失われた三ヶ月──バッハとバーバー

チェリビダッケ指揮でバーバーの「弦楽のためのアダージョ」を二回聞いてから、パユのフルートでバッハのブランデンブルク協奏曲第5番を聞いています。バーバーのほうは、昂ぶる気持ちをやわらげてくれますし、バッハのほうは、やわらいだ気持ちに鍬を入れて耕してくれているようなイメージ。不毛な土地に何かが生まれる予感、だといいのですけれど。

今日、久方ぶりに辻邦生師の「パリの手記」を手に取ったのですが、中に入っていけないという悲しみを覚えました。それはそうです。この三ヶ月間、文学からは少々遠ざかり気味でした。確かに読んだ本の数だけでいえば30冊以上は読んだと思いますが、すべて実践的な内容のものばかりでした。それはそれで生きるために有用な知識を得ることができましたので、プラスにはなったのですが。 「パリの手記」のような評論を読む量が絶対的に少ない。それに小説を読んだ数だって絶対的に少なすぎる。今年ベースで言えば、前半に塩野七生さんの「ローマ人の物語」をかなり読破しましたが(「ローマ人の物語」を小説に数えれば、の話ですが)、この三ヶ月は目も当てられないです。

クラシックを能動的に聞けなかったという意味でもこの三ヶ月は悔いが残ります。あるいは年始に目標に掲げた「プルーストの再開」も果たせていません。 読みたい本は山ほどあるのですが、読む時間も体力も足りていないという感じ。まあ、少々厳しい感じの目標ではあったのですが。 とはいえ、まだ残り二ヶ月ありますから、がんばるのですが。

ところがです。帰りの電車で良いことが待っていました。

続きはあした。

 

失われた三ヶ月──バッハとバーバー” への2件のコメント

  1. こんにちは、お久しぶりです。Tです。
    また過去記事へのコメントから失礼いたします。
    パユのバッハ、いいですね。
    1989年の神戸国際コンクールで、まだ無名だったパユがコンテスタントとして受けに来ていて、ロビーで「ジェームス・ディーンばりのハンサムが受けてるわよ!」という噂で持ちきりだった事を思い出します。
    前列の席に目立つ外人が座っていて、すぐに噂の人だと解りました。ルックスだけでなく、その時の選択曲で武満の「Voice」をたった一人選択し、初めてこの曲を聴く聴衆を圧倒する演奏を披露し、観客を沸かせていました。
    ノンビブラートのバロック奏法を取り入れて成功している例では、P.ガロワもお勧めです。
    (最近ガロワにはまっています)
    「夏の海の色」、今半ばを過ぎた辺りです。
    表題作は既に読みましたが、たしかに美しい短編でした。
    今回、黄色い場所からの挿話により興味を惹かれるのは、多分自分自身の年齢のせいでしょう。
    以前は、子供時代の「私」が見る世界に自分自身が近く、今はエマニュエルと「私」を取り巻く大人の世界に自分が近いからだと思います。
    (正直に言うと、大人の男女の機微を、二十歳そこそこの自分には理解出来ていなかったことを白状します。)
    少し遅くなりますが、読了しましたら、またメールで感想を送りたいと思います。

  2. haynes50030さん、コメントありがとうございます。過去記事を拾ってくださりありがとうございます。パユのバッハは凄いですよね。私も一発でコロリとやられてしまいましたので。パユのコンテスタントのお話はとても興味深いです。パユも無名時代というのがあるのですね。
    「夏の海の色」はまだまだ終わりそうにないです。最近ちょっと忙しすぎで、家族に怒られているぐらいでして。私もおそらく初めて読んだ18歳のころとは違う読み方が出来るのではないかと思っています。最近は、早く読まないと、読むチャンスがなくなってしまうという焦りがあります。。。
    またのご来訪をお待ちしております。

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