さかなクンおめでとう!──ラトルの「歓喜の歌」

だいぶ周回遅れとなったけれど、いい話だったのでエントリー。
22日に行われた天皇誕生日にあたっての記者会見の中で、クニマス再発見について、天皇陛下からのお言葉になんとさかなクンの名前が。これは、天地がひっくり返ったような気分でした。
“朝日新聞の記事":http://www.asahi.com/national/update/1224/TKY201012240087.html
“さかなクン記者会見(NHKかぶんブログ)":http://www.nhk.or.jp/kabun-blog/100/68347.html
クニマス再発見の立役者は、各種ニュースでは「京都大学中坊教授の研究グループ」と伝えられることがおおくて、さかなクンの果たした役割について詳細に言及する例は少なかった。
NHKのニュースでは、最初からさかなクンが登場していたので、少なくない人がさかなクンの関与は知っていたはずなのですが。さかなクンの果たした役割は少なくないのに、やっぱり世の注目は結局学者に向いてしまうのだなあ、と少々残念な気分でいたのです。もちろん、中坊教授の果たした役割も極めて大きいと思いますけれど。
さかなクンは、折り紙付きの魚類マニアではあったけれど、硬い学界と体び越して、日本のメインストリームから承認された瞬間が、あの記者会見であったはず。拍手喝采。
たとえ、在野であったとしても、厳しい努力をたゆむことなくすすめ、内にこもることなく人と交わり、発信を続けていれば、世に認められることもあるという証左。さかなクンの謙虚で屈託のない人柄によるところも大きいはず。だからこそ、極めて希なケースだし、さかなクンだからこそ出来たことなのだろうけれど。
おめでとう、さかなクン! 私もすごくうれしいのです。いろんな人が勇気をもらったと思いますので。
そして私は予言したい。次の園遊会にはさかなクンが呼ばれるだろう、と。
というわけで、今日も歓喜とともに第九を聞きましょう。ラトル&VPO。チェリビダッケを聞いたときほどの驚きは感じないけれど、ラトルらしいアーティキュレーションへの工夫や、ダイナミクスは健在です。ウィーンフィルの音は幾分か柔らかくて安心できます。ただ、チェリビダッケ&ミュンヘンフィルのような激しい驚きはない。ということは、ラトルの演奏は私にとってデフォルトに近づいているのか。
気がつけばクリスマスになっていましたが、平生とかわらぬ生活を送る一日で、午前中は目白へ向かい、午後は地元にとって返し図書館にて書きもの。これからヨガに行く予定です。