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行ってきました、蝶々夫人。箇条書き形式でレポート。

  • ジャコミーニさん、偉大すぎる。本当はお年を召していると思うのだが、白い米国海軍の軍服を着て、背筋を伸ばして登場する。歳を感じさせない演技とスタイル。かっこよすぎる。若々しい所作が素晴らしい。
  • そして、歌も素晴らしすぎて感歎。柔らかいのだが、剛気があって、張りがある。ドラマティックで甘く雄々しい。低音域の豊かな倍音が、高音域でも持続している。ドミンゴの甘さやパヴァロッティの華やかさとは全く違う魅力。
  • ジャコミーニさんの中に、イタリアオペラの歴史を感じる。きっと本場でもこうやって演技したり歌ったりしているんだなあ、と。それを東京で見られることの幸福といったら、贅沢過ぎる話だ。
  • ジャコミーニさんは、2004年の新公立劇場「道化師」でカニオを歌われたのですが、そのとき以上の感動です。他のブログでは賛否両論あるようですが、私は間違いなく賛の方です。
  • 蝶々夫人の岡崎さんも良かったですよ。国際級の声ですね。声も通っていたし落ち着いた演技も良かったです。
  • 若杉さんの指揮、タメを巧く使って、オケを感動領域までぐいっともちあげる感じ。巧くコントロールしていたと思います。
  • オペラを聴き始めて四年半、内外の劇場で39回見たけれど、今回のパフォーマンスに最大級の感激。僕のクラシック視聴歴最大のパフォーマンスだったと思います。これ以上のパフォーマンスを次に観られるのはいつになるんだろう。
  • というか、私、第一幕ずっと泣いてました。涙が止まらないのですよ。ジャコミーニさんの姿をみてなぜか涙、声を聴いても涙、弦の対旋律に涙、岡崎さん(蝶々さん)が登場するところで涙。そして、ジャコミーニさんと岡崎さんの二重唱で最高潮に涙が滂沱と溢れました。歳のせいかもしれませんが、音楽にここまで泣いたのは、クラシック聴きはじめて25年ぐらいになるけれど、初めて。
  • しかし、誰か一人が若杉さんとオケにブーイング掛けたんだよねえ……。なぜなのか分からない。確かに序奏は、若杉さんとオケのコミュニケーションがとれていなかったのだが、それ以降は、そういう善し悪しを越えた素晴らしい演奏だと思ったのに。人それぞれ受け取り方は違うと思いますので、仕方がないですが。
  • まあ、他の日の公演の様子をブログで見てみると、いろいろと違った意見があるようなので、仕方がないですかね。
  • しかし、プッチーニは偉大だなあ。オーケストレーションも神業だし、メロディ・メーカーと来ている。自分がどれほどプッチーニが好きなのか、よく分かりました。

 劇は悲劇に終りますが、時を忘れた幸せな二時間半でした。プッチーニ様、若杉さん、ジャコミーニさん、岡崎さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました、と言う感じですね。

指揮
若杉弘
オーケストラ
東京交響楽団
ピンカートン
ジュゼッペ・ジャコミーニ
蝶々夫人
岡崎也加子
シャープレス
クリストファー・ロバートソン
スズキ
大林智子
ゴロー
内山信悟

写真は、終演後の新国立劇場玄関です。


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いつも読ませて頂いている「葉っぱに埃がついたので水をかけて払ってやったでちブログ」のrudolf2006さんが、森麻季さんの記事を書いていらしたので、触発されてまとめてみました。

森麻季さんのことは、このブログの前身「Museum::Shushi」で何度か取り上げました。

○ 森麻季さんのリサイタル
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/11/09-224156.php

○森麻季さんのムゼッタ
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/25-155655.php

○森麻季さんのハイドン「四季」
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/08-235047.php

○森麻季さんのCDと、マーラー「一千人の交響曲」の思い出
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2004/04/15-231642.php

その森麻季さんが、今年の11月のザクセン州立歌劇場日本公演で、ばらの騎士でゾフィーを歌います。
○ドレスデン国立歌劇場来日公演買っちゃった。
http://museumshushi.blog77.fc2.com/blog-entry-202.html

ご自身名義のCDは二枚出ています。

あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD) あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD)
森麻季 (2004/02/18)
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愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集 愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集
森麻季 (2006/10/25)
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それで、二枚目のCDが未聴なので、聴きたいなあ、と思った次第。伴奏がオケですからね。もう発売されてから、かなり経っていますが……。買わないでごめんなさい。ラインナップは以下の通り。

1. 私の心の光(ドニゼッティ:シャモニーのリンダ)
2. ようこそ皆さん・・・今日という日は(ベッリーニ:夢遊病の女)
3. 彼の優しい声が(ドニゼッティ:ランメルモールのルチア)
4. あなたの優しい声が(ベッリーニ:清教徒)
5. 今の歌声は(ロッシーニ:セビリャの理髪師)
6. 不思議だわ・・・花から花へ(ヴェルディ:椿姫)
7. 私が街を行けば(プッチーニ:ラ・ボエーム)
8. 私のお父さん(プッチーニ:ジャンニ・スキッキ)

というわけで、思い立ったが吉日。今日注文します。ロッシーニと、プッチーニに激しく期待しています。ボエームのムゼッタのワルツは、森麻季さんの十八番なのでしょうか、2004年だったかのNHKニューイヤーオペラコンサートでも、2004年のサントリーホールオペラ「ボエーム」でも、2005年のリサイタルでも、やはり素晴らしいムゼッタを聴かせてくれました。森麻季さんは本当に巧いです。声質は高く華やかで透明です。またリサイタルに行こうっと。

森麻季さん、NHKのトップランナーにも出ていました。

http://www.nhk.or.jp/tr/2006album/060917.html

イタリア留学時の苦労、ドミンゴとの出会いなどに加えて、同時多発テロ直後のワシントンナショナルオペラで歌ったとき、全米がテロの恐怖にうちふるえる中にあっても、オペラに多くの観客が入って、とても感動した、といったお話。

3月22日は、ゼンパーオーパーで、ばらの騎士のゾフィーを歌っています。指揮は準・メルクルさん。2007年11月の来日公演と同じですね。

森麻季さんの公式サイトはこちら。綺麗ですね。
http://www.makimori.com/

それにしても、どうして新国立劇場には出演されないのだろうか? そろそろ新国で聴いてみたいです。