ローマは一日にして成らず、ですね

月が変わって五月。若葉が眼に染み渡る季節です。いつもの散歩コースにある竹林では筍がニョキニョキと。雨後の筍ではないですが、上へ上へと伸びてゆく生命力にはほとほと感服します。

仕事はなかなか大変なことに。ですが、何とかなるんですけれどね。

今日も少し早く帰ってきてしまいました。相変わらずワーグナーを。神々の黄昏の最終部を、カラヤン、ショルティ、レヴァインで聞き比べています。やはりカラヤン盤がしっくり来ますが、レヴァイン盤も棄てがたい。うーむ。

塩野七生さんのローマ人の物語シリーズの第一巻「ローマは一日にして成らず」をば読了。これは二回詠む価値があるなあ、と思います。史実だけではなくフィクションも含まれているのだ、という向きもあるようですが、ここまでの構築美を見せられてしまうとそんなことはどうでも良くて、説得力のあるつよいリアリズム的文体に引き込まれていってしまいます。ローマ建国神話からイタリア半島統一へと向かうローマの歴史が俯瞰することが出来る。ローマの興隆の原因を政体、宗教、開放性という三つの要因であると因数分解していく手際の良さといったら、感服する次第。物語としても良く楽しめました。ローマ人、凄いですねえ。打たれても打たれても立上がる誇り高き男達、いや女達も。

 

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)  新潮文庫
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ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)  新潮文庫
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