フランクフルトへはほぼ定刻に到着。 味を占めた(?)フランクフルト空港の無料コーヒーを飲んでしばし休憩し、マインツへ向かうべくドイチェ・バーン(DB:ドイツ鉄道)の地下駅へ。昔は長距離列車もSバーン(近郊列車)もいっしょくたに地下駅で乗り降りしたらしいが、長距離列車は地上の新しい駅へ移って、地下駅にはSバーンが残された格好。切符を買うのにやっぱり一苦労。何とかクレジットカードが使えないかと試したのだけれど、やっぱり無理っぽい。ユーロの現金が少なくて困っているのですが……。
今回どうして番外編を書くことにしたかというと、とある感動的な出来事を書きたかったから。それは、なんと、この地方には珍しく、ドイツ人に親切にされたということ。フランクフルト近郊は、なんだかぎすぎすしていて、駅員や車掌に怒鳴られたり、ホテルのチェックインで気まずい思いをしたり、というわけで、なんともかんともあまり良いイメージを持っていなかったのです。ところが、親切なドイツ人に救われたのですよ!
マインツに向かうSバーンで、マインツのガイドマップを見ていたら、同じボックスに座っていた中年の男性が、何か質問はある? と話しかけてきました。どうやらマインツ在住の方らしい。いろいろ教えてもらったのです。マインツ大聖堂はマインツ南駅から歩いてどれぐらいですか? とか、ショッピングできるとしたらどのあたり?とか、マインツ南駅がいまはマインツローマ劇場駅(Mainz Römisches Theater)と名前を変えているということも教えてもらったいました。駅名変わっていたので、知らないでいたら、間違いなく降りられませんでしたね。列車がライン川を渡るときに、「Shönes Landschaf ! (いい景色ですね)」とよいしょしてあげたら、肩をすくめてました。このあたりのライン川の水の色、茶色なんですよね……。
もう一人の親切なドイツ人は、マインツ南駅でであったビジネスマン。ユーロをこまかく崩してくれたのですよ。見知らぬアジア人観光客を相手にしてくれるなんて、このあたりの方って、こんなに親切でしたっけ、みたいな。
さらに極めつけの親切なドイツ人は、マインツローマ劇場駅のプラットホームでであったご婦人。ちょうどSバーンが遅れていて、ダイヤがわからなくて、間違えてレギオン・エクスプレスに乗ろうとしたのですが、なんとご婦人が声をかけてくださって、間違いを指摘してくれたのです! これに乗ってしまうとあさっての方向についてしまうところでした。あぶないあぶない。
マインツの街は静かでした。マインツ大聖堂は薄暗くて、フィレンツェやヴェネツィアの大聖堂の絢爛さを見てしまうと、ちょっとさびしい気もする。もっとも、マインツ大聖堂自体、ロマネスク建築ですから、雰囲気が違うのは当たり前。堂内が暗いのも、壁で重量を支えているので、まどを小さくしなければならないから。
マインツで昼食を取ったのですが、ヴァイスビアがめちゃうまい。やっぱりドイツにきたらヴァイスビアだよなあ、という感じです。
フランクフルト空港には予定より遅く到着。免税店で買い物をして、出発ロビーへ。ファーストクラス、ビジネスクラスの優先搭乗なのに、我先にと飛行機に乗り込んでいくエコノミー席の浅ましき方々に、なんだかすごく憂鬱な気分。いつもそうなんですよ。日本へ向かう飛行機の団体旅行帰りのお客様って、本当にパワフルで、我が強いのですよ。いつも圧倒されてしまいます。気をつけなきゃ。
これで、イタリア紀行は本当におしまいです。次はどこの紀行文になるでしょうか? この経済情勢だとなかなか旅行にも行けそうにありませんが、希望は捨てずにいきましょう!