
いやー、しかし素晴らしい展覧会だったなあ、と思います。2月8日(日)ですので一週間前となりましたが、辻邦生さんと佐保子さんの足跡をたどる素晴らしい展覧会でした。
2時間ぐらいたっぷりとみることができてとても感激でした。

この美術館は、濃尾平野のど真ん中、五条川のそばにあります。モダンで素晴らしい空間。美術館につくと雪が降っていました。

館内では写真OKでしたが、個人で利用するためということですので、こちらには載せられませんが、本当に充実した展示だったと思います。
特に印象的だったのは、辻邦生さんと佐保子さんがやり取りしたはがきがたくさん展示されていました。お二人が本当に仲良くされていたということがとてもよくわかりました。今でなら、電話やメール、LINEでやり取りするのでしょうけれど、当時ははがきを使っていたということなのでしょう。はがきでも毎日書けば、海外であっても時間差で毎日相手には届くので、という話を昔聴いたことがあります。現代と当時のコミュニケーションのありからの変化というのは、意外と、思考の在り方や文化と関係しているのかもしれないと思います。
いろいろと印象的な展示が多かったですが、大きなクマのぬいぐるみも印象的でしたし、「背教者ユリアヌス」の執筆の時に見ていたという旧制中学から使っていた地図帳など、執筆に大きく関係する展示品も多くありました。
宮脇愛子さんの作品の「うつろひ」に寄せた辻さんのエッセイ「萬象を移りゆくもの」の全文が展示されていました。これがもう、本当に辻さんの文章の神髄みたいな調子が表れていて、読んでいて本当に懐かしいというか、なんというか、という感じでした。仮定と否定と断定の織り成す複層的な構成と、そこに織り込まれた幾つもの輝く形容詞が放つ光、という感じです。
今、私は文章のイメージとして「仮定と否定と断定の織り成す複層的な構成」と書いてしまったわけですが、これは、たぶんドイツ弁証法的な思考が文章に表れているのかもしれないなあ、などと妄想してしまいました。それは、若い頃に読んだ哲学の影響なのか、あるいは、トーマス・マンなどのドイツ文学の影響なのか、などと少し思いを巡らせてしまいました。
そのほか語りつくせないですが、まずはここまで。。

清須市はるひ美術館の様子。吹き抜けで曲線が生かされた構造で、美しい建物です。
このような展示に行くことができたのも、大変すばらしいご縁があったからだとおもいます。本当にありがとうございました。
それでは。







