ブルックナーをとおしで聴ける通勤時間に。

仕事場への通勤時間が唯一の考えられる時間で、スマホがあり、ヘッドホンがあり、文庫本があれば、まあなんでもできてしまうのですが、それでもなお、時間がたくさんあると思うとそれは錯覚で、あっという間に電車は仕事場に着いてしまいます。逆にできることがあり過ぎるから、ですね。

今日は、またティントナーによるブルックナー。5番です。あまりに論理的な構築美が繰り広げられる5番ですが、どう聞こえるのか。時に、晦渋に過ぎる演奏もありますが、ティエポロのような美しさはあるのか。


Symphony 5


Symphony 5
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Naxos (1997-08-05)
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で、聴いてみるのですが、やはり何か繊細な細やかさのようなものを感じて、いいなあ、と心から。丁寧な職人技のようなのですが、職人という言葉から連想される「仕事」という感じではなく、たおやかな「遊び」のようなものを感じました。
ブルックナーをとおしで聴けるぐらいの通勤時間は、良いのか悪いのか。まあ、良し悪しはなくて、あるのは、とおして聴けるというありがたさだけなのかも。通勤時間は、無償の労働と言われますが、まあ、スマホとヘッドホンのおかげで、生産的な時間とも言えそうです。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

世界は透明で平坦──ブルックナーの7番をティントナーで。

今朝読んだブルックナーについての記事に触発されてこちらを。

7番は、初めて聞いたブルックナーでした。おそらくは、1988年ごろかな、と。30年も前。大阪フィルを朝比奈隆が降ったFM放送のエアチェックでした。金子建志さんが、いかに朝比奈隆の指揮のテンポが遅いか、というのを、朝比奈さんの演奏とバレンボイムの演奏(だったと思う)の二つのCDを同時にスタートさせて、バレンボイム盤が終わったところで、朝比奈盤に切り替えて、あ、まだここまでしか演奏できてませんね、みたいな比較をして説明していたのを思い出しました。

私は第二楽章が好き。ワーグナーの死に際して作られた、と言いますが、浄福に至る美しさはしばし世の芥を忘れさせます。この曲聞きながら、黄金の太陽が降り注ぐ雲海を眺めたことがあります。あれは人生で最も素晴らしいひとときの一つだったと思います。

今日はティントナー盤を聞いてみました。20年ほど前に評判になったのですが、なかなか聞けずじまいでした。第一印象は柔和なイメージ。


Bruckner: Symphony no 7 / Tintner, Royal Scottish National Orchestra



Naxos (1999-05-11)
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ちなみに、昨今、起きていることが、いいことなのか悪いことなのかわからない状況。多分、世界は透明で平坦なのだと思う。そして思った以上に意味がない。失敗も成功もなく。ただ、あるのは、おそらくは、そうした透明や平坦に向けられる自分の解釈だけなんだろうなあ。

なんてことをこの曲を聴きながら考えてしまいました。

明日でウィークデーは終わり。今日、ひとつ山を越えました。あと山は3つ。頑張らないと。

それではみなさま、おやすみなさい。

限度をこえてゆく白熱した眩暈のあいだ

日曜日。このところすごい勢いでいろいろなことに気がついてしまい、心がついていかない状況。

で、この言葉を読んでしまうという…。

人間ってね、どんなことでも限度までやり抜かなければいけないわ。限度まで来て、これ以上もう先へゆけないというところまで来て、そこで鞭で叩きのめし、叩きのめししなければいけないのよ。人間が変わるのは、その限度をこえてゆく白熱した眩暈のあいだよ。

「春の戴冠」の一節。修道女になるという従姉妹のマダレーナが、人生を達観していう言葉で、確かにそうかもね、みたいな。まだあと30年ぐらい働こうと思っているのですが、どうやって働くべきか、限度まで働くためにはどうすればいいのか、ということを考えてしまいましたので、なんだか今にフィットする内容でした。


春の戴冠〈2〉 (中公文庫)



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今日はこちら。


ブルックナー:交響曲第8番



ヴァント(ギュンター)
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ヴァントが最晩年にベルリンフィルを振ったブルックナーの一連のシリーズの一つ。このCDをリアルタイムでかって聞いたということは、時代と一緒に生きることができたという証ではないかと思います。澄んだ音は統率の証し。ダイナミックで繊細なブルックナーには感嘆と嘆息のみだなあ。久々にコンポで聴くことができて嬉しかったです。

それではみなさまよい日曜日を。

短い夏休み

週末は実家にて短い夏休みでした。すべてを止めてみたのですが、まあ、やっぱりオフは必要なのかも、とあらためて。

これからの計画表を作ろうとしたのですが、それもやめて、夜は早く眠り、早めに起きてみたりしました。夏の日差しを避けて、夕方、涼しくなってから散歩をして、蝉の鳴き声が、クマゼミのそれからツクツクボウシのそれに変わりつつあるのを知り、酷暑の中に秋の気配を感じたり。散歩の途中で驟雨に襲われ雨宿りする場のない畑道で行き場を失ったり。
今日は仕事場で溜まった仕事を片付けながら、いろいろ悟ってしまい、まあ、なんとなく大きな流れに中にあるから流れのなかでベストを尽くそうと思ったり、あるいは、世界は悲しみの中にあるがゆえにそれを肯定することから始まるのだ、と思ったり。

今日はこちら。


ブルックナー:交響曲第7番「テ・デウム」



チェリビダッケ(セルジュ) プライス(マーガレット) ボルヒェルス(クリステル) アーンショー(クラエス・H.) ヘルム(カール)
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チェリビダッケのブル7。ブルックナーの交響曲の中でもっとも優雅な美しさを持っていると個人的には思います。チェリビダッケの指揮は、今聴くと、昔のような重さをあまり感じず、むしろのびやかなはばたきのようなものを感じます。

ちなみに、題名はこちらのパロディです。内容を思い出しただけで涼しい。。


長い冬休み (アーサー・ランサム全集 (4))



アーサー・ランサム
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それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハト。

マゼールのブルックナーを聴いてみたり。

新年度は本当に気を使います。年度の初めなので、行事もたくさん。気を遣います。でも使いきれていないという事もあるのですが。

で、ブルックナー。

先日からヨッフムを聴いて、その後バレンボイムに駒を進めました。バレンボイムは7番まで聴いて限界を感じました。苦手なんだなあ、と。バレンボイム。苦手です。わたしにはちと難しい。遊びがなく、ガチガチに固められた演奏には、疲れてしまいます。

で、アバドの7番を聴いて、しばし時を忘れる感じ。それはまた次の話として、次に思い立って聴いたのがマゼール。いや、これは本当に豪放で大きな演奏です。実はこれまで聞く機会に恵まれていなかったのですが、本当に心に染み入るマゼールのブルックナーです。


Bruckner: 10 Symphonien


Bruckner: 10 Symphonien
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BR-Klassik (2011-01-04)
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テンポをきちんと動かすんですが、それが本当に絶妙に感じるわけです。ここぞ、というところにテンポを落としてメリハリをつけるのは見事。昔、マゼールのボレロを、「まるで歌舞伎役者が大見得をきるような演奏」と評しておられるのを聴いたことがあります。確かに。ここぞというときの爆発力、あるいは、なにかここぞというときに翼を広げる孔雀のような大見得なんだと思います。本当に期待を裏切らないですよね。。
最近隔日更新になってますが、途切れていないだけいいのかも。いや、もうなんだか身動きが取れません。

ではまた。おやすみなさい。グーテナハトです。

ヨッフムのブルックナー全集を聴く


Bruckner: 9 Symphonies


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A. Bruckner
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昨日から、ヨッフム&ベルリンフィルorバイエルン放送管弦楽団のブルックナー全集を聴き続けています。ただ、さすがに全て身を入れて聞いているかといえば、なかなかそうもいかない感じではありますが。

結構、スタイリッシュというか、テンポが早く激しい演奏だなあ、というのが印象でした。確かに、昔聞いたミサ曲第三番なんかもずいぶんスリリングな演奏で、老齢のヨッフムの写真が印象に残っている身にとっては、なんだかお歳を召しているのになんて元気な演奏なんだ、と思った記憶がよみがえりました。


3 Masses


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ブルックナー:交響曲第5番



ヨッフム(オイゲン)
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先ほど、九番まで聞き終わりましたが、もう一回聞いてみないと、と思ってます。

なんというか、きっとワーカホリックなんやろうなあ、と思いながら、予定時間より3時間も多く働いてしまうという。まったく。。そろそろ考えないと。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Apple Musicを楽しむ──チェリのブル7を再発見

引き続きApple Music

今日も引き続きApple Musicを楽しみました、Woody Hermanや菊地成孔などを楽しみつつ、ブログ記事を書こうと思いました。

Apple Musicには、For You、New、Radio、Connectをいう4つのセクションがあります。

For Youというのは、最初に設定するお気に入りのジャンルやミュージシャンにあわせて、様々なプレイリストやアルバムをサジェスチョンしてくれるものです。どうやら再生すればするほど、その傾向を見ていて、プレイリストのバリエーションが最適化されてくるようです。

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Newでは、お気に入りのジャンルにとらわれずに、全てのジャンルの楽曲を選ぶことができます。あるいは、iOSのiTunesでは、自分が探したい楽曲を選ぶのはこのNewがスタート地点になるようです。

スクリーンショット 2015-07-13 1.02.30

Radioはまだつかっていませんが、どうやらApple Musicの目玉の一つのようで、キュレーションされた音楽が提供されるようです。

スクリーンショット 2015-07-13 1.03.17

Connectでは、フォローしたミュージシャンからのメッセージを読んだり聴いたりできるようです。私の場合、EWFとサイモン・ラトルが表示されています。今後、増えていくのかと思いますが、これからの機能でしょうか。

スクリーンショット 2015-07-13 0.52.40

今日の一枚

で、面白かったのは、このプレイリストの中で、ミステイクを見つけたことです。最初だけの混乱かと思いますけれど、とある有名作曲家のプレイリストだったはずが、そこに誤った作曲家の楽曲だけが登録されていたというものです。一応フィードバックしてみましたが、最初なのでいろいろ混乱があるのかもね、と思いました。

ちなみに、そこに含まれていた誤った作曲家の楽曲というのがこちら。

Symphonies 3-5 & 7-9 (Coll)
Symphonies 3-5 & 7-9 (Coll)
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Deutsche Grammophon (2004-11-09)
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チェリビダッケが振ったブルックナーの交響曲第七番の音源です。チェリビダッケのブルックナーといえば、ミュンヘン・フィルとEMIに残した音源が有名ですが、グラモフォンにも、シュトゥットガルト放送管との音源が残っています。そちらの音源を聞いているのですが、録音も良く、ミュンヘン・フィルとの音源ほどテンポが緩くなく、実にスッキリとした端正で美しい演奏なのです。ちょっとこれはいいなあ、とあらためて聴きほれてしまいました。ちなみに、私、このCDもっていますが、この10年ぐらいお蔵入りでした。そういう意味では、Apple Musicのお陰でいろいろと新たな再発見をしたことになり、ますます音楽が楽しくなってきました。

ついこの間まで、なんだか新しい音楽の切り口がなくて悶々としていたのですが、Apple Music
のおかげで、立ち直れそうです。

ではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

語っちゃいかんのか。。── ヴァントのブル7

Symphony 7
Symphony 7
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Bruckner Berlin Philharmonic Orchestra Wand
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いや、ほんと短信です。
いろいろあった一週間。あの騒動で、一時音楽が聴けなくなるんじゃないか、と思いました。それは、聴くことと語ることを一つにしようとしたからかも。音楽を語るということに対する苦しみというものは以前からあって、それが今回の騒動で色々考えざるを得なくなってしまったということだと思いました。
しかし、昨日から読んでいる伊福部昭「音楽入門」で、「わからない音楽ほどわかっている」という一節があり、ああ、語ってはいけないのかもしれない、などと思いました。まるで一神教の神のように。
で、ヴァントが振るブルックナーの7番を聴いて、ただただ、端正で静謐だ、とだけ思いました。
そうか、音楽を語るときに比喩表現を用いてはいけないのか、などと気づいたり。けっして、「かなしみは疾走」などと言ってはいけないのですね。安易に。
明日の関東はまた雪ですか。2日振り続けるようです。週末、大学時代の音楽関係者と会うんですが、開催されるのでしょうか。。。
ではグーテナハト。

バレンボイムのブルックナーを聴く

ブルックナー:交響曲第8番
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 バレンボイム(ダニエル)
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建国記念日の一日は、最近の疲れを癒やす一日になりました。少しゆっくり眠りましたし。
それでも、現行の構成を終えて、リードを削って、ウォーキングして、みたいなかんじ。朝食は寝坊したので抜きました。夕食は、友人が送ってくれた牡蠣を使ったパスタ。
ナクソスミュージックライブラリーに、TELDECが収められているのですね。バレンボイムのブルックナー交響曲も収録されていて嬉しい限りです。
今日はブル8。ブルックナーについては語りますまい。ブルックナーを語るのはハードルが高すぎます。それでもなお言えることは、バランスがとれている本格派の演奏ということでしょう。ベルリン・フィルの機能性を十分に活かしたものなんでしょう。隅々まで統御された丁寧な作りでいながら、ダイナミズムもある演奏というところでしょうか。実は好きな演奏かもしれない、と思います。
昨今音楽を語ることについてはかなり敏感になっています。絶対音感がないと語れない、という点が気になって仕方がないのです。
私にしてみると、多くの人々が例の交響曲に感動できるのなら、ブル8にも感動できるはず、と思うのです。ブル8が別の名前で別のストーリーがあって、日本でしかるべき形で演奏されると、きっと誰しもが泣くのだと思います。長さだって例の交響曲より少し長いぐらいなのですから。。ブルックナーといった有名な作曲家の名前が、逆に日本では一般に受け入れられないものとなっているのでしょうか。それほど文脈が重要ということでしょうか。
というわけで、グーテナハト。明日も頑張ります。

フルトヴェングラーのブル9 1944録音

ああ、失敗。大事な申請を忘れてしまい、半年間途方に暮れることに相成りました。このところタスクが溢れかえっていて、夏バテだったりと、今ひとつでした。ちょっとタスク多すぎですわ。容赦ないです。

http://ml.naxos.jp/album/298244
というわけで、ブルックナーの交響曲第9番をフルトヴェングラー&ベルリン・フィルの演奏で。1944年の録音のようです。
第一楽章では、第一主題で突然高速になり、驚きます。そして、落とすところは相当にローギア。こんなに大胆なのですね。大時代的というのがこういうものなのでしょう。これを実演で聴いたら卒倒でしょう。かなり気に入りました。
最近はこういう振り方をする人がまた増えてきたように思いますけれど。
モノラル録音ですが、なんとか聴けます。
戦争末期の録音なので、色々と想像してしまいます。誰が聴いていたんでしょうかね。
週末もお仕事です。
ではグーテナハト。