2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

セヴィリアの理髪師、劇が一瞬中断する瞬間がありますね。

それは、第一幕の最終部分、第16場のところです。

http://www.youtube.com/watch?v=SYwG4199BCg

「銅像のように冷たく動けなくなったわ」以降では、キャストがみんな止まって、六重唱が始まります。この映像でいうと、2分27秒のあたり以降です。

演出にもよると思いますが、新国立劇場の演出では、登場人物達が停止し、背景の警察達が曲の拍節に合わせて体を動かし始めます。ストーリーの中の時間速度が遅くなる、あるいは停止して、登場人物達がストーリーから抜けだす瞬間です。

これは一種のメタフィクションなのでしょう。

リブレットを読むと、一応、バルトロが銅像のように固まってしまったと揶揄する場面と理解できるんですが、実演を観るとそうは思えません。

バルトロだけじゃなくてみんなかたまる必要はないんです。

でも、Youtubeの演出もみんな止まってますし、先代の新国立劇場演出でもやはりかたまってしまいました。

なんだか、この場面いつも奇異に思えます。

それに、歌が終わった後に、場面転換を告げるかのように信じられないほど静謐な旋律が出てくるのですよ。

その後またドタバタハチャメチャな喜劇に戻るのですよね。

これはリブレットを読んだだけだと理解できない世界です。

ここだけ、際だっているのですよねえ。

ググってみたんですが、どうも答えは見つかりません。