先日読んだエルELLEについて
先日読んだ、エル、という本。早川文庫から今年刊行され、映画化もされています。
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個人主義フランスならではの話かなあ、なんてことを思いました。
話の中身は大人向けでしたが、サスペンスの結末としては、うまくいってまして、最後まで面白く読み続けました。展開がとても早く、そのプロトコル(通信手段、あるいは波長を合わせると言う意味において)に慣れるのに少し時間がかかりましたが、慣れてからは物語世界に取り込まれてしまった感覚があります。
ヒューマニズムという言葉がありますが、フランスにおける、あるいはこの本で描かれるフランスにおける、個人主義が個人の尊厳をそこに含まれる何かしらの善人ぶるようなニュアンスはなく、徹底的で戦闘的なヒューマニズムがあるなあ、と思ったりしました。
愛するということについていえば、個人主義を徹底した結果としての不倫関係があったとしても、あるいは極度の個人主義の結果として一人で生きることを選択したとしても、切れることのないのが親子関係であり、それはけっして清算できるようなものではないからこそ、個人主義とは相容れないものを受容する必然性が厳然としてある、ということにも気付かされました。
親子の愛情と男女の愛情の違い。いや、愛情ではなく愛憎とでも言い換えるべきかと思いますが。
筋書きをかけないまま、抽象的に書くしかないのですが、なにかそういうことを思いながら読みました。おすすめです。
一ヶ月ちかくかかっていた風邪がようやく収まってきました。寒い日が続いていますので、みなさまも暖かくして体調にはお気をつけください。
おやすみなさい。グーテナハトです。
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