ブーレーズのマーラーの8番を聴いていたのですが、どうもしっくり来なくて、そういえば、今週ブラームスで感動したバーンスタインって、どういう演奏だったかな、などと思って、バーンスタインがウィーンフィルを振った8番の第二部を聴き始めると、期待に違わず素晴らしい演奏です。どうしていままで気づかなかったんだろう。
ザルツブルク音楽祭のライヴ録音で、随所にバーンスタイの声が聞こえます。歌っていますね。テンポのダイナミクス、音量のダイナミクスの取り方が素晴らしくて、人によってはあまりに情感的すぎるなどとおっしゃる向きもあるかもしれないのですが、今の僕にとっては妥当なものに思えます。神秘の合唱にまで至る輝かしい道程。じっくり歌わせるところは歌わせて、ノリの良いところはテンポ良く進んでいきます。この演奏もライブで聴くときっと凄いのでしょうね。
ソリストで言うと、法悦の教父を歌う、ヘルマン・プライさんが素晴らしい。芯のあるつややかな声で情熱的な歌いまわし。一気に好きになってしまいました。テノールのケネス・リーゲルさん、すこし狂おしい感じのテノールでマリア崇拝の博士を情感たっぷりに歌いあげています。
ただ、欠点もあって、以前にも書いたと思うのですが、オルガンの音が良くないのです。それだけが残念。まあライヴレコーディングだから仕方がないでしょうか。
- 作曲==グスタフ・マーラー
- 指揮==レナード・バーンスタイン
- 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
- 合唱==ウィーン国立歌劇場合唱団
- 少年合唱==ウィーン少年合唱団
- ソプラノ、罪の女==マーガレット・プライス
- ソプラノ、贖罪の女==ジュディス・ブレーゲン
- ソプラノ、栄光の聖母==ゲルティ・ツォイマー
- アルト、サマリアの女==トゥルデリーゼ・シュミット
- アルト、エジプトのマリア==アグネス・バルツァ
- テノール、マリア崇拝の博士==ケネス・リーゲル
- バリトン、法悦の教父==ヘルマン・プライ
- バス・黙想の教父==ヨセ・ファン・ダム
- 録音==1975年8月
- 場所==ザルツブルク音楽祭