Giacomo Puccini

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なにか春の風情が日に日に色濃くなる東京地方の今日この頃です。なんだか、めまぐるしく動く年度末な感じ。つうか、水面に落ちる影が綺麗。

マノン・レスコーを鋭意予習中です。ナクソスミュージックライブラリーのおかげで、同曲異演の確認ができるようになっていいですね。

今日はこちらを。

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」全曲
バルトレッティ(ブルーノ) アンブロジアン・オペラ合唱団 カバリエ(モンセラ) サルディネロ(ビセンテ) ドミンゴ(プラシド) ティアー(ロバート)
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私が聞いているシノポリ盤とおなじく、ドミンゴが参画していますが、音作りが違います。シノポリ盤はなにか交響曲を聴くような音の統一感がありますが、この盤は、伝統的なヴェリズモオペラのような劇的な感覚です。なにか古い感じがします。

つうか、間奏曲の最後のフレーズ、マーラーの復活にクリソツだ。。

先週、今週と徹夜仕事をする機会があって、生活リズムがイマイチ。いや、もう徹夜はできる人とできない人がいるし、徹夜すればするほど寿命が短くなるわけですから、とっとと寝たいんですけれどね。。早く人間になりたい。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

先日、イスラム国がイラクの遺跡や文化財を破壊している、というニュースがNHKで流れましたね。

朝日新聞でも報道されているようです。

「イスラム国」がまた文化財破壊か ニムルド遺跡に重機

日経でも同様の記事が。

「イスラム国」、イラクの世界遺産遺跡も破壊

あれを見て、タリバンがバーミヤンの大仏を破壊した事例とか、あるいは焚書坑儒、あるいはアレキサンドリアの図書館火災などを思い出しました。

こうした事例で、もろくも人間の文化遺産というものは破壊されていくわけですね。そのうちに、物品がないということから、歴史からも消えていくのでしょう。ギリシア哲学においてソクラテス以前の哲学者の言葉が断片しか残っておらず、引用からの孫引きである、という残念な出来事は、こうやって引き起こされるのでしょう。破壊された文化財も、きっと写真でしかその存在が語り伝えられず、その写真もいつまで記憶されることか。

歴史というものが如何に無力化ということを感じます。というか「歴史」は「不可能」なのでしょう。

ちなみに、イスラム国が破壊しているというニュースですが、その他の理由もあるということがネット上には上がっているようです。ニュースというものもなにか現実を伝えきれないということなのでしょう。かつてはネットなどありませんから、新聞やテレビが情報源でしたが、今ではそんな牧歌的なことも言えない時代なんですね。

今日はこちら。そろそろ予習をしないと。

Puccini: Manon Lescaut
Puccini: Manon Lescaut

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グーテナハトです。

Classical

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本日いただいた和菓子。春の風情満載でありがたい限りです。

今日は午前、午後とプライベートな用事で、休日が終わってしまいました。先週の徹夜仕事の疲れも抜けず。

ですが、マゼールを楽しんだ週末でした。マゼール、こんなにフィットするとは思いませんでした。とにかく、驚きの連続、という感じ。クラシックにこんなにスリリングなものを感じたのは、チェリビダッケを聴いたとき以来です。もっと早くに聞いておけばよかった、と後悔。

Mahler:Symphonies 1-10
Mahler:Symphonies 1-10

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では取り急ぎグーテナハトです。

Miscellaneous

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はじめに

最近、フーコーとかラカンなんかの関連書籍を仕事の行き帰りに嬉々として読んでいまして、なんだか昔と変わったなあ、と思うのです。というのも、昔からフランス的なものへの違和感のようなものを感じていた気がします。それは以下のような理由でした。

ビスマルク好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代、世界史が大好きでした。特に感銘を受けたのが、イタリア統一とドイツ統一の経緯でした。カブールとビスマルクという類い稀な指導者が国家統一を成し遂げる、という「美談」に高校生という若さもあり感動したわけです。

両国とも、統一にあっての最大の敵はフランスだったわけですね。ナポレオン三世です。あの、ドイツ統一を、普仏戦争に勝利し挙句敵国の宮殿で皇帝戴冠をしてしまう、という強烈なストーリーに舞い上がってしまい、ああ、ドイツって素敵で、フランスは敵だ、と思ってしまったというわけです。

ホーンブロワーシリーズが好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代に読んでいたのがいわゆる「ホーンブロワーシリーズ」というやつです。

ナポレオン戦争時代のイギリスの若き海軍士官が主人公の冒険物語で、ハヤカワ文庫10冊に渡るものでした。10年ほど前に実写ドラマ化もされました。
この物語も、ナポレオン率いるフランスが敵です。フランス海軍との華々しくない地道な戦いぶりに、戦争の厳しさを学んだものです。

ちなみに、作品中にクラウゼヴィッツが登場したと記憶しています。

辻邦生のこと

それで矛盾するのが辻邦生先生のこと。フランスに留学され、フランス文学で卒論を書いている辻先生が好きなのになぜ?という問題。

辻先生はトーマス・マンがお好きでしたので、そちらのつながりを重視することにしたのでしょう。

その結果

その結果、大学時代はフランス思想に背を向けて、カントなどのドイツ観念論をやらないとね、というふうになってしまったみたいです。

当時、フランス思想が大流行でした。フランス映画なども。幾つになっても天邪鬼で反骨な私は、どうもそうした方向に流れたくないなあ、と思ってまして、それでますます遠ざかったんでしょう。

大学を出て数年経って、パリに行きました。その頃は、辻邦生も随分読んでいましたし、プルーストも読み始めていました。ルーヴルやらオルセーは凄まじく、筆舌に尽くしがたいものでした。

その頃から徐々に何かが変わったような気がします。プーランク、フランク、フォーレが好きになったのもこのころでしたし。

で、フランス現代思想までたどり着くのには相当時間がかかりました。まだ原典を読んでいませんが(というか、フーコーの「知の考古学」をKindleで読み始めたのですが全然進まない。。)もっと本を読んで、もっと頭を柔らかくしなければ。

ドイツとフランスの敵対関係も何百年経って昨今ようやく成し遂げられたわけですから、時間はかかります。

ちなみに冒頭の写真はその2002年のパリで撮った写真。これはルーブルなはず。 まだデジカメが出た頃で、写真もきちんと撮れなかった時代です。また是非行きたいものですが、いつのことになるやら。。

終わりに

今日聴いているのはこちら。私にオルガンの素晴らしさを教えてくれたマリー・クレール・アラン女史によるフランスのオルガン曲集から、今日はフランクを。フランスのオルガンの伝統もまた素晴らしいもの。

L'orgue Francais
L’orgue Francais

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Marie-Claire Alain
Erato (2014-10-07)
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東京地方の今日はぐずついた天気でした。あすはもう少し良くなるはずでしたが、また雨みたいですね。雨が降っただけ暖かくなるのがこの季節ですので、雨もありがたいものです。

ではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

最近、Kindleでの読書が非常に心地よく、手放せないです。

KindleといってもiPhoneですけれど。

ともかく、これはかつてiPodに感じた爽快感に似ているものがあります。かつては、CDをホルダーに入れて持ち歩いて、CDウォークマンで聴く、ということをしていたわけですが(15年前のこと)、今はiPodにあらかじめ入れておけば、CDアルバムにして何百という音源を持ち歩くことができます。

今のところ、新書や辻邦生本などを何冊か入れていますが、電車や歩きながらKindleで読むのはなかなか爽快です。

それで今日読んでいるのがこちら。あー本当にフランス現代って面白いです。もっと若い頃に読んでいればよかったと思いますが、今読んでいるからいいんですね。

ラカンの精神分析 (講談社現代新書)
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この中に出てくるブルトンの「ナジャ」が興味深いです。私、未読なんですが、精神的に飛んでいる女性ナジャの話です。おそらく時代は20世紀なんですが、ナジャは自分がマリー・アントワネットの侍女だったと思い込んでいるわけです。もう100年以上前の出来事なのに。

この話って、ワーグナーの《パルジファル》の登場人物であるクンドリの件ととても似ています。クンドリは、自分がイエス・キリストの磔刑に立ち会っていると思い込んでいるのですから。すごくそっくりだと思いました。

これは、前世の記憶なのか、それとも本当にそれだけの時間を生きているのか。

それが幻想なのか本当なのかはわかりません。ですが、おそらく、そんなことはどうでもよく、感じている人間が主観的にそれが真実であれば、それはそれで良いのではないかとも思います。

なんてことを考えながら、電車の中でKindleを読んでました。

というわけで今日も取り急ぎです。おやすみなさい。

Classical,Symphony

昨夜の「らららクラシック」はショスタコーヴィチ交響曲第5番が取り上げられていました。この曲は社会主義リアリズムに基づいたもので、社会主義革命を賛美する楽曲である、というのは有名な話。ですが、実際にはショスタコーヴィチはそんな気はつゆぞなかったのだが、体制と折り合うために、やむなく作ったのでした。昨夜の番組の中では、この曲に隠された意味が取り上げられていました。ビゼー《カルメン》の中に登場する「ハバネラ」の楽節が第四楽章で登場します。その楽節に当てはめられた《カルメン》における歌詞は「信じてはいけない」だそうです。つまり、「革命なんて信じてはならない」ということメッセージが隠れていたというわけです。

ところがです。私は念のため《カルメン》の楽譜を見ました。そこ信じてはならない、という意味のフランス語を見出しました。Prends garde à toi というものです。フランス語の素養がありませんので(この件については現在激しく後悔してますが)、Google翻訳を通してみました。すると別の意味が出てきます。直訳だと「あなた自身のために外を見る」です。あれ、「信じてはいけない」とまではいってません。もう少し砕けて解釈すると「気をつけろ!」ぐらいだと考えます。つまり、昨日の番組の文脈で捉えると「革命には気をつけろ!」ぐらいのニュアンスになりそうです。

さて、ネットでいろいろ調べてみると、この点について指摘されている記事も見つけました。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~smacky/classic3.htm

そこには、昨夜の番組で「ラ音は「私」を意味する」とは異なる解釈も。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~smacky/index.htm
ショスタコーヴィチの真意は何だったのでしょうか。ここから先は私の感想ですが、思うに、ショスタコーヴィチほど才能のある人が、「ハバネラ」の楽節を仕込むでしょうか。そうした「真意」は、おそらくは党のお偉方には気付かれないでしょう。しかし、音楽家であれば容易に気づくに違いないのです。その時に、「革命に気をつけろ?」とか「革命を信じるな!」ということを容易に推察されては困るわけです。
だから、おそらくは別の意味も用意していたはず。
「いや、この曲は革命を賛美していますよ。ですが、あの部分は確かに「ハバネラ」に似ていますね。じつは、私の古い恋人に向けたオマージュでして。でもそれ、妻には言えませんでしょう。ですから、隠しておいたのです」という別の意味にも捉えるようにしておいて「でも、言われてみれば反革命に取られてしまいますね。偶然です。そこまでは思い至りませんでした。ああ、そうかやっぱりまずかったのかもしれませんが、そうではないのでどうか安心してください」とでも言えるようにしておいたのではないか、などと。
あくまで私の文学的想像です。
テクストではなくその先の意味が重要なのですが、そうなると真意は伝わりません。ですが、世界は事象と意味が何層にも重なるそもそも理解できないものなのでしょう。
ではお休みなさい。Gute Nacht.