辻邦生さんの12回目の命日

1999年7月29日に亡くなった辻邦生さんの12回目の命日でした。
あの日のショックはまだよく覚えている。いまでもそのときの心のひだを手で触った時の実感がありありと記憶に残っています。辻邦生文学は普遍性を持っていて、現代日本においても十二分にその輝きと煌めきを喪うことはありません。けれども、辻文学を継ぐ文学はきっと成立しないだろう、とも思います。現代日本文学は因果性とか物語性にたいして厳しい目を向けているように思います。現代日本文学で辻文学がいかほど受け入れられるか。そのあたり、少し自信がありません。
ただ、一昨年ごろ、私の古い友人に辻文学を薦めたところ、とても気に入ってくれて、何冊も本を読んでくださいました。そういう意味では光を失うことなく、燦然と孤高の境地に立っている気がします。
今週、先週と所用で目白に行ってきました。学習院の構内でゆかりの場所の写真を撮ってきました。もしよろしければどうぞ。

ベルリンフィル・デジタルコンサートホール

7月13日、わたくしあてに以下のメールが届きました。ベルリンフィル/デジタルコンサートホールへのお誘いでした。
新シーズン開幕特別キャンペーン: 7月31日までに12ヵ月チケットをお買い求めになると、10パーセント割引!
7月31日までに、デジタル・コンサートホールの12ヵ月チケットをお買い求めになると、10パーセント割引になります。149ユーロから14.90ユーロが引かれ、たいへんお得です!
12ヵ月チケットでご覧になれる内容:
新シーズンに生中継される30回以上のコンサート
これまでに中継された100本以上のアーカイブ・コンサート映像
有名指揮者、ソリストの素顔に肉薄:独占インタビュー
クラウディオ・アバドの17の特選映像、『ベルリン・フィルと子供たち』等の映画をはじめとするスペシャル映像
ぜひ特典を7月31日までにご利用ください。
このキャンペーンは、 特典コード(SEASBN5599LX)を「クーポン券」から手動で入力することでもご利用いただけます。お友達にもコードを転送し てください。
デジタル・コンサートホールでお会いできることを、楽しみにしております。
ベルリン・フィル・メディア
Berlin Phil Media GmbH
Leipziger Platz 1
10117 Berlin
dch@berliner-philharmoniker.de
キャンペーンで10%割引で12ヶ月チケットが10パーセント割引とのこと。以前から会員になろうと思っていたのですが、ユーロ安基調もあいまって、キャンペーンを利用して会員になることにしました。
予想通り、いや、予想以上のお宝映像が満載です。
素晴らしいことにiPod touch + Wimaxで観ることが出来ます! つまり、電車の中とか、会社の昼休みにベルリンフィルの映像を聴けると言うこと。これは素晴らしい。
ですが、電波状況は悪くないのに、映像が途切れることが多いです。これ、PCで見ているときはあまり起こらないのですが、iPod touchで見ているときによく起こります。
どうやら、iPod touchでは、mpegをつかっているようです。PCブラウザではFlashプレーヤーを使っている模様。その違いなのかもしれません。
まずは、シュトラウスの「サロメ」を今週から聴き始めました。いま、ちょうど七つのベールの踊りがおわったところ。

今年の夏のNHKBSは熱過ぎる!

もうすぐ8月ですが、夏の音楽祭シーズンにむけてまっしぐらです。
本シーズンが終わって気が抜けていたところに遅ればせながらニュースをキャッチ。
っていうか、これは6月28日に発表されていたのですね。周回遅れ100周。
今年も、バイロイト生中継ありますね!!!!

■8月14日(日)22:15~[特別編成]
<生中継> バイロイト音楽祭2011から 歌劇「ローエングリン」(ワーグナー)
 
《出演予定》
クラウス・フロリアン・フォークト、アネッテ・ダッシュ、ほか
《指揮》
アンドリス・ネルソンス
《演出》
ハンス・ノイエンフェルツ
**生 中 継**: 2011年8月14日 バイロイト祝祭劇場から衛星生中継
あやうく、ネット中継代として14.90ユーロ払うところでした(ウソ)。
ネルソンスのローエングリンは、今年の4月の東京春音楽祭が幻となりましたから、いよいよ映像で見ることができます。今年はブルーレイを導入していますので、録画もできちゃう。
そして、なんと、もう一つ。
ティーレマンの「影のない女」!!!!
まじっすか。
■8月13日(土)23:30~
<速報> ザルツブルク音楽祭2011から 歌劇「影のない女」(リヒャルト・シュトラウス)
《出演予定》
ステファン・グールド、ウォルフガング・コッホ、エヴェリン・ヘルリツィウス、ほか
《指揮》
クリスティアン・ティーレマン
《演出》
クリストフ・ロイ
収録: 2011年7月-8月 祝祭大劇場(ザルツブルク)
これ、ちゃんとやってくれるんですかね。
ステファン・グールドは、新国の「トリスタンとイゾルデ」で聴きました。あの、金色の円柱の幻をみた公演。
すごく楽しみです。
それから、これ。
■8月27日(土)23:30~
<速報> ルツェルン音楽祭2011から クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団演奏会
《曲目》
交響曲 第35番 ニ長調 「ハフナー」 (モーツァルト)、
交響曲 第5番 変ロ長調(ブルックナー)
《指揮》
クラウディオ・アバド
収録: 2011年8月18,19, 20日 ルツェルン文化会議センター コンサートホール
マーラーの次はブルックナー。しかも5番ですから。愉しみ。
■8月20日(土)23:30~
<速報> ヴェルビエ音楽祭2011から 「スペシャル・イヴニング・ガラ」&「ライジング・ピアノ・スター」
《出演予定》
ジョシュア・ベル、イヴリー・ギトリス、レオニダス・カヴァコス、
ギドン・クレーメル、アンネ・ゾフィー・ムター、ヴァディム・レーピン(以上、バイオリン)
ユーリ・バシュメット(ビオラ)
ゴーティエ・カプソン、ミーシャ・マイスキー(チェロ)
マルタ・アルゲリッチ、エフゲーニ・キーシン、カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)
収録: 2011年7月18-26日 サル・デ・コンバン(ヴェルビエ)
ライジング★スターに見えてしまった。。。

数字で見る新国立劇場 その3 平成23年の収入予算は?

今週の日曜日、やっと時間が取れましたので、新国立劇場の収支計画を色々と確認してみました。

おさらい

昨年の三月と六月にも同じように分析を進めていました。これは昨年流行った事業仕分けがどのように新国立劇場に影響をしているのか調べるためでした。
昨年の記事
当初事業仕分けでは、新国立劇場の予算を圧倒的に縮減するとしていました。大変心配していた平成22年度の予算においては、圧倒的とまで行きませんが、5億円近く縮減されました。本年(平成23年度)においてはどのようなトレンドになっているのか、大変気になるところです。

この四年間の予算額推移について

以下の表が平成20年度からの予算額推移です。注意をしなければならないのは、決算額ではないと言うこと。平成22年度以降は、新国立劇場のウェブにおいては予算のみの開示となっているためです。
こうしてみてみると、平成20年から徐々に削減されているのが分かります。
留意点としては、この収支予算は「特別会計」のものであるということです。昨年の調査が、新国立劇場への国からの「委託費」がどのように変化しているのかを調べるのが目的だったためです。
実は、これとは別に「一般会計」というものもあります。こちらでは興味深い事実があるのです。
続きます!

日フィル横浜定期で酔ってしまった。

はじめに

暑い夏。昨日も今日も。でもこれからが本番です。頑張ろう。
昨日もまた横浜みなとみらいホールにて日本フィルハーモニー管弦楽団の横浜定期演奏会へ行ってきました。
曲目は以下の通りです。
* ドビュッシー(ビュセール編曲):「小組曲」
* カントルーブ「オーベルニュの歌」
* ホルスト「惑星」

オーベルニュの歌

私は、この曲を本当に楽しみにしていました。ケント・ナガノとドーン・アップショウのCDを聴いて、本当にいいなあ、と。
二曲目の「3つのブーレ」では、初っぱなから感激して独りで苦笑しました。大人が真面目に「遊んだり」、「演じたり」する姿に感動するといういつものパターン。
谷村さんの歌声は、少しメゾの入った深みのあるソプラノで、味わい深いもの。谷村さん、京都のご出身で、幕が引けた後のパーティーでは、関西のイントネーションで話しておられて、私は高校時代には北摂地方に住んでいましたから、本当に懐かしい気分でした。
7月1日の記事にも書いています。

惑星

次は惑星。実は実演に触れるのは初めて。まったくすごい曲です。
前半のカントルーブもそうでしたが、ホルストも拍節が難しい曲だなあ、と思います。
二つとも途中で拍子がめまぐるしく変わるように聞こえますし、二拍三連なんてざらです。《火星》は五拍子ですし。
最悪(?)なのは、《木星》の最初の弦楽器と木管のパターンは、3音の旋律が4拍子の中に入れ子になっていて、パートによって微妙にずれるという、私にとっては悪夢のような譜面です。
昔、頭の切れる理系の諸先輩とやっていたバンドで、このたぐいのことをさんざんやりましたが、どうやら私には才能がなかったらしく、巧くできなかった苦い記憶があります。もちろんプロの方にとっては、朝飯前なんでしょうけれど。
特筆すべきところですが、《火星》ではテンポは落とし気味ながらも、最高潮では、オケのフルパワーを最前席で感じることができて、大満足です。のけぞりました。《土星》の最高潮部分もすごかったなあ。個人的にはこれがみなとみらいサウンドだなあ、と思います。満喫しました。

みなとみらいの音

そうそう。昨日ははホールの中をじっくり眺めてみました。1階席の壁は木製ですが、2階席以上は硬質な材質のようでした。やっぱり響きは素晴らしい。特に前半「オーベルニュの歌」で、オーボエとクラリネットのソロがありました。もちろん演奏された方の力量あってのものですが、あそこの絶妙なリヴァーヴ感と倍音をたくさん含んだ豊かな音は素晴らしかったです。演奏とホールが一体となった素晴らしさでした。

パーティがありました

演奏会終了後、シーズンのファイナルパーティーということで、ロビーでビールやソフトドリンクが振る舞われました。私もビールを頂戴しました。ありがとうございます。
広上さんや谷村さんが登壇して、いろいろお話しされたり、室内楽が演奏されたり。
ビールは美味しいですが、少し酔っぱらいました。。
日本フィル、暖かみのあるアットホームな雰囲気でいい感じです。おかげで、また1週間がんばれそうです。
そうかあ、来週の週末は、日フィルはサントリーホールで定期演奏会。指揮は広上さんで、シュトラウスのばらの騎士組曲。シュトラウス聴いてみたいが、来週末は出勤ですorz。

喪われた夏──オーベルニュの歌──

かつて住んだその地にまた帰ることはない。だが、こうして車窓の外に街灯が流れゆくのを眺めていると、その向こう側に灼けた石畳に遊ぶ鳩の群れや、広場の真ん中で水音を鳴らす水盤や、風に身を震わせ唸るポプラ並木が見えてくる。父も逝き、母も逝き、姉も逝き、重く古びた革のスーツケースを抱えて、独り汽車で彷徨する身となった。だが、闇の向こうに、喪われることのない夏の景色が見えてくる。鋼鉄の兵士にすべてを奪われたが、この景色までもが奪われることはよもやあるまい。
クロイツベルク「彷徨の闇」より


オーベルニュの歌、素晴らしいです。明日、日フィル横浜定期で聴くことになりましたので、音源を入手して聴いておりました。
オーベルニュの歌は、カントルーブが30年をかけて作曲した五つの歌集からなります。オーベルニュ地方の民謡を集めて管弦楽伴奏をつけたもの。カントルーブはダンディの門下生で、オーケストレーションが素敵すぎます。時折、映画音楽かと思うぐらいロマンティックでモダンなサウンドが出てくるのですが、それがすごく良い。暑い夏はこれで乗り切るしかないかもしれません。
私は、ナガノがドーン・アップショウとくんでいる盤を買いましたが、これは正解だったようです。アップショウは、ポルタメントが少し強いと思いましたが、静謐な美しさも、コケティッシュにおどけて見せるあたり、素晴らしいです。
この曲を聴いて、「マルセルの夏」という映画を見たのを思い出しました。「マルセルの夏」の舞台はプロヴァンスで、オーベルニュ地方とは少し違いますが、日差しの強い南仏の空気が感じられます。いつか、辻邦生の「ある生涯の七つの場所」を片手にフランスの田舎を旅するのが夢ですが、その夢を先取りした気分になりました。でも叶わぬ夢。
明日の日フィル定期の前半はこの曲で、休憩を挟んで「惑星」が演奏される予定。すごい組み合わせで、ワクワクします。