NNTT:新国立劇場,Opera,Richard Strauss

しかし、アラベラとマンドリカのカップル。いったいこの後どうなるんだろう、と気になって気になって仕方がありません。
あんなにマッチョで嫉妬深くプライドの高いマンドリカと、やはりプライドがあるけれど、気まぐれで、夢見心地なアラベラの結婚生活が、穏やかなものであるとは思えません。見ていて、そこがすごく気になります。
アラベラとマンドリカがおかれた歴史的背景を考えてみましょう。シュトラウスの設定では1860年ごろですので、第一次大戦とオーストリア帝国の滅亡を見たか見ないかごろに二人とも天寿を全うするでしょう。いや、アラベラは1920年ごろまで存命だったかもしれません。
ただし、ですよ。今回の演出の時代設定は1930年ごろです。ということは、ナチスがドイツの政権を握り、第二次大戦では、クロアチアやスロヴェニアはパルチザンとドイツ軍の熾烈な戦いが起こり、その後は社会主義化されてしまうわけです。当然マンドリカの土地は収奪されるでしょう。極めて過酷が運命が待ち受けているに違いありません。それを思うと切ないなあ。
さて、今回の演出では、マンドリカの領地の地図を従者が見せる場面がありました。あれ、トウキョーリングで、登場した地図にそっくりだったと思いませんか? わたしは、双眼鏡で必死に字を読みました。そこに、ギービヒの領地とか書いてないかな、と。でも、そんなことは書いておらず。
なんともかんとも、心配になる二人の行く末なのでありました。
まだ続きます。妄想と深読みのシリーズ。