昨日少し触れましたが、今、吉田健一の「金沢」を読んでいます。
きっかけは、辻邦生のエッセイに登場したから。吉田健一と辻邦生の交流がかかれているのですが、辻邦生が吉田健一論を書きたいと思ったが、そこまで至っていない、という趣旨のことが書いてあり、読んで見ることにしました。辻邦生以外の日本文学については不勉強なわたくしは、名前は存じていましたが、作品を読むのは初めてでした。
で、読み始めると、この息の長い文章のリズムが、本当に素敵で、長い文章のリズム感、あるいは波のようなうねりに身体が乗ると、とても心地が良いのです。ある意味辻邦生の文体にも似ている、と強く思いました。
これを手にとってみて、あ、ゴルトベルク変奏曲を、聞かないとと思ったのも、静謐さを感じたから、ということもあるでしょうし、音楽的なリズムのようなものを感じたというのもあるのかも。
秋雨ということで、雨が続いていますが、こういう雨の風情を感じる余裕がもう少しあれば、と残念です。
それでは。