Opera

12月のプレミアムシアターの予定を。

オペラは1本ですね。

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

12月10日(9日深夜)

  • タングルウッド音楽祭
    ムター、ヨーヨー・マ、エマニュエル・アックス、ピーター・ゼルキン。なんとジェームス・テイラーまで!
  • ウェルザー・メスト指揮 クリーブランド管弦楽団
    ブルックナー交響曲第4番

12月17日(16日深夜)

  • マウリツィオ・ポリーニ 日本公演
    ポリーニ パースペクティブ2012

12月24日(23日深夜)

  • ミラノ・スカラ座 2012/13開幕公演
    「ローエングリン」

ヨナス・カウフマン、ルネ・パーペ、アニヤ・ハルテロス、トマス・トマソン、イヴリン・ヘリツィス

指揮はバレンボイム。2012年12月7日の公演が放送される予定です。

 

追伸

今日届きました!

実物の表紙はこんな感じです。

photo

それでは。You have.

Japanese Literature,Tsuji Kunio

image

昨日の言葉

「時は去りて帰らず、言祝げよ、このよき時を」

ですが、

昨日書いたとおり、これは、辻邦生の大河小説「春の戴冠」でシモネッタとヴェスプッチ家の婚礼の場面で出てくるものです。

「春の戴冠」はルネサンス最盛期のフィレンツェを舞台にボッティチェッリやロレンツォ・メディチが活躍する政治小説、芸術小説、哲学小説です。

image

日本人の書いたものとは思えません。小さい頃から外国の児童文学ばかり読んでいた私にとっては、まさに天からの恵みのような小説です。

 

さて、シモネッタは、この「春の戴冠」においてはボッティチェッリ「春」のモデルになった人物とされるヒロインです。

 

シモネッタは、婚礼前に、「春の戴冠」の語り手である古典文学者フェデリゴにある告白をしていました。自分には名も知らぬ好きな男が居るのだが、結局分からないままで、やむなくヴェスプッチ家へ輿入れするのだ、と。

その婚礼の後半の仮面舞踏会の場面。

フェデリゴが、仮面をつけたジュリアーノ・メディチと話をしていると、そこに仮面をかぶった女性が現れます。

ジュリアーノ・メディチは、フィレンツェを支配するメディチ家当主ロレンツォの弟にあたる男です。ロレンツォとともに仮面をつけたまま婚礼会場に現れ、そのまま仮面を取らないでいるわけです。

image

仮面をつけていると、誰からも追われず責任をとる必要がない。勝手気ままでそれはそれでいい。でも、仮面をつけた女を愛することは出来ない。

 

だが、仮面の女性は、それに反駁します。

いや、ひょっとしたら、仮面をつけた男を愛せるかもしれない、と。

 

では、この場でお互い仮面を外して、愛せるかどうか試してみようじゃないか。

で、ジュリアーノと仮面の女性は仮面を外します。

 

仮面の女性はシモネッタ。

image

で、ジュリアーノは負けたという。婚礼の花嫁が自分のことをを愛せるわけないじゃないか、と。

 

ですが、シモネッタは気絶してしまう。

 

シモネッタの名も知れぬ好きな男とはこのジュリアーノ・メディチであったのだから。。

 

思うに少女漫画的な場面と言われるかもしれないです。だれか漫画化すればいいのに。なんて。

でも、ずいぶんと仕掛けのある場面で、一つの「春の戴冠」の中のクライマックスのひとつです。

 

もちろん、史実はそうではないと思いますけれど。

「春の戴冠」のなかのジュリアーノとシモネッタは、芸術的存在に昇華されていて、天使のように描かれています。本当はジュリアーノには隠し子が居て、その子が後に教皇クレメンス七世になる、とか面白い話がたくさんあるんですけれどね。

 

また読まないとなあ、「春の戴冠」。

 

またしばし夢の中でした。

 

それではまたあした戦場でまみえましょう。

Literature,Tsuji Kunio

image

うーん、やっぱり辻邦生は素敵だ。

大河小説「春の戴冠」の中の一節です。

 

「時は去りて帰らず、言祝げよ、このよき時を」
全集138ページ

 

この大河物語のヒロインであるシモネッタが、ヴェスプッチ家へ嫁いだ婚礼の場面で、仮面をかぶったロレンツォ・メディチが歌う歌詞です。

現代日本において、こんな言葉を持ち出すなんて、ほんとうにきれい事なんでしょうけれど、それを忘れてしまったらおしまいだと思いました。

辻邦生が亡くなったときに、盟友の菅野昭正がこう言ったのを思い出しました。

その小説があまりに理想主義的だという人があるとすれば、それは日本の文学に理想主義が薄弱すぎるからである。
(日経新聞 1999年7月31日)

しばしの夢を見た気がします。

明日からまた戦場へ。

Japanese Literature

相変わらずトスカを聴きつつ、新国の次の演目「セヴィリアの理髪師」を聴いたりしています。今週はちょっとしたお祝い事で飲み過ぎました。反省。

最近、読んでいる森有正の「バビロンの流れのほとりにて」。10年ほど前にちくま学芸文庫から出たのを読んでいたんですが、最近また読み始めました。通勤電車で読む森有正はメチャメチャ刺激的です。

1953年に書かれたもの。終戦後8年絶った頃。ということは、感覚としては2005年頃に戦争が終わって、という感じになりますね。そんなときに、パリに渡ってこの思索ですか。天才は凄まじい。

辻邦生の「パリの手記」は明らかにこの「バビロンの流れのほとりにて」を意識しているんだなあ、と思ったり。

読めば読むほど含蓄のある言葉に呻き戦きひれ伏すのでした。

仕事とはいったい誰のためにするのだろう? 仕事自体のため、と答える人もいるし、自分自身のため、という人もある。どちらも決して本当ではない。仕事は心をもって愛し尊敬する人に見せ、よろこんでもらうためだ。それ以外の理由は全部嘘だ 。
70ページ

ここでの「愛し」というのは、神への愛をさしているんですけれどね。ここまで喝破されると、笑うしかありません。あはははは。

巨大な経験の堆積であるヨーロッパ文明というものが、こういう人間経験の無限の循環過程、その複雑な発酵過程だということに思い至った時、僕は何ともいいようのない絶望感に襲われる。歴史とか、伝統とか、古典とかいう言葉の意味が、もう僕にはどうしようもない、内的な重味をもってあらわれてくる 。
152ページ

いや、森先生、あなたがそうおっしゃるのならば、私はどうすればいいのでしょうか、といいたくなります。

文学は真実をまざまざと現前させ、苦痛と快楽を喚起するという感じです

明日から幸いにも三連休。貯まった家での仕事をこなす予定。写真も撮りに行きたいなあ-、などと思っています。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

トスカ、まだまだ続きます。

そろそろ「理髪師」の予習もしないと行けないのですが。

今日はデイヴィス盤を紹介します。

デイヴィスの指揮はずいぶん好きなんです。「ピーター・グライムス」や「魔笛」に親しんでいました。

デイヴィスの指揮もきりっと引き締まっていて、緊張感が素晴らしいです。テンポコントロールがきまっています。

スカルピアのイングヴァール・ヴィクセルがエラクカッコイイですよ。スウェーデン生まれのバリトンで、昨年亡くなられたようです。鋭利で冷たい刃物のようなスカルピアです。

カレーラスも雄々しく雄叫びをあげます。第二幕でナポレオン軍の勝利に歓喜して絶叫するところは、さすがカレーラス!、と思います。

トスカを歌うモンセラート・カバリエがも豊潤でドラマティックです。

1976年にコヴェントガーデンで録音。

(もう36年も前ですか。。)

  • 指揮:コリン・ディヴィス
  • トスカ:モンセラート・カバリエ
  • カヴァラドッシ:ホセ・カレーラス
  • スカルピア:イングヴァール・ヴィクセル

最近夜更かし気味です。今日もそろそろ眠ります。

では。

Alban Berg,Opera

美貌のソプラノ、モイツァ・エルトマンの「ルル」、今晩のプレミアムシアターで放送です。

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

image

以下予告編です。

 

 

ルルって、ほんと、怖いオペラだ。。

image

image

image

でも、惹かれてしまう。。

この、ドイツ的センスが素敵すぎる。

観る時間あるかな。。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

初台にてトスカを見てきました。

今回も前列方面でしたので、いつもになく十分に堪能しました。ありがたいことです。

3年前の「トスカ」をみた後には「このパフォーマンスが東京で、なんて恵まれている。」という記事や、「音楽か、言葉か、演出か?」なんていう記事を書いています。

今回も、このパフォーマンスを東京でみられる幸運に感謝です。

 

ノルマ・ファンティーニ!

トスカを歌ったノルマ・ファンティーニ、今回も聞かせてくれました。

というか、迫真過ぎて、見ているのがつら過ぎするぐらい。

なんだか、もう、トスカの危機的状況が手に取るように分かって、あらすじは理解しているんですが、ハラハラしました。

表情も硬軟織り交ぜているのよく分かりました。巧いです。

第一幕、カヴァラドッシが浮気をしているのではないかと疑うシーン、笑ったり怒ったり織り交ぜてカヴァラドッシを責めるあたりは、本当に役者だなあ、と思います。

パワーもものすごいです。座席が前の方だったので直接声が響いてきました。いままで味わえなかった感動です。

舞台の歴史背景

ステージの豪華絢爛さは何度見ても素晴らしいです。座席的にも舞台がよく見える場所でしたので、聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会に本当に足を踏み入れた気がします。

ちょっとイタリアに来た気分で、幸福な気分です。

今回は、歴史的経緯もちゃんと確認していきましたので、その点でも楽しめました。

第一幕最後のテ・デウムのシーンに登場した若い王妃が、ナポリ王国女王のマリア、カロリーナですね。ずいぶん若いですけれど。

どうやら教皇も登場していたようです。きっとピウス七世です。

スイス人衛兵もカッコよかったです。

雑感

しかしなあ、これから死ぬ運命にある幸福な恋人達の会話を聞くと胸が痛みます。

カヴァラドッッシも、いつ逮捕されても分からない状況にあったのに、トスカと一緒に居たいが為にローマに滞在していたわけですから。

政治を甘く見てはいけないです。お節介ですけれど、

第三幕、トスカとカヴァラドッシが感極まって、歌と絵で芸術を極めよう!みたいなことを言うんですが、これって音楽と演出のことを言っているんだろうなあ、と思ってみたり。

トスカとカヴァラドッシが巧く逃げたら、きっとカヴァラドッシが演出家になって、トスカが出演のオペラプロダクションを作ったりして。。

結局、うまくいかなさそうな二人です。

スカルピアがもし生きていたら、ナポレオンが再びローマを攻略したときに失脚するんでしょうが、巧いことやって、フランスに取り入ったりするんでしょうね。

 

今回も本当に楽しめました。ありがとうございます。

それではまた。フォースとともにあらんことを。

 

※ヌーヴォー飲んで酔いながら書いてます。。

未分類

今週は本業で時間がとれず、準備万端とは行きませんが、明日は初台でトスカを見ます。

このところトスカばかり聞いていました。

今もレバイン盤を。

今日は早く寝て明日に備えます。

取り急ぎ。

Miscellaneous

iPod touch 4 の購入から1年半経ちました。わたしはiPod touch 4のおかげで人生が変わったと言っても過言ではありますまい。

秀逸なアプリのお陰で、ずいぶん生活が楽になりました。

というわけで、アップルに感謝を込めて、iPod touch 5を晴れて購入しました。

開封の儀を以下の通りスライドショーにて。

良くなった点は以下の通りです。

  1. CPUの速度向上と、メモリの増強で、これまで重くて使えなかったアプリがずいぶん動いてくれるようになりました(まだ不十分ですが)。ずいぶん仕事が捗ります。
  2. 画面が大きくなりました。まだ慣れていないので扱いにくいですが、すぐになれると思います。
  3. カメラが高性能になりました。これは嬉し。

 

?な点

  1. えーっと、背面のストラップホルダー(?)あるいは「ループをつけるボタン」ですが、ホールド力が弱い気が。。不安ななで使っていません。
  2. もうすこしCPUが早いと嬉しいです。
  3. GPS内蔵されませんね。。。

 

私のイメージは以上の通りです。またレポートしてみたいと思います。

 

えーっと、ディスコグラフィのExcelシートを作っていたのですが、DROPBOXから消えてしまいました。。どこに行ったんだろう。また作り直します。あー。

 

ではまた。フォースとともにあらんことを。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera,トスカを聴こう!

本日、トスカの初日ですね。

どんな感じでしたでしょうか。

私は情報シャットダウンしてこの一週間を乗り切る予定です。

新国立劇場の来シーズのラインナップも一部発表されましたね。

「リゴレット」と「死の都」です。楽しみであります。

 

さて、第13回はスカルピアの簡単な前歴。そうか、シチリア男だったんですね。

これで、だいたい「トスカ」の周辺知識を整理できました。

次回からはディスコグラフィーに行く予定です。

====

スカルピアはシチリア出身で、名をヴィッテリオと言う。

スカルピアがローマへやってきたのは、「トスカ」が舞台とする1800年6月17日の一週間ほど前であった。革命思想に共鳴する政治犯を取り締まるために警視総監として着任したのだ。

これは、ローマを占領していたのがナポリ王国であったからだ。

ナポリとシチリアは同君連合だった。当時の国王のフェルディナントは、ナポリ王としてはフェルディナント四世であり、シチリア王としてはフェルディナント三世と呼ばれていた。

ちなみに、両王国はナポレオン戦争後、両シチリア王国として合併するに至る。

image

シチリアはマフィアの勢力が強いことで有名であるが、当時も山賊の本場として有名だった。スカルピアのイメージ形成の一つの要因となるだろう。

「トスカ」の幕が開けた段階で、実はスカルピアは窮地に陥っているのだ。

これは、警視総監としてローマに赴任してすぐにアンジェロッティの脱獄を許してしまったからだ。

ナポリ王妃マリア・カルローネはスカルピアを強く叱責していたのだ。

アンジェロッティを捕まえることが出来なければ、お前の首が危ういぞ、と。

スカルピアは意地でもアンジェロッティを逮捕する必要があったというわけだ。

 

新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。

チケットぴあ