ローマ紀行2008 その9 ヴァチカン美術館(1)
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どうしてローマに来たかったのか? と問われれば、ラファエロを見たかったと答えるしかない。ヴァチカン美術館にはラファエロの後期の作品群が納められている。それからシスティナ礼拝堂にも行かなければならない。ローマに来て、システィナ礼拝堂に行かなかったとなれば、長野に来て蕎麦を食べずに帰るのと同じ。
ところが、ヴァチカン美術館は入場に大変な時間がかかるらしい、とどのガイドブックにも書いてある。日差しのきつい7月のローマで行列に並ぶのは気が滅入る。それに、我々には時間がないのだ。限られた時間でいろいろ回らねばならぬ。そこで、昨年のウフィツィ美術館のように予約ができないものか、といろいろネットで当たってみると、以下のサイトに行き着く。
ヴァチカン美術館は公には個人の予約を受け付けていない。だが、団体客は予約を受け付けている。どんなに個人客が長蛇の列を作っていたとしても、団体客としてなら、行列をパスして入場できるのだ。そこで、このサイトでは、申込者達をひとくくりに団体扱いとしてくれて、入場までさせてくれる。あとは、特にガイドがつくこともなく普通の個人客として自由に見て回ることができるというわけ。ガイド付きの日本語ツアーもあったけれど、制約が多そうなのでやめておいた。
ともかく、指定された集合場所に向かうと、サングラスをかけた太った青年が目印を掲げている。名前を告げて、予約客が集まるのをまつ。集合場所はヴァチカン美術館の正面入り口の向側だったのだが、よく見てみると、あれれ、行列はできていなくて、個人客もスムーズに入場しているではないか……。実はこの予約料金は結構値が張っていて、時間をお金で買うようなイメージだったのだが、なんだか損をした気分。しかし、待たずに着実に入れる、という安心感を買ったと思えばいいか、と考えてみる。
ともかく予定通り14時30分に入場。だが、炎天下のローマを歩き回り、サンピエトロ大聖堂のクーポラにも登ったということもあって少々疲れ気味だが、ここまできてへばっているわけにもいかない。果敢に歩き始める。まずはローマ彫刻だ。
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ローマ初代皇帝アウグストゥスの像。世界史の教科書どおり。帝政ローマの礎を築いたアウグストゥスの偉大さは、言うに及ばず。
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ジュリアス・シーザーの像。なるほど、禿げ上がっているという噂は本当だった。
こうして、ローマのことを思い出すと、塩野七生氏の「ローマ人の物語」に読みふけった幸福感を思い出す。実務的で総体的な国力でローマ世界を構築していった偉大な人々。読むたびに勇気づけられて、凛然として生きようという気にさせられたものだ。その偉人達の像を見るにつけて、再び勇気づけられる感じだ。こうして思い出すだけでも、小さなことにこだわらずに、大きなことをなせ、と言われている気がする。
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