メトロノーム禁止!だそうです。

昨日は久方ぶりの友人とのみました。とある企業に勤めておられる古くからの友人です。
東京には発表で来たとのことで、急遽、帰宅間際にとある街のアイリッシュバーにてほんの小一時間を。いろいろ音楽の話ができて面白かったです。
たとえば、彼がオーボエを始めた話とか、最近、指導を受けている指揮者がすごいとか。
この指揮者の方、オケの練習で、ピッチとかテンポとか言わないらしい。全部メタファーで指導をこなすんだそうです。「そこは背筋を伸ばす感じで演奏しなさい」ということで、ピッチを補正する、みたいな。
これって、岡田曉生さんが「音楽の聴き方」で書いていたエピソードと同じだなあ、と。大指揮者の音楽を語るメタファ言語はすごいらしい。「相手と握手するとき、最初に産毛をさわるように演奏して!」とかいうらしい。
それから、「メトロノーム使って練習しちゃだめだ」というのもあるそうです。もちろん、アマチュアのオケに向けてだし、練度が十分ではないオケに向けた言葉なので驚きました。
これ、ちょっと興味深いです。
大学から社会人の若い頃にかけて、とあるバンドでサックス吹いていたんですが、毎週三時間みっちりメトロノーム漬けで練習していたんです。しかもメトロノームのクリックを裏拍でとってました。あまりにそんな練習していたんで、スタジオの壁に掛かっている丸時計の秒針の動きが緩慢に思えたりして。あるいは止まって見えたり。
1秒間の間に出来ることはたくさんあるんだなあ、とおもいました。
あれはあれですごく楽しかったんですが、そうじゃない方向もあったのかもなあ、と。そうなったら、どうなってたかなあ、などと。
友人曰く、その指揮者がくると、雰囲気ががらりと変わって、演奏がみるみるよくなって、良い状態で本番を迎えられるそうです。
「メトロノーム禁止」とかいうもんだから、最初は「何言ってるんだ?」と、友人はとても懐疑的だったのだそうですが、いまでは心酔している感じでした。
一度練習風景を見てみたいです。
結局ずるずると遅くまで語り合ってしまいました。アイルランドの黒ビールは苦みもあるけれど、サラリとした飲み口で、実にさわやかで、後味もすっきり。泡も柔らかく、最後まで消えることのないきめの細かさでした。おすすめです。
明後日はまた試験。嗚呼。

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Posted by Shushi