新国立劇場の「ピーター・グライムス」が感動的な件
初台の新国立劇場で、ブリテンのオペラ「ピーター・グライムス」観てきました。
これまでになく感動して、しばらく涙がとまらないぐらいでした。
これは、なかなかない機会。本当によい体験で、人生変わったぐらい衝撃的でした。
まずは歌手の方々を中心に。
席は最前列でした。指揮のアームストロングが低い声で唸りながら指揮をする姿を直ぐ側で眺められるという贅沢な位置でした。歌手の声が直接伝わってきて直接心臓が響く感じでした。ただ、オケの音が意外と聞こえないのがちょっと残念。オケが見えないのも残念。
ピーター・グライムスを歌ったのはスチュアート・スケルトンでした。不器用で傷つきやすく、神経質で病的なピーターを演じきっていました。
第三幕二場のピーター・グライムスのモノローグのところが圧巻でした。
「ピーター・グライムス!」と歌う合唱が舞台裏から聞こえるんですが、ピーターの幻聴に他ならないわけで、それに苦しみ身もだえながら、独白するところは、本当に圧巻で、あれはもう私の中では最高レベルの体験でした。
本当に涙がとまらんですよ。。
エレンを歌ったスーザン・グリットンもよかったですよ。
当然ながら完璧な歌唱で、ピーターに同情しながらもピーターを救えない無力感にさいなまれ、最後には集団にやむなく従ってしまうエレンの心境を見事に演じていました。最後の幕切れのシーンについては次回書きますが、滂沱でした。
バルストロードを歌ったジョナサン・サマーズ。私はこういう役柄の方が大好きです。
こういう方が安定感をもってアンサンブルを支えてるからこそ、全体が引き締まるわけです。あとは、こればかりは欧州文化圏出身者ならではとなる軽妙な挙措がいいのですよ。第一幕の最後の酒場で、皆が輪唱を始めるところ、あそこの歌い出しと軽妙な演技がすばらしく、なぜかあんなシーンなのに深く感動してしまいました。
あとは、望月さんです。この方も最近新国の常連になりつつある感があります。巧くてカッコイイのですよね。絶対に外さない安定感が素晴らしいです。
あとは合唱が今回も素晴らしかったです。たしか、「さまよえるオランダ人」あたりから、合唱が格段になってきた記憶があります。今回も予想に違わず素晴らしかったです。
個人的な件
昨日の夕方から今朝まで色々あって、仕事でした。もう、ほとんど、行けないんじゃないか、とあきらめていたんですが、今朝、三時間ほど仮眠して、気合いで初台に行ったわけです。挫けなくて本当によかったです。この体験を逃すのは人生の一大事でした。
もちろんしっかりレッドブルでドーピングしました。
続きます。明日も。
※ 公演は11日と14日にもありますよ。是非!
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