Classical

バーンスタインのブラームスを聴いています。先日はなんだかしっくり来なかったブラームスの交響曲第三番なのですが、昨日から聴き始めていて、あれ、これは素晴らしいじゃないか、などと急に意見が変わってしまいました。バーンスタインの語法になれてきたと言うこともあると思います。僕の中で何かが変わったと言うことですね。最初は気に入らない演奏であっても、聞き込むうちに理解できてくると言うことなのだと思います。こういう経験は何度あっても嬉しいものです。

第一楽章の冒頭はテンポ遅めなのですが推進力を失うようなことはなく、その後もスロットルを調整しながら飛行を続けるようなイメージです。最近バーンスタインを聴いて思うのは、その場その場で妥当と思われるテンポをしっかりと把握して主張している演奏なのだなあ、ということです。

それから、第二楽章後半の伸びやかな弦楽器が素晴らしい。バーンスタインに目覚めてまだ一ヶ月も経ってないうちにこうした判断をするのは危険かもしれませんが、こういうふうに弦楽器を引っ張って引っ張って歌わせるあたりがバーンスタインらしさの一つなのではないでしょうか。

有名な第三楽章も冒頭のチェロの旋律が泣かせますね。ここでもテンポは抑え気味で、叙情性たっぷり。いいですね。もしかしたらこういう演奏を湿っぽいものとして忌避する向きもあるかもしれませんが、私は嫌いではありません。もっと淡々と演奏するやり方もあると思いますが、今の私にはこちらの方がよりふさわしい演奏だと感じられます。

第四楽章は聴き慣れたテンポに復帰しますので、ほとんど違和感を感じることはありません。だからといって面白みを失っているわけでもありません。ある種の「ノリの良さ」のようなものを感じます。グルーヴ感と言う言葉を私はよく使っていますが、この言葉自体はジャズの演奏を評価するときに使うと便利な言葉だったりするのですが、そうしたグルーヴ感を感じるのですね。おそらくは、裏で支える弦楽器のピチカートの打点が的確だからそう感じるのでしょうね。

いずれにせよ、この二日間は、バーンスタインのブラームスに楽しませて貰ったという感じです。バーンスタインを見る目(聞く耳)が少しずつ醸成できてきたと思います。もっと聴いてみたいですね。バーンスタイン盤のお勧めがあれば、是非コメントなどで教えていただければ本当に嬉しいです。

  • 作曲==ヨハネス・ブラームス
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音録画==1981/02/01
  • 場所==ウィーン、ムジークフェラインザール

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