辻邦生「モンマルトル日記」から

はじめに

曇り空の一日。

どうやら最近働き過ぎのようですので、休息日としましたが、キーボードを叩くのが辛く(肩こりで)、ひいひいいいながら一日過ごしました。痛み止めを飲んで、長風呂につかって、という感じ。夜になって少し落ち着きました。辛いのはキーボードもそうですが、ペンを持つのも辛いですし、本を持つのも辛いということです。なんだか、ちょっとどうにかなりませんかね、と思います。

モンマルトル日記

ですが、一日家で過ごしたおかげで、いろいろと読みなおすことが出来ました。限られてはいますが、今日読んだのがこちら。
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辻邦生歴史小説集成第十二巻に収められた「モンマルトル日記」のなかから、おそらくは有名な部分。1968年11月30日のところ。

このところ、ずっと自分が死んで、いなくなることを考える。信じられぬようなことだが、それは必ずくる。そのときになってあわてず、自分の生をいきることだ。今まで自分の好きなように、思いのまま、力いっぱいの仕事をしてきた。これからも同じように全力を尽くして、人間と、芸術について考えぬくことだ。真に考えぬき、真実に生きたことだけが人間をうち、人間をうったものだけが人間の遺産となる。自分の仕事を完全に成熟させるための距離と、自由をつねにもつこと。

辻先生が43歳の時の言葉ですね。ちょうど「嵯峨野明月記」を書きつつ、「背教者ユリアヌス」の構想が始まる頃のことです。この後「背教者ユリアヌス」が書かれ、「春の戴冠」が書かれ、「ある生涯の七つの場所」が書かれ、「西行花伝」が書かれるわけです。

なんというか、言葉が見当たらないです。まあ、これは誰もが思わなければならないことであり、かつ誰もが思いたくないことで、私もそんなことは思わないです。いつもは。

ですが、昨今はこういうことが心に響くようになりました。人の一生を様々なかたちで見ようとしているからなのだと思います。

今日の一枚。

レヴァインの《パルジファル》。来月開幕の新国立劇場の《パルジファル》もリハが始まっている頃と思います。私もチケットを取りましたが、所用のため行けるかどうかわかりませんが、とにかく聴かないと、ということで。

私は第一幕のアンフォルタスのモノローグが大好きです。あれほど人間らしい慟哭はないのではないか、と思います。このアルバムではジェームス・モリスが歌っています。すこし英雄的なアンフォルタス。

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※パルジファルでググっていたら、あまりに面白い記事がたくさん出るので止まりません。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

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