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いよいよ8月も終わり。夏を愛する者には、寂しさしか残りません。来年のナツが待ち遠しい。あの、輝く太陽に灼かれる愉楽は何にも変え難いものです。

そんな季節にふさわしいのかもしれませんが、それでもやはり周回遅れであることは変わりないのですが、この数ヶ月に渡って夜な夜なコツコツと楽しんでいたものが終わりました。

何年前なのかすら定かではない朝のドラマ「ちゅらさん」を、全話見終わったというもの。

今年は、沖縄復帰50年ということで、5月にNHKで総集編の再放送があり、長らくのちゅらさんファンとして、当然復習を兼ねて見たわけですが、これがまたじつに面白い…。

で、頑張って再放送を録画したDVDを引っ張り出して見始めたのですが、やはり総集編ではわからないディテールの面白さがあり、ついつい見続けたものの、DVDがエラーで読めず、途方に暮れていたのですが、偉大なるAmazon prime video で全話公開されているではないか、ということがわかり、毎日、夜中に安いワインを飲み、ご飯を食べながら見続けまして、今週やっと全話制覇となりました。

「戦闘的オプティミズム」という言葉を私はよく使いますが、まさに、オプティミズムに彩られたドラマで、もちろん、それは、なにかご都合主義とも取られるのでしょうけれど、方法論的には全く正しい考え方と思います。生きるためにはオプティミズムが必要なのです。この世界においては。

そうした思考の訓練にも適した実用的なドラマと思い、何があっても、八重山のてぃだ(太陽)が治してくれるのでは、と思ってしまい、同じ太陽なんだから、東京のたいようであっても、やはりなんでも治してくれる、と方法論的に信じてしまえば良い、と思うわけです。

そういえば、数年前に、太陽は万人に降り注ぐ,という言葉に酔ったことがありましたが、まあ、太陽神が古来崇められたように、光も暖かさも、ありがたいものだ、と思うしかありません。

夏の終わりに、ちゅらさんで太陽を感じたのも、やはり何か一つの縁であったようにも思います。

旧暦ではとうに秋ですが、新暦でも九月という秋の月に入り、東京地方の朝晩も随分過ごしやすくなり、ありがたさもある一方で、冒頭の触れたように、寂しさを感じます。かつては、秋が待ち遠しいと感じる頃もありましたが、人生も半周を終えると、その終末を感じとるようなり、人生の盛夏と、夏の太陽を重ね合わせて、夏に未練を感じるようになったのかもしれません。

なんてことを思いながら、帰宅の電車に揺られております。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

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本当につれづれな日々が続いています。皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。

一昨日でしたか、夜、仕事場を出ると思いのほか涼しい風が吹いていて、いよいよ秋が来るのか、と、何か寂しさを感じている今日この頃であります。

個人的には、暑い夏が好きで、7月、8月と太陽と暑さを満喫していましたが、名残惜しいですね。

今週は、レヴァインが振るリングを聞いていました。

久々に、ワーグナーの不協和音群を聴いて何か心休まる気分です。懐かしさしかありません。音楽も文学も、人間の内奥へアクセスするための小道Pathではないか、と思います。芸術は、人の頭がこしらえて考えるものではなく、何かそうした源泉へと通じるものでないといけないのでしょう。

最近の新しい小説を読もうにも手に取ることができない理由は、何か拵えもののように感じてしまうからだと思います。少し前に読んだ本は、論理的なトリックや読者の勘違いを利用した推理小説のような本で、確かにその場はゲーム的な謎解きの感覚で面白いのですが、それだけなの?という感覚があったように思います。

辻邦生もやはり、そんな疑問を若い頃持っておられたはずで、それを世界全体を掴む直観のような、主観性の追求による全体客観性の獲得という文脈で突破したのだと思っています。

ワーグナーの不協和音も、何か、それまでの協和音的な規則や論理を、直観的に突破して、ひとつ内奥へと進んだ感覚があります。何か奥底にある本質の襞に波のように寄り添うような和音の連なりだな、と思います。

どうも、日々の仕事すらも何か頭で拵えた表層的なもののように思い、人それぞれの拵えた妥当性のない表層的なものがいくつも重なり、意味を失っていくような、そんな危うさを感じます。そうした一つ一つは意味のない拵え物の中から、本質的なものへと進みうる直感(最近の流行り言葉で言うと仮説)を得て深めていく(論理を整える)ということの大切さを感じます。

なんてことを思いながら、この週末を過ごしております。

というか、まあ、もう少しこうして文章に落とすことを、昔のように頻度を高めてやっていかんとなあ、と思います。ブログという20年前のレガシーなスキームですが、ピンとくる代替もありませんので、今しばらく続けて行くかなあ、と思っています。

それではみなさま、ありがとうございました。