イタリア紀行2007 その42 鐘楼と聖マルコ大聖堂
今日一日でイタリア旅行は終わる。明日は早朝の飛行機に乗ってフランクフルト経由で帰国することになっている。 そのヴェネツィア最終日、まずはサン・マルコ広場の鐘楼に昇り、ヴェネツィアの全景を眺めてみようと思う。
サン・マルコ広場に到着したのはそんなに遅い時間ではなかったのだが、鐘楼の登り口には長い列が出来ている。さすがは世界レヴェルの観光地であるだけあって、すさまじい人混み。
鐘楼にはエレベータが付いていて、アルバイトとおぼしき若い青年が、あたかもエレベータガールのように、ドアの開け閉めをしているのだが、分厚い文学書を読みながら仕事をしているのだ! エレベータが鐘楼の頂上に登り降りする細切れの時間をつかって、少しでも読書を進ませようとする意志の強さと言ったら、言葉が出ない。
待つこと十数分でようやくエレベータに乗ることが出来て、鐘楼の頂上へと辿り着く。天気の良さは格別で、雲の類も何一つ浮かばぬ純正な青い空。家並みの赤い屋根瓦がどこまでも続いている。すばらしいのは、フィレンツェでも同じだったが、衛星放送を受信するパラボラアンテナまでも屋根瓦と同じ色に塗られていると言うこと。景観にたいする生真面目な態度に感銘を受ける。
今朝もやっぱりアクア・アルタ気味で、排水溝から海水が逆流している。鐘楼を降りて、サン・マルコ大聖堂の入り口へと続く長い列の最後尾に付いたのだが、聖堂の正面は海水に浸っていて、我々の列は、水の上に渡された板の上を進んでいく。聖堂の玄関もやはり水浸しだった。
サン・マルコ大聖堂の絢爛さと言ったら言葉も出ない。天井を形作る幾つもの円蓋の内側は金色のモザイク画で飾られている。このモザイクの放つ煌々たる気配だけで聖堂内が照らされているようだ。ヴェネツィア巡礼の目的ともなった、聖マルコの遺骸が納められた石棺にはラテン語の碑文が刻まれている。蝋燭の静かな光が心地よい。さすがにこの雰囲気ではカメラを構えにくい。
鐘楼から見下ろした広場。排水口から海水がわき出している。その様子を撮影する男。
遠景。巨大な客船が停泊している。
サンマルコ広場。やっぱり排水口から水が湧いている。屋根瓦の統一感が素晴らしい。
ディスカッション
ニョッキさん、コメントありがとうございます。
客船、ものすごく大きいのですよ。浮かんでいるのが不思議なぐらい。私もびっくりしました。
こんばんは。
ベネチア、素敵ですね。
私もヨーロッパの都市や建築に最近少し興味が出てきました。
(結構BSテレビで放映されていたりするので)
一度も行ったことがないのでいつか・・実現できればと思ってます。
それにしてもチョー巨大な客船ですね。オドロキです。
rudolf2006さん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、日本の景観はどこに行っても一緒ですね。全国を席捲するチェーン店の看板ばかりが目につくような。そう言う意味では、フィレンツェもヴェネツィアも伝統的な景観を大切にしているのだ、と言うのがよく分かりました。日本でも見習いたいですが、木造建築が主流だった昔の景観にもどすわけにも行かず、と言うところで、難しいですね。京都の景観論争を思い出しました。
Shushiさま お早うございます。
ベネチア旅行 最終日になりましたか
長い間、愉しませてもらいました。
景観を守る、というか変えないというところ
日本も見習ってほしいところですね
日本の景観はどこの都市に行っても同じ光景しか見られない感じになっていますね~。
本当に残念ですね。
ドイツでも、大戦前の景観にいまだに戻そうとしているところもありますよね、それが文化を守るということだと思うのですが~。
ミ(`w´)彡