先日も触れた名曲探偵アマデウスでフォーレのレクイエムが取り上げられていて無性に聴きたくなりました。サー・コリン・デイヴィスがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったフィリップス盤。それにソプラノはルチア・ポップですからね! 録音はやはりルカ教会です。この豊かなリバーブ感がたまりません。中音域にの柔らかさのしっとりとした感覚は至福の境地。ここは賛否両論かもしれませんけれど私はいいと思います。クライバーの「トリスタンとイゾルデ」もオケと録音場所が同じですが、印象はかなりことなります。クライバーはかなり高音によったサウンドですので。エンジニアの違いもありましょう。
しかし、この曲の持つ浄福感には癒されないわけがありません。
リベラ・メの緊張感は最後の裁きを待つかのような気分に。フォーレの管弦楽曲集で聴いた「マスクとベルガマスク」を思い出しました。いまから7年ほど前にプラッソンの全集を狂ったように聴いていたのを思い出しました。あの頃読んでいたプルーストが懐かしい。まだ半ばまでやっときたところなのですが。もちろん辻邦生先生の影響ですが。
ちょっと話がそれました。デイヴィス盤のレクイエムに話を戻しましょう。
Pie Jesuでのポップは素晴らしいです。透き通り金色に輝く啓示。神がいたとしたら、こんなふうに語りかけてくるに違いありません。他のソプラノの方の録音とも比べてみたのですが、ポップの歌は透き通るだけではなく、倍音を含んだ芯のある声と言うことが分かります。もちろんルカ教会ということもありますが。
ちょっとこれはしばらくこのCDに癒してもらわないといけません。仕事付き合いにもすこし飽きてきましたので。
今日は本を読む元気がなかったので、電車の中から携帯を使ってポストしました。ではまた明日まで。