4年ぶりの国立西洋美術館
先日、夏の暑い最中ではありましたが、国立西洋美術館に行ってきました。
記録を見ると4年ぶり。もちろん企画展ではなく、常設展に行ってきました。おそらくは2000年代初めに行って以来だと思うので、初めて訪れてから20年以上経過しているんだと思います。常設展の値段は500円でしたが、昔はもう少し安かったような記憶もあったり、昔はなかった柵のようなものがあったりと、そんな記憶もありながら、むしろ、新しい絵も増えていて、本当にありがたいことだな、と思います。日本にいながらにしてこの質のコレクションを五百円で見られるというのは実に奇跡的なことで、ひとえに国立西洋美術館のコレクションの母体となった松方コレクションの松方幸次郎さんのおかげであると思います。
今回初めて見たのはこちら。ブーグロー作品。病的な美しさでありながらもそこには無邪気な美への欲求が感じられます。ブーグローは毀誉褒貶らしいですが、わたしは嫌いではなく、むしろここまで正当な美はそれはそれで高い価値だと思います。このポーズは古代彫刻のポーズなんだそうで、そうすると、あれ、庭にあったロダンの考える人の不自然な腕と脚の組み合わせは?などと想起してしまったりもしました。この辺り、絵に込められた文脈を読み取れるかがまたこれが一つの楽しみなんでしょうけれど、その楽しみを追求する間も無く歳を重ねた感があります。まあこれから頑張ろうかな、と。
2枚目は、これもわたしにとっては定番な絵であるクロード・ジュレの「踊るサテュロスとニンフ」。これは、20年前?から来るたびに10分ほど立ち止まって眺め続ける絵です。毎回毎回絵の中に新たな発見をしているような気分になる絵です。今回も、後方に山羊(あるいは鹿?)が何匹もいたり、別のニンフらしき姿を見つけたりと大変興味深いひとときでした。それにしても後方の原野の向こう側にうっすらとした桜色に染まる街並みが実に美しく、私はあの街の広場に佇み、この淡いバター色の太陽の光を浴びていきたい、と心の底から思ったのでした。
その後、いつも混んでいて、絶対に入れる気のしないレストラン「すいれん」に入りまして、中庭の風情を楽しみながらカレーをいただきました。私的にはレアな体験でした。。
それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。
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