「辻邦生のために」をKindleで。

まだ、辻邦生がご存命だった頃。本屋に出かけて、思いがけず辻邦生の新著を見つけた時に幸福感と言ったら筆舌に尽くしがたいものがありました。

1999年に亡くなられてからしばらくはご遺稿が何冊も出版されましたが、それも終わり、続いて、奥様の辻佐保子さんの著書が二冊出ました。それがこちらです。

辻邦生のために (中公文庫)
中央公論新社 (2012-12-19)
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「たえず書く人」辻邦生と暮らして (中公文庫)
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いずれも、Kindleで読むことができるようになっています。

「辻邦生のために」の方は、Kindle版を買っていなかったので、今朝、電車の中で購入しました。もちろん紙の本は読んでいますけれど、いつでもどこでも読めるようになったのはなかなか感慨深いものがあります。

いろいろと興味深いことが目白押しなのですが、今の天皇皇后両陛下が、どうやら何度か辻邦生の軽井沢の別荘に訪れていた、と思しき記述を見つけました。

皇太子時代の夏休みに毎年のようにご一家で山荘におでかけ下さったことを記念して

No. 708

なるほど。だから、軽井沢高原文庫で開催された辻邦生の展覧会に、両陛下がお越しになったというわけなんですね。特に皇后陛下は辻邦生がお好きだった、という記事をどこかで読んだことがあります。

しかし、人間というもには、日々新たな決心をするのですが、それを実現することができる人は限られているということなんでしょうね。ともかく、性急な改革は必ず失敗しますから、粘り強く、じわりとことを進めていきたいものです。

では、おやすみなさい。グーテナハトです。

「辻邦生のために」をKindleで。” への2件のコメント

  1.  今晩は。Shishi様のブログにコメントするときは、いつも緊張します。貴殿は、本当に勉強家で私よりも辻先生の作品をよく読んでおられて辻先生のことをよく知っておられて、、辻邦生という作家と作品を想う気持ちも私よりも強そうだからです。私もたいていの人には「辻スピリット」では負けないつもりでいるのですが…今日の朝この記事を拝読して嬉しくなりました。今日、私は佐保子さんの「辻邦生と暮らして」を読了したところだったからです。奇遇ですね!辻作品の成立事情とか奥様でないと知りえない辻先生の微笑ましいエピソードがゴマンと出てきて泣いたり笑い転げたりしながら読了しました。辻先生、アニメの世界名作劇場がお好きでいらしたのですね。5歳の時の辻先生が、軍艦マーチのレコードに合わせて一人で行進しておられるところを想像して笑い転げてしまいました。辻先生というとファシズムや軍国主義が大嫌いな方というイメージがありますし、実際そういう方だったわけですが、軍艦マーチ以外の軍歌もお好きだったのかなーとか一人で勝手に想像(妄想?)に耽って笑ってしまいました。やっと重い腰をあげて嵯峨野明月記を第一部から読み始めました。本阿弥光悦が母上と夕暮れ時に鶴がバサバサと何百把も舞い上がるのを目撃するシーンではあまりの文章の美しさと臨場感に涙が出ました。Shushi様がこの作品で人生変わったと仰っていたのを思い出しました。
     辻先生は大学者で大作家で名文家だったわけですが、佐保子さんも素晴らしい文章を書く方だったのですね!夫・辻邦生の見事なポートレートだと思いました。
     これから辻先生の全作品をゆっくり時間をかけて読もうと思います。既読の作品は再読いたします。嵯峨野・天草・銀杏は初読みになります。
     それと、この前は七つの場所の質問に丁寧にお答えいただき、大変有難うございました!

    • いつもコメントありがとうございます。「辻邦生と暮らして」は、先年だったか、Kindleで再読して、ずいぶん楽しく興味深い本だったと思っています。確かに、名作アニメを楽しみにしていた、というくだりがありましたね。「辻邦生のために」は、やはり亡くなった直後ということもあり、内容としてもかなり重く、また今日のブログ記事にも書きましたが、大変重要な内容を含むものでした。2002年に読んでいるはずでしたが、やはり再読すると様々な発見があります。嵯峨野明月記は、3回ほど読んでいるはずです。日本語が本当に美しい作品ですし、構成自体も素晴らしく、よくもこんなものが書けるなあ、と驚くばかりでした。
      今日も新たな発見をしてしまったぐらいですので、私の辻邦生理解もまだまだですが、全てを知ることはできませんので(これは嵯峨野明月記のテーマです)、とにかく、目先のことを大切にして、考えることだなあ、と思います。

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