Opera

カラヤン盤、ドンジョバンニ、ライナーノートの対訳を読みながら全曲聴き終わりました。通勤時間にライナーを見ながらiPodで聴いていたのですが、4営業日ぐらいかかってようやく、というところ。楽しかったです。

(ネタバレありですので、ご注意下さい)

それにしても、このオペラって、ジョバンニ、レポレロ、エルヴィラが大変ですね。むしろ、レポレロ、エルヴィラの二人の出来不出来がこのオペラの成否を握っているのではないでしょうか? もちろん欲を言えば、アンナ、ツェルリーナ、オッターヴィオも巧い方に歌って欲しいですが。

今回聴いた中で、気に入ったアリアはエルヴィラのアリア、第一幕第三場「ああ! だれが私に告げてくれるでしょう」と、第二幕第21場の「あの人でなしは私をあざむき」でしょうか。アグネス・バルツァさんが細やかなレース織のような美しさを披露して下さいます。

エルヴィラは本当に不思議な女性です。ドン・ジョヴァンニに棄てられて怒っていると思いきや、まだあきらめきれずにいて、ドン・ジョヴァンニを改心させようとまでする。真面目一徹な女性。それでいて美しいとなると、得難い女性だと思うのですが、ドン・ジョヴァンニは質ではなく数な男なのですね。エルヴィラはドン・ジョヴァンニへの憎しみと愛情の板挟みで苦しみ続けます。ドン・ジョヴァンニが地獄落ちとなってからのエルヴィラの心情の動きはリブレットからは読み取れませんが、これから後も、相反する感情にしばらくは苦しむことになるのではないか、と思います。

しかし、騎士長が冒頭に殺されてしまい、どうなるかと思ったのですが、あんな形で復活するとは驚きました。最終幕部のドン・ジョヴァンニの振る舞いは尊敬に値しますね。あそこまで勇気を持ち潔いとあれば、騎士の名も廃ることはありません。

そもそもこのオペラを聴こうと思ったのは、新国立劇場で12月に公演があるからです。新国立劇場のアンサンブルは、ツェルリーナ、マゼット、騎士長は日本人で、そのほかは外国勢。別に日本の方の歌を否定するわけではありませんが、欧州のほうが裾野広く歴史も深いわけですので、当たる確率は高くなりますので。

Opera

昨日の記事に追記の形で。

このホフマン物語はコベントガーデンで収録されたものです。ホフマン物語では、ジュディッタ、オランピア、アントニアのソプラノ4人にくわえて、狂言回しとまでは生きませんが、舞台を鳥瞰する役割を担うズボン役のミューズ=ニクラウスのメゾソプラノが登場します。もちろん悪役のリンドルフもしっかりしたバスバリトンでなければだめ。主人公のホフマンだって、並大抵のテノールではなかなか勤め上げることはできないでしょう。

実は、「ホフマン物語」は二度見たことがあります。空恐ろしいことに1回目はウィーン国立歌劇場にて。2回目は東京の新国立劇場にて。ウィーンの「ホフマン」は演出、歌手どなたもすばらしくて、圧倒され続けました。ホフマンはサバティーニでした。あそこまでオペラの舞台は力を持っているのか、と本当に驚いたのでした。

桟敷が同じだった年配の女性(日本人の方です)と話す機会がありまして、その方は「ウィーンでみたあとだと、東京の「ホフマン」はがっかりされるかも知れませんよ」などとおっしゃっていたのですが、新国立劇場のほうも、ウィーンとまではいきませんでしたが、健闘が見られたと思いましたね。出色のできはエレナ・ガランチャさんのミューズ=ニクラウスでした。

そこで、このDVDの紹介なのですが、ここではジュリエッタをアグネス・バルツァさんが歌っておられます。ドン・エルヴィアの時と同じように、やはりソプラノパートを、メゾソプラノも歌えるバルツァさんが起用されているわけです。ここでもやはり、「ドン・ジョヴァンニ」で感じた透き通る美しさを堪能することができます。どうやら僕はバルツァさんの高音域の力のある透明な声に魅せられているようです。だから「ばらの騎士」のオクタヴィアンの歌唱では焦点が良くあわすことができなかったのだ、というところだと思います。残念なのは、ジュリエッタの幕は他の幕に比べて少し短いところ。バルツァさんの歌がもっと聴きたかったのですが。もちろんホフマンを歌うプラシド・ドミンゴの若々しく張りのある歌声にも参った、という感じです。

Classical,Opera

「この方を聴きたい」というシリーズを始めることにしました。私の勉強したことを書きますので、お読みの方々にとっては自明のことかも知れませんが、どうかおつきあいを。

第一回は、最近の私的ブームであるアグネス・バルツァさんを取り上げたいと思います。

アグネス・バルツァAgnes Baltsa Aγνή Mπάλτσα)

<略歴>

1944年11月19日ギリシア生まれ。アテネ音楽院で学んだあと、ミュンヘン、フランクフルトで学ぶ。1964年、ジョルジュ・エネスコ声楽コンクールで第一位となる。1968年フランクフルトの歌劇場で「フィガロの結婚」のケルビーノ役でデビュー。翌年※1ウィーン国立歌劇場「ばらの騎士」でオクタヴィアンを歌う。1970年にはザルツブルク音楽祭に出演。世界的に有名になったのは1975年のザルツブルクイースター音楽祭でカラヤンがクリスタ・ルートヴィヒの代役として起用してから。「カルメン」のタイトルロールが当たり役。バルセロナオリンピックの開会式にも出演。レパートリーは、「カルメン」タイトルロール、「コジ・ファン・トゥッテ」ドラベッラ、「ナクソス島のアリアドネ」作曲家、「トロイ人」のディド、「ドンカルロ」エボリ公女、「アイーダ」アムネリス、「サムソンとデリラ」デリラなど幅広い。

※1:「ばらの騎士」「ドン・ジョヴァンニ」のライナーでは、「1968年の翌年」とあり、1969年と推測されるのだが、ウィキペディアでは1970年にウィーン国立歌劇場デビューとされている。

<私的思出>

アグネス・バルツァさんをはじめて聞いたのは、「ばらの騎士」をカラヤンが二回目に振った盤で、やはりオクタヴィアンを勤めていらっしゃる音源がはじめて。バーンスタインが振るマーラー交響曲第八番のDVDもアグネス・バルツァさんが登場しているのを見たりもしていました。ところが、不思議なことにあまり気になる存在の歌い手さんではいらっしゃらなかったのです。

それが覆ったのは、最近集中的に聞いている「ドン・ジョヴァンニ」カラヤン盤のドンナ・エルヴィラ役を聞いてから。この透徹とした、まるで雪の結晶のような美しさは! 高音域の声が録音場所のベルリン・フィルハーモニのリヴァーヴによく乗っていて、きいているだけでうれしくなります。

バルツァさんはこのCDでは子音を弱めに発音されているように思えます。イタリア語の子音の持つアタックが少し弱い感じなのですが、それが却って歌の旋律の流れを浮き立たせていて心地よいのです。

そうして改めて、「ばらの騎士」カラヤン盤のオクタヴィアン役を聞いてみると、自分がアグネス・バルツァさんの歌に焦点をまったく合わせていないことに気づいたのでした。「ドン・ジョヴァンニ」のエルヴィラ役のようなほとばしる輝きは見られないのですが、深みのある声で充実した歌声を聞かせてくれます。

調べてみると「カルメン」が当たり役だということを知りました(いまさらで申し訳ないですが)。是非にも聴いてみたいですね。課題です。

<私的な参考音源>

  • R・シュトラウス「ばらの騎士」(CD)
    R.シュトラウス:ばらの騎士
    トモワ=シントウ(アンナ) ウィーン国立歌劇場合唱団 ペリー(ジャネット) リップ(ビルマ) ポッシュナー(ブリギッテ) シマ(ガブリエレ) バルツァ(アグネス) ビンザワー(バルトラウト) ミュラー=モリナーリ(ヘルガ) ヒンターマイヤー(マルガレータ)
    ポリドール (1997-04-09)
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  • モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」(CD)
    モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
    カラヤン(ヘルベルト・フォン) レイミー(サミュエル) ブルチュラーツェ(パータ) トモワ=シントウ(アンナ) ウィンベルイ(エスタ) バルツァ(アグネス) フルラネット(フェルッチョ) マルタ(アレクサンダー) バトル(キャスリーン)
    ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-16)
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<参考文献>

  • 黒田恭一「歌い手について」『ドン・ジョヴァンニ(F95G 20068/70)』 CDライナー
  • 「演奏者紹介」『ばらの騎士(POCG-3598/700)』CDライナー
  • 「アグネス・バルツァ」『ウィキペディア日本語版』2008/08/20 4:35JST

 

Classical

昨日に引き続き。後半は難しいです。まだまだ修業が足らないことがよく分りました。

 

Q51. 一回のコンサート(オペラ)に最高いくらまで出したことありますか?

35000円です。バレンボイムの「トリスタンとイゾルデ」です。

Q52. コンサート会場に何か物申すことあります?(一般的にでも、個別のホールに対してでも可)

東京文化会館は地震が起きたとき大丈夫なのでしょうか?上階の客席がいつ落ちるのか、と冷や汗もので、怖いです。

Q53. では新国について、どう思いますか?

当たり外れはあるけれど、あたったときはすごい。主役は結構いい人が来るようになったかもしれませんが、脇を固める方がもう少し良いともっと楽しめるのですが。

Q54. 会場でマナーの悪い人に遭遇したことありますか?こいつは生かしておけん!というのがいたら教えてください。

あります、あります。

  1. 森麻季さんのリサイタルのカーテンコールで、禁止されているというのに、何度も注意されたというのに、デジカメでパシパシフラッシュを焚いて写真をとり続けるオヤジ1。そのオヤジを後ろから殴りつけたオヤジ2。オヤジ1とオヤジ2は殴り合いの喧嘩を始めましたが、もう浅ましくて見ていられませんでした。
  2. 新国立劇場のビュッフェカウンターで、素知らぬ顔をして割り込むオヤジ。
  3. 新国立劇場の売店で、店員を怒鳴りつけ商品を投げつけたオヤジ。

Q55. 演奏会にはどのようなファッションで行きますか?愛用ブランドとかあったら教えてください。

全身黒い服を着ている男がいたら、それは私です。

Q56. 某オーケストラの事務局で働いているあなたは、来シーズン以下のようなビッグネーム指揮者を呼ぶことに成功しました。マエストロ達は次のような曲が振りたいと言っていますが、どれも意外な選曲で主催者としては困ってしまいました。
どれか1つしか認められないとすれば、どれを選びますか?それは何故?
1、 リッカルド・ムーティが、シベリウス/交響曲第4番
2、 ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーが、ワーグナー/ワルキューレ第一幕(演奏会形式)
3、 クリスティアン・ティーレマンが、ラヴェル/ダフニスとクロエ
4、 ニコラウス・アーノンクールが、ラフマニノフ/交響曲第2番
5、 マイケル・ティルソン・トーマスが、バッハ/マタイ受難曲

→ ロジェストヴェンスキーのワルキューレに決定。序奏部からしてすごいことになりそう。

Q57. 外国でコンサート(オペラ)聴きにいったことはありますか?あれば少し聞かせてください。

  1. ベルリンコンツェルトハウスでベルリン・シュターツカペレ
  2. パリのバスティーユオペラ
  3. ミュンヘンのバイエルンシュターツオーパー
  4. ドレスデンのザクセンシュターツオーパー
  5. ウィーンのシュターツオーパー
  6. ローマの野外オペラ

行こうと思えばもっと行けたかもしれませんが、体力的な限界でいけませんでした。ちょっと後悔しています。外国で見るというのはいろいろな面で大変です。今後はもういけないかも。

Q58. コンサート帰りに寄れるような会場周辺のお薦め飲食店を教えてください。

外食をしないので、特にないです。

楽器編
Q59. 楽器演奏できますか?できる方は楽器の種類と演奏歴を教えてください。出来ない人、てゆーか楽譜読めますか?

サクソフォーンを15年ぐらい前にはじめました。ジャズですけれど。小さい頃はピアノも習ってました。譜面は自信がないです。私の場合、耳コピでジャズのテーマとインプロバイズをまかなっていた気がします。もちろん譜面読んでやった演奏もいくつもありますけれど。

Q60. やってみたい楽器を教えてください。

オーボエ。難しそうです。

Q61. 楽器ができる方が音楽をわかっていると言えると思いますか?

「音楽が分かる」という境地がどういうものなのか分かりませんが、それが「音楽を聴いていて楽しい」という境地であるとすれば、楽器の出来不出来は関係ないと思います。「音楽に対して意見を言える」、ということであれば、楽器をやっている方のほうが鋭い視点をお持ちだと思いますので、いつも尊敬しながら、話を伺ったり、拝読したりしております。

Q62. 楽器レッスンでの先生・師匠の思い出を語って下さい。学校の音楽の先生の思い出でもOK。

特にないです。ピアノレッスンは小さい頃だったので覚えておりません。サックスは独学でした。

Q63. 合奏でやりたいパートを挙げてください。

木管リード楽器です。オーボエかクラリネット。

Q64. ピアノ曲で弾いてみたい曲を教えてください。

シューマンの交響的練習曲とリストの巡礼の年第二年を弾いてみたいです。小学校の頃、ブレンデルの演奏を聴いてはまりました。高校時代に巡礼の年第二年をモティーフに小説を書いて期末テストの点数をかさ上げしました。

Q65. オーケストラの一員とソリスト、どっちで舞台に上がりたいですか?

なにも歌えないのに舞台に上げられて、困っている、という夢は見ます。オペラのアリアを歌わないと行けないという悪夢。ですので、舞台に上がる以前に何かできるようになりたいです。夢にでるぐらいなので、ソリストなのでしょうか。

Q66. どうしても好きになれない楽器があったら教えて下さい、またその理由も教えてください。

ギターが苦手です。特にフォーク系。クラシックギターはまだ聴けます。あとは、単純なビートを刻むベース。

Q67. 右手で3拍子、左手で4拍子、振り分けること出来ますか?

これは大学時代からの課題。三拍四連でリズム取れるようになろうとがんばったけれど、できません。

Q68. あなたの知っている楽器メーカーを挙げてください(国産、外国メーカーなんでもあり)

セルマー、ヤマハ、ヤナギサワ、キング、ジュピター、スプレンダー
(→サクソフォーンメーカー。最近はもっと増えているらしいけれど)

Q69. バッハのBWV1013番の曲で使われている楽器は?

ガーン、知らないので調べました。クラヲタ失格。フルートですか?

音楽家編
Q70. あなたのおすすめの演奏家(含む歌手)を教えてください。

指揮者

  • カルロス・クライバー
  • サー・サイモン・ラトル
  • セルジュ・チェリビダッケ
  • ウルフ・シルマー
  • ペーター・シュナイダー
  • ベルナルト・ハイティンク

歌手

  • ジュゼッペ・ジャコミーニ
  • グンドゥラ・ヤノヴィッツ
  • イレーネ・テオリン

Q71. 世界一のオーケストラは、ずばりどこ?

やっぱりベルリン・フィルじゃないかなあ。だが、シュターツカペレ・ドレスデンもコンセルトヘボウ管もいいですぞ。

Q72. 日本のオーケストラに何か物申すことあります?(一般的にでも、個別のオケに対してでも可)

個別の議論はさておいて、十年以上前に比べたら、相当レベル上がっていると思います。本当はいろいろ聴きに行きたいのですが。岡田暁生氏曰く、やはり音楽はライヴが一番ですので。

Q73. N響の次期音楽監督は誰になってほしいですか?

そうですねえ。ウルフ・シルマーさんはいかがでしょう?

Q74. あの世から一日だけ生き返ってくれる音楽家がいたら、誰に生き返ってほしい?

迷うことなく、カルロス・クライバー。一度でも実演に触れてみたかったです。

Q75. 競演してみたい演奏家を教えてください。

ラトルの指揮に接してみたいです。

Q76. 弟子に入ってみたい音楽家を教えてください。

セルジュ・チェリビダッケというと、相当Mですね

Q77. あなたの知っている音楽家の笑い話を教えてください。また聞きでも可。

笑い話じゃないけれど、チェリとクライバーは犬猿の仲だったのだけれど、日本公演の帰りの飛行機のファーストクラスでばったり同じになってしまって、よくよく話してみるとお互いいい感じじゃない、見たいな雰囲気になった、というのが、個人的に好きなエピソードです。

Q78. あなたの知り合いに音楽を職業にしているプロの方はいますか?(名前はあげなくていいです)

いらっしゃいます。

Q79. 音楽の教科書にのっている音楽家の肖像画に落書きしたことありますか?

記憶にないですが、小学校低学年の頃は教科書という教科書に落書きしていましたので、きっと音楽の教科書にも落書きしていたでしょうから、音楽家の肖像画にも落書きしていたと思います。

Q80. J・S・バッハに何人子供がいたか知ってます?

知らないです。

Q81. ブラインドテストで演奏家の違いを聞き分けることが出来(ると思い)ますか?

たぶん無理。
ラン・ランとバレンボイムの演奏をあてたことはありましたが。
(実は苦手な二人なのです)

いろいろ編
Q82. お宅のオーディオ環境を教えてください。

iPodとクワイエットコンフォート2です。ステレオはないです。ミニコンポならありますが。

Q83. CD以外の音楽メディアとしては何をお持ちですか?

DVDとVTRです。MP3のCD-ROMを買ったこともあります。

Q84. CD・LP、楽譜、楽器以外に集めている音楽関連グッズって何かあります?

いや、ないです。クラヲタ失格?

Q85. ではここで一つ持ち物自慢をどうぞ!(誰それのサインを持ってるとか、幻のレコードを持ってるとか)

特にないです。クラヲタ失格?

Q86. 通勤通学時もクラシック聞いてます?

平日は通勤時間しか聞けないです。

Q87. クラシックのMIDIについてどう思われますか?

あまり聴いたことないですし、自分で作ったこともないです。

Q88. あなたの知っているクラシック替え歌を教えてください。

「あなたも共産党員」、っていうやつ。たしかチャイコフスキーの交響曲第四番でした。

Q89. あなたの印象に残っている音楽マンガ・小説・映画を教えてください。

細かいことは忘れてしまいましたが、七年ほど前に一生懸命読んでいた「失われた時を求めて」で、やけに音楽の描写が凄いなあ、と感動したのを覚えています。また読み始めないと。途中で止まったままですので。

あとは、のだめ。月並みですいません。

Q90. 突然ですが、日本人であるあなたが西洋の伝統音楽であるクラシック音楽を聴くということに、何か疑問を感じたことはありますか?

日本人が聴くことには疑問を持っていませんが、私が音楽を聴いていることに対する疑念は常にあります。本当に聴けているのだろうか、という不安です。

Q91. 学生時代(小中高大)の音楽の授業で印象に残っている出来事を教えてください。

大学で「音楽の歴史」という一般教養課程の授業をとったときのこと。今、作曲家を目指している友人と一緒にとったのですが、授業後に彼と音楽を語り合ったのが印象的。頭の良い男でした。

Q92. では学校時代の音楽の成績、良かったですか?正直にお答えキボンヌ。

良く覚えてないです。良かったような気もするし、そんな言うほどじゃなかった気もするし。ただ、音楽の先生に「君は音楽のセンスがある」と言われたことがあって、そのときは凄く嬉しかったです。

Q93. クラヲタなのにやってしまったこっ恥ずかしいエピソード、あったらここでカミングアウトしてください。

これは特にないですね。

Q94. それではクラヲタでよかったと思った体験はありますか?

お恥ずかしい話ですが、コンサートやオペラで、弦楽器の音を聞くと、きまって涙がでるのですよ。その瞬間です。

Q95. 逆に最もひどかった体験は?

周りには隠しているので、あまりないです。

Q96. 尊敬するクラヲタいたらどんな人か教えてください。

クラシックブログを書いておられる方々です。いつも勉強になります。

Q97. 音楽がなくても生きていけますか、或いはその自信がありますか。

自信ないです。きっとつまらない毎日だと思います。

Q98. 奥様(彼女)/旦那様(彼氏)から「あたしとクラシック音楽と、どっちがだいじなのっ!」と迫られたら、なんと答えますか?

そう言うことをおっしゃる方にはそもそも近付かないようにしています。

Q99. ズバリあなたにとってクラシック音楽とは何ですか?

いつまでたっても答えがみつからないものです。冒険というとすこし気障ですが、好奇心が沸き立ってくるものです。それがなかったら人生は相当つまらないと思います。いつまでも、音楽を聴くことのできる時代が続いて欲しいと思います。

Q100. お疲れさまでした。最後に一言物申してください。

さらにクラヲタの高みを目指して頑張ります。

 

Classical

いつも御世話になっている、ニョッキさんの「クラシックCD好きのホルン吹きニョッキ」、よんちゃんさんの「司馬氏のアイーダ」で「クラヲタへの100の質問」をされていたのに触発され、よせばいいのに(クラヲタに成りきれてないので)、書いてみることにしました。長いので、前編と後編に分けてアップします。

プロフィール編
Q1. まずHN、職業と生息地を述べてください。

HN:Shushi
Project Manager ?/ SE ?
関東地方

Q2. クラヲタ歴何年ですか?
24年だけれど、途中の6年ほどジャズ・フュージョンばかり聞いていた時代もあるし、じっさいは15年ぐらいではないでしょうか? もっともクラオタは目標であり実績ではないです。

Q3. クラヲタになったきっかけは?
10歳ごろに、親父殿がエアチェックしていたチャイコフスキー「悲愴」か「スラヴ行進曲」を聴いてから。

Q4. よく聴くジャンルはどのあたりですか?

変遷ありますが、今はオペラです。なるべくオペラを聴くようにしています。

Q5. クラシック以外にどんな音楽を聴きますか?
ジャズ・フュージョン。故マイケル・ブレッカー氏に傾倒していました。

Q6. クラヲタであることは恥ずかしいですか?友人同僚にカミングアウトしてます?

カミングアウトしてないです。
恥ずかしいというよりいらぬ誤解を受けそうなので。そういう職場ではないのですよ。

Q7. 最近はやりのライトクラシック系(ボチェッリやimage、Jクラ系など)をどう思う?
自分でCDを買って聞いたことないです。Jクラには森麻季さんも入りますか?

Q8. U野コーホー師についてどう思う?(知らない人はパスして下さい)

「メータのブルックナーを聞いて、あまり良くなかったと感想を言っているものがいるが、それは間違っている。ブルックナーを知っている人ならメータのブルックナーなど聞くものではないことを最初から分かっているのだから」
といったようなことを書いておられたのが印象的ですが、そこまで断定できるほど自信があるということはすばらしいことだと思います。

Q9. 携帯の着メロは何ですか?

魔笛の序曲。

Q10. クラシック音楽の雑誌を読んでいますか(有料無料不問)?よく読むものを挙げてください。

最近は読んでいません。高いし場所とりますし……。

Q11. クラシック音楽関連の情報を主にどこから入手しますか?

インターネットです。特に諸先輩のブログが役立っています。

Q12. あなたはCDリスナー派?コンサートゴーアー派?

オペラはゴーアー派。そのほかはiPodリスナー派。今後の目標はネットラジオリスナー派。

曲目編
Q13. 「食わず嫌い選手権~クラシックヴァージョン~」が開催されます。大好きな曲4つと実は苦手な曲1つを教えてください。

好きな曲や嫌いな曲は変遷するものですが、今日(2008/08/17)はこんな感じ

大好きな曲:
リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」
リヒャルト・シュトラウス「カプリッツィオ」
リヒャルト・シュトラウス「影のない女」
ワーグナー「ヴァルキューレ」

思い起こすと、シュトラウスばっかりなので、「ヴァルキューレ」はあえて入れてみた。本当なら、シュトラウスの「サロメ」か「インテルメッツォ」も入れたかったのだけれど……。

苦手な曲:

シベリウスが苦手でしょうか。早く楽しめるようになるといいのですが。

シベリウスに開眼しました!(2008/12/01)

Q14. お薦めの知られざる名曲ありませんか?

ヘルマン・ゲッツのピアノ五重奏曲。いいですよ。ブラームス的なメランコリー。

Q15. あなたの知っている変なタイトルの曲を教えてください。

思いつかないです。クラヲタ失格。

Q16. 日本が世界に誇る名曲は何?

武満徹「弦楽のためのレクイエム」

Q17. 自分が死んだ時の葬式で流してほしい曲を教えてください。

「ばらの騎士」最後の三重唱 =>リヒャルト・シュトラウスと同じです。移ろい行くときの流れを懐かしみながらも諦念する境地は死ぬときにこそ必要なもの。

Q18. メンデルスゾーン『無言歌集』全48曲の中から3曲選んでください。

ガーン。またクラオタ失格

Q19. クラシックビギナーの彼(彼女)ができました。最初に聞かせたい曲、CDは何?

クライバーの「運命」でしょうか。あまりに素晴しい演奏。

Q20. クラシック音楽が使われて印象的だったTVCMとその曲名を教えてください。

→ アリナミンVのショスタコーヴィチ「レニングラード」です。古いですが。

Q21. 地図にも載らぬ小さな公国から御前演奏の依頼がありました、何の楽器で何の曲を演奏しますか?

ボレロをテナーサックスで吹いてみたい。
ソロイストとしてなら、バッハの無伴奏××をアルトサックスで吹いてみたい。

Q22. 春夏秋冬、あなた的な感覚でそれぞれの季節にふさわしい選曲をお願いします。

春:プフィツィナー:ヴァイオリンソナタ作品27第四楽章 (きれいすぎる)
夏:外山雄三「ラプソディ」 (→夏祭りだぜ!)
秋:ブラームスの弦楽六重奏 (→秋ですねえ)
冬:ブラームス:クラリネット五重奏曲(→雪振る街でこの曲聞きながら窓の外を眺めていたことがあった)

Q23. あなたが朝の目覚めに聴きたいと思うクラシックの曲を教えてください。

そう言えば、昔はメシアンの「主の降誕」が目覚ましだったなあ。

Q24. あなたの知っているオペラの歌詞の一部を書いてください。
" Morgen mittag um Elf !"
「明日の11時ですって!」
リヒャルト・シュトラウス「カプリッツィオ」

Q25. 三行程度でオペラのアリア(歌詞)を作ってみてください。

 作れたら、別の道に行っていたでしょう。

Q26. 自分のリサイタル・コンサートが開けることになりました。プログラムを作ってください。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ(サクソフォーン編曲版)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ(サクソフォーン編曲版)

Q27. オペラで演じてみたい演目や役柄を教えてください。

シュトラウス「カプリッツィオ」のフラマン

Q28. 最近どうしても耳から離れない曲って、何?

今日時点では、蝶々夫人の第一幕最終部の二重唱

CD編
Q29. さて、CD(LP)何枚持ってますか?

??800枚ぐらい??

Q30. そのなかからお気に入りベスト3を挙げてください。

今日時点です。
シュトラウス「カプリッツィオ」ベーム盤(ヤノヴィッツとディースカウがすばらしくて)
シュトラウス「ばらの騎士」クライバー盤(DVDですが許して下さい)
マーラー交響曲第八番 ショルティ盤(もう二〇年以上大好き)

Q31. 一番沢山の同曲異演盤を持っている曲と、その枚数を教えてください。

なんでしょう?
数えてきました。
ブルックナー交響曲第八番 22枚

Q32. 月に何枚くらいCD買いますか?どんなジャンルが多いですか?

最近は買いません(買えません)

Q33. 買って本当に後悔した糞CDは何ですか?

恐れ多くてかけませんが、某ヴァイオリニスト名義のバロックの協奏曲。

Q34. あなたが持っている名珍盤を教えてください。

うーん、なんでしょう。ブルックナーの交響曲のオルガン編曲盤ですかね。
これはメジャーですので珍盤ではないですね。
→クラオタ失格

Q35. 最近買って当りだったCDは何ですか?

最近はCD買っていないです。

Q36. 懐に優しいメジャー廉価盤・ナクソスのお薦めを挙げてください

ナクソスもあまり買わないですね。

Q37. 日本のレーベルから出して欲しい曲を教えてください。

CD買わないので……。

Q38, CD復刻・再発して欲しい名演奏を挙げてください。

クライバーのばらの騎士、CDでも出してくれないかなあ。
クライバーのボエームなんかもきちんとした音源で聞いてみたい。

Q39. 実在しないけど、こんな演奏者によるこんな曲目のCDあったらなあ、というのを挙げてください。

クライバーのマーラーってあります??
聞いてみたい。

Q40. 人生で初めて買ったクラシックCD、LPは何でした?それって、まだ持ってます?

マーラーの交響曲第八番ショルティ盤です。まだ持ってますよ。

Q41. どこでCDを購入する事が多いですか?行きつけのショップはありますか?

昔は、渋谷のタワレコで買い物症候群的に買いあさっていました。
ストレス解消ですね。
今は、なるべくCDショップには近付かないようにしています。
近付くと福沢諭吉がいなくなるので。市立図書館のCDを制覇しようと企んでいます。

Q42. クラシック売場で、変な人見かけたりしたことありませんか?

私のことですか?

Q43. ヤフーオークションでCD(楽器も可)購入したことあります?

ヤフオクで、バレンボイムのトリスタンとイゾルデのチケット落札したことあります。それから、EWI、つまりElectric Wind Instrument = ウィンドシンセを買いました。

Q44. CD聴きながら何してますか?

いろいろ。ライナー読んでいるのが一番良い状態。ブログ書くときも聞いていますね。

Q45. 図書館などでクラシックCDを借りることはありますか?

借りてますよ。おかげさまでカラヤンのニーベルングの指環を聴くことができました。

Q46. 通販でクラシックCD全集買ったことありますか?

親は買ってましたが、私は買ったことないです。

コンサート編
Q47. 月に何回くらいコンサート(オペラ)に行きますか?場所、ジャンルは?

多くて月に二回、三ヶ月に二回ぐらいのペースでしょうか?
場所で一番多いのは新国立劇場。ジャンルはオペラ。

Q48. お薦めのホールと座席を教えてください。

録音場所で言えば、ドレスデンのルカ教会が好きです。残響が長いほうが好きです。

Q49. オーケストラの定期会員になってますか?または定期的に聴きに行くオケはありますか?どこのオケか、どれくらいの期間聴いているのか教えてください。

オケの定期会員にはなってないですね。いつかも書いたかもしれませんが、小さい頃は、東京に住んだら絶対にN響の定期会員になるのだ! と思っていましたが、実現していません。新国立劇場の友の会の会員にはなってまして、2008年/2009年シーズンの年間チケット買いました(→高すぎて卒倒寸前でしたが)。とうとう3年連続買っています(2010年1月15日追記)

Q50. 忘れられないコンサート(オペラ)ってありますか?あれば一つ二つ挙げてください。

ジュゼッペ・ジャコミーニがピンカートンをやった2007年の新国立劇場での「蝶々夫人」。
カミッラ・ニールントの元帥夫人、エレナ・ツィトコーワのオクタヴィアンできいた2007年の新国立劇場での「ばらの騎士」
→ 年とると涙腺が緩むそうですが、両公演ではなにも悲しい場面などではないのに、演奏中、ずっと涙が止まりませんでした。あんな経験は初めてでした。

イレーネ・テオリンがイゾルデを歌った「トリスタンとイゾルデ」@新国立劇場 2010年 →これは凄かった。辻邦生のいわゆる原初体験をした模様。

アンドレ・プレヴィン&フェリシティ・ロットの「カプリッチョ」最終部をN響で聴いたとき(2009年)→これも涙が止まらなかったです。家庭交響曲も凄かった!

Miscellaneous,Roma2008

昨年の、フィレンツェ、ヴェネツィア旅行では、パスタを何度か食べて、まあそれなりに美味しかったのですが、日本で食べるパスタと余り違いはないな、と思ったりもしました。思い上がりすぎでしょうか。

ところが、ローマで食事を摂った4軒のレストランのうち、2軒はものすごく美味いパスタを出してくれました。ゆで具合も味付けも段違い。うーむ、負けてはいられないと言うことで、自宅でローマのパスタを再現しようと作ってみました。作るのはペペロンチーノですが、私は納豆を入れるのが好きですので(これが絶妙に美味い)、納豆ペペロンチーノが練習台になります。

 

まずは、オリーブオイルを超弱火で暖めながら、スライスしたニンニクを投入。パスタをゆではじめる直前に、唐辛子と納豆を投入。

パスタゆではじめ。煮立った水に塩をいれるのだが、ここで塩をけちると美味しくないので、思いっきり入れてみる(とはいえ、いつも結局少なくて後悔するのですが)。パスタの袋には「7分でアルデンテ」の記載があったけれど、タイマーは5分にセット。5分経ったら、パスタを少しあげて硬さを見る。歯ごたえあるなあ、と思うぐらいで上げてみる。

一番大好きな乳化の瞬間。フライパンを強火にしてオリーブオイルが強く泡立ちはじめたら、パスタのゆで汁を少しずつ注ぐ。すると、油とゆで汁がいい具合に絡まり合う。すかさずパスタを投入。強火でパスタの表皮を柔らかくし、オーリブオイルや塩味をパスタにしみこませる。

できあがり。お皿に盛ってみる。もう少し色合いがあるといいのだけれど。

食後の感想としては、パスタはもう30秒ほどゆでた方が良かったかもしれない。でも、食べられない硬さじゃないのでOK。かなり美味い。いけてます。でも、ローマのパスタの美味さには到底及ばないなあ。まだまだ修業は続く。

今週末は久々にゆっくりと過ごせる休み。今週は仕事が忙しいこともあって、ちょっと疲れているなあ。本当なら辻邦生さんの文学紹介と行きたかったのですが、ちょっと無理かな。色々とやりたいことはあるのですが、なかなか手がつけられませんが、午後は、ちょっと頑張って見ようと思います。

午前中は、ドン・ジョヴァンニを聞いたり、ばらの騎士を聞いたり、ワルキューレを聞いたり。少々散漫な聴き方ですが、たまにはこういうのもいいでしょう。

 

Opera

また、書いた記事を消してしまった。なんだかついてないな。しかも、「クラヲタへの100の質問」の下書きを整形中に……。こちらは明日以降にとっておきます。

今日もドン・ジョヴァンニのお勉強。第一幕まで完了。それにしても、エルヴィラ役のアグネス・バルツァさんがすばらしい。芯のある鋭利ながらも豊かな声です。ツェルリーナを歌うキャスリーン・バトルさん、良いですね。優しげに高い音で転がるような声で、速いパッセージも巧く歌いこなしている(ちょっと厳しいところもありますが)。バトルさんは最近はどうしていらっしゃるのでしょうか。昔、CMに出演されて有名になったことがありますが。ウィキペディアにはこういう記載がありますが、どこまで本当なのか……。

ドン・ジョヴァンニのサミュエル・ラミーさんは少し上品めなドン・ジョヴァンニ。まあ、ドン・ジョヴァンニのペルソナはそういうものなのでしょうけれど。外面上は上品だけれども、後ろにあるのは欲望。いや、これはもう欲望とは言えない。いみじくも歌っているようにまるで空気を求めるように女性を求めている。欲望よりもさらに純化された生きる糧と言っても良いぐらいなのでしょう。ここまで開き直ってくれると、逆に潔ささえ感じますね。こういうドン・ジョヴァンニ的な生き方は私には無理ですが、否定はいたしません。そこまで人間は自律的ではないですよ、おそらくは。だからこそこういうオペラに昇華される機会が生まれるというものです。

今日は久々に会社を早く出て図書館に。ぎりぎり間に合って、ドン・ジョヴァンニの古い録音を借りてきました。いろいろ録音比較して聞くともっと楽しくなりますよね。

今日は、半年後に稼働するシステム設計について打ち合わせ。私の放談状態でして、二時間半イニシアティブをとり続け、考えては喋って、考えては喋って。こういうのは喋っている当人は楽しいものなのですが、若手の女の子にとっては苦痛な二時間半だったようでして、少々悪いことをしてしまいました。ちょっと気をつけないとまずいですね。反省しております。まあ、お喋りを現実に置き換えていくのがシステム開発ですので、ここからが大変なのですが。

Roma2008

レオナルド・ダ・ヴィンチ空港へは、ルフトハンザのエアバス320で90分ほどのフライト。食事をとって、本を読もうとしたら睡魔に襲われいつの間にやら寝込んでしまう。日本ではもう夜中の1時ごろですから。

気がつくと、最終アプローチで、主翼からフラップが引き出されて着陸態勢かと思うとあっという間に着陸。

空港はフィウミチーノというところにあるため、ダ・ヴィンチ空港よりもフィウミチーノ空港と呼ばれることが多いようだ。ちなみに空港をあらわすスリーレターはFCO。羽田は HND、成田はNRTなので、FCOがフィウミチーノ由来であることは間違いなさそう。

ボーディングブリッジをわたって、バゲージクレームへ。ところが、なかなか荷物が出てこない。20分ぐらい足ってようやく荷物がそろい、イタリア鉄道の駅へ向かう。クレジットカードが使える券売機がガイドブックに写真入で載っていたのだが、当の券売機は壊れていて使えず。かわりに、新型のカラー液晶画面を備えた券売機ではクレジットカードで乗車券の購入ができる。

フィウミチーノ空港からローマ中心部のテルミニ駅までは、全席一等車のレオナルド・エクスプレスが走っている。一等車というからどんなものだろう、と思ってみるのだが、そうそうきれいな車両でもないし、座席がすばらしいというわけでもない。ただ、空港からテルミニ駅までがノンストップである、ということぐらい。しかし、疲れている身にとっては早くホテルに着きたいので、ありがたいことこの上ない。

車窓は畑風景から郊外住宅へと変わっていく。マンションがいくつもたっているのだが、決まって窓には遮光シートが張ってある。もう夕方も遅い時間だというのに西日が厳しく赤い光が客席にも差し込んでくる。

テルミニ駅の24番線に到着した列車を降りると緊張感に包まれる。テルミニ駅の治安の悪さは十年前からうわさに聞いていたし、ガイドブックにもそれなりの注意喚起がされているから。だが、夏の盛りのテルミニ駅はまだまだ日差しの下にあって、光があふれている。行き交う人々も、ビジネスマンや若い旅行者達ばかりで、怪しげな雰囲気を持つ男や女を見つけることができないぐらい。少々拍子抜けしながらも、周囲に目配りをしながらあらかじめ地図に穴が開くほど確認したホテルへと急ぐ。

ホテルはテルミニ駅近く、ちょうど北東方面にある共和国広場の近くにあるHotel Giorgiという小さなホテル。中に入ると子供をあやす女と、黒いシャツにネクタイを締めた若い男がにっこり笑う。年配でもう髪の毛が真っ白になっている小太りの男が独り言を言いながら宿帳をめくってくれるのだが、われわれの名前がないようで、別の中国人旅客と間違えたりする。予約が入っていないのか、と少々詰め寄るのだが、子供をあやす女が、「問題ないのよNo problem! 」と言ってくれる。どうやら、予約が入っていなくても泊まれるだけの空き室があったようだ。 黒いシャツの男は、子供をあやす女と夫婦のようなのだが、明るいイタリア人である反面、心のそこでは何を思っているのか分からないようなひんやりとした空気もあわせ持つ男で、われわれを部屋まで案内してくれる。

ロビー階から3階(日本で言えば4階)まで外見が古びたエレベータで昇っていくのだが、実際に動いている機械はあたらしいもののようだ。こうした丸階段の中央部にしつらえられたエレベータはドアを自分達で開け閉めしなければならないのだ。欧州のホテルにはこういった丸階段に設えられたエレベータを良く見かけるが、日本ではついぞ見かけることはない。というのも、欧州の建物は石造であるから、そうそうすぐに立て直されることはなく、内装工事などで建物の快適さを向上させていく。日本の場合は、どんどん建物ごと立て替えていくから、古いエレベータなどぶっ壊されてしまうというところだろう。

3階の客室階に入ると、なにやら新築住宅に入ったときのような甘い匂いが立ち込めている。ボンドの匂いや新しい木材の匂いが入り交ざった匂い。連れが男に「リフォームしたばかり?」とたずねると、男は陽気に首を縦に振る。 二つの部屋を選ばせてくれたのだが、ベッドが少し奥まったところに置かれている316号室をリクエスト。作ったばかりの新しい部屋だ。ベッドも広く快適さはこの上ない。これで机がもう少し広ければいいのだけれど。

気づくと靴を脱いでベッドに転がり込んでいた。これからおおよそ11時間ほど眠りについて旅の疲れを癒すことになる。

つづく

Opera

今日もドン・ジョヴァンニ。

昨日の帰りの電車で、ライナーを見ながらじっくり聞いていたのですが、まるで霧が晴れたようにドン・ジョヴァンニの暖かくもあり涼やかでもある豊潤な世界がぱっと開いてきました。すばらしすぎる! どうして私はこのよさが分からなかったのでしょうか? 聴き方に問題があったということなのでしょうけれど。こういう経験は何度してもうれしいものです。

第1幕第3場でのアンナ役のアンナ・トモワ=シントウさんの声のすばらしさ。トモワ=シントウさんの歌唱には、カラヤン指揮のリヒャルト・のシュトラウス「四つの最後の歌」で聞きなれていたのですが、そのCDのトモワ=シントウさんにはあまり良い印象をもっていなかったのですが、ところが、このドン・ジョヴァンニでの歌ではどうでしょうか! すばらしく力のある豊かにあふれ出る声を披露されているではないですか!

一緒に歌うオッターヴィオ役のエスタ・ヴィンベルイさんも高く透き通ったテノールで、このタイプのテノールを聴いた記憶がなく、とても新鮮ですばらしく思えます。

第5場にエルヴィラ役で登場するアグネス・バルツァさんの歌声もいいのですよ。透徹と凛とした歌声です。バルツァさんの歌は、カラヤン指揮の「ばらの騎士」でオクタヴィアンと歌っているのを聞いたことがあるのですが、なんだか印象がまったく違います。こんなに力のある透明感のある声だったとは。アリアに続くレチタティーヴォの声もすばらしい。ベルリン・フィルハーモニーの上質なリヴァーヴ感に上手く声が乗って心地よいのですよ。

しかし、この第1幕第5場のアリア「ああ! だれが私につげてくれるでしょう」は本当にいいアリアですね。四度進行(あってますか?)で進むところがたまらない。ここだけ繰り返し聞いていたいぐらいです。

モーツァルトのオペラには今までかなり苦手感を持っていたのですが、なんだか壁を乗り越えることができたかもしれません。レチタティーヴォを聞いていても楽しめるようになってきましたし。モーツァルト・オペラは、愉しまないと損ですね! またひとつ勉強になりました。

Opera

先だっての「旧約聖書物語」に 引き続き、「新約聖書物語」を読んでいます。理由はもちろん勉強のためでして、絵画やオペラを愉しむのに必要ではないか、というところから。西洋人は小さ いころから慣れ親しんでいるのでしょうが、私にしてみれば、努力しなければ知ることができません。 今日読んでいるところでは、洗礼者ヨハネがヘロデ王に捕縛される場面が現れました。これは、リヒャルト・シュトラウスの「サロメ」の題材になった話。

そ ういうわけで、本当は「ドン・ジョヴァンニ」を聞かなければならないところ、ちょっと息抜きに、ニーナ・シュテンメさんの歌う「サロメ」の最終部を聞きま した。何度か取り上げたことがありますね。うーむ、すばらしく力強いサロメ。パッパーノの指揮もすごくて、渦巻き混ざり合う音の感じがすばらしいです。こ れで全曲版があればいいのですけれど。

それから、再び「ドン・ジョヴァンニ」に戻りま した。カラヤンの指揮は本当にすっきりと理想的美しさ。弦の美しさは、厚みがあって豊かでありながら、透き通っている感じ。いいですね。1985年、ベル リン・フィルハーモニーでの録音。ベルリン・フィルハーモニーのリヴァーヴ感は程よく控えめで、教会での録音よりも粒がはっきりしています。

私 は、モーツァルトの旋律でも短調の旋律が好きでして、伸びやかで光の感じられる長調のフレーズの中に、急に千切れ雲に太陽が隠れてしまうように短調のフ レーズが入ってくるところがたまらないのです。それから、調性が一瞬ゆれるところも。第16曲、ドン・ジョヴァンニの誘惑の歌、弦のピチカートとマンドリ ンの伴奏なのですが、調性が時折ふっと色を変えるのがすばらしい(絶対音感があれば、具体的に調性を書けるのですが。あるいは譜面を読めればもっと書ける かもしれませんが)。それにしても、トモワ=シントウさんも、バルツァさんのすばらしい歌唱です。こちらについてはまた明日。

帰りの電車では、ようやく、「ドン・ジョヴァンニ」を楽しめるようになって来たかもしれません。やはり、アクティブに関わっていき続けないと音楽はこちらへと振り向いてくれないものですね。