Classical,Miscellaneous

IMG_1787.JPG

今日も休ませていただきました。やはり色々と疲れていたようですが、よく寝て、ひと泳ぎしたら持ち直してきたようです。

写真は、ちょうど3年前に撮った払暁の写真です。朝焼けで、ウロコ雲とくれば、天気が崩れる前兆だということはその後知りました。この日以降天気が崩れたのを覚えています。

Apple Watchには、日の出日の入りの時間が表示されます。購入以来、日の出日の入りに対する感覚が鋭敏になりました。

今日気付いたのですが、日没時間が数日前よりも早まりました。確か、16時26分ぐらいまで早まっていたのですが、今日見てみると16時30分となっていて、ああ、やっと暗い夕方が明るくなり始めるのか、と胸をなでおろしたのです。

とはいえ、冬至は12月22日なので、少し早いなあ、と思い、いろいろと調べてみました。

http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2015/hdni13154.html

どうやら、東京地方の場合、12月14日の16時28分が最も早い日没時間で、その後少しずつ遅くなって言うようです。

一方、日の出の方は、まだまだ遅くなります。12月14日は6時42分ですが、一番遅いのは1月13日の6時51分のようです。

当時の定義は、日中の時間が一番短い、ということのようですので・12月22日の6時47分の日の出、16時32分の日の入り。つまり、9時間45分というのが最も短い日中時間ということになるみたいです。

こういう常識のようでいて知らないことを、AppleWatchが気づかせてくれた感じです。

そういえば、小学2年生の夏休みの自由研究は、日の出日の入りの時間を毎日新聞を読んで記録しグラフ化する、というものでした。母親に「自由研究は毎日やるものにせよ」と厳命を受けた結果です。ですが、毎日やるのは意外と辛いのですね。。日の出日の入り、という言葉は、私にとってある種の苦味のようなものを感じさせるものです。

それにしても、今日も17時半に家を出て泳ぎに行ったのですが、夏のあの頃はまだまだ暑い盛りだったわけで、全く不思議なものです。当たり前ではあるのですが、同じ時間だということが信じられません。季節、場所で、こんなにもかわるということは、公転のスケールの大きさということもあるでしょうし、地軸の傾きがなせる不思議のようなものでもあり、本当に興味深いです。

辻邦生は、日没を見にご自宅のマンションの屋上に上がられたそうですが、住民の方に、変わり者だと思われていたそうです。高輪のマンションから見る日没はさぞかし壮麗なものだと思うのですが、そういう感性も辻邦生に教わったのかもしれません。あるいは元からそうだったのかもしれないです。あの自由研究のおかげかも。

日没といえば、小学生の頃に住んでいた武蔵野からだと、ちょうど富士山に太陽が沈む時期があり、みんなでそれを眺めた記憶があります。実は、今日、その太陽が富士山に沈むダイヤモンド富士が見られる日だったようなのですが、私が写真を撮ろうとしたところからは残念ながら見えませんでした。

今日はこちら。

チャイコフスキー:交響曲第5番/地方長官
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アバドのチャイコフスキー交響曲第5番。アバドの演奏というのは、本当にたおやかですね。絶妙なボリュームコントロールは甘すぎない生クリームのような微細な気遣いがあります。今日のNHK=FMの「きらクラ」で流れたベートーヴェン《運命》もやはりアバドでしたが、その時にも感じたことです。

それでは、お休みなさい。グーテナハトです。

Classical

先日、放送されたNHK音楽祭の映像を見ました。

hr交響楽団とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を五嶋龍が弾いていたのですが、なかなか楽しめました。

五嶋龍は、まるでアスリートみたいな弾き方をするなあ、と。マッチョで男らしい。あるいは男らしすぎるという方がいいのかも。なんか体格も立派で、鍛えているとしか思えない感じ。十分すぎる筋力を、あえて使わず絶妙なコントロールで楽器を鳴らしているような印象を受けました。フレージングも微妙なタメのようなものがあるのですが、日本人っぽさのようなものを感じるほどまででもなく、スタイリッシュでかっこいいです。

調べてみると、今年、レコーディングもしていました。AppleMusicでも聞くことができます。

https://itun.es/jp/qW-O-

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五嶋龍
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今日は、家にずっといて家事を。明日も、家事が満載の予定。

今日は取り急ぎ。おやすみなさい。

Miscellaneous

Photo

昨夜から東京はずいぶんと寒くなって、いよいよ冬もクライマックスに向けて動き始めた感じです。

昼間は、晴れ渡っていて、いつまでも日差しを浴びていたい感じ。でも、すぐに仕事場に戻らないといけないというところ。昔から、日差しが好きで、仕事場のブラインドを開けてしまうのですが、いつも顰蹙を買っています。

夕方、仕事場から、沈む夕日を眺めましたが、これが仕事場以外の別の街で見られればきっといいのになあ、と思いました。前にも書きましたが、これがドイツかスウェーデンだったらもっと感動するのに、なんて思ったり。逃避。

今日はこちら。Apple Musicのプレイリストから、「スムース・ジャズ:ヴォーカリストが素晴らしい曲」というもの。

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なんだか、こういう形でキュレーションしてくれるのはありがたいですね。

特に、冒頭のアル・ジャロウは素敵ですね。1983年のアルバム「Jarreau」からで、音作りが黄金の80年代サウンドで素敵です。

それから、アニタ・ベイカーもいいっすね。深いアルトの声。音作りももちろん80年代。

週末は天気が良いようです。今週末は、家の仕事がたくさん。

それではみなさま、おやすみなさい。

Movie

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面白い映画でした。

音楽家のための老人ホーム。存続資金を得るためのガラコンサートを、老いた音楽家たちが企画している。そんな時に、ホームに入ってきた老ソプラノ歌手は、ガラコンサートに出演する老歌手のかつての妻だったのだが…。

というストーリー。

一番驚いたのは、あのグィネス・ジョーンズが出演していたことです。エンドロールで気づいて、本当に驚きました。物語の中で、年を重ねてもなお歌うことを恐れる、という主題が出てくるのですが、グィネス・ジョーンズは、映画のなかで、実際にその恐れを克服している、あるいは感じていないかのようにおもいます。 
実際、グィネス・ジョーンズと同じく、高名な演奏家が出演していて、演奏を披露してくれます。リアルです。

今日はこちら。

Salome

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グィネス・ジョーンズの豊潤をサロメを聞くことができます。フィッシャー=ディースカウのヨカナーンも最高。
それでは、おやすみなさい。

Apple Music

Photo

近所の公園。最近この公園のヘビーユーザになっていて、よく出かけます。なんだか、池があると心が休まります。水が持つ、無限性のようなものではないかと思います。流れ行く水は、一定ではなく、無限の可能性を持っている、という観点。

なかなか難しい状況に陥っている、私のApple MusicとiCloudミュージックライブラリですが、以下のような状況なのです。

先日報告の通り、iCloudミュージックライブラリが10万曲に拡大されたということで、私のiTuneライブラリをiCloudミュージックライブラリに接続し、マッチングを行いました。その後、iPhone側で、iCloudミュージックライブラリを一度オフにしたのちに、もう一度オンにするという操作を行い、iCloudライブラリとの接続を行いました。結果として、iTuneライブラリの内容がマイミュージックに反映し、iPhoneでiTunesライブラリの曲目が表示されるようになりました。

その後、色々と不可解なことが起こり始めました。

まずは、先日も少し書きましたが、iTunesライブラリにあった曲が、iPhone上ではオフラインモードになっており、勝手にダウンロードが始まってしまったというものです。この事象は、iCloudミュージックライブラリをオンオフするという操作で回避したかに思えました。

ですが、完全に回避できたわけではなく、多くのアルバムは、オフラインモードのまま残ってしまったのです。

その後、ミュージックアプリの挙動がおかしくなりました。まずは高頻度でフリーズするようになりました。あるいは、操作がもたつくようになりました。

その後、iCloudミュージックライブラリとの接続のオンオフを試みたのですが、ライブラリとの同期でフリーズするようになってしまいました。なすすべなく音楽が聴けない状況になったわけです。

やむなく、iCloudミュージックライブラリをオフにしようと試みたのですが、残念ながら、オフにならないという事象に陥り、嘆息した次第。iPhoneを再起動することで、やっとiCloudミュージックライブラリをオフにすることに成功し、胸をなでおろしている、というところです。

このドタバタぶりは、なんなんでしょうか。一部にバグの報告もあるようですが、そもそもiOS9.2はバグ解消が素晴らしい、というのがネット上の評判らしく、ちょっと意外な気がしています。

ちなみに、iCloudミュージックライブラリをオフにしたとしても、Apple Musicは使えていますので、さしあたりはそちらを楽しむことにしようと思っています。

私だけの特異な事象かもしれませんが、一応みなさまには報告しておきます。

Johannes Brahms,Movie

Photo

先日、風の強い日に噴水が強風に煽られ波立っていたので撮ってみました。石で固められた都会にあって、こういう池や噴水の水にはホッとします。

今日は一日中フルスピードで頭を動かして、仕事場を出てからも、とあるインターネットプロバイダーに苦情を言いながら契約を更新するなどしたもので、なかなかヘビーでありました。

帰宅の電車では、こちらを観ているところです。前から見たいと思っていましたが、Amazonプライムビデオに入っていたということで、通勤電車でも見られるようになったという感じ。

まだ見ている途中ですが、設定としては、ビーチャムハウス、という、おいた音楽家のための老人ホームが舞台です。これ、ヴェルディの作った老人ホームにインスパイアされているんだろうなあ。

老オペラ歌手が、オペラについての講義を学生たちにしている場面があるのですが、本当にいいことを言っているなあ、と。曰く、かつてはオペラはぶっ飛んだ若者がやっていたものだが、いつしか、上流階級のものとなり魂を奪われた。それは、まさにラップと同じく、言葉に乗せて人生の痛みを語るものなのである、みたいな感じだったか、と。ちょっと翻意が入っていますけれど。

老オペラ歌手が、黒人の若い男性にラップを歌わせるシーンは、ちょっとジーンときます。

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映画は、90分から120分の間に、プロットをギュッと詰めますので、とても勉強になりますね。人生勉強にも文学の勉強にも。

今日はこちら。今日、感銘を受けたのは、第一楽章最後のティンパニーの打撃。あの加速度的な破壊力は本当に何かがほとばしっています。それから、第四楽章。これも、鋭さを持ちながら、厚みのある音作りで、何か民族的なものを思わせる悲しみに満ちたテーマが、絶妙なテンポ感で料理されていくさまは本当に圧巻です。クライバーは本当にすごい指揮者です。

ブラームス:交響曲第4番
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まあ、こう考えると、先日書いた、以下の引用が身にしみていて、それを今更やっているんだと思います。

たくさんの本を読め 、できるだけたくさんの映画を見よ 、せいいっぱい音楽を聴け 、たくさんの人に会え 、多くの経験を積め 、そして空想の羽ばたきに身をゆだねよ !自由を楽しめ !

で、若さは相対的概念である、という点も含めて。頑張らないと。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Apple Music

はじめに

昨日ですね、小田和正の《自己ベスト》と云うアルバムを入手して、iTuensに取り込みました。その後、いつものように手動でiCloudにアップロードしようとしたのですが、なぜかiCloudに同期するためのコマンドが表示されませんでした。

あれ、おかしいな、と思ったのですが、一旦そのままに。

今日、iPhoneでミュージックを開くと、小田和正の《自己ベスト》が表示されていました。この、勝手にiCloudミュージックライブラリにアップロードされている、という事例は、前にもあったと記憶していたので、あまり驚かなかったのですが、虫の知らせなのか、以下のリンク先を見てみたところ、あ、10万曲に制限が変わっているでは! と気付いたのです!

Subscribe to iTunes Match

Subscribe_to_iTunes_Match_-_Apple_Support

なんということでしょうか。

いつから?

それで、これはいつ頃から起きていたのかを調べてみると、12月7日付で以下の記事が書かれていることを確認しました。

Apple bumps iTunes Match and Apple Music upload limit to 100,000 songs

さらに辿ると、あのMacRumorsで、12月5日づけで、リミットが10万曲になったという情報がユーザーからよされれた、とあります。

Apple Raises iTunes Match and Apple Music Library Matching Limits to 100,000 Tracks

一週間情報のキャッチが遅れました。全く。MacRumorは毎日読まないと。

検証

それはそうと、検証してみました。私はAppleMusicでiCloudライブラリを使っており、iTuneMatchは使っていません。ですが、おそらく、iTuneMatchもAppleMusicにおけるiCloudライブラリも同じだと思われるからです。

私の、メインのiTunesライブラリの曲数は、今日時点で、33,836曲で、かつての25,000曲時代は、曲数オーバーでエラーが発生しました。

スクリーンショット 2015-12-13 22.00.49

ですが、今回はマッチングが行われています。

スクリーンショット 2015-12-13 21.41.02

で、33,836件のマッチングが終わり、17,938曲がマッチしないということで、アップロードが始まりました。

スクリーンショット 2015-12-13 22.01.31

これで、すべての私のライブラリがiCloudに乗ることになったのです。

注意!

ただ、お気をつけください。iPhoneのミュージックアプリが変な挙動をしています。曲のダウンロードを勝手に始めているようなのです。マークをしているのが、勝手に付けられたオフライン設定で、これが付いていると、ダウンロードが始まります。先日の悪夢を思い出します。

すべての写真-3376

このアルバム、おそらく、iTunesストアとマッチしないので、アップロードしている対象になるのですが、ご覧のように何もしていないのに勝手にオフラインで聴く設定になっていて、放っておくと、勝手にダウンロードが始まります。というか、始まっていたので、慌ててダウンロードを停止しました。

調べてみると、どうやら、iOS9.2のバグのようです。

iOS 9.2アプデ後のApple Musicに不具合。オフライン再生用の曲が消える、勝手にダウンロードなど

で、嫌なので、一旦iPhoneのiCloudミュージックライブラリをオフにして、ミュージックアプリを再起動し、もう一度iCloudミュージックライブラリをオンにしてみました。

すべての写真-3377

おー、戻りました。オフラインマークが消えました。どうやら、このiCloudミュージックライブラリのオンオフという操作が有効のようです。

(ただ、翌日もう一度見てみると、別の少なくないアルバムはやはり勝手にオフラインマークが付いていました。抜本解決にはなっていないようです)

すべての写真-3378

終わりに

iCloudeミュージックライブラリですが、バグもいろいろありますが、仕組みとしては、画期的です。これで、iPhoneの容量を音楽以外の写真、動画、映画などに振り分けることができるようになりました。

もちろん、いろいろな問題はあります。AppleMusicだけでは、音源をダウンロードしてもDRMフリーにはなりませんので、サードパーティの音質の良いアプリを使うことができない、といった問題もそうですし、そもそもオンラインを前提とした仕組みです。また、マッチしない楽曲のアップロードは相当時間がかかります。

とはいえ、この必要な時に必要なだけダウンロードするという仕組みは、これまでの「所有」の概念が崩れているという文脈においては、とてもわかりやすいものですし、合理的でもあります。

まあ、こうやってApple経済圏に埋め込まれていく、ということなんだなあ、とも思いますけれど。

というわけで、今日はこの辺りで。おやすみなさい。グーテナハトです。

Fauré, Gabriel Urbain

Photo

きっと今年最後の紅葉です。他の木々はずいぶん葉を落としました。いよいよ冬も本番でしょうかね。

フォーレ:レクイエム/ペレアスとメリザンド
モントリオール交響楽団 デュトワ(シャルル) モントリオール交響合唱団 ミルンズ(シェリル) テ・カナワ(キリ)
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家族が寝静まったあとの一人の時間に、蒸留酒を飲みながら、フォーレ《レクエイム》と《ペレアスとメリザンド》を、デュトワ&モントリオール交響楽団の演奏で。

《レクイエム》よりも後半の《ペレアスとメリザンド》の方が本当に印象的。伸びやかで、ゆったりとした演奏。大きくて優しく柔らかい演奏。それでいて切迫する感情の迫力のようなものも感じます。私はもっと先鋭的な演奏を想像していたのですが、この演奏の素晴らしさにとても驚きました。

私のデフォルト音源はミシェル・プラッソンの盤なんですが、デュトワのねっとりとした、官能的とも言える演奏は、この劇の持つ、幻想的な妖しさのようなものを一層引き立てる気がします。

===

ところで、将来記憶を呼び起こすためには、日記を書いたり写真を撮ったりします。今日は先だって親から送られてきた若い頃のアルバムをざっと見直してみました。ほとんど覚えているような気がしますが、一部覚えていない記憶もあり、少し驚きました。

今から見返すと、様々なことを反芻して思い出すわけで、まるで牛が反芻して記憶を消化しているようなものなのかもしれず、ある意味においては、催眠療法のような効果があると考えています。先だって見たテレビで、中井貴一が真剣な顔つきで、「自分の演技は、10年ぐらい経たないと、見返せない」みたいなことを言っていた気がします。こう言う反芻もやっぱり10年ぐらいスパンでやらないと逆効果なのかもしれない、などと思ったり。

そういえば、10年前に書いた文章が先日突然MacのFinderに表示されて、中身を見ると、めちゃいいこと書いてあって、恐ろしくなったりして。でも、今の自分が書いたわけじゃないので、今さらどうこうすることもできず、みたいな。

というか、こう言うことを考えるようになったというのは、齢を重ねた、ということなんですね、みたいな。

それではまた。おやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

悲しみは人を強くするのでしょうけれど、そうは言っても、辛いものはありますね。

人は生きれば生きるほど悔恨を抱えるものです。それが、大人になるということなんだなあ、と思ったのが、ちょうど大学生の頃だったように思います。が、それでもなお、悔恨を作り続けるのはなぜかか、ということなんでしょうね。

今日もがっつりと仕事をしましたが、折に触れて、物思いにふけってしまったり。あるいは、仕事場の窓から見えた壮絶な夕陽を見て、この夕陽をかつて別の場所で見たものだ、ということを思い出し、別の場所でも同じ方角に夕陽は沈むのだ、ということに気づいて、仕事場の窓から見える風景の奥に、あの時のあの場所の夕陽を重ね合わせて見たり。

結局は、生きるということは記憶を重ねていくことに他ならないわけで、記憶こそが人生だったりするわけですが、ということは、記憶こそが真実とならないでしょうか、という、かなり経験論的なことさえ考えてしまうわけです。逆に言うと、現在経験できないことであっても、かつて経験した記憶がしっかり残っていれば、それでもう事足りる、ということも言えるのではないか、と思うわけです。

記憶こそが全て。

だから、あの時の記憶さえあれば、良い、ともいえるわけです。私が学生時代に住んだ学生寮は、先日出かけてみると、マンションに建て替わっていましたが、結局のところ、今自分の記憶の中で、綿密に再現できるわけですから、私にとっては、まだ、今そこにある、ということさえ言えるのではないか、と思います。

記憶は、記憶の中で、もう一度生きることすらできるもの。ということは、あの時の記憶があれば、良いわけです。たとえ、誰かに会えなくとも、会った時の記憶さえあれば、何度でも語り合うことができるのだ。なんてことを思っています。

で、今日もやはりこちら。

二楽章のしんみりくる感じは、やはり今の気分にぴったりです。しかし、よくこんな曲作ったなあ、と感心することしきりです。

Poeme De L'Extase / Piano Concerto / Promethee
Chicago Symphony Orchestra
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では、おやすみなさい。グーテナハト。

Movie

今日はこちらを観終わりました。

大統領の料理人 [DVD]

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フランス大統領ミッテランの希望により、大統領官邸エリゼ宮の料理人となった女料理人の物語。

誇大なキャッチフレーズにはなれているからいいですが、これは、まさに、権威と真実の戦いの物語。料理人である主人公はもちろん、権威のトップの大統領でさえ、その権威の網から逃れられない。権威はすべてを動かす。料理人をスカウトするためさえ、列車の発車を遅らせるわけほどの力を持ちます。

それは、とかく、権威の長、つまり大統領や社長よりも強大な力を持つわけです。劇中、ミッテランは、自分はいじめられている、とこぼすわけですが、権威が権威の長をも支配する、トイう類例でしょう。

この、灰色の巨大なアノニムな権威は、崩れることなく、過去から綿々と続いているのですね。

ルイ・フィリップの時代から使っているという銅の鍋の話はそれを物語るし、衛兵はローマ時代のデザインの兜を今もなおかぶっている。大統領は、エリゼ宮というかつての王宮に住み、家臣は、フランス国王に対するような受け答えを今でもしています。

2000年にも及ぶ権威はそうそう崩れることはなく、真実や個々人は常に敗北します。自由と革命の国フランスにあってもなお。

そういう物語だと私は解釈しました。

今朝方、尊敬する伯父が亡くなりました。

人生というものは、失敗と悔恨でできている、と言っても過言ではありません。

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伯父とは、もう10年も会っていませんでした。それが悔恨というもの。

ですが、私の記憶の中には、ずっと元気でいてくれています。私のエピソード記憶は半端なものではないのです。

学生時代は、毎年夏に行って、一緒に海水浴をしたものです。真っ赤に背中を焼いたあの夏の日々はもう帰りません。海岸沿いを伯父と二人で走り回った日々も戻りません。奈良に出かけて、昼間から日本酒を飲んだ日々も戻りません。

今思えば、伯父の生活スタイルが、遠い日に見た私の理想の生活スタイルなんだろうなあ、と思います。

人生の中でも、ずいぶん短い間しか会っていないような気がするのですが、若い頃に受けた影響というのは、本当に強く、その後の人生を左右するものなのです。

私は、それもこれも全部覚えていますから、伯父とは何度も何度もいつでも会うことができるでのだ、と思います。

おやすみなさい。グーテナハト。