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前々から、見たい見たい、と思っていた、ヒュー・グラント主演の「アバウト・ア・ボーイ」をやっと見られました。これは、カミさんの飽くなき執念によるもの。
おかげで、100分という短い時間でしたが、しばし現実を忘れておりました。
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“http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD2117/index.html":http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD2117/index.html
主人公のウィル、この人は完全にあっちの世界の人。印税ぐらしで、働くことなくロンドン中央に居を構え、しゃれたデザインの家具に囲まれて暮らしている。で、孤独暮らしを楽しみながら、恋愛を求めてさすらっている。って、こういう生き方って、怠け者の諸氏にとっては、極めて理想なんじゃないか。私も少しあこがれる。
だが、出会った女性に、「あなたはブランク(=もぬけのから、虚無)なのよ」って言われるあたりも、また的を得ている。苦労なく遊び暮らす男はやっぱり女性から見てもかっこわるいらしい。無職の男に近寄るまともな女性はよもやおるまいて。
だが、私は思った。この境遇なら、もっと高飛車で、人に気を遣うこともなく、わがまま身勝手に闊歩しているに違いないのである。高級車を乗り回し、札束でパタパタ扇ぎながら、夜の女を侍らせ、ワインやらシャンパンやらをくらっていてもおかしくない。
ウィルは違う。もう一人の主人公である中学生?ぐらいのマーカスに親身に接したり、マーカスの最大のピンチで助け船を出してあげたりする。わりに普通の常識を持っているらしい。そういう意味では、ウィルは自律できるペルソナであるようだ。わりとまともな教育を受けていた、と言うことなんだろうか。
マーカスというのは、鬱病の母親をかかえるいじらしい男の子なんだが、物語の最終部で、このマーカスのピンチに、ウィルが助け船を出してあげるシーン、あれはちと感動的で、老体にはこたえました。敵が味方になる瞬間というのは、あらゆる物語において感動と高揚をもたらすものなのです。
やはり、映画はためになる。読書で一〇〇冊は(内容はともかく)目標達成できそうなので、来年は映画を見る本数も目標に入れてみようか、と思案中です。