい写真。散り積もった桜の花びら。でもこれからもっと暖かくなって、若葉が生える季節となりましょう。昨日はかなりヘビーな一日でした。ちょっと図書館で本を借りすぎ&ノートPCを持ち歩いたので、体が痛いです。軽くて丈夫なノートPCを買おうかなあ、と思案中。

私のノートPC

私のノートはThinkpad X30でして、もう7年半も使っています。最近は液晶のバックライトがいかれてきて、バックライトがついたりつかなかったり。そろそろ寿命かな。

ちなみに、このThinkpad X30は、ミュンヘンの

Pinakothek der Moderne

(現代美術を集めた美術館)に展示されていました。下の写真の左から三番目がそれ。

ついでに、懐かしのバタフライキーボードをもつThinkpad 701Cも展示されてました。

カルミナ・ブラーナ

さて、いやあ、東京春祭のムーティ「カルミナ・ブラーナ」は行けなかったけれど、日本時間でいうと昨日の未明にバイエルン放送協会で放送されたダニエル・ハーディング指揮の「カルミナ・ブラーナ」の録音に成功しました。最近ウェブラジオは失敗が多くて凹んでいたんですが、今回は成功。やった!

「カルミナ・ブラーナ」は中学生の頃聴いて衝撃受けてました。レヴァイン盤でした。ですが、それ以降は特に聴いた覚えはない。というか、聴くのは10年ぶりに近い。

ジークフリート・イェルザレム

いやあ、ジークフリート・イェルザレムは凄いですね。この方のテノール聴いたとたんにのけぞりました。確かに年齢からくる若干に揺れはあるんですが、なにより声がすばらしい。ハイティンク盤のリングでおなじみだったはずですが、この演奏での丁寧に歌い上げるイェルザレムには少し驚きました。

パトリシア・プティボン

それから、パトリシア・プティボンは、初めて聴いたという御恥ずかしさ。若干のピッチの揺れはありますが、実にドラマティックですね。この方の録音はバロック系が多いのですが、先だって「ルル」を歌っているんですよね。これ、録音失敗してひどく凹んでいるんですが、プティボンのルルを聴いてみたいと強く願いました。来日も良くされているようで、いつも拝見している さまよえるクラヲタ人 さんのブログで取り上げられていて気にしていたので、今回は聴けてラッキーでした。CDほしいなあ。

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あー、iPod壊れました。理由不明。数ヶ月前に激しく床に落としたことがあって、それ以降普通だったんですが、昨日になってから急に再生ができなくなりました。それで復元を試みたのですが、赤い×印が表示され、何もおきない。要はアウト。

で、サポートに電話したんですが、これがまた本当に丁寧に指示してくださり、いろいろ試したのですがやはりだめで、修理となりました。2万円超。痛い。

いつも使っている携行品傷害の申請にいったら今年一月からiPodは免責になってしまったとのことで、保険金は降りないとのこと。極めて厳しい状況。

しかし音楽中毒の私はひと時もiPodを手元から離すことはできません。痛い出費。ショック。まあ、仕方がない。

対策を。

  1. iPodをクリアケースに入れる。外観の傷はこれで担保。
  2. ケースごとコンデジ用の厚手のケースに入れる。これで落下時の振動を軽減。
  3. ついでに、ケースが落ちないように、ズボンのベルト通しなどとカラビナでつなぐ。あるいは、ストラップで首から吊り下げる。
  4. 決してiPodをクリアケースの状態のままポケットに入れたり放置したりしない。
  5. 肌身離さず常に持ち歩く。

これぐらいでしょうか。気をつけましょう。私はもうショックで眠れませんので。

でも、カラヤンの「パルジファル」とロット様の「四つの最後の歌」を聴いたら少し元気出てきた。午後もがんばりましょう。

っつうことで、今日は短信モードで。

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Wagner

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あの(私の中では)伝説の、シュナイダー&テオリンの黄金の「トリスタンとイゾルデ」のDVD、ブルーレイが発売となりました。うむむ、欲しいぞ。というか、ごらんになっていない方は是非是非。演出には賛否両論あるんだろうけれど、テオリン様の声や演技、表情を見れば、恍惚状態に陥ることは間違いありません。シュナイダーの指揮も絶妙だし。っつうか、私これ買います。はたらきますよ、テオリン様のためなら。

当時の記事を。

続 バイロイトの「トリスタンとイゾルデ」を

バイロイト音楽祭/ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」第一幕

バイロイト音楽祭/ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」第二幕&第三幕

どんどんテオリン様にはまっていくのがわかって面白いです。また聴きたいなあ、テオリン様。

※ で、その後、くだんのDVDは注文いたしました。すまぬ、財務大臣。

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R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」全曲 [DVD]
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第三世代iPodに戻って二日目。なんだか勝手が違うなあ。

で、聴いているのは、ウェルザー=メスト&シュテンメ@チューリヒ歌劇場の「ばらの騎士」DVDをAACに落としたもの。2007年の「ばら戦争」のときに実演に接しています

2007年9月のチューリヒ歌劇場の感想はこちら。

http://museum.projectmnh.com/2007/09/02214520.php

でも、チューリヒのキャスティングもかなり豪華だったのですよ。演出は奇抜すぎましたが、ウォーナーのリングのような徹底さはなかった。というか、シュトラウスやプッチーニのオペラの読み替えは、ワーグナーのオペラのそれにくらべて、結構難しいですよね。

ニーナ・シュテンメは、マルシャリンも歌えますが、イゾルデもサロメも歌ってるんです。

「4つの最後の歌」のほうは、深みがあって大変良いです。一緒に「サロメ」の最終部も入っていますが、これは凄いですよ。妖しいサロメの退廃的な空気を見事に歌い出しています。

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おすすめ度の平均: 5.0
5 新たなシュトラウス・ヒロイン誕生ですね

ドミンゴと録った「トリスタンとイゾルデ」。シュテンメ的にはすばらしいのですが、さすがにドミンゴは齢には勝てない。ですのでアルバム全体としては賛否両論あるかも。

ワーグナー:トリスタンとイゾルデ(全曲)(DVD付)
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そういう意味ではシュテンメはかなりレパートリーが広いです。

シュテンメは強いソプラノ。ホッホドラマティッシャー・ソプラノといえましょう。だから、イゾルデも歌えるし、ブリュンヒルデも歌えるはず。フレミングのような温かみはないのですが、冷たく鈍く光る鋭利さがありますね。ルルもいけそうだし、クンドリもいけるでしょう。特にルル、歌うと凄いんじゃないかな。

公式ホームページはこちら

レパートリーを見ると、「ヴォツェック」のマリーは歌っているけれど、ルルはまだみたい。今後に期待。で、予想通りやっぱりブリュンヒルデは歌ってますね。

逆に言うと、マルシャリンとか、「カプリッチョ」の伯爵夫人のような、温かみをもつ役には違う意味が加わりますね。これもオペラの面白さ。演出の読みかえは当然ですが、歌手の声質で、オペラが読み替えられるという感じ。面白いです。だから、テオリン様のマルシャリンはちょっと想像がつかないのと感じは似ている。

それから、美しいお方であることは間違いありません。チューリヒの演出ではちょっと神経質なマルシャリンを演じておられましたが、「ばらの騎士」だというのに何か妖艶さのようなものを感じた覚えがあります。

あーヨーロッパで放浪してオペラ見まくりたい。果たせぬ夢。

今日は午後は都心へ外出。移動時間2時間あるので、いろいろ読んだり聴いたりできそう。仕事ながら楽しみ。

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私の一年前の最後の演奏写真。後輩の結婚式の二次会で吹いたところ。また、そろりと吹きたくなってきた。

http://www.nhk.or.jp/schola/

この四月から始まったNHKの音楽番組「schola 坂本龍一 音楽の学校」。バッハ以降の西洋音楽の発展を語る番組です。

番組の概要

番組は、「鼎談」、「ワークショップ」、「演奏」の三つから成立している。「鼎談」の部分では、坂本龍一がホスト役で話をするんだが、ゲストの浅田彰が蘊蓄を披露するのがなんだか懐かしい。それからもう一人のゲスト岡田暁生氏の本は、最近読み始めているので、なんだか親近感がある感じ。

まあ、この三回の放送では、バッハの音楽を西洋音楽システムが確立されたという前提に立って、フレーズの使い回しの方法とか、通奏低音について語ったりしている。まあ、単声音楽から、一度(ド)と五度(ソ)のポリフォニーを経て、三度(ミ)が導入され、和声が成立する。これがオケゲムなんかの時代。以降バッハが平均律を確立し、あのクラヴィア集を作った、というあたり。ここで述べ立てるほどでもないですけれど。

ワークショップ

で、一番面白いのが「ワークショップ」。

中三から高三ぐらいの若者の音楽やっている方々が出てくる。楽器も様々で、ヴァイリン、フルート、エレクトーン、エレキギター、ピアノ、三線、などなど。

で、この若者が、バッハのフレーズを使ってアレンジしてみたり、通奏低音に合わせて曲を作ったりするんですよ。

たとえば、「主よ人の望みの喜びよ」のメインテーマが、バッハの音楽の至る所で使われているのだが、それを、若者なりにアレンジしてみたりする。エレキギターの男の子は、坂本龍一に「コード入れてごらん」とかアドバイスされて、ディストーションをかけてフレージングしてみせたりする。エレクトーンの男の子は、フュージョン的というかポップス的というか、かなりシンコペーションのかかった、まあありがちだけど格好いいアレンジにまとめ上げてしまう。あれを15歳で瞬間的に作ってしまうあたりが凄い。

で、もっとすごかったのが、お寺の名前のような名字を持った女の子。この子だけ、テーマをマイナーキーで演奏してみせて、坂本龍一と岡田暁生が、驚き喜ぶんですね。いやあ、良いセンスしてます。

自分との関係

それで、でも、このプロセスって、僕が高三から浪人を経て大学の頃にやってたことに似ているなあ、と。当時はジャズ理論なんか知らんわけで(いまもよくわかりませんが)、ともかく最初にキーを捕まえて、使える音と使えない音を覚えて、後ろでなっているコードを意識しながらフレーズを作っていくという作業を、毎日毎日やっておりました。だから、キーの感覚はかなり磨かれたんだと思う。この番組のワークショップでやっていることも、僕も今ならできるなあ、と思った。でも、斬新なことはできないだろうけれど。

坂本龍一のすごいところ

通奏低音に併せてフレーズを作るところで、坂本龍一も「じゃあ、僕も」みたいな感じで、やってみるんだけれど、これは私には理解できない難しさだった。24個のキーの世界+ある程度のテンション世界で生きてきた僕にしてみれば、全く何やっているのかわかりませんでした。悔しいのう。無調なんだけれど、方法論まで説明できない。悔しすぎる。

ちょっとだけ

とはいえ、やっぱり僕ぐらいだと少し物足りなさもあるなあ、という気もする。西洋音楽史をある程度押さえていたり、音楽理論を少しばかりかじっている方には、解説はすこし簡便かなという気もする。でも、一緒に見ていたカミさんは何言っているのかわからなかいらしい。ということは、聴取者の的を絞り切れていないということかしら。でも「ワークショップ」が最高に面白いからいいんです。

貴重な

この番組、凄く面白い番組であることには間違いないし、音楽理論を取り上げるという意味においては、少なくとも僕にとってはこれまで記憶にない番組ですので凄く貴重です。

私の大好きな「 名曲探偵アマデウス 」が楽曲の成立史を掘り下げていて、音楽理論についても、玉川大学の野本先生が解説してくださいますが、番組の性格上どうしても楽曲中心の説明になります。音楽理論を体系的に説明するという意味合いのものではありません。

音楽理論に触れる場としては、昔は「音楽芸術」という雑誌があったんですが10年ぐらい前に永遠休刊となってしまいましたし、その後長木誠司さんが作られた「 エクスムジカ 」も残念ながら終わってしまいましたし。

まだ三回しか放送していないから、これからどうなるか凄く楽しみ。

というわけで、この番組は、以下の時間帯に放送中です。是非ご覧になってみてください。

  • 教育:毎週土曜 午後11時45分~
  • BS2:毎週火曜 午後4時30分~

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Wagner

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講演集 リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大 他一篇 (岩波文庫)
トーマス マン
岩波書店
売り上げランキング: 383379
おすすめ度の平均: 5.0
5 天才論としても出色

この本、25年前に読むべき本でした。全く、若き私は怠惰な人間でございました。でも、この本はヴァーグナーの楽曲に触れていないと理解できないのも確か。若き貧乏な日々に、オペラのCDなんて買うことは能わず、ましてやオペラに行くなんてことは難しいことでしたので仕方がないというところでしょうか。まあ、今もお金持ちではありませんけれど。

はじめに

トーマス・マンは、この「リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」と題された講演ををミュンヘンで行ったのが1933年2月10日のこと。その後、マンはアムステルダム、ブリュッセル、パリを回ったのですが、その間、ドイツにおいてはナチスが全権を掌握してしまい、マンはドイツに帰ることができなくなるという時代背景があります。

ナチスがワーグナーの音楽を利用したという事実は消えることのないことですが、マンが必死にヴァーグナーとナチズムの相違点を整理しようという意図が見えた講演録でした。

心惹かれる文章。

このたぐいの本の書評を書くのはきわめて難しいのですが、私の方法論は引用をつなげていくという者になってしまいます。まだ書評能力が低いのです。まあ、それはそうとして、気になったところを。

劇場の聴衆の只中で味った深い孤独な幸福のあの幾時間、神経と知性とのおののきと喜びとに充ち満ちた幾時間、この芸術のみが与えうる感動的で偉大な意義を窺い知ったあの幾時間かを、私は決して忘れることができません。

29ページ

これは、激しく同意します。あの孤独とも一体感とも言えぬ劇場独特の儀式的パフォーマンスを秀逸に表した一文です。

ヴァーグナーが芸術を一つの聖なる秘薬と考え、社会の障害を癒す万能薬と見なした(中略)。ヴァーグナーにとっては、芸術が持つ浄化し聖化する働きは堕落した社会に対する浄化手段、聖化手段として見なされるものでした。美的聖別という手段によって社会を贅沢から、金力の支配から、愛の欠如した状態から解放しようと望みました。

13ページ

うまくいっているかどうかはともかく、リングの最終幕ヴァーグナーが意図していたことをマンが咀嚼してくれた感じです。でも、そこまで単純化できるかどうかはわからないです。というのも、こうした社会正義、革命的な思想を、若き日のヴァーグナーは持っていたのですが、一方で、借金を重ね奢侈な生活を楽しみ、バイロイトという「ヴァルハラ」を築くという、おおよそ庶民とはかけ離れた行動をしているのですから。

全体感

全体を読んで思ったところ。

ヴァーグナーというのは単なる音楽家であったわけではないということ。詩人でもあり音楽人でもあった故に、楽劇が誕生したのだという事実。両者に秀でていたということが重要。逆に言うと、両方から圧迫を受けていたわけでそれがヴァーグナーの苦しみでもあった、という論調でした。

ヴァーグナーは若き日に革命運動に身を投じますが、あれは、社会を改正するといった動機よりもむしろ、自分の音楽をきちんと発表できる場にしようとするという動機の方が強かったのではないか、という指摘がありました。もっとも、ワーグナーは芸術が人間を救済する手段であると考えていましたので、終着点は同じなのかもしれませんけれど。このあたりは、シュトラウスがナチスに協力した経緯とも少し似ている感じがしました。

ワーグナーをロマン主義者として定義付けするところがあるのですが、ここが実に面白い定義付けをしています。また引用しちゃいますと、

性的オペラの中で芸術と宗教とを結び会わせ、芸術家のこのような神聖なる非神聖さをルルドの洞窟の奇跡劇としてヨーロッパの真ん中で舞台に載せ、退廃した末世がみだらに信仰を熱望するその心をに向けて開示してみせるという能力

99ページ

これ、この前「パルジファル」を聴いたときに引き裂かれるように感じたことと一致するんです。聖化と性化の二律背反(と捉えるのも間違いかもしれませんが)があまりに不思議で不協和音に思える。それが最後に解決するのがブリュンヒルデの自己犠牲であり、パルジファルによるアムフォルタスへの癒しとクンドリの救済というところでしょうか。

ここでいう「性化」とは、一種のセクシャルなものを含むのは事実ですが、それ以上に、いわゆる「愛」と捉えるべきだとも思いました。そういった言説をヴァーグナーがしているということもこの講演の中で述べられていました。

この本は、二回ほど読みましたが、まあ、いろいろと前提知識が必要だったり歴史的背景の理解が必要だったりということで難儀なものでした。折に触れてちびりちびりと、ブランデーを飲むように読むと良い本でしょう。お勧めです。

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ミュンヘンに到着した僕らは、とりあえずポストオフィスを探して絵葉書を投函しました。GAさんに聴いてみたらKeine Ahnung(そんなの知らないわ)といいながらも地図を出して探してくれる。やっぱり南ドイツ人は優しいです。

ランチはもちろんドイツ料理。これが最後の海外旅行かもしれないという、すこし感傷的な気分になっていたので、昼間からWeis Bierを注文しました。これは「白ビール」と訳されますが、日本の一般的なビールとはもちろん違います。ご存知のとおり白ビールには酵母が入っていて味がまろやかなのです。ドイツ人的几帳面さで、きっちり0.5リットル。すばらしい。

ソーセージに、パン。

このパン、塩がついていてめちゃ旨い。日本だと塩加減緩くしてるんですけれどね。

飛行機のウェルカムドリンクはカンパリにしました。スナックがしゃれてます。

ミュンヘンから成田への機材は、行きと同じくエアバス340でした。エコノミーだったのですが、すごく待遇よかったですよ。スパークリングワインを3つも出してきてくださって、私ら二人ともべろべろに酔っ払ってしまいました。

その後、待ちかねたように始まった免税品販売の時点では完全に理性を失い、財布やら何やらを二人して大人買い。財布なんて、「ちょっと中見せてよ」といったら、キャビンアテンダーの男性が包装をビリビリ破ってくれるもんだから、買わないわけにはいかないじゃないですか。。

で、あとはシベリア上空を意識を失い眠り続けました。少し残念な気分。

着陸直前に、機内サービスのアンケートを頼まれました。あそこまで待遇よくしてくれて、悪い評価なんてつけられるわけないじゃないですか。まんまと、CA達の手のひらで踊ったかんじ。でもとても楽しいフライトでした。ルフトハンザ、今はどうなっているかわかりませんが、2008年当時はよかったですよ。

というわけで、成田に帰着。これで2年間もかかったローマ紀行もおしまい。次に海外旅行に行けるのはいつになるやら。。

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昨日は充実した一日でした。

昼食はカミさんの友人の方々と食事。女性グループに私が入り込んだ感じで、居心地わるくならんだろうか、とちょっと心配したんですが、みんな魅力的な方々で、会話を楽しんだ感じでした。

夕方は大学時代のサークルの後輩の結婚披露パーティーという名のライヴ。呼んでもらって本当に良かったです。生バンドの演奏を聴くのは本当に面白い。もちろんみんなアマチュアの方々なんだけれど、ライヴという空間共有は実に気持ちが良かった。ビールやらワインを飲みながらの悦楽。オペラも良いですが、ジャズライヴ(といってもフォービートは登場しませんでしたが)もいいなあ。

ヴォーカル入りのバンドが二つ登場したんですが、どっちも結構楽しめた。結構ホーンセクションが充実しているバンドで、一つ目のバンドなんて、ペット、トロンボーン、アルサク×2、テナーサックスという豪華さ。それでファンキーなナンバーをやってくれて嬉しい。二つ目のバンドは、たぶんインコグニートの曲と、EWFの曲をやっていた。ああ、あっしも、ファンクなバンドのホーンセクションをやってみたい!

アルトの方、ちょっと話をしたんですが、デュコフつけていたんで、伊東たけしですか? と伺ったら、サンボーンだった。サンボーンの音は出すのはかなり難しいよなあ。私も出せるもんなら出してみたいが相当なコストと時間が必要。

もちろん、出席していた昔のサークル仲間との思い出話も楽しかった。もう15年ぐらい前の話なんだけれど、つい昨日のようにエピソードが噴出して笑いの渦でした。

今日は「愛の妙薬」です。

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はじめに

「愛の妙薬」見て参りました。いやあ、ちょっと舐めてかかっていました、わたくし。大変に反省しております。「行くのやめようかな」なんて考えていた私は本当に愚者以下です(なぜって、最近のこのブログのコンテキスト下にあっては愚者といえば英雄ですから)。

今シーズンは、「オテロ」、「ヴォツェック」、「トスカ」、「魔笛」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」、「パルジファル」と立て続けに重いオペラばかり見ておりました。それで、「愛の妙薬」はプレミエだというのに、イタリアオペラは苦手なので、みたいな甘えた考えでいたわけですが、本日、その意見は180度方向が変わりました。「愛の妙薬」、このオペラも妄念横溢中。これも一日じゃかけません。というか、本日もあまりに充実した一日で、なんだか夢みたいです。明日からは、「組織」へ戻りますけれど。

オペラの前

今日もカミさんが友人達と新宿でランチをするとのことで、私も濡れ落ち葉のようにカミさんについていって、高層ビル群の一つのイタリアンでランチをご一緒にいただきました。とっても良い天気。今日のカミさんの友人達も良い方ばかり。女性五名(一名は小学生)の中に入りましたが、居心地の悪さもなく、楽しいひとときを過ごせました。というか気を遣ってくださったんです。本当にありがとうございました。

1時間ばかりで私は中座して、初台に向かいました。ちょっとぎりぎり。普通オペラやらコンサートには遅くとも45分前には到着するようにしていますが、今回はルール逸脱でした。

新国到着

いつものように新国の入り口の生け花は素敵です。

で、今日は本当にショックでした。この罪のないはずのあらすじの裏に、こんなに重大でアクチュアルな問題が隠されているだなんて。あー、オペラトーク行っておくんだった。

あらすじ

というわけで、まずは「愛の妙薬」のあらすじの把握から。予習の段階ではきわめて単純に思えました。ずばり三角関係です。

ある種ちょっと木訥で純粋なネモリーノは、女農場主アディーナに恋をするんですが、男前の軍曹ベルコーレが現れてアディーナに求婚する。アディーナもまんざらではない感じ。でもちょっとネモリーネの態度も気になる。私が結婚するんだから、もう少し焦ってもいいんじゃないの? みたいな。

実は、単純素朴なネモリーノは、怪しい薬売りのドゥルカマーラから、「愛の妙薬」を買っていたのです。これ、「トリスタンとイゾルデ」の話に出てくる媚薬と同じという触れ込みなんだが、実は単なる安ワインに過ぎない。効くわけないんだけれど、一日経ったら効果が現れると信じ込んでしまう。だから余裕かましているんだけれど、アディーナがベルコーレと今日結婚しちゃうおう、という話になってしまったので、あわてて、頼むから明日に延ばして、と泣き言を言う始末。

ネモリーノは居ても立ってもいられず、またまたドゥルカマーラから「愛の妙薬」を買わなければ、ということになるんだが、お金がなくて買えない。そこで、ネモリーノは、軍曹ベルコーレから軍隊へ入営することを条件になにがしかのお金を入手し、「愛の妙薬」(もちろん安ワインなんだけれど)を買ってのんでしまう。

そうこうするうちに、病気にかかっていたネモリーノの伯父が亡くなり、ネモリーノに遺産が転がり込んでくるという噂が広まる。町中の女性という女性がネモリーノに色目を使い始める。これぞ「愛の妙薬」の効果! 驚いたアディーナはベルコーレを捨ててネモリーノと結婚してめでたしめでたし。偽薬である「愛の妙薬」がなんだか本当に効き目が出ちゃったよ、あはは、みたいな。

でもですね、ことはそう簡単じゃないんですよ。ここに隠されたテーマは実に興味深く、私の明日とも関係があるのです。

続きはまた明日。

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休憩時間は残り六分。オペラシティにおいてはデジタル数字が一種のモティーフになっていて、新国立劇場の東側の通廊にはデジタル数字がいくつも光り輝いています。この休憩時間残を表すデジタル数字もそうしたコンテキストの中のもの。

さて、昨日に引き続き「愛の妙薬」について。

演出

今回の演出、モダンで素敵でした。Elisirという題名にちなんだ、アルファベットのオブジェを利用したもので、視覚的にも楽しめました。で、不思議なんですが、elisirって、薬という意味ではない。elisirとは「芳香性のある植物をアルコールに溶かしたリキュール」と伊和辞典には書いてありました。これも、明日書くことになるであろう私の妄念のなかで大きな意味を持つはず。

それから、分厚い本も重要な役目を果たしています。パンフレットによると、ヒロインのアディーナだけが本を読むことができるという設定。彼女が読んでいるのが「トリスタンとイゾルデ」の本ということで、舞台上には巨大な本が両側に三冊ずつ、計六冊が据え付けられている形です。背表紙の文字は、奥からドイツ語、日本語、イタリア語で「トリスタンとイゾルデ」と書いてあるという寸法。この巨大な本が稼働して舞台を構成します。本の表紙にはTRISTANOとISOTTAの文字が。つまりイタリア語でいうところの「トリスタンとイゾルデ」の意味。それから、番号の書かれた書物が時に台になったり、椅子になったりする。プロンプターボックスも分厚い本の形をしていたりと、書物自体が重要な意味を占めています。

一応リブレット的にはバスク地方と指定されていますが、衣装的な時代性もあえて曖昧にしています。七〇年代から八〇年代のものでしょうか。舞台が欧州であることに疑いはありませんが、時代や場所はあえてぼかしている感じ。

演出自体はスタイリッシュで非常に好印象です。少し笑えたのは薬を売るのが、ドゥルカマーラに付き従う二人の赤いドレスのモデルのようにスタイルの良い売り子の女性二人なんですねえ。で、第二幕の冒頭、指揮のパオロ・オルミが登場すると、二人の売り子売り子の女性がオルミに薬を売ろうとする。オルミは、お札を出して薬を買って、コンマスにも勧めたりして、と、二幕冒頭で物語り世界と実世界が結節するという面白い演出がありました。こういうの、たまにあるんですけれど、私はこの類の舞台と現実のつながりが、夢と現実の橋渡しをしているようで大好きです。そういえば、昔「セヴィリアの理髪師」をシラクーザの出演で見たとき、シラクーザは舞台からオケピットに向かって指揮をしていましたねえ。こういう演出ラヴです。

演出のチェーザレ・リエヴィはイタリア人の演出家で、ウィーンやメット、チューリヒでも舞台を手がけているようです。チェーザレって、ラテン語読みだとカエサルですね。

解釈

解釈が一番面白い。でも、今日は時間がないのでここまで。明日書きます。予告だと、

  • アディーナの心変わりの真の理由
  • ドゥルカマーラの現代性
  • ベルコーレはリクルーター

などを予定しています。

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さて、一週間が始まりました。おそらく一年でもっとも忙しい一週間。でも、残業規制で早く帰らねばならない。

新国立劇場の正面玄関を秘密の廻廊から撮った写真。建築的にも大好き。

さて、「愛の妙薬」の記憶が薄れないうちに。書いてしまわないと。

軍曹ベルコーレとリクルーター

軍曹ベルコーレが、ネモリーノを金で釣って軍隊に入れてしまおうとするくだり、私はデジャヴを感じました。あれって、いつも企業がやっていることと同じじゃないですか? 甘い言葉をちらつかせ、待遇のよさやら、軍隊の栄光をアピールする。そうした待遇が相対的に他社に劣ったものであったとしても、そうとは気取られぬように、うまいこと篭絡して優秀な人材を借り集める。

軍隊も企業も組織ですのでやることは変わりません。待遇とはそれすなわち給金に他ならない。それは今も昔も同じ。一度組織に入り込むとなかなか外に出ることができない。仕事の誇りをことさらに強調してみせて、モラールを喚起し搾り取ろうとする。いやあ、15年前の就職活動のことを思い出してしまいましたし、いまでもそういう場面にたまに遭遇するなあ。

そういう意味ではアディーナはインテリです。本を読むことができるということが、彼女の洞察力を豊かにしている。「私のために軍隊に身を売って自由を放棄するなんて!」と感動して見せたりする(これは、アディーナの本気なのかどうかはわかりませんが)。この言葉は、もう本当にわれわれに跳ね返ってくる。真の自由なんてどこにもありませんから。

アディーナの心変わりの理由は?

ネモリーネが遺産相続したかどうかはよくわからない。街の女がうわさしているだけだから。それに、ネモリーノ自身それに気づいた風ではなく、「愛の妙薬」のおかげだと勝手に勘違いしている。そうした状態にあって、アディーナはどこまで認識していたんだろう? 

普通に思うと、遺産を手に入れたがゆえにネモリーノと結ばれることを願う、という風になるんでしょうか。アディーナは金に釣られてネモリーノを愛したのだ、という風に。

けれども、僕にはそうは思えませんでした。むしろ、アディーナは、自分のために軍隊に入営したという事実のほうに衝撃を受けているように思えたのです。それほど、軍隊への入営は深刻な事態であるということなのか。

もちろん一夜で街の女から好意を抱かれる存在へと変貌したネモリーノへの嫉妬心も少なからずあったようですが。

ドゥルカマーラの現代性

彼、今もたくさんいるなあ。商売の三分の二はイメージで成り立つ虚業のようなもの。たとえば、金融商品までいろいろなラインナップがあって、素人ではわからないようなものも多いです。そうした商品を言葉巧みに売っていることを思い出します。銀行のホームページに行くとやたらと仕組みの難しい金融商品が置いてあったりしますし、生命保険も難しすぎてよくわからない。ああいうのは、絶対に銀行やら生保会社が得するようにできていると思って間違いないんだそうです。人の知識のなさにつけ込んだそのやり口はドゥルカマーラと同じ。

でも、ダマされない人もいる。ドゥルカマーレは、「愛の妙薬」を不要だと言ったアディーナを、小悪魔とか、してやられた、とか言って悔しがっている。(小悪魔のところ「ブリッコ」と発音していたように聞こえたんですが、リブレットと辞書を確認すると、イタリア語でbricconcellaとは小悪魔な、という意味があるみたい。

結論

結局アディーナが一番賢く物事を見通している。そして、自らの力で人生を切り開こうとしている。愛の妙薬などに頼らずに自分の力だけでネモリーネを愛想としているのだから。我々はアディーナでなければならない。強くそうありたいと思うのでありました。

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Richard Strauss

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5月の新国立劇場は「影のない女」です。

苦い思い出

何度も書いたように、このオペラには苦い思い出があります。

生涯第3回目のオペラがこの「影のない女」でして、予習を十分にできないままパリに飛んで、翌日の夜にバスティーユに出かけたのはいいのですが、激務と時差ぼけでもうろうとした状態のまま数時間が過ぎ去ってしまったのでした。指揮者はあのウルフ・シルマーだったというのに!!

鷲のライトモティーフだけが、なんだか頭の中に先入観のようにこびりついたり、今聴けば、あんなに感動的な皇帝のアリアに心を動かすことができなかっただなんて。皇帝が歌っているのをなにか別世界のテレビのように感じていました。本当に残念。

予習の始まり

確かに、このストーリーを、今、私自身がきちんと咀嚼できているか、というとそんなことは全くないです。故若杉弘さんが、このオペラを理解するには、まずはホフマンスタール自身がノベライズした小説版を読んだ方がよい、と進めておられたのを思い出して、先だってくだんの本を古書店で入手しました。

というわけで今日から重厚で品のある邦訳版を読み始めた次第。ちょっと本が読めない状態だっただけに、久々の散文は本当に気持ちいいです。

ショルティ盤

で、もちろん音楽は「影のない女」です。今日はショルティ盤を選択してみました。それで大変重要なことに気づいたのです。それは、プラシド。ドミンゴがドイツオペラを歌う時に覚える言い得ない違和感の原因。私は、それはどうやらドイツ語の鋭利な子音をドミンゴが柔らかく解きほぐしているからではないか、と思ったわけです。ドイツ語は読み書きもできないし、話すこともできませんが、昔は語学学校に通っていましたので、愛着だけはあります。ドイツ好きですから。

ショルティ盤は、アマゾンでは取り扱っていないようです。私もたまたま入手できたのでラッキーでした。DVD盤もありますがこちらはCDとはキャストが違います。

これからのこのブログの行く先は?

それから、オペラ歴ももうそろそろ8年になりますが、初めてオペラを聴く方に役に立つコンテンツを作ってみようかなあ、と思案中。それから、新国立劇場の公演をまとめるような仕組みも作りたい。やりたいことはたくさん。でも、きっと僕は全部やるんですよ。間違いなく。そう思うようになりました。

今日はつれづれ風。

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ちょっと興味深かったので簡単に。
朝日新聞のウェブにこんな記載が。

一方で、国立美術館と国立文化財機構の美術品収集など4事業は、国の負担が増えない範囲で「事業を拡充すべきだ」との判定だった。

http://www.asahi.com/politics/update/0429/TKY201004280501.html

公式ソースはこちらにも。

http://www.shiwake.go.jp/shiwake/detail/2010-04-26.html

当該法人が実施し、事業規模は拡充(適切な制度のあり方を検討するとともに、民間からの寄付、自己収入の拡大、コスト縮減といった努力を徹底し、国からの負担をふやさない形での拡充を図る) 当該法人が実施し、事業規模は現状維持(ただし、自己収入の拡大や民間からの協賛・寄付の募集を積極的に行う) 当該法人が実施し、事業規模の縮減(競争的な入札の導入によるコスト縮減、自己収入の拡大を徹底的に行う)

へえ-。そういう判断もするんだ、というちょっと意外な驚き。

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ロッソ-イタリア・バロック・アリア集
プティボン(パトリシア)
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やばい、プティボン。

昨日アマゾンUKから届いて、早速iTuneに取り込んで聴いております。この方、凄い。平伏いたします。申し訳ありませぬ。

強烈な情感とパワーを持った劇的で激情的でいながら、なお冷静さや優しさを失わない人間味溢れる声です。今聴きながら書いているんですが、一瞬一瞬がいとおしい。やはり、欧米人の体格でないと、この声は出せないのか。

Wikiによると、1970年生まれのアラフォー世代。旦那様は作曲家でお子様がお一人いらっしゃる。

http://patriciapetibon.artistes.universalmusic.fr/

Wikiに生年が書いてあるのに驚いたのですが(普通の歌手は年齢出しませんので)、40歳でこのパワーと若々しさかあ、と。私も老いさらばえるのはまだ早い。若者には負けぬよう頑張らねば。

森麻季さんと

ちょっと語弊があるかもしれませんが、このCDは、芸域としては森麻季さんと重なっているように思いました。森麻季さんは透徹とした美しさや豊かな表現力や技術力を持っておられますので、大変好きなソプラノのひとりなのですが(変な噂は内容も知らず無視してます。だって、巧いんですから)、唯一の弱点は高音部の倍音成分の少なさにあると思うのです。プティボンの場合はそこをクリアしてしまっている。

先日、偉大な先輩プロ音楽家の方と話したのですが、どうしても体格のせいなのか日本人の声質が欧米人と異なることが多いなあ、と。これ、クラシックだけじゃなくてポップスも同じ。ピッチコントロールはいいんですけれど。

ちょっと気になる曲たち

それから、有名な"Lascia Ch'io Pianga"、森麻季さんの解釈と違っていて新鮮です。静謐に静謐に歌われている。森麻季さんの場合、ちょっとした感情の高ぶりを表現するところも、淡く輝きながら通り抜けてみせる。スマート。1

その次の曲、"Volate, Amori" とか、"Se Il Mio Dolor T'offende"の昂揚感も凄い。ここまで劇的な表現をしてしまうとは。この音楽、いわゆるバッハ的なバロックとは思えん。王侯貴族のためだけの音楽とは思えない。これはまさに民衆のほうにも向いている。

後悔と希望

ああ、こんなことだったら、来日公演に行っておくんだった。激しく後悔。そして、この方の「ルル」の録音を逃したという絶望的後悔。ああ、この声と表現力でルル歌ったら凄いはず。頼む、再放送してほしい。CD化してほしい。

こうなることは、先日のバイエルン放送管弦楽団の「カルミナ・ブラーナ」を聴いたときに予想できていた。あの最終部にかけての表現は凄かったからなあ。

http://museum.projectmnh.com/2010/04/18035722.php

というわけで、また増えてしまいました。ラヴリーなソプラノ。激賛勧奨です。

で、ラフォルジュルネ

というわけで、私も乗り遅れないように、ラフォルジュルネに行って、ヘンデルオペラのアリアというご馳走にありつくことにしました。プティボン効果です。GWの前半は仕事なのですが、一日ぐらいはオフにできそうなので、5月3日の公演に行って参ります。

* マリア・ケオハネ [ソプラノ]
* リチェルカール・コンソート
* フィリップ・ピエルロ [指揮]

ショパンにはあまりなじみがない者でして、ちょっと引き気味だったんですが、もうほとんどチケット売れてるんですね。頭の良いピアニスト達が寄り集う東京フォーラムに幸あれ。良い天気になりますように。

1 しかし、この曲、思い出深いなあ。「あこがれ、美しく燃え」。強烈すぎて怖かった。映画も見ないとなあ。。。

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http://www.nhk.or.jp/program/aigeki/

これも気になる今年度からの新番組です。かなり緩い感じのオペラ番組です。まあ、オペラは単なる題材に過ぎなくて、ホステス役の夏木マリと、ゲストの大人の女性達が、オペラを肴に恋愛論を語る番組。NHKにしてはかなり砕けた番組で、内容的には女性週刊誌の延長線上のような感じ。

トメラレナイで、トロイメライではありませんので要注意。私は寸前までトロイメライだと思っていて、カミさんに怒られました。

でも、面白いですよ。

私が見た回は「ばらの騎士」だったんですが、夏木マリ、国生さゆり、マリエの三名が、大人の恋について実体験を交えながら語る感じ。

私は芸能ネタには弱いのですが、それでもなんとなくフムフムという感じでした。国生さゆりはマルシャリンと同じく年下の男性とつきあっているらしく、マルシャリンとオクタヴィアンの恋愛と重ねて語られる。

これ、昔関西でやっていた「たかじんのバー」的な雰囲気で、是非出演者の方にはアルコールを入れていただいて、さらに本音を語っていただきたいと思うのでありました。

マリエの言。「恋愛の終わりなんて考えるの悲しいじゃないですか」
国生さゆりの言。「でもね、恋愛とは常にせつないものなのよ」

きっと、世の女性が飲み屋やらバーやらで話していることって、こんなことなんだろうあな。勉強になりました。今更勉強しても役立つ部分は限られますが。

映像で流れていたフレミングのマルシャリンが素敵だったなあー。

緩い感じなので、会社帰りの疲れた時間でも楽しめます。是非一度お試しを。

教育 金曜日 午後10時25分 ~10時50分
教育 金曜日 午前5時35分~6時(再)

5月7日:マノン・レスコー
5月14日:トリスタンとイゾルデ
5月21日:トスカ

冒頭と最後のショートコントも笑えたっす。

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