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夢そよぐ風 夢そよぐ風
イリアーヌ (2004/05/26)
BMG JAPAN
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ここのところ疲れ気味で、音楽に正面から向き合えない感じ。いつもなら楽しんで聴けるプッチーニやシュトラウスにもそっぽを向かれている感じ。というより、「カプリッチョ」聴いて涙ぐむぐらい疲れているらしい。

年度が替わって、部署も変わって、忙しくなってきたからかなあ? それとも少し早い五月病だったりして。

でも、このアルバムを毎日聴いて英気を養っています。通勤は90分ぐらいかかるのですが、最後の20分間は決まってこのアルバム。帰宅するときも最初の20分は必ずこのアルバム。

イリアーヌ・イリアス「夢そよぐ風(Dreamer)」です。

以前にも紹介しました。

http://shushi.s39.xrea.com/mt/2004/05/04-232357.php

曲のラインナップです。

  1. Call Me
  2. Baubles, Bangles And Beads
  3. Photograph
  4. Movin’ Me On
  5. So Nice
  6. That’s All
  7. Tangerine
  8. Dreamer
  9. Time Alone
  10. Doralice
  11. A House Is Not A Home

 特に、冒頭Call MeとPhotographのアンニュイな感じ、たまりません。それからBaubles, Bangles And Beadsの洒脱な感じ。いいですな。

サックスは、もちろんマイケル・ブレッカーです。さっきサックスの練習をしていたときに、Call Meを聴きながらブレッカーの真似をしようとしたのですが、どだい無理な話でした。Call Meって、冒頭で激しく転調するのですが、この転調であのメロディアスなフレーズを吹けるだなんて、本当にマイケル・ブレッカーは偉大だと思います。あまりに偉大すぎるので、自分が矮小にみえて、また落ち込んだりして。

Youtubeで、イリアーヌがCall Meを歌っている映像を見つけました。CDの音源よりフェイクしている感じ。シンプルなカルテットですが、CDの音源は、オケもサックスも入ってますからね。この映像よりももっと充溢していますよ。

Classical

なんどかこのブログでも描いた覚えがあって、いまさら、という感じもするのですが、ロシア五人組といたらこのCDについて書かずにはおられないのです。

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もうこのCDとの出会いも何度も書いたような気がします。一連のチェリビダッケ盤がEMIから市場に出回り始めたのが1997年末から1998年にかけてだったと記憶しています。ぼくがタワレコでクラシックCDを気が狂うようなペースで買いあさっていた頃でした。

そ れで、渋谷のタワレコでいつものようにCDをあさっていたら、流れていたのですよ、チェリビダッケのテンポの遅い「プロムナード」が……。度肝を抜かれま した。こんな遅い演奏、ありなんだ、って。それまでに聴いていた展覧会の絵は、カラヤン盤とジュリーニ盤でしたので、こんなにトリッキー(?)なテンポ 取りすること自体信じられなかったのです。こんなのありなんだ、と思うと共に、これってめちゃくちゃ格好がいいんじゃないか? と思ったわけです。ここま で遅いテンポで、これだけグルーヴ(?)できて、激しく歌っている演奏をするチェリビダッケはすごい! と思い、ボックスCDを買いにレジに走っていったわけ です。

それ以来、チェリビダッケの演奏、特にブルックナーを振った演奏にしばらくのあいだまるで金縛りにあったような気分で聴いておりま した。ブルックナーのテンポの遅さもやはりすごかった。でも歌ってるんだよなあ、チェリビダッケの演奏は。遅いテンポをとるにはそれなりの難しさがあると いうのは、ジャズコンボでフロント取っていたのでよくわかる気がするのですが(もしかしたらクラシックでは違うのかもしれませんが)、遅ければ遅いほど、曲の細部が拡大さ れて、素っ裸状態になるわけですよ。ごまかしのきかない世界。そこでチェリビダッケは雄々しく闘っているのだなあ、と思ったわけです。

そういう意味では、チェリビダッケの世界に誘ってくれた僕にとっては思い出深い盤がこの「展覧会の絵」だったというわけです。

ムソルグスキーのことというより、チェリビダッケのことになってしまいましたが……。趣旨とは違う感じで申し訳ありません。