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わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡 (塩野七生ルネサンス著作集) わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡 (塩野七生ルネサンス著作集)
塩野 七生 (2001/10)
新潮社

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読み終わりました、「わが友マキアヴェッリ」。面白かったですね。

ロレンツォ・デ・メディチ以降トスカナ大公国成立までのフィレンツェの歴史と、それを取り巻くイタリア史、さらにはルネサンス中期の行方がよく分る本でした。塩野さんの冷静な筆致に唸りました。マキアヴェッリの書簡などにも全て目を通していらっしゃるようで、マキアヴェッリの人となりがよくわかります。天才ではありますが、俗物的なところもある二面的な人物といったところでしょうか。本当によく仕事のできる、良い意味での「官僚」でいらしたのだな、と思いました。それでいて文才もあるから、「君主論」や「政略論」も物にして、なおかつ戯曲も書いていると来れば本当にマルチな才能ですね。

今、辻邦生師の「春の戴冠」も並行して読んでいますが、「わが友マキアヴェッリ」は「春の戴冠」以降のフィレンツェを書いていると言っても差し支えないと思います。少し重なっているところもあるのですが、「マキアヴェッリ」の焦点は、マキアヴェッリが国際政治の舞台で活躍するロレンツォ・デ・メディチ以降のフィレンツェに焦点が合っていますから。

「わが友マキアヴェッリ」に描かれているのは、イタリアへの勢力拡大を目指すフランスのヴァロワ家と神聖ローマ帝国ないしはスペインのハプスブルグ家の両家が激突するイタリア戦争の舞台裏といってもいいでしょう。本を読んであらためてウィキペディアのイタリア戦争の項目を読むと興味深いです。あるいは、イタリア戦争について先に押さえておいてから読むともっと楽しめると思います。

というわけで、いったん読了しました。次に読む予定の本もやはりイタリア史関連です。