才能とは?

春の風駆けて―パリの時
辻 邦生
中央公論社
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いや、この「春の風駆けて」は、赤裸々、ということを昨日書きましたが、以下の様な文章も、あの辻先生をして、と思わせる切迫感があります。

ぼくは才能の存在など信じないと行った。「それが好きかどうかということだけじゃありませんか?好きだったら、朝から晩までそれをやるんです。それも一日二日ではなく、毎日毎日、生きている限り、二十年も三十年も。現代のような時代にものを創るということは、それについて何を言われようと、何を考えようと、自分の意見にすら摑まらずにその一歩先を走ることじゃありませんか」

ぼくはJ子さんを慰めるというより、明らかに自分を弁護している。だが、これ以外に何を言えよう。

辻邦生「春の風駆けて」73ページ

いやまあ、もうこういうことを仰るのですが、これは別に小説家に限ったことではないのでしょうね。一般的な物書きだろうが、プログラマだろうが、スポーツ選手だろうが、ピアニストだろうが、こういうことなんでしょう。才能なんてものはなく、ただひたすら続けるんですか、という感じ。

そういえば、辻邦生の言葉「ピアニストがピアノを弾くように文章を書け」という言葉をさらに思い出します。

この引用した部分、10年以上前に読みました、当時も線を引いてあって、栞まで挟んでありました。さすがに印象的な場所です。

というわけで、今日もグーテナハトです。

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