第13回 スカルピアの前歴は如何に?
本日、トスカの初日ですね。
どんな感じでしたでしょうか。
私は情報シャットダウンしてこの一週間を乗り切る予定です。
新国立劇場の来シーズのラインナップも一部発表されましたね。
「リゴレット」と「死の都」です。楽しみであります。
さて、第13回はスカルピアの簡単な前歴。そうか、シチリア男だったんですね。
これで、だいたい「トスカ」の周辺知識を整理できました。
次回からはディスコグラフィーに行く予定です。
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スカルピアはシチリア出身で、名をヴィッテリオと言う。
スカルピアがローマへやってきたのは、「トスカ」が舞台とする1800年6月17日の一週間ほど前であった。革命思想に共鳴する政治犯を取り締まるために警視総監として着任したのだ。
これは、ローマを占領していたのがナポリ王国であったからだ。
ナポリとシチリアは同君連合だった。当時の国王のフェルディナントは、ナポリ王としてはフェルディナント四世であり、シチリア王としてはフェルディナント三世と呼ばれていた。
ちなみに、両王国はナポレオン戦争後、両シチリア王国として合併するに至る。
シチリアはマフィアの勢力が強いことで有名であるが、当時も山賊の本場として有名だった。スカルピアのイメージ形成の一つの要因となるだろう。
「トスカ」の幕が開けた段階で、実はスカルピアは窮地に陥っているのだ。
これは、警視総監としてローマに赴任してすぐにアンジェロッティの脱獄を許してしまったからだ。
ナポリ王妃マリア・カルローネはスカルピアを強く叱責していたのだ。
アンジェロッティを捕まえることが出来なければ、お前の首が危ういぞ、と。
スカルピアは意地でもアンジェロッティを逮捕する必要があったというわけだ。
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。
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