師走1日目、寒風吹きすさぶなか新国立劇場「セビリアの理髪師」でしばし気分を暖めてきました。
なんだか、純粋に楽しめたなあ、という感じです。こういう楽しみ方もありなんだ、とすこし驚きました。
ワーグナーやプッチーニ、シュトラウスは好きすぎるので、構えてしまうんですが、ロッシーニは結構苦手でして、かえってリラックスして聴けたのだと思います。
楽しい3時間でした。ありがとうございます。
主な出演者
指揮:カルロ・モンタナーロ
演出:ヨーゼフ・E.ケップリンガー
アルマヴィーヴァ伯爵:ルシアノ・ボテリョ
ロジーナ:ロクサーナ・コンスタンティネスク
バルトロ:ブルーノ・プラティコ
フィガロ:ダリボール・イェニス
フィガロ
フィガロのイェニス、声に張りがあって大迫力でした。軽妙な身振りも交えた演技はとても素晴らしいものでした。ああいう感じは欧米人ならではですね。
ロジーナ
ロジーナを歌ったコンスタンティネクスは、軽やかで澄み切ったソプラノです。モーツァルトやロッシーニによく合う声質です。ケルビーノ、ツェルリーナ、チェネレントラ、ドラベッラ、デスピーナなどがレパートリーのようです。実は、「ばらの騎士」のゾフィーなんかも合うのではないでしょうか。
アルマヴィーヴァ
アルマヴィーヴァ伯爵のルシアノ・ボテリョはイケメンテノールです。巧いのですが、早いパッセージがすこし苦手そうでした。気になったのはそれぐらいで、演技も歌も十分楽しめました。
バルトロ
バルトロを歌ったブルーノ・プラティですが、あのメタボっぷりは、さすがになにかおなかに入れてますよね。恰幅がよくて、日本語も交えたコミカルな演技が面白かったです。
指揮者モンタナーロ
カルロ・モンタナーロの指揮は、実にすっきりとした味わいでした。オケをきちんと統率している感じで、オケの鳴り方もいつもより細密でくっきりしているように聞こえました。
モンタナーロ、第二幕で劇に乱入しましたね。バルトロの歌詞を「違う違う!」と指揮台から叫んでました。もちろん仕込まれた仕掛けですので、みんな笑ってましたけれど。
次回は……
次回は演出面などを書きます。1960年代フランコ政権下のセヴィリアが舞台になっていると言うことで、仕掛けがたくさんありました。私は、どうもアルマヴィーヴァがフランコ政権体制側の人物として示唆されていたように思えてならないシーンがありましたので、調べています。が、どこまで追い込めるか。。
それではまた。