Giacomo Puccini,Opera

 新国立劇場の2008年/2009年シーズンはトゥーランドットで幕が開けます。というわけで、予習にと言うことで、モナコのカラフ、テバルディのリュウ、ボルクのトゥーランドット姫というキャストの有名な盤を。

モナコの「トランペット」ヴォイスは凄いですね。改めて感動します。ここまで雄々しく鋭い声は天賦の才ですよね。ドミンゴのカラフは甘く切ない感じですが、モナコのカラフは勇者的力強さ。「誰も寝てはならぬ」では目をさます(!)しかありません。

インゲ・ボルクの歌うトゥーランドット姫も力強く追従を許さぬ孤高の強さ。下手な男はひれ伏すしかありません。

この盤、実際のところオケとか合唱が不安定なところがあったり、ピッチが安定しなくて少し気分によくないという点もあるのですが、勢いとか激しさとか個人の妙技などでが覆い隠すにあまりあります。

先日の新国立劇場オペラトークでトゥーランドットのことを聴いてきましたが(詳しくはこちらです)、音楽評論家の黒田恭一さんが初めて聴いたLP盤がこの演奏だったとか。有名な盤なのですよね。

私のデフォルト盤はカラヤン盤なのですが、少し譜面が違う気がしますね。

トゥーランドットは、パリのバスティーユで聴いたことがあります。オペラを見始めた時期に無理して聴きに行ったのです。もう何年も前のことですが。トゥーランドットの生演奏はそれ以来ですので、今回の新国立劇場の公演はとても楽しみです。オペラトークを聴いたところでは、演出もおもしろそうですし。

Opera,Roma2008

イタリア旅行にから帰ってきて二ヶ月あまり。仕事はぐんぐん増えていて、なんとか持ちこたえている感じ。こういうのを「薄氷を踏んでわたる」というのだろうなあ。まあ、仕事をしていればいろいろありますので、いいのですが。

ローマではカラカラ浴場あとの野外舞台でヴェルディの「アイーダ」を見ました。始まるのが9時で、終わるのが夜半過ぎということもあって、カラカラ浴場から深夜のローマ市街を横切ってテルミニ駅へ帰る勇気がありませんでしたので、現地ツアーに参加することにしました。これですと、18時半に集合して、夕食を食べてから、カラカラ浴場まで送ってもらい、オペラがはけたあとも、ホテルの玄関まで送ってくれるというので、不安も解消です。

引率してくださった日本人女性は歌手の方で、現地で合唱員としてオペラにも出演されるのだとか。ですが、ローマ歌劇場では、イタリア国籍がないと出演できないのだそうです。現地に向かうマイクロバスの中で、フィレンツェに端を発したオペラの歴史を説明してくれてわかりやすかったです。ルネサンスにおいてギリシア悲劇をよみがえらせたのがオペラの始まりなのです、などなど。

野外オペラなので、歌手はマイクをつけている。それが勢い違和感を感じさせました。やはり生音とPAを通した音は違いますね。もっとも、新国立劇場でもわからないようにマイクを使っているはずで、PA通して音響調整をしているとは思いますが。

野外なので、キリンやゾウが出てくるのではないか?などと期待したのですが、そういった類の大盤振る舞いな演出とまではいかずとも、野外劇場を生かしたダイナミックな演出でした。舞台の後ろにそびえるカラカラ浴場の石造の柱がいいアクセントになっていました。 演奏のほうはといえば、特に違和感を感じないです。アイーダ役よりも、アムネリス役のほうが、豊かでふくよかな声質だったので一気に気に入りました。購入したキャスト表が見あたらず残念。どこに行ったのだろう?

ちなみに私的には第49回目のオペラ。少ないような多いような……。

Alban Berg,Classical

先々週からベルクのヴァイオリン協奏曲しか聴いていないです。ブーレーズ、ズーカーマン、ロンドン交響楽団のコンビで、CBSソニーから発売されたCDを図書館から借りてきたのですが、HMVとアマゾンで同じCDを探したのですが見つかりません。画像のCDは、おそらくは音源が同じだと思われるCDです。

もう何十回と聴いているので、違和感なく曲が入り込んできますが、やはり調性音楽ではないので、口ずさむことができるという具合にはなりません。ただ聴いているといろいろな発見があって、マーラー的な部分とか、ベルクの「抒情組曲」の旋律が聞こえてきたりと、実に刺激的です。

ズーカーマンのヴァイオリンはいいですね。瑞々しく張りのある音ですばらしい。系統的に聴いてみたくなる感じです。

ヴィリー・ライヒの著作「アルバン・ベルク 伝統と革新の嵐を生きた作曲家」を入手して読んでいるのですが、楽曲解説の部分は、楽理に通じていないとお手上げです。またもや壁が。この壁を乗り越えたいのですが、いつ超えられるか。

ライヒはベルクの弟子であったと言うことで、ベルクのエピソードがライヒの眼を通じて語られます。ですが、刊行が1963年ですので、まだベルクの婦人ヘレーネ存命中ということで、先日触れた、マリーとの情事やハンナ・フックス・ロベッティンについての記載はない模様。このあたりはシェルリースの著作「アルバン・ベルク」において宮川尚理氏が追記として記されています。

 

さて、現在のところ 近年まれに見る忙しさ。いつもなら、会社の昼休みにブログの構想を練るのですが、昼休みも仕事していました。さらに追い打ちを掛けるのが、切羽詰まってきた英語。今週は珍しくブログをなかなか書けず。いけませんね。