弛まず倦まず──シュナイダー「トリスタンとイゾルデ」

私が通っていた中学校の校歌に「弛まず倦まず」という歌詞がありましたが、あれは実に重要な一言でありました。続けた者にしか栄誉は訪れないでしょう。私も弛まず倦まずがんばろう。
というわけで、倦むことなくまたまた、シュナイダー、テオリン、スミスの「トリスタンとイゾルデ」。
この演奏のことばかり書いている気がしますが、本当に飽くことも倦むこともなく、まったく素晴らしい演奏。何が素晴らしいのか? 
やっぱりシュナイダーの指揮。オケのサウンドは複雑なレース編みのようにも思えるほどです。縦糸が音のダイナミクスだとすれば、横糸はしなやかなテンポコントロール。オケサウンドは絶妙な柔らかさとしなやかさを持ちながら、ひたひたと溢れるような淡い銀色の液体のように、聴く者を虜にし、聴く者の感涙を誘う。
素晴らしい!
それにしても、テオリン姐さんの歌はすさまじいです。ドイツ語の口蓋音までも聞こえてしまうというパワーです。あともう少しで実演に触れられるとは! 楽しみです。