世界は変わっていく

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先週撮った写真。翌日の運行状況を見極めようと、駅の案内に人だかりというところです。
この一週間で、世界が変わってしまいました。計画停電の予定を気にしたり、電車の運行状況によって、通勤経路を変えたり、何十分も電車が来るのを待ったり、車内灯が消された節電電車に乗ったり……。
私の勤めているビルは、計画停電になると自家発電に切り替えるのですが、出力が足りないため、電灯を間引いてつけています。ですので、薄暗い中でぼーっと光る液晶ディスプレイを見つめて仕事をしていました。停電が終わると、蛍光灯が煌々ときらめき始め、ああ、電灯ってこんなに明るいんだ、と感動したり。これまでの普通が普通ではなくなってしまいました。
でも、慣れというのも恐ろしい。計画停電の予定のチェックや、列車運行状況を確認するのが普通になってしまいました。
きっと、計画通りに電車が動くようになると、また感動するんだろうなあ。
しかし、考えても見れば、これまでがおかしかったのかもしれない。無尽蔵な電源、無尽蔵な食糧。これは長い人類の歴史の中にあって、ある意味では進歩の所産だけれど、実のところは極めて特殊な事態なんだなあ、と。
というわけで、今日は「ジークフリート」をベームの指揮にて。なんだか、昨年の東京リングが懐かしくて仕方がありません。
オペラもコンサートも中止が目立ってきました。本当なら、明日は新国立劇場で「マノン・レスコー」を見る予定でしたが、それも幻に終わってしまいました。新国立劇場も、今回の「マノン・レスコー」中止で、損失を出したはずです。
阪神大震災の時よりも日本の財政事情は極めて厳しいそうです。これからどうなるのだろう。そうなると、真っ先に切られるのが文化事業であることは間違いありません。音楽界はもとより、日本の文化はどうなっていくのだろう。
悩みは多いけれど、前と上を向いて歩くしかありません。