Opera,Richard Wagner,ローエングリン研究

はじめに

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引き続き休暇の写真。あまりに絵はがき的構図で、色も巧く出ていないけれど、それっぽい雰囲気は出ていると思われます。

この写真はEOS 7Dで撮りましたが、この日まではJPEGであえて撮っています。ピクチャースタイルはスタンダードですが、風景にすれば良かった、と反省しています。

まだ瞬時に追い込むほど習熟していませんので、時後に追い込むのりしろを考えて、翌日からはRAW で撮ることにしました。

ただ、RAWだとFlickrに上げられないという難点が。なかなかうまくいきません。

ローエングリンライトモティーフ

ローエングリンのライトモティーフシリーズ。きょうは二回目。オルトルートのテーマ。

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これは第二幕冒頭に登場するフレーズですね。

裏表がひっくり返りながら、途中の転調で色彩が変わるあたりが実に面白いです。

 

 

こちらからダウンロードしてお聞きください。

https://museum.projectmnh.com/midi/lohengrin/Lohengrin_2.mid

 

もう7月が迫っているのにやけに涼しい関東地方です。電力不足にあっては天佑かもしれません。

それでは。You have.

Opera,Richard Wagner

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先週、恩賜の休暇で沖縄方面に行ってきましたが、色々写真を撮ってきましたので紹介します。

海岸の一コマ。男三人で沖縄旅行をしているようで、この後かれらは潮の引いた浅瀬で腕立て伏せをしていました。さすが。

カラヤンのリング

今日は、カラヤンのリングを最初から。まずは「ラインの黄金」を聴いて、「ワルキューレ」まで。

Die Walkure (Complete) (Comp)
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相変わらずワルキューレでジークリンデを歌うヤノヴィッツがいいなあ。か弱いジークリンデ。

ディースカウのヴォータンをいいなあ。でもこの方が歌うと、ヴォータンも神々の長らしく凛々しく賢く落ち着いて聞こえるから不思議です。

ホッターのヴォータンはちと焦燥感があって、それはそれでストーリーとあっていていいとおもうのですけれど。

 

それでは、You have.

Anton Bruckner

今日は移動日。

この写真は紀伊半島の南を対地速度567ノットで飛行中のものです。ヘディングは055。高度は3万5000フィート。順調でした。

客席から見るとボーイング747のエンジンは大きく見えます。

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飛行機に乗るとブルックナーを聴きたくなるようです。

雲海をみながらブルックナーなんて、本当に贅沢に過ぎます。

ブルックナー:交響曲第8番
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ジュリーニのブルックナーを初めて聴いたのは1998年でした。

このころはブルックナー狂いでしたので、毎週渋谷のタワーレコードに通ってはブルックナーを買いあさっていました。

ちょうどチェリビダッケのブルックナーボックスが発売になったころ。

レコード芸術誌上で名だたる評論家の方々が「この暑さの中チェリのブルックナーを何曲も聴くのは辛い」とこぼしておられたのを覚えています。

クワイエットコンフォートでジュリーニのブルックナーを聴いているんですが、実に素晴らしい。

このCDの第一楽章がはじまった9分ぐらいのところ。初めて気聴いた1998年に、この圧倒的な情感の膨らみに圧倒されたのでした。

全体にテンポは緩めですが、チェリビダッケのそれほどエキセントリックではありません。マグマのような熱塊が地面の下からゆっくりと昇ってくるようなエネルギーを感じます。

ウィーンフィルが良く鳴っていて、本当に素晴らしいです。

 

この録音を聴いて、同曲異演の面白さに開眼した記憶があります。

 

録音場所は楽友協会大ホールにて1984年5月。

明日からは通常業務に復帰です。

それでは、You have.

Opera,Richard Wagner,ローエングリン研究

先週末の16日で新国立劇場の「ローエングリン」も終了と言うことで、オペラ界は夏休みです。

が、休みはないのですね。

次のターゲットはバイロイトです。

ということで、予習してきたローエングリンのあれこれを復習して、次のターゲットに備えましょう。

ライトモティーフを整理してみることにしました。

まずは。ファンファーレから。

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こちらから聞いてみましょう。

 

※うまく開けない方こちらからダウンロードできます。

https://museum.projectmnh.com/midi/lohengrin/Lohengrin_1.mid

 

このファンファーレ、全部Cメジャーだけで構成されているのですね。三音だけでこの迫力ですか。素晴らしい!

オリンピックのファンファーレですね。しばし、ロス五輪のファンファーレを思い出しました。

このテーマは、この後も何度か出てきます。私はハインリヒ国王のテーマではないかと思うぐらいなのですが、ファンファーレとして認知されているのみのようです。

民衆を動かすには、こうしたシンプルで勇壮なフレーズがふさわしいのでしょうね。

高校の体育祭で、友人のトランペッターが騎馬戦(だったかな?)で、競馬のファンファーレをトランペットで吹いた途端に、全員が盛り上がりまくったのを思い出しました。

 

ちなみに、自分の勉強のために、こんな感じで譜面を入力しています。

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イメージしているのは、吉田秀和のドキュメンタリー番組ですかね。。

あのとき吉田秀和は譜面を切り貼りしていて、「こういう手仕事が大事なんです」みたいなことをおっしゃっていたはずで、それをマネしている感じです。

 

それでは。You have.


6/23:MIDIファイルへのリンクを追加しました。

Giacomo Puccini,Opera

ゆえあって海辺に来ております。思いの外天気がよく、日に焼けて体が真っ赤になってしまいました。まったく……。湯船につかろうと足を入れた途端に激痛が走り、泣きそうになりました。

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ホテルの部屋にはコンポが備え付けられていました。ですが、iPodをつなぐことが出来ず残念です。接続ケーブルを持ってくるべきでした。

で、何枚か持って来たCDを聴いています。

聴いているのは、シノポリが振る「マノン・レスコー」。

Puccini: Manon Lescaut
Puccini: Manon Lescaut

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やっぱり、シノポリはカッコイイ!

ダイナミクスなもちろん、テンポにキレがあって、実に清々しいです。

第二幕が終わるところ、テンポを急速に速めて緊張感を作り出すのですが、よくあるやりかたとはいえ、グッと迫ってくるものがあります。

いつもと違う環境で聴くと言うこともあり、あらためて新鮮さ抜群で、カミさんといっしょに、ひえー、かっこいいわ、と二人で驚きながら聴きました。

マノンはフレーニ、デ・グリューはドミンゴ。

ドミンゴが歌う男達は、みんな優しく甘いです。ローエングリンもそうでした。

フレーニのパワーはいつも通り。最後、ルイジアナの砂漠で死に絶えるときでも、絶叫な歌声で(これはオペラによくある矛盾?)圧倒されます。

このCDを聴いて、無性にこの曲を聴きたくなり、ミュンヘンに行ったことがありましたねえ。まだバブルな時代のお話。

明日は台風がくるようです……。

 

それでは。You have.

Opera,Richard Wagner

私の新国立劇場2011/2012年シーズンは終わってしまいました。

バイロイト音楽祭を楽しむには

さて、次のイベントはバイロイト音楽祭です。もちろん、実際に行くことはできなので、ウェブや放送で楽しむことになりそうです。

バイロイト音楽祭を楽しむ方法は、現在私が知っている限りでは以下の通りです。

  1. 本家バイロイト音楽祭のオンデマンドウェブで観る。
  2. NHKの生放送で観る(本年もあるかどうかは不明)
  3. ウェブラジオで聴く
  4. NHK-FMで聴く

今年は、3.ウェブラジオ を中心に考えてみようと思っています。

パルジファルはガッティが降板しジョルダン。この方は1974年生まれの俊英で、現在はパリ国立オペラの音楽監督です。

タンホイザーとオランダ人は両方ともティーレマンが担当するとは。

というわけで、本日はここまで。明日以降も続きます。

それでは、You have.

2011/2012シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera,Richard Wagner

ラヴリーな新国立劇場の建築。全然飽きないです。色々写真を撮ってみました。

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さて、今回の実演を聞いて、それ、言っちゃダメだから、という言葉がローエングリンの口から何度が出てきました。

そんな言葉を三つ選びました。

秘密の存在をばらしてしまった。

これは、演出のシュテークマンの前書きに触発されたのです。

曰く、ローエングリンは女心など知らぬうぶな若者で、やってはならないことをしているのである。

その最たるものが、自分には秘密があるんだよ、ということを女の子に言ってしまっていると言うこと。

本当に秘密ならば、秘密の存在すら秘密にしなければならないのに。

 

でも、ローエングリンはたかだかに名前は秘密だから教えられんのだよ、といってしまう。

 

本当にエルザを愛していて、一緒にいたいのならば、エルザに秘密を暴かせるようなことをしてはいけないのだ。

トリスタンが、タントリスと名前を変えてイゾルデの治療を受けたように、あるいは、ジークムントが、本名をかき回したように。

グリーンローエとか、リンローエングとか。

あるいは、ジョン・スミスとかでも良いわけだし。

臣民の前でエルザに最大限のプレッシャーを与えた

第二幕、テルラムントが、ローエングリンに名前をあかせ、と迫るシーンがあります。もちろんローエングリンは名前を言うことはありません。テルラムントのような反逆者に名乗る筋合いなどはないのだ、と一蹴します。

その次に、テルラムントは、じゃあ国王陛下に名乗るべきだ。国王陛下には言う義務があるのだから、と。

そこで、ローエングリンはこういう。いや、国王にさえ言う義務は負わないのだ、という。このときの国王の気分はいったいどうなんだろう、と心配になります。

で、次がひどい。

私に命じられるのは、エルザだけなのだ、というわけです。

政治や主従関係を愛情関係に転換してしまうというわけです。

エルザはここまで言われてしまうと、プレッシャーですよね。

ローエングリンは、事前エルザに名前を聞くな、といっておきながら、みんなの前では、エルザに聞かれたら答えるしかない、と言ってしまいます。

エルザはどうすりゃいいねん、という感じ。

 

秘密があれば、人間はそれを暴きたくなり、さらにそれを暴けるのが自分だけだ、と言われれば逡巡するに決まっているのです。

 

臣民の前でエルザに恥をかかせた。

あとは、最後のシーン。

エルザに名前を聞かれたので、私はローエングリンです、と言ってしまいます。

で、そのあたりでこういうのですよ。

「エルザが約束したことは、みんな知っているよね。名前は決して聞きませんって誓ったよね。でもね、聞かれちゃったんだよ。その硬い誓いを破って。だから僕はここから去るんだ。じゃあね。」

って書いてしまうと、かなりふざけた感じですが、現代に置き換えるとこうなってしまう。

本当に愛しているのならですよ、エルザをもっとかばわなきゃ、と思うのです。

もちろん神的意味があるんでしょうけれど、そうした神的なものをきちんと開示していないから、エルザも人間の一人として、問いを発したくなるわけです。

気の毒なエルザ。

まとめというか。。。

というわけで、現代の社会に当てはめてみると、ローエングリンは結構いまいちな男なんじゃないか、と思ってしまったりしますね。

ワーグナーはそうではないと思います。なぜなら、エルザを描写できているから、です。

たぶん。

 

本当に人間勉強になりますわ。だから面白いのですよね。

 

というわけで、本日はこの辺で。You have.

2011/2012シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera,Richard Strauss

新国立劇場「ローエングリン」第二回。昨日の続きです。

カメラ変えたので写真がきれいになりました。開演前のオペラパレス。F2.0のレンズは明るい!

キャスト

昨日の記事にはキャスト表が書いてありませんでしたので、取り急ぎ記しておきます。

  • ハインリヒ国王:ギュンター・グロイスベック
  • ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
  • エルザ:リカルダ・メルベート
  • テルラムント:ゲルト・グロホフスキー
  • オルトルート:スサネ・レースマーク
  • 王の伝令:萩原潤
  • 合唱:新国立劇場合唱団
  • 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • 演出:マティアス・フォン・シュテークマン

 

強力無比なエルザ

エルザを歌ったメルベート。第一幕の衣装が幼い感じで、なにかそぐわない感覚がありましたし、歌唱の方も最初は調整中だったようで、少しどきどきする瞬間もありました。

ですが、第二幕以降、徐々に力強さが見え始め、第三幕のローエングリンとのバトルでは、ヒステリックに叫ぶエルザのある意味女らしさというものをよく表現しておられたと思います。

それにしても、ここまで強いエルザというのは、私の中の勝手な先入観を塗り替えるものでした。

この方はきっとブリュンヒルデやエレクトラもいけるかもしれない、などと思ったり。エレクトラは聴いてみたいな。

演出では、苦悩するエルザとなっていましたので、そうした苦悶とか茫然自失の状態を巧く演じておられたと思います。

悪役オルトルート?

さて、オルトルートを歌ったのはスサネ・レースマークです。深みのあるメゾでした。なにより、これはもう生まれたときからオルトルートという感じです。

糾弾されるローエングリンをなめ回すように見やったり、テルラムントが猛り狂っているのを冷たい目で眺めているのだけれど、指先だけは細かく動かして、なにかいらついているような空気を出したり、などなど。

 

次回の予定

次回は、演出や物語についての気づきなど。

なんだかいろいろあって、面白かったのですよ。

というわけで、今日はこのあたりで。You have.

2011/2012シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera,Richard Wagner

 

行って参りました、新国立劇場「ローエングリン」。

マエストロ・シュナイダー!

マエストロ・ペーター・シュナイダー、いつも通り素晴らしかったです。

私は、前奏曲の冒頭であまりの透き通るような柔らかい音に涙が溢れました。

(勝手に盛り上がっていただけかもしれないけれど、本当です)

前奏曲の最高潮のところも美しかったなあ。あそこも泣けた。というか、前奏曲終わったところで、顔が涙でベタベタでした。

マエストロの絶妙なテンポコントロールは、ローエングリンとテルラムントの闘いの最後のティンパニーのところがすごかった。あの絶妙な名人芸的テンポコントロールはマエストロシュナイダーを大好きな理由の一つです。

もう一つは、第三幕の前奏曲のテーマの四小節目のところ(たぶん)。あそこも絶妙にもたらせていてすごかったです。その後の弦のレガートの強調も良かったなあ。

あとは、うねるような音量のコントロールがすごいです。歌や息づかいを見計らってオケの音量を微細にコントロールしているところ。こういうところも私が好きなところです。

指を動かしたり、指を指したりして、マエストロがオケを操るのをオペラグラスで観るのも実演ならではの楽しみです。

それにしても、オケの音がこんなに変わってしまうんですね。弦楽器の透明感が本当に良かったです。

金管群には少し苦労しておられたような気もしましたが、私は熱烈に拍手しブラボーを叫びましたですよ。

ブーイングした人がいたのには驚きました。マエストロも動揺されていたというようなこともウェブ上にありましたが、賛否両論あるのがある意味健全なので、仕方がないですね。

マエストロのサインをもらいたくて、楽屋口で待ちましたが、このDVDをもって行ったんですけどね。

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ですが、さすがに別の出口から出られたようです。あのお歳で、五時間指揮棒を振って、サイン攻めに逢うのは少し気の毒なので、仕方がないです。納得。

 

最先端ローエングリン歌手のフォークト

まずはフォークトのこと。

これが最先端のローエングリン歌手! という驚きでした。

初めて実演を聴いたわけですが、録画録音を聴いただけでは分からない驚きです。

本当に、よくぞ日本に来てくださった、という思いですね。

非の打ち所がないというのはこういうことを言うのでしょう。

ピッチ問題なく、声量も素晴らしい。声質はあまりに純粋。スタイルは抜群で舞台映えするかっこよさ。

ヒーローですね。

Herdenというアルバムを出す権利はこの方のためにあるのでしょう。

 

ヘルデン
ヘルデン

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で、楽屋口で出待ちして、サインをもらって握手してしまいました。。

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来年もいらっしゃるようなので、聴きに行かなければなりません。

 

しばし

演出も面白かったです。パンフレットにあったシュテークマン氏の文章が面白くて、そう言う見方で観ましたが、納得することばかり。

明日は早起きなので、まずは今日はこのあたりで。明日も書く予定です。

それでは、You have.