現れる符牒の数々──辻邦生「詩と永遠」

どうしてこうも、不思議なことが起こるのでしょうか。
*「辻作品を読むたびに、今の自分にとって大事なことと出会う」*
ということは、これまでも書いてきたかもしれませんが、今回も驚きました。
先日、「詩と永遠」という、エッセイや講演録を収めた本を読んでいたのです。

私は、京都へ行くとお土産に落ち葉を持って帰る。柿などはすごく赤くなって綺麗です。パリでも蔦の葉を押し葉にして持ってくる。そういうものを持って行って喜んでくれる人と何かつまらなそうな顔をする人がいる。(中略)でも本当はそういうものが素敵だという考え方が幸福の土台を作っている。

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私がまだ独身でお金に余裕のあった時代、モレスキンを買いました。2004年に、学習院大学で「辻邦生展」が開かれました。秋でしたね。それで、展示を見終わって建物の外にでると、黄色い銀杏の落ち葉がたくさん落ちていたので、何の気のなしに一枚拾ってモレスキンに挟んでいたんですね。
それが、5年あまり経った先日、「詩と永遠」を読みながら、モレスキンにメモを書き付けている時に、急に飛び出してきたんです。5年あまり前の銀杏の葉っぱが。


葉っぱ一枚ですが、本当に驚きました。理性的に考えると、まあ、ほんの偶然に過ぎないんですが、辻邦生作品を読むと、こういうことが本当にたくさん起きます。先日も書いたように、僕にとって見れば聖書みたいなものなのだと思います。
また読み始めたいなあ。
再開したと言えば、さっきEWIを吹きました。いやあ、本当に腕が落ちている。アンブシェアなんてボロボロでございます。リトナーやダイアナ・クラールとコラボしました(笑)