2013/2014シーズン,NNTT:新国立劇場

2013/2014シーズン予定発表

少し出遅れました。

来シーズンの予定がアナウンスされました。

  • リゴレット(新制作)
  • フィガロの結婚
  • ホフマン物語
  • カルメン
  • 蝶々夫人
  • 死の都(新制作)
  • ヴォツェック
  • カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師(新制作)
  • アラベッラ
  • 鹿鳴館

今シーズンと同じく新制作が3本ですね。ワーグナーが消えて、シュトラウスが復活しました。ヴォツェックの再演は嬉しいですね。

国別には、

  • ドイツ 4本
  • イタリア 3本
  • フランス 2本
  • 日本 1本

ということになります。

作曲家別上演回数

開場以来の作曲家別ですが、以下のとおりです。

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盤石のイタリア・オペラ。

リヒャルト・シュトラウスがワーグナーを追い抜くのはいつか?

本公演演目数上位

本公演演目の上位は以下のとおり。

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蝶々夫人ダントツです。意外にもアラベッラが多いですね。アラベッラのプロダクションは2つあるはず。それぞれで二回ずつということになります。

新規割引制度導入

それから、30歳台への割引制度が導入されました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/30000456.html

個人的には、もっと早く導入してくれればよかったんですが。

とはいえ、裾野を広げるため意欲的な施策だなあとおもいます。

 

まずは取り急ぎ。

2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

IMG_1687.JPG

先日の新国立劇場の「セビリアの理髪師」の演出。二回目なんですが、今回はいろいろ気づくところがたくさんありました。

そのうちのひとつ、面白かったところが序曲の部分です。

あそこでは、登場人物達が一人ずつ登場して、舞台の最前部でマネキンのように動きを止めます。最後にフィガロが登場するのですが、フィガロが合図するごとに、登場人物達は操り人形のように動き出し、また合図をすると動きを止めます。

なんだか、マネキンと言うよりフィギュアが登場したような感じでした。私はフィギュアは持ってませんのでよく分かりませんが、華やかな衣装を着けたキャストが人形のように立っているので、そう思えました。

フィガロがフィギュアのような登場人物達を操るのは、フィガロがこの物語の狂言回しだからでしょうか。にしては、劇中ではメタフィクション的な動きが見えませんでしたね。

一昨年の「コジ・ファン・トゥッテ」では、アルフォンソが狂言回しでしたので、途中で登場人物達の動きを止めてコントロールするシーンがありましたが、そうした動きはなかったと思います。席が前すぎて俯瞰できなかったのかも。。

何れにせよ、演出は本当に面白いです!

 

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera,トスカを聴こう!

先日から連載しているトスカの件ですが、その後も引き続き調査を続けています。その中でわかったことをお伝えします。

トスカ成立の話の中でフランケッティという作曲家が登場しました。もともとトスカの作曲権を持っていたのですが、ジュリオ・リコルディにしてやられて、プッチーニに作曲権を渡してしまうという話でした。

その際に、フランケッティはプッチーニの学友だったという話を書いたと思います。このエピソードは、プッチーニの伝記として有名なモスコ・カーナーの著作に登場します。私はそこから引用しました。

ところが、南條年章氏の「プッチーニ」(音楽之友社)おいては、それが誤解ではないか、という説が紹介されていました。

曰く、フランケッティは、プッチーニと同じマージという先生に習っただけなのだそうです。いわば兄弟弟子です。ですが、一緒に学んだことはなかったとのこと。プッチーニはルッカで、フランケッティはヴェネツィアで、マージに師事したということになります。

歴史の中に埋れた真実はその手がかりをつかむのは難しいです。

(イタリア語がわかれば良いんですけどね。あと10年すれば、翻訳エンジンの性能が上がるでしょうから、文献程度なら辞書がなくてもわかる日がくるでしょう)

このシリーズ、来年元旦には、形にまとめてご披露できるよう頑張ります。

 

2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

セヴィリアの理髪師、劇が一瞬中断する瞬間がありますね。

それは、第一幕の最終部分、第16場のところです。

http://www.youtube.com/watch?v=SYwG4199BCg

「銅像のように冷たく動けなくなったわ」以降では、キャストがみんな止まって、六重唱が始まります。この映像でいうと、2分27秒のあたり以降です。

演出にもよると思いますが、新国立劇場の演出では、登場人物達が停止し、背景の警察達が曲の拍節に合わせて体を動かし始めます。ストーリーの中の時間速度が遅くなる、あるいは停止して、登場人物達がストーリーから抜けだす瞬間です。

これは一種のメタフィクションなのでしょう。

リブレットを読むと、一応、バルトロが銅像のように固まってしまったと揶揄する場面と理解できるんですが、実演を観るとそうは思えません。

バルトロだけじゃなくてみんなかたまる必要はないんです。

でも、Youtubeの演出もみんな止まってますし、先代の新国立劇場演出でもやはりかたまってしまいました。

なんだか、この場面いつも奇異に思えます。

それに、歌が終わった後に、場面転換を告げるかのように信じられないほど静謐な旋律が出てくるのですよ。

その後またドタバタハチャメチャな喜劇に戻るのですよね。

これはリブレットを読んだだけだと理解できない世界です。

ここだけ、際だっているのですよねえ。

ググってみたんですが、どうも答えは見つかりません。

2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

はじめに

昨日の興奮冷めやらぬままこちらのCDきいているんですが、ちょっと、これすごくないですか!! フィガロのPaneraiがスゴイ。。

http://www.icartists.co.uk/classics/catalog/cds/carlo-maria-giulini

 

これは、また後日として、昨日の続きです。

演出

今回のケップリンガーの演出は2005年に続いて2回目ですが、以下の二つ理由から、今回のほうがより楽しめた気がします。

一つは、ビジュアル面でしょう。今回の公演、皆さんカッコイイ方ばかり。ロジーナのコンスタンティネスクも美人さんですし、伯爵のボテリョもずいぶんとイケメンです。あとは、フィガロのイェニスの粋な身振りが素晴らしいです。

(2005年公演では、ロジーナの方がアルマヴィーヴァより背が高いという状況だったと言うこともありますが)

舞台設定

もう一つ。席が良かったです。今回も奮発して前の方だったので、舞台の細かいところまでちゃんと観ることが出来ました。いろいろな仕掛けをつぶさに観ることができて面白かったです。

たとえば、電気器具や調度品の時代考証も凝っていて、置かれている白黒テレビは当然ですが、第一幕冒頭でフィオレッロが持っている白いラジオがレトロ調で格好良かったです。

フランコ統治下のスペイン

舞台は1960年代のセヴィリアです。ですので、フランコの肖像がバルトロの部屋に飾られています。image

そういうこともありますので、どうやらグアルディア・シビルとよばれる治安警察が踏み込んできたという設定になっているようです。あの特徴的な帽子の形でそうだと分かりました。フランコ政権時代はこのグアルディア・シビルが国内統治に利用されていたようです。

若者と老人、フランコとアルマヴィーヴァ

今回の演出においては、アルマヴィーヴァ、ロジーナ、フィガロの三人の若者が、バルトロ、バリジオなどの年寄りに反旗を翻すという物語にも見えました。

演出のケップリンガーの説明においては、原作が書かれたが書かれたフランス革命前夜とおなじく、演出の舞台である1960年代のセヴィリアも「社会構造の変革を前にした「熱い時代」」であると語られています。

フランコ政権は1938年に始まり、1975年のフランコの死によって幕を閉じます。後継者として国王に指名されたファン・カルロス一世によりそれまでの全体主義体制から立憲君主制へと移行し、「スペインの奇跡」と称されるほんの少し前の時代です。image

来るべき新しい時代が3人の若者によって象徴されているのか、などと思ったり。

ですが、アルマヴィーヴァは伯爵位にあります。いわば旧体制に属しながらも、若い世代に属しているというゆがみが生じているのだ、と思います。

警察(グアルディア・シビル)の隊長がアルマヴィーヴァの伯爵位に恐れをなし、同時にフランコの肖像を担ぎ出すのはそういうゆがみがなせるわざでしょう。

(余談ですが隊長は、2002年に観た新国立劇場の「セビリアの理髪師」では堂々たる人物でしたが、今回の演出では権威主義的でだらしない男になってました)

あるいは、アルマヴィーヴァもフランコと重ねあわされているような場面もありました。ロジーナがバルトロの奸計でアルマヴィーヴァとフィガロの企てに疑いを持った瞬間、フランコの肖像が壁から落ちましたね。あれはどうしてなんだろう?と思うのです。

旧体制に属しながら新しい時代を切り開く人物であるアルマヴィーヴァはいったい誰なんだろう? ファン・カルロス一世なのかなあ、などなど。

いやいや、我々はこの物語の続編を知っています。モーツァルトの「フィガロの結婚」です。そこでは、アルマヴィーヴァがバルトロのような俗物に成り下がっています。そうした示唆なのか……。

 

次回に続きます。

2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

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師走1日目、寒風吹きすさぶなか新国立劇場「セビリアの理髪師」でしばし気分を暖めてきました。

なんだか、純粋に楽しめたなあ、という感じです。こういう楽しみ方もありなんだ、とすこし驚きました。

ワーグナーやプッチーニ、シュトラウスは好きすぎるので、構えてしまうんですが、ロッシーニは結構苦手でして、かえってリラックスして聴けたのだと思います。

楽しい3時間でした。ありがとうございます。

主な出演者

指揮:カルロ・モンタナーロ

演出:ヨーゼフ・E.ケップリンガー

アルマヴィーヴァ伯爵:ルシアノ・ボテリョ

ロジーナ:ロクサーナ・コンスタンティネスク

バルトロ:ブルーノ・プラティコ

フィガロ:ダリボール・イェニス

フィガロ

フィガロのイェニス、声に張りがあって大迫力でした。軽妙な身振りも交えた演技はとても素晴らしいものでした。ああいう感じは欧米人ならではですね。

ロジーナ

ロジーナを歌ったコンスタンティネクスは、軽やかで澄み切ったソプラノです。モーツァルトやロッシーニによく合う声質です。ケルビーノ、ツェルリーナ、チェネレントラ、ドラベッラ、デスピーナなどがレパートリーのようです。実は、「ばらの騎士」のゾフィーなんかも合うのではないでしょうか。

アルマヴィーヴァ

アルマヴィーヴァ伯爵のルシアノ・ボテリョはイケメンテノールです。巧いのですが、早いパッセージがすこし苦手そうでした。気になったのはそれぐらいで、演技も歌も十分楽しめました。

バルトロ

バルトロを歌ったブルーノ・プラティですが、あのメタボっぷりは、さすがになにかおなかに入れてますよね。恰幅がよくて、日本語も交えたコミカルな演技が面白かったです。

指揮者モンタナーロ

カルロ・モンタナーロの指揮は、実にすっきりとした味わいでした。オケをきちんと統率している感じで、オケの鳴り方もいつもより細密でくっきりしているように聞こえました。

モンタナーロ、第二幕で劇に乱入しましたね。バルトロの歌詞を「違う違う!」と指揮台から叫んでました。もちろん仕込まれた仕掛けですので、みんな笑ってましたけれど。

次回は……

次回は演出面などを書きます。1960年代フランコ政権下のセヴィリアが舞台になっていると言うことで、仕掛けがたくさんありました。私は、どうもアルマヴィーヴァがフランコ政権体制側の人物として示唆されていたように思えてならないシーンがありましたので、調べています。が、どこまで追い込めるか。。

 

それではまた。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

トスカ、まだまだ続きます。

そろそろ「理髪師」の予習もしないと行けないのですが。

今日はデイヴィス盤を紹介します。

デイヴィスの指揮はずいぶん好きなんです。「ピーター・グライムス」や「魔笛」に親しんでいました。

デイヴィスの指揮もきりっと引き締まっていて、緊張感が素晴らしいです。テンポコントロールがきまっています。

スカルピアのイングヴァール・ヴィクセルがエラクカッコイイですよ。スウェーデン生まれのバリトンで、昨年亡くなられたようです。鋭利で冷たい刃物のようなスカルピアです。

カレーラスも雄々しく雄叫びをあげます。第二幕でナポレオン軍の勝利に歓喜して絶叫するところは、さすがカレーラス!、と思います。

トスカを歌うモンセラート・カバリエがも豊潤でドラマティックです。

1976年にコヴェントガーデンで録音。

(もう36年も前ですか。。)

  • 指揮:コリン・ディヴィス
  • トスカ:モンセラート・カバリエ
  • カヴァラドッシ:ホセ・カレーラス
  • スカルピア:イングヴァール・ヴィクセル

最近夜更かし気味です。今日もそろそろ眠ります。

では。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

初台にてトスカを見てきました。

今回も前列方面でしたので、いつもになく十分に堪能しました。ありがたいことです。

3年前の「トスカ」をみた後には「このパフォーマンスが東京で、なんて恵まれている。」という記事や、「音楽か、言葉か、演出か?」なんていう記事を書いています。

今回も、このパフォーマンスを東京でみられる幸運に感謝です。

 

ノルマ・ファンティーニ!

トスカを歌ったノルマ・ファンティーニ、今回も聞かせてくれました。

というか、迫真過ぎて、見ているのがつら過ぎするぐらい。

なんだか、もう、トスカの危機的状況が手に取るように分かって、あらすじは理解しているんですが、ハラハラしました。

表情も硬軟織り交ぜているのよく分かりました。巧いです。

第一幕、カヴァラドッシが浮気をしているのではないかと疑うシーン、笑ったり怒ったり織り交ぜてカヴァラドッシを責めるあたりは、本当に役者だなあ、と思います。

パワーもものすごいです。座席が前の方だったので直接声が響いてきました。いままで味わえなかった感動です。

舞台の歴史背景

ステージの豪華絢爛さは何度見ても素晴らしいです。座席的にも舞台がよく見える場所でしたので、聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会に本当に足を踏み入れた気がします。

ちょっとイタリアに来た気分で、幸福な気分です。

今回は、歴史的経緯もちゃんと確認していきましたので、その点でも楽しめました。

第一幕最後のテ・デウムのシーンに登場した若い王妃が、ナポリ王国女王のマリア、カロリーナですね。ずいぶん若いですけれど。

どうやら教皇も登場していたようです。きっとピウス七世です。

スイス人衛兵もカッコよかったです。

雑感

しかしなあ、これから死ぬ運命にある幸福な恋人達の会話を聞くと胸が痛みます。

カヴァラドッッシも、いつ逮捕されても分からない状況にあったのに、トスカと一緒に居たいが為にローマに滞在していたわけですから。

政治を甘く見てはいけないです。お節介ですけれど、

第三幕、トスカとカヴァラドッシが感極まって、歌と絵で芸術を極めよう!みたいなことを言うんですが、これって音楽と演出のことを言っているんだろうなあ、と思ってみたり。

トスカとカヴァラドッシが巧く逃げたら、きっとカヴァラドッシが演出家になって、トスカが出演のオペラプロダクションを作ったりして。。

結局、うまくいかなさそうな二人です。

スカルピアがもし生きていたら、ナポレオンが再びローマを攻略したときに失脚するんでしょうが、巧いことやって、フランスに取り入ったりするんでしょうね。

 

今回も本当に楽しめました。ありがとうございます。

それではまた。フォースとともにあらんことを。

 

※ヌーヴォー飲んで酔いながら書いてます。。

2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera,トスカを聴こう!

本日、トスカの初日ですね。

どんな感じでしたでしょうか。

私は情報シャットダウンしてこの一週間を乗り切る予定です。

新国立劇場の来シーズのラインナップも一部発表されましたね。

「リゴレット」と「死の都」です。楽しみであります。

 

さて、第13回はスカルピアの簡単な前歴。そうか、シチリア男だったんですね。

これで、だいたい「トスカ」の周辺知識を整理できました。

次回からはディスコグラフィーに行く予定です。

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スカルピアはシチリア出身で、名をヴィッテリオと言う。

スカルピアがローマへやってきたのは、「トスカ」が舞台とする1800年6月17日の一週間ほど前であった。革命思想に共鳴する政治犯を取り締まるために警視総監として着任したのだ。

これは、ローマを占領していたのがナポリ王国であったからだ。

ナポリとシチリアは同君連合だった。当時の国王のフェルディナントは、ナポリ王としてはフェルディナント四世であり、シチリア王としてはフェルディナント三世と呼ばれていた。

ちなみに、両王国はナポレオン戦争後、両シチリア王国として合併するに至る。

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シチリアはマフィアの勢力が強いことで有名であるが、当時も山賊の本場として有名だった。スカルピアのイメージ形成の一つの要因となるだろう。

「トスカ」の幕が開けた段階で、実はスカルピアは窮地に陥っているのだ。

これは、警視総監としてローマに赴任してすぐにアンジェロッティの脱獄を許してしまったからだ。

ナポリ王妃マリア・カルローネはスカルピアを強く叱責していたのだ。

アンジェロッティを捕まえることが出来なければ、お前の首が危ういぞ、と。

スカルピアは意地でもアンジェロッティを逮捕する必要があったというわけだ。

 

新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。

チケットぴあ

2007/2008シーズン,2012/2013シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera,トスカを聴こう!

しかしずいぶん寒くなりました。
明日は赤坂に出撃予定です。仕事が無事に終わればですが。
第12回はカヴァラドッシの前歴です。そうか、ダヴィッドに習ったのですね。さすが。
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マリオ・カヴァラドッシは、画家なのだが、単なる画家ではない。ローマ貴族の末裔で自由主義と革命思想に親しんだ画家だ。
父親はパリでディドロやはりダランベールの結社に出入りしており、ヴォルテールとも親交を結んでいた自由主義者であった。
カヴァラドッシは、革命時代のパリで育ち、絵はダヴィッドのもとで学んだという設定になっている。
ダヴィッドはフランス革命期の大画家である。革命期にはジャコバン党員として政治にも関わり、国民公会の議長を務めていたことがある人で、その後はナポレオンの御用画家として大活躍する。
以下はダヴィッドの手になる「アルプスを超えるナポレオン」。
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カヴァラドッシがダヴィッドの弟子であるのならば、自ずと自由主義者になるだろう。
だから聖アンドレア・デラ・ヴァッレ聖堂の壁画を書いて、信心深いところを見せているのだ。そうして当局の目を欺こうという魂胆なのである。
なぜそんな面倒なことをしているのか?
原因はトスカにある、
カヴァラドッシがトスカと知り合ったのはローマのアルジェンティーナ劇場でのトスカの歌を聴いたからだ。
それ以来ローマを離れることができないでいる。そうでなければ王党派の勢力下にあるローマに滞在する訳がない。
結局、恋に身を滅ぼす、という言葉を当てはめることができるだろう。