カラヤン/ワーグナー「パルジファル」への長い道のり

2021-06-09

 ちょっとご無沙汰となりました。ちと仕事が忙しいです。にもかかわらず来年は大幅年収ダウンが決定し、意気消沈している今日この頃。新国にあと何年通えるかしら、みたいな……。まあ、こういうときこそ過度に悲観的にならずに前向きにやっていきたいものですが。

さて、前にも少し書いたかもしれませんが、カラヤンの「パルジファル」を聞き始めました。最近ワーグナーづいていまして、「神々の黄昏」とか「ワルキューレ」をイヤと言うほど聞いていましたので気分転換で。っていうか、気分転換になるような曲じゃないですね。素晴らしすぎます。天才ワーグナー。

なによりもこの盤のいいところは、グルネマンツがあのクルト・モルさんだということ。いつぞやも書きましたが、モルさんは私にとってもっとも大好きなバス歌手でいらっしゃると言っても過言ではないでしょう。「ばらの騎士」のオックス男爵はもちろん、フンディンクやハフナー、マルケ王まで、あの艶やかな声に魅了されてしまいます。

パルジファルのあらすじは、聖杯伝説によるものでして、これは小さい頃読んだアーサー王物語で何とも言えぬ不可思議さとともに親しんだ覚えがあります。っていうか、エクスカリバーって、ノートゥングそっくりですね。純朴たる青年パルジファルが聖杯の騎士になるいきさつ描いていて、クンドリやアンフォルタスの救済で幕を閉じるわけですが、この無垢な青年パルジファルが、ジークフリートに重ね合わされていて、アンフォルタスはトリスタンでしょうか。クンドリはマグダラのマリアだそうです。

それにしてもワーグナーは奥が深すぎ。パルジファルの全体の基調は横糸である音楽史的にはワーグナー的といえましょうけれど、そのワーグナー的なものが縦糸的に深化されていてすごくいい。しばらくはこれを聴き倒そう、という魂胆。

とはいえ、3月15日は「ラインの黄金」ですので、そちらの予習もぬかりなく。