2012/2013シーズン,Benjamin Britten,NNTT:新国立劇場,Opera

明日も新国立劇場で公演がありますね。

14時からですので、会社勤めの方には辛いですが、かえってすいているかもしれません。

 

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今日も、新国立劇場「ピーター・グライムス」の凄かった演出の一部を書き留めておきたいと思います。

 

第三幕の最終部分。

ここで、エレンがみせる仕草が凄かった、という話。

 

村人達が教会の座席のように並んだ椅子に座っていて、全員が紙を顔の前に掲げて、前を向いて歌を歌っているわけです。

これが先日書いた通り、「群生相」のもと行動しているという証です。

ピーター・グライムスの船が沈んでいく知らせを、皆が知らん振りをしています。

 

心を痛めているのはエレンだけ。

 

でも、村人達の白い目に耐えかねるようにエレンも最後には座席について、他の村人と同じく紙で顔の前に掲げるところで、ちょうど幕が下りるという演出でした。

 

エレンも、最後にはやはり、ピーターを死に追いやった村人達の中に戻っていかなければならなかったわけです。生きるために。

エレンの心の中が見通せるような気がして、心臓をわしづかみされてしまいました。

悔しさとか無力感とか虚しさとか、そういう気分が入り交じった複雑な心境なんだろうなあ。

あるいは、エレンもピーターを愛していたはずで、大きな喪失感があったはず。それからピーターを裏切っているという背徳の感情もあったのでしょう。

 

あれは、我々社会に生きる人間が、生きるためにやっていることなんだよなあ、なんて思ったりしました。

一番観ていて辛くて、印象深い場面でした。

Richard Wagner

いよいよ今晩放送です。

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

 

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<追伸>

ついでに、これはBILD誌の画像。メルケル首相は、4年前と同じドレスでバロイトに来たらしいです。カミさんに聴いていたんですが、たまたま画像を見つけましたのでご紹介。

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Opera,Richard Wagner

Wagner;Parsifal
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Opera,Richard Wagner

毎年恒例になってしまったNHKのバイロイト音楽祭放送ですが、本年は8月26日深夜(8月27日未明)のBSプレミアム枠で放送されます。

2010年はティーレマンの「ワルキューレ」、2011年はネルソンスの「ローエングリン」でしたが、今年はヨルダンの「パルジファル」と言うことになります。

今年は生中継ではなく、録画のようですね。8月11日の公演の放送だそうです。

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

バイロイトのパルジファルの演出は、ナチス治世化のドイツをモティーフにしたもので、バイロイトのたどった歴史的経緯も相まってとても興味深く楽しみですね。

私は、先だってBR Klassikで放送された音源で予習しましたが、まとまりのある充実した演奏だと感じました。奇を衒うようなことはないですし、テンポを激しく動かしたり、レヴァインのように遅めたりしない印象です。ですが、劇的な部分は激しく闊達です。若さ故のキレがあるといいましょうか。

キャストを以下の通りまとめておきます。

  • アンフォルタス:デトレフ・ロート
  • ティトレル:ディオゲンス・ランデス
  • グルネマンツ:ヨン・クワンチュル
  • パルジファル:ブルクハルト・フリッツ
  • クリングゾル:トーマス・イェザトコ
  • クンドリ:スーザン・マクリーン

楽しみでなりませんねえ。

というわけで、今日も予習中です。

Opera,Richard Wagner

パルジファル、今度はショルティ盤を聴いています。

Wagner;Parsifal
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ウィーン国立歌劇場での録音で、パルジファルはルネ・コロ、クンドリはクリスタ・ルートヴィヒ。そして、アンフォルタスはフィッシャー=ディースカウです。

しかし、フィッシャー=ディースカウが歌うと何でもかっこよくなってしまうですよねえ(笑)。

「ローエングリン」のテルラムントでも、悪役なのにカッコイイので、あれれ、と思いました。これはもちろん凄いと思っているのです。

アンフォルタスは悪役ではありませんが、やられキャラです。なのにこのカッコ良さ。第一幕でティトレルの前で独白する場面、メチャいいです。

Opera,Richard Wagner

今日もパルジファルばかり。

Parsifal
Parsifal

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ほんとうに、カッコイイ曲なんです。

聴けば聴くほど体になじんできて、一つ一つの音が隅々まで行き渡る感じです。

 

この曲で感動する場面がいくつかあるんですが、今日はその中の一つ、第二幕でパルジファルが「アンフォールタース!!」と絶叫するところ。

 

聖なる槍を取り戻そうとグルネマンツの城へ辿り着いたパルジファルですが、色仕掛けに惑わされて、堕落してしまいそうになります。

クンドリにキスをされた瞬間に、パルジファルは我に返り、同じくにクンドリに籠絡されたアンフォルタスの苦悩に気づくのです。

そこで叫ぶ「アンフォールタース!!」は、パルジファルの生まれ変わりの証左です。

2010年4月に東京の春音楽祭で「パルジファル」の演奏会形式を聴いた時、ここで感動しまくって、ザーっと涙が流れたのを思い出します。

 

では、フォースとともにあらんことを。

Opera,Richard Wagner

昨日は、恩賜の休暇で娑婆へ降りました。本日からまた任務開始ですが、世間は引き続き休暇とのことで、電車は空いている感じで助かります。

先週末にティーレマンのパルジファル音源を入手しました。

Parsifal
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こちらも、パルジファルはドミンゴですね。この方の神々しい声は、ローエングリンもパルジファルもよく似合います。

ついでに、「影のない女」の皇帝もよく似合う感じですね。こちらはショルティと組んだ録音があります。

いずれも、世間ずれしない無垢なる勇者というところですかね。

ドミンゴは、こういう役も巧いと思います。

というか、私がこういうドミンゴばかり聴いているというのもあるかもしれませんけれど。

 

次は映像だなあ。どこかにないかしら。。

 

さて、明日は8月15日ですね。

先週の月曜日に広島、木曜日に長崎、そして明日終戦。こういう時間感覚のなかで重大な決断がなされていったのだなあ、と、今年は特に感慨深いものがあります。多分、「組織」への理解が進んだからだと思います。毎日楽しいです。

 

それでは。フォースとともにあらんことを。

Richard Wagner

というわけで、臨時休業の本日は、都内に出て所要を済ます一日。

その間、ずっとカラヤンのパルジファルを聞いています。

マーラーより耽美的で、ブルックナーよりつややかで、シュトラウスより深刻な音楽。

皮肉や笑いのない世界は、ワーグナーの意図通り宗教儀式としか言えないです。

グルネマンツはクルト・モルで決まりだなあ。

あと一ヶ月はこれで楽しまないと。

Giacomo Puccini,Opera,Richard Wagner

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

やはり、今年のバイロイト生中継はパルジファルでした。8月27日未明に放送だそうです。盛り上がってきました。NHKは3年連続で生中継ですね。今年は、欧州各地の映画館で上映するらしいですが、日本ではNHKを受信料だけで見せてくれるのですからうれしい限りです。

昨年まではかなり大きくNHKウェブで告知されていた気がするのですが、今年は当たり前のようにプレミアムシアターにラインナップされていました。

予習始めないと。。

8月20日未明に放送されるザルツブルク音楽祭のボエームは、ダミアーノ・ミキエレットの演出ですか。2011年の新国「コジ・ファン・トゥッテ」の演出だった方。楽しくてカッコイイ演出だったので今回も楽しみです。

Opera,Richard Wagner

ベームの神々のたそがれを聴いています。

Wagner: Der Ring des Nibelungen
Wagner: Der Ring des Nibelungen

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おそらくこの盤だと思います。1967年のバイロイトにおける録音。

このアルバム、プロンプターの声が入っていて面白いです。たまにありますけれど。

この版はヴィントガッセン&ニルソンという伝統の声です。

いまはまだ第一幕で、グンターの館でのシーンですが、その前のラインの旅のところの躍動感は凄いです。手に汗握る、というのはこういう感じなんだろうなあ。

録音は1967年のバイロイトにて。録音としてはいいとは言えませんが、時代の空気は良く伝わってきます。

ベームの立体的で隅々まで光の行き届いたサウンドを楽しむことが出来ます。うねりとか、

やっぱり神々のたそがれはカッコイイ。

で、スターウォーズのテーマが聞こえてくるあたりが面白いです。

※※※※

どうも、最近体重が増えすぎているらしいです。

おそらくは晩酌のせいかと。

泡盛「直火請福」を「ぬちぐすい(沖縄方言で「命の薬」)」と読んで愛飲しているためでしょう。

泡盛は、翌日に残りませんので手放せません。