フランス愛憎

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はじめに

最近、フーコーとかラカンなんかの関連書籍を仕事の行き帰りに嬉々として読んでいまして、なんだか昔と変わったなあ、と思うのです。というのも、昔からフランス的なものへの違和感のようなものを感じていた気がします。それは以下のような理由でした。

ビスマルク好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代、世界史が大好きでした。特に感銘を受けたのが、イタリア統一とドイツ統一の経緯でした。カブールとビスマルクという類い稀な指導者が国家統一を成し遂げる、という「美談」に高校生という若さもあり感動したわけです。

両国とも、統一にあっての最大の敵はフランスだったわけですね。ナポレオン三世です。あの、ドイツ統一を、普仏戦争に勝利し挙句敵国の宮殿で皇帝戴冠をしてしまう、という強烈なストーリーに舞い上がってしまい、ああ、ドイツって素敵で、フランスは敵だ、と思ってしまったというわけです。

ホーンブロワーシリーズが好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代に読んでいたのがいわゆる「ホーンブロワーシリーズ」というやつです。

ナポレオン戦争時代のイギリスの若き海軍士官が主人公の冒険物語で、ハヤカワ文庫10冊に渡るものでした。10年ほど前に実写ドラマ化もされました。
この物語も、ナポレオン率いるフランスが敵です。フランス海軍との華々しくない地道な戦いぶりに、戦争の厳しさを学んだものです。

ちなみに、作品中にクラウゼヴィッツが登場したと記憶しています。

辻邦生のこと

それで矛盾するのが辻邦生先生のこと。フランスに留学され、フランス文学で卒論を書いている辻先生が好きなのになぜ?という問題。

辻先生はトーマス・マンがお好きでしたので、そちらのつながりを重視することにしたのでしょう。

その結果

その結果、大学時代はフランス思想に背を向けて、カントなどのドイツ観念論をやらないとね、というふうになってしまったみたいです。

当時、フランス思想が大流行でした。フランス映画なども。幾つになっても天邪鬼で反骨な私は、どうもそうした方向に流れたくないなあ、と思ってまして、それでますます遠ざかったんでしょう。

大学を出て数年経って、パリに行きました。その頃は、辻邦生も随分読んでいましたし、プルーストも読み始めていました。ルーヴルやらオルセーは凄まじく、筆舌に尽くしがたいものでした。

その頃から徐々に何かが変わったような気がします。プーランク、フランク、フォーレが好きになったのもこのころでしたし。

で、フランス現代思想までたどり着くのには相当時間がかかりました。まだ原典を読んでいませんが(というか、フーコーの「知の考古学」をKindleで読み始めたのですが全然進まない。。)もっと本を読んで、もっと頭を柔らかくしなければ。

ドイツとフランスの敵対関係も何百年経って昨今ようやく成し遂げられたわけですから、時間はかかります。

ちなみに冒頭の写真はその2002年のパリで撮った写真。これはルーブルなはず。 まだデジカメが出た頃で、写真もきちんと撮れなかった時代です。また是非行きたいものですが、いつのことになるやら。。

終わりに

今日聴いているのはこちら。私にオルガンの素晴らしさを教えてくれたマリー・クレール・アラン女史によるフランスのオルガン曲集から、今日はフランクを。フランスのオルガンの伝統もまた素晴らしいもの。

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東京地方の今日はぐずついた天気でした。あすはもう少し良くなるはずでしたが、また雨みたいですね。雨が降っただけ暖かくなるのがこの季節ですので、雨もありがたいものです。

ではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。