「辻邦生のために」をKindleで。

まだ、辻邦生がご存命だった頃。本屋に出かけて、思いがけず辻邦生の新著を見つけた時に幸福感と言ったら筆舌に尽くしがたいものがありました。

1999年に亡くなられてからしばらくはご遺稿が何冊も出版されましたが、それも終わり、続いて、奥様の辻佐保子さんの著書が二冊出ました。それがこちらです。

辻邦生のために (中公文庫)
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「たえず書く人」辻邦生と暮らして (中公文庫)
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いずれも、Kindleで読むことができるようになっています。

「辻邦生のために」の方は、Kindle版を買っていなかったので、今朝、電車の中で購入しました。もちろん紙の本は読んでいますけれど、いつでもどこでも読めるようになったのはなかなか感慨深いものがあります。

いろいろと興味深いことが目白押しなのですが、今の天皇皇后両陛下が、どうやら何度か辻邦生の軽井沢の別荘に訪れていた、と思しき記述を見つけました。

皇太子時代の夏休みに毎年のようにご一家で山荘におでかけ下さったことを記念して

No. 708

なるほど。だから、軽井沢高原文庫で開催された辻邦生の展覧会に、両陛下がお越しになったというわけなんですね。特に皇后陛下は辻邦生がお好きだった、という記事をどこかで読んだことがあります。

しかし、人間というもには、日々新たな決心をするのですが、それを実現することができる人は限られているということなんでしょうね。ともかく、性急な改革は必ず失敗しますから、粘り強く、じわりとことを進めていきたいものです。

では、おやすみなさい。グーテナハトです。

デュトワによるフォーレの《ペレアスとメリザンド》を聴く

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きっと今年最後の紅葉です。他の木々はずいぶん葉を落としました。いよいよ冬も本番でしょうかね。

フォーレ:レクイエム/ペレアスとメリザンド
モントリオール交響楽団 デュトワ(シャルル) モントリオール交響合唱団 ミルンズ(シェリル) テ・カナワ(キリ)
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家族が寝静まったあとの一人の時間に、蒸留酒を飲みながら、フォーレ《レクエイム》と《ペレアスとメリザンド》を、デュトワ&モントリオール交響楽団の演奏で。

《レクイエム》よりも後半の《ペレアスとメリザンド》の方が本当に印象的。伸びやかで、ゆったりとした演奏。大きくて優しく柔らかい演奏。それでいて切迫する感情の迫力のようなものも感じます。私はもっと先鋭的な演奏を想像していたのですが、この演奏の素晴らしさにとても驚きました。

私のデフォルト音源はミシェル・プラッソンの盤なんですが、デュトワのねっとりとした、官能的とも言える演奏は、この劇の持つ、幻想的な妖しさのようなものを一層引き立てる気がします。

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ところで、将来記憶を呼び起こすためには、日記を書いたり写真を撮ったりします。今日は先だって親から送られてきた若い頃のアルバムをざっと見直してみました。ほとんど覚えているような気がしますが、一部覚えていない記憶もあり、少し驚きました。

今から見返すと、様々なことを反芻して思い出すわけで、まるで牛が反芻して記憶を消化しているようなものなのかもしれず、ある意味においては、催眠療法のような効果があると考えています。先だって見たテレビで、中井貴一が真剣な顔つきで、「自分の演技は、10年ぐらい経たないと、見返せない」みたいなことを言っていた気がします。こう言う反芻もやっぱり10年ぐらいスパンでやらないと逆効果なのかもしれない、などと思ったり。

そういえば、10年前に書いた文章が先日突然MacのFinderに表示されて、中身を見ると、めちゃいいこと書いてあって、恐ろしくなったりして。でも、今の自分が書いたわけじゃないので、今さらどうこうすることもできず、みたいな。

というか、こう言うことを考えるようになったというのは、齢を重ねた、ということなんですね、みたいな。

それではまた。おやすみなさい。グーテナハトです。

フォーレの室内楽。今日はヴァイオリン・ソナタ第2番。

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はじめに

先日撮った初夏の光に映える広葉樹。残念ですが、木の名前を判定する能力はありません。

とはいえ、むかしからこういう樹の枝が空へと伸びる姿を観るのが大好きでした。そればっかり撮る写真家になれればいいなあ、と思ったのを覚えています。ちょうど13年ほど前のこと。通勤電車の車窓から、河川敷に一本だけの広葉樹の姿をみた時にそう思ったのでした。

そうか。

今日、写真を撮りながら、あれ、写真撮ってる意味がよくわからん、と思っていたのでした。何を撮るべきなのかわからないまま写真撮っても意味ないよね、などと。

鉄道写真、航空写真、人間の写真、風景写真、スナップ写真など、写真のジャンルは数多あるんですが、どうもしっくり来なくて。

風景写真ともなると、なにか手遊びの感覚もあり、時間もない中で撮ることなんてできないわけでして。

まあ、写真を撮るのは本当の「趣味」なのでのんびりやりましょう、という感じにしておきます。

今日の一枚

さて、今日はこちら。フォーレのヴァイオリン・ソナタ第2番です。

Faure:Sonates 1 & 2 Berceuse Romance Andante
G. Faure
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最初に感じるこの晦渋さ。本当に素晴らしいです。なにかヤナーチェクを思い出してしまったのは気のせいでしょうか。しかし、まだ理解が足らず、もう少し聴きたい気分。

今日は樫本大進氏の演奏出来きましたが、次は違う方のヴァイオリンで聴いてみようかと思います。

これは、まだまだ聴き続けないといけないなあ。。

ちなみのこの曲は、1916年から1917年にかけて作曲されています。

ワーグナーはもちろん、マーラーも天に召されています。シュトラウスは、《ナクソス島のアリアドネ》や《影のない女》を作曲しているころです。なんと、ベルクは《ヴォツェック》をこの頃作曲しています。

そうした時代のなかにあっても納得の行く楽曲です。

ウィキペディアの記事にによれば、イザイのために作られた楽曲でもあるようですが、どうもイザイには理解されなかったようです。
(そうなると、イザイのあの「晦渋」なヴァイオリン曲との関連も気になりますが。。)

楽曲としては、ベルギーのエリーザベト王妃に献呈されていますが、この方、スゴイ方なんですね。戦時中にユダヤ人を救ったり、戦後は共産圏を訪問したり、広島にあるイエズス会系の音楽大学であるエリザベト音楽大学の後援者でもあります。

では、みなさまも残り少ないGWの夜をご満喫ください。

おやすみなさい。グーテナハトです。

夏草や。。 引き続きフォーレな毎日。

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夏草が生い茂る午後。夏ですね。近所を散歩している時に撮りました。なにか、こういう草を見るのも久々な感じです。むかしはこうした草むらで野球をしたりドッチボールをしたりしていたものです。疲れたら草むらに倒れこみ、草を噛んだり。バッタやカマキリもたくさんいて、カマキリを捕まえた時の嬉しさといったら、という時代でしたね。

今日も午後を中心に頑張ってたくさん動きました。

2015/05/03のアクティビティ2

2015/05/03のアクティビティ

今日もフォーレ三昧。

Faure: Pno Qrt Nos 1 & 2 / Pno Qnt Nos 1 & 2

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ピアノ五重奏曲は咀嚼が難しいです。もちろん、空気感のようなものはあるのですけれど。

昔よく聴いた議論で、博物館に収められている仏像と、寺院に祀られている仏像の違いという話しを思い出しました。

仏像というものは、お香の焚かれた薄暗い堂内で、蝋燭と輝く仏具の光にうっすら照らされているほうが、なにか神々しさとか重みとかを感じるのですが、ガラスケースに収められ、スポットライトが当てられた仏像というものはなにか場違いな、決まりの悪さを感じます。

フォーレをいまここで聞くということはそういうことだったりするのではないか、なんてことを思いました。

そうそう。なぜか上野にフェルメールやクロード・ロランがあったりするんですが、あの時に感じる驚きと居心地のわるさというものも、そういうものだったりするのかもなあ、などと思います。

あるべき空気感というものがあるのかもなあ、と。

そういう意味では、この慌ただしい毎日の中でフォーレを聞くことの難しさのようなことを思ったり。もう少し環境とか気持ちを整えたいなあ、という気分もあった今日1日でした。

でも明日は、静謐な1日のはず。それを楽しみに。

それではグーテナハトです。

フォーレの室内楽。今日はピアノ五重奏曲第1番。

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写真は先日行った公園で撮った写真。40年前よりもはるかに大きくなったキンモクセイです。

今日は連休1日目です。なにげに早起きをして、まずは仕事に関して頭の整理。随分スッキリしました。随分とプロジェクトを抱えているなあ、という感じですが、まずは敵を知らないと。ですが、まだ整理が不十分なので明日も早起きをして整理することにします。

その後は、フォーレ三昧。というよりフォーレのピアノ五重奏曲第1番三昧でした。

リンクは、ウィキペディアに貼ってありますが、素晴らしい記述です。

1903年から1906年が作曲年となっています。ですが、1890年から1894年にかけても作曲を試みていたようです。ですので、45歳から61歳にかけて、作曲されたものとなりそうです。

ということで、クロニクルを差し替えます。

フォーレ室内楽変遷v1.02

1890年はマーラーは《復活》を書いていたころ。リヒャルト・シュトラウスは《マクベス》や《死と変容》を。ドビュッシーが《ベルガマスク組曲》を書いています。

一方初演は1906年にブリュッセルにて。マーラーは1906年に交響曲第8番を初演しています。そして、シュトラウスの《サロメ》、ドビュッシーの《海》は前年1905年です。

この曲、この数日何度も聞いていますが、印象的なのが第2楽章の後半部ですかね、弦が、徐々に高揚していく下でピアノが幾何文様のようなフレーズを描き続ける部分です。あそこは、5人の奏者でもって最大限のダイナミズムを発揮するところです。溢れ出る情感がなにを描いていたのか。

今回はCDを2バージョンほど聞いています。1枚目はこちら。ユボーとヴィア・ノヴァ四重奏団のもの。こちらは全体にダイナミックな演奏。

Faure: Pno Qrt Nos 1 & 2 / Pno Qnt Nos 1 & 2

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もう1枚はこちら。ジャン・フィリップ・コラールとパレナン四重奏団。緊密な演奏。

フォーレ室内楽曲全集(第4集) ピアノ五重奏曲集

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聴けば聴くほど味わいが深くなります。これはいい聴き方なのか悪い聴き方なのか。これが複製芸術の聴き方なんでしょうね。

それではお休みなさい。グーテナハトです。

フォーレの室内楽。今日はピアノ四重奏曲第1番。

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太陽に輝く新緑。こういうのを、つかの間の幸福というのでしょうね。大地が緑と青に満たされていて良かったです。

しばらく続けようと思うフォーレの室内楽曲を聴くシリーズ。そういえば、昨日の太陽は南仏のそれのように乾いていました。えーっと、南仏には行ったことがありません。想像です。


Piano Quartets


Piano Quartets
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G. Faure
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この曲には、なにか懐かしさを感じます。

それは何かというと、20年ほど前にブラームスやシューマンの室内楽ばかり聴いていた頃のことです。あのころは、電車の中ではCDウォークマンを使って室内楽ばかり聞いていました。というのも、オケの曲はダイナミックレンジが大きすぎて、当時のヘッドホンやイヤフォンでは聞けなかったのです。

今日の課題は、二つのピアノ四重奏ですが、いずれも、シューマンやブラームスの色合いを残しながらも、なにか、たゆたう柔らかいものがあるのです。

これが、「フォーレ的語法」なんでしょう。それは「調整と旋法とが両方一緒に並んでいる表現形式」なのだそうです。

そういえば、思い出しました。20年前に、フォーレの室内楽を聞こうとした時に聞いた言葉。

「フォーレは若者にはわからない」

出典不明。私の記憶の中にずっとあった言葉です。いよいよ、私もフォーレという庭園の中に足を踏み入れる許可を得たのではないか、とおもったり。

あすは昭和の日でお休み。今日は鼻血が出るまで働きました。あすはゆっくり休めますように。

それではお休みなさい。グーテナハトです。

フォーレの室内楽年代別に並べてみました。

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あっという間に初夏の風情です。今日は、仕事場を休んで近くの公園を散策しました。藤の花が満開でした、ミツバチやクマバチが藤の花の甘い匂いに誘われていました。

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この公園、幼い頃、つまり30年前に来たことがあるのですが、いろいろなものがかわらず残っていて、不思議です。特に驚いたのが、木の成長ぶりです。あれ、こんなに大きかったっけ? というぐらいに木が成長しているのには驚きました。

というわけで、今日はすこしお勉強を。フォーレの室内楽を年代順に並べてみました。

フォーレ室内楽

年代は、ウィキペディアを見たのちに、クラシック音楽作品名辞典ですこし補正をしました。そもそも年代にもいろいろな解釈があるのだと思いますし、そこは歴史記述という解釈が入りますので、おそらくは「事実」はなんなのかはわからないままだとおもいます。

クラシック音楽作品名辞典 第3版
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こう並べてみると、体系的に聞いてみようという意欲が改めて湧いてきますね。

早速順番に聞き始めることにします。

フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ集

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今日はヴァイオリン・ソナタ第1番。1876年の作品です。この年、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」が初演されています。一方で、ブラームスの交響曲第1番の初演もこの年です。

曲は旋律がわかりやすく、まだまだ19世紀のロマン派的な情緒にあふれています。フランクのヴァイオリン・ソナタにも匹敵する美しさ。ちなみにフランクの方は1886年に作曲されていますので、フォーレの方が先ですか。

ちなみに、この本。かつて古書店でなんども見かけたのですが、その大きさゆえに、購入をあきらめていました。が、ネットをみる限り、古書店の在庫なし、ですか。。なんとも。逃がした魚は大きい。一期一会を大切に。

評伝フォーレ―明暗の響き
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ではおやすみなさい。グーテナハト。