J.S.Bach

 

最近、ものを書くことにこだわるように努めていて、日本語やら英語やらで、暇を見つけてはせっせと読み書きをしています。といっても暇はあまりないので、通勤電車の中とか、休日のいくばくかの時間に限られますが、歳を重ねたとしても始めるに遅いことはありませんので、せっせと読み、書くことにしています。

そんな時に相応しい音楽は何かしら、と考えた時に、バッハだなあ、と思い、AppleMusicで出てきたのがキース・ジャレットが弾く平均律クラヴィア曲集でした。グレン・グールドに比べて幾分か優しさのある音色は、キース・ジャレットのコンサートシリーズのそれに近しくもあり、静謐と懐古の色を帯びたものに感じます。

バロック音楽にはリズムの揺れがありませんので、ジャズとの親和性があるわけで、ジャック・ルーシエなどを大昔に聞いた記憶もありますが、集中が求められる時においては、ビートのある音楽がいいと思います。ビート=拍動は、おそらくは太古においてはシャーマンをトランスへ導くものだったわけで、ビートがもつ何かしらの作用は確かにあると思われ、そうした観点で暗黙に、バッハだなあ、となったんだと思います。

という感じで、今日もやはり、バッハを聴きつつ過ごしていますが、音楽が、読み書きへと至る集中を助けたり、あるいは幸福を想起させるといった作用と持つというのは本当にありがたいことです。昔はコンサートで、次にレコード、CDと徐々にポータビリティが上がってきたわけですが、今は、クラウド上の音源をいつでもどこでも聴けるわけで、何か精神の支えに寄り添ってもらっている感覚があります。ありがたい時代です。

ということで、春が少しずつ見えつつありますが、皆さも今しばらくの冬をご自愛ください。